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私の名前は美作麗子。
英徳大学の1年生。花顔柳腰 閨英闈秀 窈窕淑女 国色天香・・・よくそのように言われます。
三条桜子様の再来と言われたプロポーションと、道明寺椿様も驚きの美貌と噂されておりますの。

え?自慢じゃありませんわ。皆様がそう言うのです。


当然ですけれど、大学生になっても毎日のように男性から声を掛けられて大変です。それこそ教授まで・・・特別授業なんて麗子、意味が判りませんわ。


「麗子様、あなたを見ると薔薇を思い浮かべます。近くに素敵な薔薇園があるのですがご一緒に如何ですか?」
「ごきげんよう、龍谷寺さん。ご存じじゃないのかしら・・・美作家は薔薇に囲まれた屋敷ですし、希少品種の薔薇もありますの。我が家が1番素敵な薔薇園と言う事ですわね」

「麗子様、今年の夏は私と地中海にバカンスなど如何ですか?」
「ごきげんよう、九條さん。ごめんなさい・・・大事な方を置いて日本から出るわけにはいきませんの。私とバカンスを過ごせるのはその大事な方だけですわ」

「麗子様、明日は七夕・・・年に1度逢えると言う星伝説とは反対に、僕たちはこれから毎日を共に過ごしませんか?」
「ごきげんよう、城ノ内さん。私はもう素敵な方と毎日同じ時間を過ごしていますの。申し訳ないけれど、あなたの入る余地はございませんわ」

はぁ・・・皆様、ご苦労様ですわ。
私が薔薇を見るのも、バカンスを楽しむのも、毎日同じ時間を過ごすのもお父様以外には考えられません。


私のお父様は美作あきら。
美作商事の若き社長でありながら容姿も抜群・・・紳士で立ち居振る舞いも品が良くて、まだまだお子様な大学生など敵うはずがないのです。
お父様は私の理想・・・どうして親子なのかが悲しくてなりません。

私が娘でなかったら、きっとお父様も私を選んでくれたと思うのです。
あのお母様に比べたら私の方が何倍も・・・いえ、何十倍も、何百倍も女らしいのですもの!

それなのに昨日の夜・・・


『お父様、明日は七夕でしょう?Eガーデンプレイスセンター広場でイベントがあるんですって。映画が楽しめて、笹にお願い事も出来るらしいのです。私にお付き合いくださいません?最後まで楽しんで、その後はデートしましょう?
麗子、この日のために新しい浴衣を買いましたの・・・お父様に見ていただきたくて』

『・・・そうだな。うん、行こうか。でも夜は無理だな』

『どうして?まさか・・・』

『そんな事判ってるだろう?じゃあ明日は恋人気分で待ち合わせよう。12時にその広場で・・・麗子、楽しみにしてるよ』


お父様、麗子は恋人気分ではなく、恋人を希望しているのです・・・ホントに憎たらしいお方!



**



そして7日の12時・・・薄紫色の浴衣を着て待ち合わせの場所に行きました。

流石、人気の場所・・・沢山の恋人達が楽しそうに腕なんて組んじゃって。
あぁっ・・・羨ましい。あの男性は女性をハグしてます・・・こっちの2人は腰を抱き合ってます。
はっ!いけない・・・麗子としたことがはしたない事を💦身を乗り出してまで見てしまうなど、こんな所をお父様に見られたら嫌われちゃう。品良く美しく待ってなきゃ♡


そうしたら近づいてきた男性2人組・・・私の両側に立ってニヤニヤと笑いかけてきました。まぁ、慣れておりますけれど。

「君、すっごく可愛いね!どう?これから俺達とさ・・・」
「友達待ってんの?その友達も美人?それなら丁度いいかも~」

「・・・・・・確かに待っておりますけど、あなた達とは比べものになりませんわ。早めに立ち去られたら?」

「うわっ!お嬢様なの?すっげぇ!なに、その喋り方!」
「あっはは!男待ってんの?それなら俺達の方が強くね?」

「あっ!何をなさるの!」

急に私のか細い腕を掴んで乱暴に引き寄せた男性達・・・慌てて押し返したのですが敵うわけもありません!
でも「麗子、ピンチ!」って思った時、この人達の後ろから声が聞こえました!


「君達・・・彼女に何をしてるんだ?その手を放してもらおうか」


爽やかなスカイブルーのサマーセーターにアイボリーのルーズパンツスタイル・・・そして私がプレゼントしたサングラスを掛けたお父様!なんてタイミングなんでしょう・・・まるで王子様みたいな登場シーンに、麗子感動ですっ!!


「はぁ?!なんだてめぇ!」
「・・・うわっ、何だよ、こいつっ・・・!」

「・・・こんな場所で騒ぎを起こしたくはないが・・・掛かって来るなら来いよ。その代わり覚悟しろよ?」


サングラスをとったお父様の目付きが変わりました・・・なんて格好いいのでしょうっ!!
両手はズボンのポケットに入れていらっしゃるけど隙のない立ち方。それにこの人達を見下ろす鋭い目・・・余裕のある表情といい、少し低めの声といい、お姿だけで完全勝利ですわ!!

