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ゴールデンウィークが終わって今日からまた大学って日・・・牧野よりも早くに俺を起こすヤツが現れた。

ピヨピヨ~~ピピピピピピピ~♪

「・・・・・・・・・・・・💢」


コンコンコン♪

「類様、おはようございまーす!あっ、おはよう♪キキちゃん!」
「・・・・・・・・・五月蠅い💢」

「あら!ご自分で起きたんですか?凄いですねぇ~、キキちゃん効果ですかね?」


キキちゃん効果?何それ!
牧野は俺に言葉だけの挨拶をしてさっさとキキの所に行き、指に乗せて籠から出して嘴にチュ!ってしてる。
馬鹿じゃないの、インコにモーニングキスなんてして!

全然俺の顔も見やしない・・・いつからインコ付きの使用人になったんだか!そんな牧野を睨みながら顔を洗いに行った。




北海道からヘリで東京に戻った日、母さんも加代も田村もみんな吃驚していた。
『問題児』と『粗忽者』が黄色いセキセイインコ抱えて帰ったんだから無理もない。
しかも牧野がヘリの中でインコを出して遊ぶから、俺の上着に糞されて脱ぐ羽目になり、そのおかげで『問題児』が丸見えだったし。

『あなた達、どうしたの?』なんて母さんは目をまん丸くしてたけど、元々母さんが変な依頼をしたからなのに!


『で、どうだった?楽しかった?思い出は・・・出来たのかしら?』

『類様の黒ちゃんに乗せていただきましたけど、暴走されちゃって大変でした!それにお部屋がひとつしか無くて、どっちがソファーで寝るかって話になって・・・』
『ソ、ソファーで寝たの?!北海道まで行って?!』

『言い争いしてたら睡魔に襲われて寝たよ。所長に言っとかなきゃ次の人が困るんじゃない?』

『・・・すぐに直しておくように連絡しますわ』
『類・・・寝ちゃったの?』


そりゃ寝るだろう・・・どうして人の睡眠でそこまで驚くわけ?

そんな母さんに牧野は「お土産買ってきました~!」って渡すのはいいけど、勿論払ったのは俺。
ルタオの「ドゥーブルフロマージュ」と「黒い恋人」は判るけど、農場から貰ったトウモロコシとジャガイモまで出てきて母さんは呆然としていた。

そして問題のセキセイインコ・・・黄色いから名前はキキ。
実にシンプルで分かり易く、ベタなネーミング。しかもここから牧野の小細工が始まった。


『実は類様がこの迷子のインコをお部屋で飼いたいって言われまして・・・私がお掃除しますから許してあげていただけますか?』

『類が飼いたいの?インコを?』
『まぁ、類様・・・そのように小動物に興味を示されたことなんて今まで無かったのに?』

『・・・・・・可哀想じゃん。誰も飼わないって言うとさ・・・』


卑怯な・・・!

住み込みの使用人がそんな事は言えない、俺が欲しがったようにしてくれってヘリの中で懇願されて、もう少しで泣きそうだったから仕方なく「判った」って答えただけなのに。
本当は牧野が飼いたいのに俺のせいにして!

この後、早速スタンド型の鳥籠を買いに行くと言って、疲れてるのに車を出す羽目になった。


だから俺の部屋の窓際、子宝弁慶草の置いてあるキャビネットの横に黄色いインコが・・・居る。




「やっぱりさ、飼ってみたかったけど五月蠅いからって理由であんたの部屋に移動しない?元々あんたが欲しがったインコなんだから」
「ううん、ここでいいですよ。私の部屋、北向きであんまり日差しが入らないんですもの。お部屋は明るい方がいいじゃないですか」

「・・・そんなの植物じゃないんだから気にしなくてもいいんじゃないの?」
「でもここの方が窓が広くてお庭も見えて、友達の声も聞こえるし」

「友達じゃなくて雀。それに部屋の掃除内容が増えて困るの、あんたじゃないの?」
「その分、類様がキビキビ動けばいいでしょ?」


・・・・・・くそぅ!




************************




大学に行ったら友達になった菜々美から仙道明奈さんの事を聞いた。
ゴールデンウィーク中に英徳大学を退学し、オーストラリアに行ったらしい。海運会社を経営するお父さんの命令で、数年前まで住んでいたそこの会社を彼女が後々引き継ぐから今のうちから移住するんだとか・・・。

変な理由・・・そんな事も必要なのかしらって頭を傾げたけど、今後会わなくなるのならそれでもいいって思って気にしないことにした。


「でもね、本当は違うらしいわよ?」
「え?どういう事?」

「・・・明奈さん、ヤバい男と付き合いがあって、その人が仙道海運に脅迫してきたらしいわ。明奈さんと一緒に居る動画があって、それを世間にバラされたくなかったら、って。
それでご両親が色々調べたら他にも沢山男性がいたらしいの。だから面倒な事にならないうちに日本から出そうと思ったんじゃない?」
「・・・・・・そうなの?は、花沢さんは?」

「類様は彼女の最終ターゲットだったみたいよ?ほら、いつも横に居た2人、あの人達が明奈さんが居なくなった途端に全部話しちゃったのよ。色々と裏でやってたみたいね~!やだやだ!」

「・・・・・・最終ターゲット」


・・・くすっ、ターゲットにするのはいいけど、家での彼を知ったら驚くわよ?
なんて笑ってしまったけど、本当はもう2人の協奏を聴かなくて済むことが嬉しかった。それに大学内で出会うのを恐れなくてもいいんだって思ったら急に背筋が伸びた気がする。


「じゃ。今日も大講義室に行こうか!」
「うん、行こう!」

菜々美と大笑いしながら国文科の校舎に向かった。



そして本格的に語学もスタート。同じ学科の中には既に数カ国語を話せる生徒もいたから出遅れた感じはあった。
特に特待生は全員が一般家庭の子だから外部入試で、当然英語以外は初めて。だけど試験は普通の学生の2倍あるからその分勉強もしなくちゃいけない。

今日も夕方のバイトが終わったら花沢類に家庭教師を頼んだ。


「・・・・・・どうしてドイツ語?フランス語は?」

「明日ドイツ語で自己紹介しなきゃいけないの。質問は教授が直接聞いてくるんだって。聞き取れるかどうかさえ判んないけど」

「フランス語だってそういうの、あるだろ?」
「・・・フランス語はいいの。今度やるから」


いいじゃないの、そんなに怖い顔しなくても。
花沢類と2人の時にあのムズムズしたフランス語は・・・ちょっと、嫌なのよ。ドキドキするって言うか、あの囁くような甘い喋り方が・・・なんて言うのかしら、身体の何処かが痒くなるんだって!

1度花沢類に発音のお手本としてフランス語を聞かせてもらったけど、その時も耳が痒くなって途中から覚えてないし。
だから今日はドイツ語を教えてもらおうと、さっさと教科書を広げた。花沢類はブスッとした顔のまま、プリントを見ながら教授の役をしてくれた。


「Wie heißen Sie?」(名前は?)
「Ich heiße Tsukushi Makino」

「Wo wohnen Sie jetzt?」(住んでる所は?)
「Ich wohne jetzt in Tokyo」

「Was sind Sie von Beruf?」(職業は何?)
「Ich bin Student 」

「そこ違う。女性の場合で答えなきゃ」
「え?あっ、そうか!Ich bin Studentin 、こっち?」

「そう。じゃ次ね、Welche Nationalität sind Sie?」(君の国籍は?)
「Ich bin Japaner」

「だからそこもでしょ?男になりたいの?」
「うわっ!そっかぁ・・・Ich bin Japanerin、こっちね?」

「Welche Sprache sprechen Sie?」(何語が話せるの?)
「Ich spreche Japanisch、und Englisch!」

「Sprechen Sie Franzosich?」(フランス語は話せるの?)
「・・・・・・・・・」

「・・・どうして黙るのさ」
「どうしてそんなにフランス語を話させたいの?!いいじゃん、日本から出ないんだから!」


そう言ったらもっと嫌そうな顔になった。
私の前で片肘ついて、唇だって尖らせて・・・何気に片手で持ってる経済誌、フランスのものだよね?

いやいや、私の第二外国語はドイツ語で、フランス語はおまけだから。私にとってはお菓子に付いてるおもちゃと同じ、そこまで気持ちが入らないのよ!
フランス中心の花沢物産には必要かもしれないけど、日本の花沢家でバイトしてる私にはそこまで重要じゃないと思うのよ?

外国語学科だけど日本でも出来る仕事はあるんだし・・・。
でも、ご機嫌を損ねた家庭教師には甘えてみるのもいいかと思って、いつもとは違う高めの声で話し掛けてみた♡


「Ich möchte gerne einen Verlängerten haben♡」
(珈琲淹れて下さいな♡)

「・・・Pourquoi me demander ? Ne serait-ce pas mieux que tu le fasses toi-même 」
(なんで俺に言うの?自分でやればいいじゃん)


せっかく可愛らしくドイツ語で言ってみたのに、嫌みったらしくフランス語で返したわね?
花沢類のボソボソ感でそれがフランス語だと言う事は判った・・・さっぱり意味が判んなかったけど。




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2019/08/23 (Fri) 06:59 | EDIT | REPLY |   
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Re: タイトルなし

ビオラ様、おはようございます!

そうですね~、やっぱりここはアレしかないでしょう(笑)
ビオラ様も随分前に予想してたヤツですよ(笑)

私は虫除けスプレーの成分にアレルギー反応を起こしたことがあるので使わないんです。
そして虫刺されの痕が黒く残ってしまうので、毎年冬になる頃まで苦労します。

暑さはどうにかなるんですが、蚊だけはイヤだ!って事で、庭にあまり出られません。
でも実は草毟り作業って好きなんですよ(笑)無心になれる時間なんで。


今日の朝、お天気アプリで確認したら、来週から1週間の予想で30度以上の日がありませんでした。

・・・・・・本当に?いや、そんな馬鹿な・・・。

2019/08/23 (Fri) 07:40 | EDIT | REPLY |   

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