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「それで西門さん・・・この先はどうするんですか?」

つくしの父親の言葉でまた部屋がシーンとした。
だが、ここまでの説明と同じぐらいこれからの話は気になって当たり前・・・自分達の孫の行く末は心配だろう。


「今後につきまして、実はまだつくしさんの事も子供の事も家元である父には伝えておりません。ただ母は既に知っています」

「え?家元はご存じないのかい?」
「反対だからですか?それじゃ子供はどうなるの?」

「いえ、反対していると言う訳ではありません。先ほどもお話したように私の離婚が成立したのが2月ですから、どうしても少し間を開けないと家族と言うより周りが五月蠅く追求してくるのです。
そしてつくしさんが茶道宗家に入るためにはそれなりの作法が出来なくてはなりません。それを現在稽古してもらっています」

「あはは、全部忘れちゃってねぇ・・・」


「馬鹿だね、この子は!」と、母親は笑っていたがそれもすぐに真剣な顔に戻った。
この人達も司の家でつくしが傷ついた事は知っているから、出来れば普通の家の男に嫁がせたかっただろう。それなのに今度は大企業じゃねぇが茶道家・・・違う意味でややこしさは彼奴らより上かもしれない。

そのうち家元夫人になると考えたらその重責は相当なもの。本当の理由は違うんだが、名家の出である紫でさえ逃げ出したと思ってる両親の不安は計り知れないと思う。


「ご両親の心配は判っているつもりです。
ですが私はつくしさんと再会する事ができ、子供を授かっていた事も知ったのですから、絶対に守っていく覚悟で本日ご挨拶にまいりました。この言葉を信じていただけるまでに時間が掛かることも承知しています。
本意では無かったとは言え、他の女性を一時期でも妻にしていましたので信用出来ないと思われても仕方ありません。
それでもつくしさんを西門に迎えたい・・・どうかお許しください」


この時も紫音と花音が頭を下げる俺に驚いて、遊んでいた手を止めてピタッとくっついてきた。
「そうちゃんパパ、どうしたの?」「なにか悪いことしたの?」なんて小さな声で聞いてくるから、つくしが慌てて自分の方に引き寄せていた。

それを見てクスッと笑ったのはやっぱり母親の方・・・その目は来た時とは全然違う、穏やかなものだった。


「まぁまぁ、可愛らしい呼び方だねぇ・・・そうちゃんパパだって。最近会ったって言う割りには好かれてるんですね、西門さん」
「・・・は?あぁ・・・まぁ、そうなんでしょうか。パパ、とは言えないそうです。まだ同居できないので・・・」

「そうなのかい?ははは!子供というのは面白いねぇ・・・いや、3歳かぁ。可愛らしい年頃だ。懐かしいねぇ・・・」
「美作家は明るくて穏やかな家ですから、子供達も伸び伸びと育ったようです。特に花音は怖い物知らずのお転婆でして、喧嘩の始まりはいつもこいつで・・・」

「あら!つくしみたいな子なの?そんなので西門になんて・・・大丈夫かしら?」


この人達は西門宗家の躾なんて知らない・・・いや、知ったらそんな所に自分達の孫を住まわせようなんて思わないだろう。
この明るくて自由な動きを全部封じ込めてしまうのだから。

俺はそこも改善したかったから、その思いも伝えた。


「確かに自分がこの子達の歳の頃には父親は家元、母親は家元夫人・・・親子でありながら師匠でもありました。こんな風に親に纏わり付くなんて事は一切ありませんでした。
ですがそのせいで私は自分の家を疎ましく思い、兄は茶道を捨てました。だから今後はそうならないために自由な環境を作りたいと思っています。万が一、苦しむほど茶道が嫌なら無理をさせたくはない・・・そう思っています」

「総、本当にそんな事を考えてたの?」

「・・・話してただろ?俺達は茶道家になるために生まれて来たって親から言われ続けたけど、それは本当に息苦しかったんだ。だから紫音が同じ想いを抱いたらちゃんと選ばせてやりたい・・・そう考えてんだ」


