FC2ブログ

plumeria

plumeria

恐ろしい顔した司、無表情の類・・・そしてお互いに腹を抱えてる俺とあきら。
その組み合わせで向かい合って座り、1度だけ顔を見せたつくしは怯えながら俺達に珈琲を出して、すぐに子供達を避難させている部屋に戻った。

すげぇ重い空気・・・あきらと目を合わせたら司がダンッ!とテーブルを蹴った!


「だから謝ってるじゃねぇか!話そうにも複雑すぎて話せなかったんだよ!」
「ふぅ~ん、でも知ってからかなり日にちが経ってるよね?」

「そうだけどお前等に知らせたら頭に血が上るような事件もあったし、仁美の事も考えると大騒ぎにはしたくなくてさ」
「誰が騒ぐってんだよ!あぁ?!」

「お前だよ、お前!」

「もう騒がないから、牧野がいつ何処で産んだのかから聞こうか。ね、総二郎」


冷静に見えるけど1番怒ってると思われる類のひと言・・・一瞬、その場がシーンとなった。

「・・・うちの両親がつくしを東京から追い出した時、同時に妊娠が判ったらしい。でも俺に何も言わずに呼子に行って、そこであきらと偶然再会した・・・あきらが俺にも言わなかったのはこの時つくしの腹がデカかったって事だ」

「あきらっ・・・てめぇ!」

やっと腹の痛みが治まってきたのに再び立ち上がってあきらに拳を向けようとした司!
俺はあきらを庇い、類は司の腕を掴んで止めた。

「司!それはあいつの頼みであきらのせいじゃない!ここであきらを殴ったらつくしが泣くぞ!」

「・・・くっ!」
「・・・はぁ、それ言われると何も出来ないよね」


「いや、殴られても仕方ないぐらい長いこと牧野を隠したのは事実だ。それについては悪かったって思うけど、牧野の必死な顔見てたら何も言えなくて・・・」


此奴らにはつくしの逃亡先とあきらとの再会後に鎌倉に居たって事しか話していなかった。
だから実はその間に双子を出産し、それが俺の婚約と重なったから精神疾患を患い躁鬱を繰り返したため、子供を美作で養子にしたことを話した。
つくしが正常な状態と躁鬱を繰り返す中で、必死にあきらに双子の事を頼んだと言えば、司も類も黙ってしまった。

その後、時間は掛かったけどつくしの心が戻ってきたから「双子を育てないか」とあきらが話を切り出しても、子供の将来を考えて美作家に残したままにしていたこと。
ただし成長を見たいからとつくしは時々美作家に顔を出していて、たまたま俺が自分の誕生日にここに来て再会した・・・実はその時に見た子供を俺が直感で自分の子供だと思ったと言えば「年末に会った時、騙したな?!」と、再び睨まれた。


「あの時はまだあきらにもつくしにも子供の本当の親の事なんて確かめて無かったんだって!」
「じゃあどうして親子の名乗りをする事になったの?」

「・・・紫音と花音が牧野のストーカーに誘拐されたから・・・それが1月の事だ」

「誘拐?!」
「牧野のストーカー?」


今度はあきらが吉本の話を始めた。
呼子に居たときからつくしの事を想っていた男が美作まで情報を得ようとやってきた時、庭で遊んでいた双子を見てつくしの産んだ子に間違いないと思ったこと。
そして元々あきらとつくしの事を疑っていたそいつが、つくしを自分のものにしようと子供の誘拐を企てたと話したら司の形相が変わった。


「そいつは今、何処に居る!!ムショか!」
「いや、美作のおじさんに頼んでるからその後の事は知らねぇ。でももう2度と現れないと思うから大丈夫だろう」

「でも美作に居て誘拐される?何処よりも安全でしょ、ここ」
「・・・仁美が共犯だからな」

「「はぁ?!」」


2人はさっきから驚きっぱなし・・・いや、無理もねぇけど。

でも、ここまで話したらあきらの嫁さんがもう子供達を育てられないと言って美作を出た事も納得して、子供達にも本当の親がつくしと俺だと話した事にも頷いた。

そして同時に起きた俺の離婚の経緯、それを話すだけで司は頭を抱え込み、類は半分寝そうになっていた。

まぁ、西門の事なんて此奴らにはそんなもの。
つくしの事だと本気になるが、俺の事は然程気にならないようだ。だから説明も半分以下で終わらせた。


「うん・・・判ったようで判んないけど、兎に角子供達は牧野と総二郎が両親だって認めてるんだね?」
「あぁ、やっとな。色々あったけど」

「・・・で、総二郎はこれから家元に牧野の事を話すのか?」
「俺が牧野の事を諦めてないのは知ってるが、再会してここに居ることも、子供が2人も居るなんて親父は知らない。でもお袋にはバレてるし反対もしてねぇようだ。だから今からあいつにもう1回稽古付けて、親父に認めさせるしかねぇな」

「後ろ盾付ければいいじゃん。なんなら花沢の養女にしようか?」
「いや、それは止めておく。それなら美作だって道明寺だって頼もうと思えばいくらでも頼めるだろ?でもそうしたら西門の改革にならねぇんだよ」

「西門の改革?なんだそりゃ」

「そうやって家柄だとか血筋で相手を決める風習を止めたいって事だ。
俺の場合も隠された事件はあったけど結局は家同士が決めていった・・・それを紫音には味あわせたくない。
紫音に将来惚れた女が出来て、その相手が普通の家庭の子であっても人柄で判断してやりたい。その時に『前例がない』って言葉を出したくねぇから、俺がその前例を引き受けようかと思ってさ。離婚も再婚も、普通の家からの嫁入りも俺が前例を作ってやる、そうしたら楽だと思うんだよな」


「父親みたい」って笑ったのは類。
「偉そうに・・・!」って睨んだのは司。
「もうこれで納得したのか?」って疲れた顔のあきら・・・でも、類がそんなあきらに言葉を掛けた。


「嫁さん、どうしてるの?連絡取り合ってないの?」

「いや、今まで2回ほど電話はしてみた。元気・・・じゃないけど落ち着いて生活してるみたいだ」

「・・・辛かったんだろね。あきらは?許してるの?」

「まぁな・・・牧野には申し訳ないけど俺はもう許してるよ。そのうち心の傷が癒えたら迎えに行こうかと思ってる」

「ふぅん・・・ま、お前がそう思うなら行ってやりなよ」


何とか話は終わったか・・・?
それなら3人を呼ぼうかって事で迎えに行ったら、待ちきれなかった双子は急いでリビングに向かって行った。
つくしが心配そうな顔で俺の服の袖を掴むから「大丈夫、全部話した」って言えば、ホッと息を吐いた。



**



「あーっ!あきらパパだぁ!」
「おっ、紫音、風邪引いてないか?」

「あきらパパ!かのんもだっこぉ!」
「うわっ!かのん、お前重くなったなぁ!」

久しぶりって程でもないのにあきらを見ると今でも飛び付いて奪い合う双子。
もう前ほど腹は立たないが、その光景を苦笑いしながら横目で見ていた。

司と類は全部を聞き終わったから、ここでつくしにそれを尋ねることなんてしない。昔みたいにつくしを真ん中に座らせて、からかってばかりだった。


「ねぇ、ママ!今日はみんなでご飯?」
「え?えーと・・・どうするの?」

「司、時間あるの?いつアメリカに帰る?」
「俺は明日の午後の便だ。類は?」
「俺は明後日の朝。じゃ、今日はここに泊まろ?」

「ええっ!泊まるのか!」
「何か文句あるのか?総二郎は西門に帰ったらいいだろ?」
「ええっ!総、帰っちゃうの?」


「・・・どうでもいいけど俺は明日会社だから屋敷に戻るぞ」

「「わあーいっ!今日はお客さんがいっぱーい!」」



この日の夕食はすき焼き。
流石に7人でテーブルを囲むと狭いし喧しいし、すぐに鍋の中は空になるして大騒ぎだった。
つくしは彼奴らに捕まってるから動くのは俺。キッチンとテーブルを何往復したか・・・こんなに働かされるとは思わなかった。

牛肉はつくしチョイスのバラ肉に加え、今日はリブロースまで登場した。
焼き豆腐、しらたき、長ネギ、春菊、しいたけが出てくると司の表情が激変。「これは食えるのか?」って質問に、久しぶりにつくしの拳が炸裂した。
それを見た双子は司に「大丈夫?」「すごい音だったね~」と言いながら、心配なんかせずに髪の毛を弄って遊んでるし。

いつもなら俺に取ってくれと頼む花音も今日は類にお強請りして、俺はそれを睨みつけてあきらに笑われた。


「どれがいいの?花音」
「るいお兄ちゃん、かのんね・・・おとうふとお肉!」

「はいはい。熱いから気をつけな?紫音はどれ?」
「・・・ぼく、自分でがんばる」

「そお?火傷するなよ?」
「・・・・・・やっぱりしらたき・・・」

「なんで俺には言わねぇんだ?」って、すげぇ恐ろしい顔して言う司には全員が黙った。



その後に「お風呂にはいりなさーい!」ってつくしの声で、今度は子供達を誰が風呂に入れるかでジャンケン大会が始まった。
結果、紫音と入るのが司、花音と入るのが類・・・俺とあきらは何故かホッとしていた。