そんなお父様を見てこの人達はビビったのかしら、オドオドしながら私の横を離れて、その後ダッシュで逃げていきました。
情けないこと・・・やれやれですわ。


「麗子、大丈夫か?」
「お父様・・・怖かったです!麗子、泣きそう・・・」

「はは、少し遅かったのかな?ごめんな・・・それにしても素敵な浴衣だね。これはしっかり守らないとまた変な男が近寄って来るのかな・・・不味いな」
「お父様ったら・・・でも、ありがとうございます」

「当たり前だろ?俺の大事な麗子なんだから・・・じゃあどうしようか。先ずは・・・映画か?」
「はい♥お父様について行きます!」


えぇ!麗子、何処までもお父様について行きます!
この後は一緒に映画を観て、一緒にデザートを食べて、一緒に並んで歩きました。
最後に向かったのはこの日のために作られた特設の日本庭園・・・そこにある笹にお願い事を書いた短冊を飾るってコーナーでした。
私がお強請りするように見上げたら「書きたいのか?」・・・って、その綺麗な目を細めて言うんです。


「はい・・・こんなの子供っぽいかもしれませんが・・・星に願いを・・・書きたいですわ」
「はは、子供っぽくはないさ。そういう気持ちを持ち続けるのは素敵だよ。じゃ、俺も書こうかな」

「お父様も?はい!ではご一緒に・・・」


私が書いたのは勿論・・・『一生お父様のおそばに居たい』です。
もうこれしか書けません。だってお嫁さんにはなれないのですもの・・・残念ですけれど。

そしてお父様が書いたのは・・・『Possa un bambino allegro essere nato』・・・読めませんわ。
でも、それを書いた後で凄く嬉しそうに笹竹に結ばれましたから、余程素敵な言葉なのでしょう。そういう不思議な所も麗子、大好きです!


ホントに素敵な七夕デートでした。




*****************************




「ただいま~!」
「あっ!お帰り~、あきら。どうだった?映画」

「・・・麗子には内緒だけど途中で寝ちゃったよ」
「ダメじゃん!でも麗子も映画なんて見ないで隣を見てただろうから大丈夫だよ~!」


今日も屋敷の離れでつくしが枝豆とビールの準備して待っていてくれた。
蒸し暑い中、麗子の頼み事とは言え人混みで歩き疲れたからホッとひと息・・・先ずはつくしを抱き締めて軽めのキス。

「やだぁ!暑いじゃん!」って言いながら俺に凭れ掛かるつくしは・・・少し重たくなった。


「今日は蚊取り線香焚いて外で飲んじゃう?」
「つくしはどうするんだ?」

「アルコールフリーなら飲んでもいいんだって!それを一杯だけね」
「そっか!じゃ枝豆とあとは何だ?」

「鶏手羽先の甘辛焼きと柔らかタコのピリ辛和え!つくし自慢のおつまみ、美味しいよぉ~!」
「うわっ!美味そ~!やっぱ夏はこれだよな!」


小さなテーブルにつまみを置いて、つくしと向かいあって乾杯!俺は喉が渇いていたから一気飲みで、つくしはチビチビ飲んでいた。
離れの横にも小さな笹があってつくしが昼間に飾ったんだろう、折り紙で作った輪飾りが風に揺れていた。


見上げれば満天・・・とはいかないが星が見える。
それをつくしと指さしながら織姫星のベガと彦星のアルタイルを探す星巡りの時間・・・結局判らなくて大笑いして終わった。


「そう言えば今日、麗子と短冊書いてきた」
「あら!そうなの?あの子、なんて書いたのかしら・・・またお父さんのお嫁さん?」

「あはは!それは叶わないから書かないだろ?俺には見せてくれなかったなぁ」
「あきらは?なんて書いたの?」

「俺?俺は・・・麗子に判らないようにイタリア語で書いてきた」
「はぁ?あっはは!そりゃ不味いこと書いたのね?」

「いや、『元気な子供が産まれますように』・・・ってさ」
「・・・くすっ、そうか!18年ぶり・・・だもんね!」


そろそろ麗子にも話すかな・・・今年の終わりには家族が増えるって。



Possa un bambino allegro essere nato・・・楽しみだ!




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2019/07/07 (Sun) 18:59 | EDIT | REPLY |   
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2019/07/07 (Sun) 20:38 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは!

あはは!こちらにもコメント、ありがとうございます♥
七夕ですので何か書こうかと思いまして、総ちゃんの陽葵ちゃんVS美作麗子嬢だったんです(笑)
でも何となく気分で麗子ちゃんになりました。

自分でもニヤニヤしながら書いちゃった(笑)

そうですね~!18年ぶりの出産ですから絶対にそこは書かないといけませんね(笑)
美作家に跡取りを~でしょうか?

また思い付いたら書きますね♥

2019/07/07 (Sun) 22:38 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

桜姫様、こんばんは!

まぁ、嬉しいです(笑)
もうすっかり忘れられた美作麗子嬢だと思っていたのに💦

いやいや、こういうキャラは好きです(笑)
そうそう、最強の母が居るのにね(笑)

あきらに枝豆と蚊取り線香・・・実はこう言うのも好きです♥
小さい虫が居るところにあきらくんがーーーっ?!みたいな(笑)


いつか突然、ポーン!と書くと思います。
気長にお待ち下さいね♥コメント、ありがとうございました。

2019/07/07 (Sun) 22:43 | EDIT | REPLY |   
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2019/07/09 (Tue) 11:47 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

雷子様、こんにちは(笑)

もう止めてよ!!名前だけで笑うじゃないですか!!
(しかも似てる?似てなくない?どこ引っ掛けたの?)


いきなりだったでしょ?
自分でも7月6日に「は!明日七夕?」って(トイレで)気が付いた(笑)
で、総ちゃんの陽葵ちゃんとどっちにしようか考えたけど麗子ちゃんになったの。

ほら、あきらもあっちの話で可哀想だから💦
総ちゃんは今月無理だったけど(既に諦めているww)来月にはKeepを予定してるからいいかなって。


うふふ、庶民のあきら、幸せそうでしょ?
(このぐらいでは許してくれないかもしれないけど💦)

今度はいつ書こうかなぁ~♥ワクワク!

2019/07/09 (Tue) 14:27 | EDIT | REPLY |   

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