最後につくしの父親が仕方ないって感じで笑いながら「2人で頑張りなさい」、そう言ってくれた。
つくしの気持ちは正月に聞いたからと・・・2人で居たら幸せだと言うなら反対できないと言ってくれた。



俺達が玄関を出たのは夕方で、随分日が傾いた頃だった。
「泊まらないのかい」なんて言われたが、何処に泊まれと言うんだ?と言い返しそうになった。「6畳二間しかなくて布団もないけど」なんて平気で言う辺り、流石つくしの両親だと心の中で笑った。


「それじゃあ紫音君、花音ちゃん、また遊びにおいで」
「ドジなママだけど助けてやってね」

「はい!おじいちゃま、おばあちゃま、げんきでね!」
「こんどはお外であそんでもいい?かのん、ままごとセットもってくる!」

「進、仕事頑張ってね。お父さんとお母さんの事、頼んだわよ」
「あぁ、姉ちゃんも西門さんを手放すなよ?嫌われないように磨きかけとかないと・・・少し老けたぞ?」

「くくっ、じゃあ今度は進の彼女を紹介してもらおうか?楽しみにしてるぜ」

「・・・えっ!」
「そんな人が居るんならね!自分こそもう少しお洒落しなさいよ!」


帰る時は賑やかだった。
全員に笑顔があって明るい表情・・・その中で紫音と花音の存在は大きかった。

小さな手を牧野の両親に差し出して抱っこしてもらい、その後には俺とつくしの間に立って手を繋いだ。
「こうしてみるとよく似た家族だねぇ!」と言われた時には柄にもなく胸が熱くなって・・・照れて顔が赤くなった気がする。


今度はいつになるか判らないが、また4人揃って来るからと約束して車に乗り込み東京に戻った。



**



ゴールデンウィークには仕事は入れてなかったから、今日もつくしの所で夜を過ごした。
子供達は遠出のせいで早くからベッドルーム・・・おかげで俺達も早くから2人の時間になっていた。


風呂上がりのボディソープの香りが俺を煽る・・・そしてつくしのトロンとした目も紅潮した頬も堪らなくエロかった。

自分の親に子供を会わせることが出来た安心感がそうさせるのか、今日のつくしはすげぇ甘えん坊だった。
いつもなら照れるキスもつくしの方から強請ってくるし、いつもならもう少し後から動き始める腰も既に浮いてる・・・そして俺の服の中に自分から手を入れてきて素肌に指を這わせてきたりして。


「どうした・・・そんなに可愛いことして」
「・・・ん?くすっ、嬉しかったから・・・かな?」

「嬉しかった?そっか・・・俺は今が嬉しいけど」
「ふふっ、今日の総、格好良かった・・・やっぱり口が上手いなぁ、なんて思ったけど」

「は?本気だったんだけど?で、今も本気・・・明日も休みだから覚悟しろよ?」
「・・・えっ?あっ、やあぁっ!」


つくしの柔らかい胸を荒々しく揉み拉き、白い肌に紅い痕を残し、狂ったようにこいつの唇を奪った。
汗で滑る背中を抱え込み、甘く誘うような香りに酔い痴れ、熱く痺れるようなつくしの中に自分を埋めていった。

優しい声で俺の名前を呼ぶ、それが何かの呪文みたいに俺をこいつの虜にする・・・頭の中が真っ白になって、気が付いたら意識を飛ばしたつくしを抱き締めていた。
それでも離してやれない俺はなんて酷い男だろうって思うけど・・・な。


もう少し・・・きっともう少ししたら俺達の願いは叶う。

この時間が毎日続く日が来る。
それを夢見ながらつくしを抱いて眠りについた。





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2019/08/13 (Tue) 13:05 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは!

そうそう、私も驚いた!こんな所で書いてたなんて(笑)
でもまぁ、超ソフトだったから、プチって言えるほどでもないけど💦

もうすぐ終わるから、もしかしたらこれが最後だったかな?(笑)

よって・・・今日からヤガーを考えています!
待っててね!

2019/08/13 (Tue) 19:33 | EDIT | REPLY |   

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