紫音が風呂上がりに「つかさお兄ちゃん、すっごくおおきかったぁ!」って叫んだ時、何故かつくしが「や、止めなさい、紫音!」と真っ赤になってた。
花音が出てきた時には「花音、大丈夫だった?」って聞くつくしに「どう言う意味?」って類が拗ねてやがった。



「それじゃあ。おやすみ!ごゆっくりね」

つくしの風呂上がりは誰にも見せられないから、入る前に挨拶をさせてそのまま自分の部屋に行かせた。


リビングに残ったのは俺達4人だけ。この日の最後は強めの酒を準備して静かに乾杯した。
そして話すことは昔話。馬鹿ばっかりやってた学生時代を久しぶりに思い出しながら時間も忘れて飲んでいた。


「・・・でも、まさかだよね。総二郎だって思わなかったな」
「牧野も自分から苦労する道を選ばなくても・・・マジ、クソ馬鹿だな、あいつ!」

「お前が言うなって!1回泣かせてるんだから」
「いいんじゃないか?今は楽しそうなんだし」


「・・・花音、可愛いよね。花沢花音・・・良くない?」
「類、お前にはやらねぇよ!」

「24歳差・・・いいんじゃねぇか?道明寺花音・・・いい響きだ!」
「馬鹿言うな!司にもやらねぇ!」

「総二郎、それより早く弁護士に相談して西門花音に出来るようにしろって。特別養子縁組の解除は面倒だぞ?」

「・・・・・・判った」





23c173f168bec3301931a8e2569a5839_t.jpg
関連記事
Posted by

Comments 10

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/08/10 (Sat) 13:08 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/08/10 (Sat) 14:47 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは🎵

meimei様 こんばんは!

あっはは!ありがとうございます。
250話にしてここですか?!💦

ははぁ~ん、そうですかぁ~(笑)
いやいや、4人書くのも大変なんですって!私が司君を書けないの、ご存じでしょ?
こう言うのならいいんですが、それ以外だとねぇ💦

怒られちゃいますから。


で、そこ?

そこは詳しく要らないでしょ?(笑)嫌だわ、meimei様ったら♡

2019/08/10 (Sat) 19:54 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんばんは。

そうですね、ダリアです。
珍しくつぼみです~!気が付いたら夏の花っ!
素朴な感じの花がこのお話のイメージだったのですが、本当に毎日探しまくりでした(笑)

それもあと少しです。


あはは!すき焼き💦
イメージ画像は夏の花ですが、お話自体は3月始めなので温かい食事がいいかと思いまして(笑)

類に具を取って貰う花音、可愛いでしょ♡
紫音の「しらたき・・・」も実は好きです♡

まぁ、司君と紫音のお風呂も興味はありますが💦
花音と類君はどうだったんでしょうかね?一緒にバスタブで魚釣りしたのかしら(笑)

そういうのを想像しながら読んでいただくと嬉しいです。

辛い部分が長かったので、ラストのほんわかシーンも少し長めです。
突然事件は起きませんので安心してくださいね♡

いつも温かいコメント、ありがとうございます。

2019/08/10 (Sat) 20:01 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/08/11 (Sun) 14:08 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは!


「つかさお兄ちゃん、あれが食べたーい」
「あれってなんだ?名前で言え!」

「あれ!つかさお兄ちゃんが持ってるヤツに似てるけど細いヤツ~!」
「俺が持ってるけど細いヤツ・・・?」

「や、やめなさい!花音、そんなっ///!」
「・・・えのきか?」

「くすっ、司、案外えのき5本ぐらいだったりして」
「類、そういうお前もじゃないのか?」

「・・・俺は1パック分ぐらいあるよ。失礼だな、あきら」
「いい加減にして!いいから食べましょ、道明寺を・・・はっ!!」

「つくし、お前・・・俺じゃ不満なのかよ!!」


「・・・お前等何の話をしてんだ?どれだ?俺の細いヤツ・・・」


はい、失礼しました~!!

2019/08/11 (Sun) 22:24 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/08/11 (Sun) 22:43 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、やっぱり5本は不味いよね(笑)

15本にします!15本!(爆)

(つかつくさんにバレませんように………)

2019/08/11 (Sun) 22:52 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/08/12 (Mon) 00:46 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、おはようございます・・・。

だってエリンギって考えたけどさ(笑)
ほら、先っぽが開いてるじゃん?

だから・・・やっぱりホワイトアスパラしかないかっ!!(爆)

朝からやめんかいっ!!

2019/08/12 (Mon) 08:08 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply