FC2ブログ

plumeria

plumeria

カーテンの隙間から漏れる日差しで目を覚ました。
身体が重い・・・何処か関節が外れたんじゃないかって思うほど痛い・・・それは昨日の夜のせい。

痛む身体の向きを変えたら、私をこんな風にした類が天使のような顔で寝ていた。
その腕はまだ私を抱え込んで、片足なんて乗せられたまま・・・だからこんなに重かったんだって、ゆっくり彼から抜け出そうとしたけど無理・・・。

私の動きで類まで目を覚まして、すぐに後ろから抱き締められた。


「おはよ・・・何処に行くつもりだったの?」
「何処って・・・起きようと思ったのに類が離してくれないから・・・」

「あはっ、そう言う事?ん~でも・・・もう少しこのままで」
「もうっ・・・毎朝こんなんじゃこの先お仕事に行けないでしょ?ほら、起きようよ・・・」

「もう少し・・・あと5分」


中学生か高校生みたいな事言って、仕方ないなぁって私が我慢。
でも、今日は結婚式の翌日だから類はお休み・・・私も暫くは専業主婦の予定だから慌てることもない。それにここはフランスだけど、類の勤務地は暫くの間日本だから。

式を終えた今日はパリでゆっくりして、明日日本に帰る。
新婚旅行なんて出来ないから、そのうち纏めてお休みが取れたらバカンスに行こうかって話してた。

でも、私は『旅行なんて行かなくてもいい。こうしていつも大好きな人が傍に居てくれたらそれでいい』・・・そう言った。
そうしたら「俺も同じ」って。


『俺、世界一周するぐらいの転勤族になると思うんだよね。それに出張も合わせたら日本に居る方が少ないかも・・・その時は全部ついてきてくれる?だから牧野には仕事をさせられないけど』

『出張にも?それ、公私混同じゃないの?』

『クスッ、そうかも。でも牧野1人を置いて行くなんて出来ないから』


婚約中に類と話した事だ・・・『それじゃあ一生旅行中みたいなもんだね』って笑ったっけ。
この人は淋しい子供時代だったから、もう1人は嫌だと言った。
私は1人じゃなかったけど、淋しさは嫌って言うほど味わった・・・だからその気持ちは凄く判る。


「・・・・・・すぅ・・・」

くすっ、また寝息たててる・・・このまま寝ちゃうんじゃないかしら。


「類、もう5分以上経ったよ?道明寺達どうしたかしら。朝食ちゃんと食べたかな・・・」
「・・・・・・彼奴らの心配なんてしなくても大丈夫。あんたは俺の事だけ考えてて?ほら、一番手が掛かるでしょ?」

「自分でそんな事言わないの。起きるよ・・・・・・痛っ・・・!」
「・・・どうした?」

押さえたのがお腹だったから類も気がついて・・・クスッて笑った後で「ごめんね」ってキス。
それに応えていたら、自然と類の手はまた私を求めてきた。

ダメだって言うのに、もう部屋の中はこんなに明るいのに・・・気が付いたら類を受け入れて、また昨日のように抱かれていた。


でも流石にお腹が空いた!
類が私の中に熱いものを吐き出したと同時に鳴った私のお腹・・・!!色っぽかった彼の顔が急に素になって、そして「プッ!」って噴き出した!

・・・・・・朝一番はあんまり甘くならなかった。
彼は大笑いして私の横に倒れ込み、私は恥ずかしくて真っ赤!「類のバカ!」って枕を投げ付けたけど、それでも類はお腹を抱えて笑っていた。

「先にシャワーしてくる!類は来ないでよ?またくっつくから!」
「え?俺、待っとくの?」

「そう!暫く一緒に入らないから!」
「あっはは!ごめんって!」

「ダメ!許さないっ!」


・・・結局この後バスルームでも類に愛された。



朝食を食べに降りたら、もう全員がこの古城を出ていた。
残された伝言は「また日本で飲もうぜ!」って西門さんの文字・・・それを読んだ後、類を睨んだ。

「もう・・・類のせいだからね?みんなに会えなかったじゃないの!」
「別にいいだろ?2度と会えない訳じゃないんだから。ほら、また飲もうって誘われてるじゃん?」

「そう言う問題じゃないの!」
「くすっ、想像されたら恥ずかしいから?」

「類!!」
「はいはい」


古城でたった2人の朝食・・・でも、もうお昼前。
怒ったり笑ったりしながら、でもとても幸せだった。




**




英徳の入学式には誰も来なかった。
一応おじさんとおばさんにも連絡はしたけど何の返事もない・・・それはそれでいいやって思い、気にしなかった。

会っても笑えないかもしれない・・・それなら1人でいい。
総ての手続きを弁護士さんと2人でやって、お爺様が用意してくれたマンションでの生活が始まった。


学費や寄付金はお爺様が払ってくれたけど、私は資産家の子じゃない。だから友達は出来なかった。
まず始めに聞かれる言葉が「あなたのご両親は?」だったから。
この学園では個人の評価ではなく家が総て・・・そうなんだと判ってからは自分の方から距離を置いて誰とも接触しなかった。


とにかく目立たないように
出しゃばらないように
息を潜めて自分の存在を消して・・・この3年間だけひっそりと暮らしたら自由になれる、そう呟きながら通学した。


そんな時に出会ってしまったF4と呼ばれる4人の男性。学年はひとつ上だった。

道明寺ホールディングスの後継者、道明寺司。
茶道表千家西門流の次期家元、西門総二郎。
美作商事の後継者、美作あきら。

そして私が受験の時にすれ違った人・・・花沢物産の後継者、花沢類。やっぱりこの学園の生徒だった。


「・・・あんた、何処かで会った?」
「やっぱり?何処でだろう・・・私も見覚えがあるんだけど」

「最近じゃない・・・子供の時・・・ん~、思い出せない」
「子供の時なのかな?試験日にもすれ違ったのよ?」

「それは全然覚えてない。もういいや・・・関係無いし」
「は?思い出そうとしないの?!」

「・・・面倒だから」


本当に鈴音に似てる・・・でも有栖川の事は話さないって約束だから何も言わなかった。



日差しを浴びると金色に光って見えるぐらいの優しい髪・・・それに同じ色の瞳はいつも何処を見てるのか判らなかった。
私はその視界に入ってるのかなってドキドキした。
バイオリンが得意だと言う指は長くて細くて綺麗・・・少し骨張った男の人の指に憧れた。時々しか聞けない声に耳が熱くなり、すれ違った時の香りに酔いそうだった。

私の初恋は・・・彼だった。


でも花沢類は人に興味を示さない無感情な人。だから追い掛けても無駄だって・・・この人には私の気持ちは通じないって思った時に惹かれていったのが道明寺だった。

初めのうちは喧嘩ばかり。
私が一般家庭で両親も居ないと知るとその部分を容赦なく攻撃され、私が反抗すると面白がって余計に突っかかってきた。私も道明寺といると罵られてばかりなのに元気が出てきて本来の自分に戻れる気がした。

だから喧嘩しながら距離を縮め、殴ったり蹴ったりってまるで子供みたい。
それでもやがて恋に落ちて・・・そしてあっさり「家」に引き裂かれた。


「道明寺家にあなたは相応しくない」・・・・・・何度か試みた抵抗も虚しく、私達の幼い恋は終わった。


その時に私に手を差し伸べてくれたのが花沢類だった。
相変わらず表情が乏しくて何考えてるのか判らなくて、言葉も少なくて・・・でも、抱き締めてくれた手は凄く温かかった。


「いつから気にしてくれてたの?」
「・・・さぁ、判んない。いつだろ・・・気が付いたらあんたを見てた」

「でも私、道明寺の元カノだよ?」
「・・・関係あるの?俺にはこの先の時間だけでいい」

「私、何も持って無いよ?居るのは弟だけだよ?」
「俺が必要以上に持ってるから丁度良くない?持ち物は要らない・・・牧野だけでいい」

「判りにくい人だよね・・・花沢類って」
「よく言われる。でも牧野が理解してくれればいいけど」

「くすっ、変な人」
「うん、それもよく言われる。けど・・・あんたの事は本気だから」



こうして私達の恋は始まった。





にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
応援、宜しくお願い致します♡
関連記事
Posted by

Comments 4

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/10/07 (Mon) 08:19 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/10/07 (Mon) 08:31 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

ははは💦謎は多い・・・ですかね?でも謎解きは意外と早いと思います。
これだけややこしいのにラストまで引っ張ったら読者様もイライラすると思うので。

はははっ!コメント閉じてすぐかもしれません💦
どんな展開か・・・予想外だとは思うのですが(笑)怒らずに、穏やかに読んでいただけたら(笑)

お約束は「誰も死にません」・・・このぐらいでしょうか。

え?当たり前?申し訳ないッ💦

2019/10/07 (Mon) 11:38 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

あっはは!勿体ないような話じゃないですよ~💦
でも謎が多いので早く進と良く意味が判らないと思います。
ゆっくり書いても判らないかもしれない・・・結構複雑です。

そうですね~・・・なかなか真実を語らないって感じですかね。
嘘つきが多いお話しです(笑)

だからね、このプロローグを信じちゃダメ・・・って言ったら既にこんがらがるかな?

本当に面倒臭い話なんです。
書き始めなのに辻褄が合うかどうかが不安です。

ほんと、どーしましょ💦

2019/10/07 (Mon) 11:43 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply