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続いて行われたガーデンパーティー。
本当なら新婦側に華やかな友人がいて、新郎と2人で並んで出てきても明るい笑い声が多いのかもしれない。

でもフラワーシャワーをしてくれたのは優紀と真由美ちゃん、桜子と滋さん・・・進とあの3人だけだった。
「歓迎してない訳じゃない」・・・類はそう言ってくれるけど、やっぱりまだまだ厚い壁を感じた。それでも守ってくれる人が居る・・・だから怖くはなかった。


遠い昔の方が苦しかったし怖かった。
だから大好きな人が横に居るなら何にでも耐えられるって思いながらチャペルを出て庭に向かった。


「おめでとう!つくし~!!感動したよぉ~!」

「あっはは!滋さんったらそんなにくっつかないの、苦しいって~!」
「ちょっと滋!つくしが転けたらどうするのさ!」

「おめでとうございます、先輩。まぁまぁお綺麗でしたわ。花沢さんが選んだドレスのおかげですわね」

「ははは・・・フランスまで来てそんな毒吐くの?まぁいいけどさ・・・あんたに褒められるとそれも怖いし」
「ドレスで綺麗な訳じゃない。つくし自身が輝いてるんだから気にすんな」


今日も私に飛び付いて喜んでくれる全身ゴールドで固めた滋さんに、真っ赤なミニドレスで惜しげもなく美脚を晒す桜子。花嫁よりも目立つなって言う常識はこの子達には通用しない。
確かに私よりも数段美人さんだから会場の視線を集めていた。

それに2人とも名家のご令嬢・・・何処かから「なぜこちらのお嬢様にしなかったの?」って声も聞こえたぐらいだ。


だからなのか優紀と進達は近寄っても来ない。
お気楽に隅っこで異国の空気を味わっていた。


「よっ!つくしちゃん化けたじゃん?やっぱ俺にしとけば良かったのに。類より刺激的な人生になる事だけは間違いねぇぞ?」

「馬鹿言わないでよ!これ以上の刺激は要らないっての!」
「総二郎、お前暫く出禁にしようか?」

「結婚しても食事ぐらい誘ってもいいんだろ?俺、もうすぐ日本に戻るからさ」

「さぁ、どうだろ?類のお許しが出るかどうかだわ、美作さん」
「あきら、日本勤務になるの?じゃあ俺達がフランスに異動するからいいよ」


「・・・・・・・・・・・・・・・幸せになれんのかよ」

「・・・・・・なれるに決まってんじゃん。来てくれてありがとう、道明寺」
「司、今日みたいな日にそんな怖い顔やめてくれる?つくしはもう花沢だからね?」

「・・・ふん!」


この人達はいつも通り・・・おちゃらけて巫山戯て揶揄ってばかりで・・・でも、本当はすごく喜んでくれてる。
これからも変わらずに友達で居られる。

少しだけ不機嫌な道明寺と類に挟まれて記念写真を撮って貰った。
勿論このメンバー全員と、進と真由美ちゃんと私達4人の写真も。


花沢のご両親は初めのうち反対していたけれど、今では類が明るくなったからって理由でこの結婚を受け入れてくれている。
ただ、その周辺にいる親族の中にはフランス企業のご令嬢を推していた人や、日本の名家のお嬢様を推していた人も居て複雑な表情を浮かべている。

今日の朝まで中止を願った人も居るとか・・・。
そんな人達にも怯えた目は向けずに終始にこやかに・・・言葉で言うのは簡単だったけど、実際にするのは結構難しかった。

気に入られてないんだと判ってるのに愛想笑い・・・頬の筋肉が引き攣っちゃって桜子に笑われた。


「大丈夫、俺達が幸せになればそのうち判ってくれるから」
「・・・うん、頑張る!」

「頑張らなくていいんだって。自然にしてて?頑張るのは俺だから」
「でも類のために何かしたいよ?」

「・・・じゃあずっと離れないで傍に居てくれること、それが1番嬉しい」



離れないで・・・うん、離れたりしない。
離れられる悲しさを誰よりも知ってるから・・・。




**




「え?つくしを引き取りたい?」
「どうしてですか?あなたは何処のどなた?」

崖の上で声を掛けてきたお爺ちゃんは私たちをすぐ近くに停めていた大きな車に連れて行き、そこで私を引き取りたいと申し出た。

名前は有栖川靖彦・・・親戚でもない他人。
私はその人の事は何も知らない。穏やかそうな表情で身体は小さくて、腰が少し曲がってる・・・初めて見るお爺ちゃんだった。


「牧野さんは事業でトラブルがあって東京を逃げてから私の所で働いてくれていたのです。身体の不自由な私の身の回りの世話と屋敷のことですけどね・・・その時に子供さんの話をいつもされていましたよ。
だから引き取ろうと何度も言ったのですが『子供達は親戚が養ってくれているから』と言われて納得しなかったんですよ」

「養ってるって?冗談じゃないわ!」
「静かにしないか!・・・あなたの身の回りの世話?それが仕事だったんですか?」

「えぇ・・・あとは話し相手ですね。この歳で家族が少ないと話す人が欲しいのですよ・・・小さな孫しか居りませんのでね」

「お孫さん・・・ですか?」

「はい。今年10歳になる子です。つくしちゃんが来てくれたらいい遊び相手になるでしょうし、私は少しでも賑やかな声を聞きたいのでね。ただし引き取るのはつくしちゃんだけです。弟君はそちらでお育て下さい」

「は?姉弟を引き離すんですか?それは・・・」
「何言ってるの!1人でも少ない方がうちは助かるんだよ?!」


「つくしちゃんの荷物の引き取りと色々な手続きは弁護士を向かわせましょう。それで宜しいかな?」

「・・・・・・」
「えぇ、えぇ!つくしを可愛がっていただけるのでしたら喜んで!進はうちの子供同様に可愛がりますから」


気の弱いおじさんはおばさんの言葉に何も言えなかった。
私も進の手を握ったまま今の話を聞いていたけど、何が起きたのかは判らない。ただ私の行き先はおじさんの家からこの有栖川のお爺様の家になったんだって事だけ。

そしてお父さん達はお爺様の家に居たのに私達を助けてはくれなかったんだ・・・そう思ったら悔しかった。


進は私と離れたくないと言って泣きじゃくったけど、1年に1度は会えるという約束をして車を降りた。
おじさんに片手を引かれながら私から遠のく進・・・1人なら本当に可愛がってもらえるんだろうかって幼いながらに思った。


でも、多分大丈夫なんだろう。
おばさんの手には分厚い封筒があったから。
有栖川のお爺様が「これは弟君の養育費です」・・・そんな言葉を出していたから。


お爺様と同じぐらいの歳の運転手さんが「それでは戻りましょうか」、そう言うと車は進達と反対方向に向かって走り出した。
私は車の後部座席に膝立ちして振り向き、進の姿が見えなくなるまで手を振った。


まさかお花を手向けに来たのに別れるだなんて思わなかった・・・天涯孤独になった気がした。



どのぐらい走ったのだろう。
あまりに疲れていたから車の中で寝てしまい、目が覚めた時には全然知らない風景が広がっていて、その前方には大きなお城みたいなお屋敷が見えた。
お屋敷の後ろは森みたいに木が茂っていて何処が区切りなのか判らないほど・・・それ以外に家なんて全然見当たらない。

お店だってあるんだろうか・・・私は辺りをキョロキョロしたけど、森と草原と空しか見えない。


「あれがこれからつくしちゃんが住む儂の家だよ」
「・・・え?あそこ?あんな大きな家に住むの?」

「そうだよ。孫がいるから仲良くしてやっておくれ」
「・・・うん」


車は大きな門を潜って、物語の中でしか見た事もないような豪華な扉の前で停まった。
そこで私は車から降りて、お爺様も運転手さんに支えられて車から降りた。

その時、静かに開いたドア・・・そこから出てきたのは綺麗な顔をした子供だった。


綺麗な茶色い髪に薄い色の瞳。
白い肌に華奢な身体・・・毎日何をして遊んでるんだろうって思うような大人しい雰囲気の、外国の王子様かお姫様みたいな子。
その子が大きなドアから出てきて私達の方に向かって歩いてきた。

風が吹いたらその子の髪がふわりと舞う・・・何処かで鳴く鳥の声が少し不気味だった。


「あれが孫の成瀬鈴音じゃよ。つくしちゃんとは4歳違いかな?」
「りおん?男の子なの?」

「はは・・・女の子じゃよ」




「初めまして。牧野つくしちゃん・・・これから宜しくね」


ニコッと笑った顔は凄く優しくて・・・でも、凄く淋しそうだった。






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Comments 4

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2019/10/03 (Thu) 08:18 | EDIT | REPLY |   
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2019/10/03 (Thu) 09:29 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

コメントありがとうございます。
まだまだ謎が多くてわかりにくいですよね💦

この謎解きは本当にラストで判る部分もあるのでややこしいのですよ💦ほんっとにごめんなさい!
自分でもかなりヤバいと思ってます・・・はい。

現在のご不明点も殆どが・・・最後まで謎かも(笑)

途中で「や~めた!」って思われたらごめんなさいね❤ははは💦

2019/10/03 (Thu) 17:43 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ゆきたろう様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

ホントに面倒なスタートでごめんなさいっ!!
って言うか、最後まで面倒な話になると思うのですが許してくださいっ!!(笑)

私の長編ってややこしいんですよね(笑)
本当に最後まで読んでくださる読者様に感謝です(始まったばかりだけど)

でも、進君はちゃんと彼女が出来てて社会人になってるのでご安心を❤
鈴音ちゃんは・・・この人は最後まで謎の少女かも?

もっと複雑になるので20話ぐらいまでにこんがらがると思います💦
ほんっとにごめんなさいっ!!

2019/10/03 (Thu) 17:47 | EDIT | REPLY |   

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