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修理代に580万円って・・・そんなの国産の新車が買えるじゃないの!

そんな馬鹿なって思ったけど、よく考えたら車体価格が4000万円ならあり得るの?ペーパードライバーの私にはその辺が全然判らなくて、呆然と西門さんの顔を見詰めていた。
そうしたら今度は転職発言・・・話の流れが急すぎて私にはついていけなかった。ってか、西門に勤務ってどういう事?私はお茶の心得は一切ないわよ?

言い返そうにも彼は慌てもせずにそれを決めて、さっさと誰かに修理依頼をしてしまった。
そして私の会社にも彼から手配ってどう言う意味?こう見えても私は総務なんだから退職手続きの仕方ぐらい判るんだけど、いきなり辞めるなんて規定上出来ないのに?!


「じゃあ俺はまた仕事があるから出掛けるわ。あんたのアパートT町だっけ?送ってやるよ」
「いえ!ここが何処だか判らないけど近くのバス停を教えてもらえたらそこからバスで・・・」

「いいって。行くぞ」
「あれ?着物じゃないの?」

「今からは雑誌の取材だから普段の格好でいいんだ。茶道家だからって毎日着物じゃねぇよ」
「雑誌の取材・・・・・・はぁ」


そんな取材を受ける人なのね?
確かにビジュアル的には・・・最高だよね。どんな雑誌だろう・・・想像も出来ない。

西門さんが今の格好のまま立ち上がってドアを開けたから、私は急いで自分の荷物を持って廊下に出た。そして彼が歩く後ろにくっついて、さっき来た方向とは反対側に向かった。
まだこの奥にも廊下があるんだ・・・って感心していたら、今度は大きな玄関に着いて、そこはなんとこの屋敷の裏口らしい。


普通の家の玄関の5倍ぐらいあるのに裏口・・・それなら正面玄関はどのぐらいあるんだろう?


「あっ・・・靴」
「こっち。昨日の夜はここから入ったから」

「・・・・・・ホントにすみません」
「殆ど意識がなかったからな」


汚れてるって判る靴を履いて外に出て、少し歩いたら広いガレージがあった。そこには何台も車があって、西門さんはメタルブルーの車に向かった。
それもピカピカに磨かれた外車・・・あの赤い車も彼のだと言ったけど、これもそうなんだろうか。お値段は・・・いや、聞かない方がいいだろう。


その車の運転席に彼が乗ってエンジンをかけ、私に指で「来い」って合図した。
こんな豪華な車は緊張するなぁ、と本当はイヤだったけど、側まで行って助手席のドアを開けた。


「お邪魔します・・・」
「・・・どうぞ。吐くなよ?」

「・・・むっ・・・飲んでいませんから!」
「くくっ、冗談だ」


うわ・・・ゴージャスな内装にいい香りに極上の笑顔・・・凄い贅沢な気分。
車は外車らしい音を立てて似付かわしくもないお屋敷の裏門から出ていく・・・・・・その時にハッ!とした。


「ごめん!停めてくれる?」
「・・・どうした?忘れ物か?」

「ううん、そうじゃなくて・・・私、この道に見覚えがある・・・あれ?もしかしてここ・・・」

「思い出したのか?」


思い出したのか?って聞いた西門さんがニヤリと笑った。今朝から何度も見た顔なのに、改めてこの光景と一緒に彼を見たら・・・遠い昔を思い出した!

この人、あの時の・・・?!




************************




裏門を出たら牧野はその道に反応を示した。
そりゃそうだろう・・・こいつがガキの頃に住んでいた場所なんだから。

今まで俺の屋敷内で庭の木々しか見えなかったから判らなかっただけで、牧野はこの道を走って新聞配達していたんだ。俺の事は兎も角、この道は覚えてて当然・・・そう思ったけど、同時に俺の顔を睨んだから思い出したのかもしれない。
ニヤリと笑ったらいきなり人差し指を俺に向けて来やがった。


「あーーーっ!!あなた、もしかして?」
「おっ!やっと俺の事も思い出したワケ?久しぶりだなぁ?」

「あの時、公園の花を踏み潰した男の子?」
「・・・まぁな。お前に体当たりされて吹っ飛んだ可哀想なヤツが俺だ」

「うそぉ!私の事を覚えていたの?マジで?!」
「あぁ、執念深い男だからな・・・女に突き飛ばされたのは初めてだったから忘れようにも忘れられなかったんだ。しかもそれだけじゃねぇだろ?この先の交差点で玉子が割れたって大騒ぎしたのも思い出したか?」


そう言うとますます眉を吊り上げて険しい顔をした。どうやらそういう事があったって事は覚えてるんだな?
だが花と玉子の記憶はあって、この西門総二郎の顔を忘れていたのなら・・・それはそれですげぇショックだけど。


「あの時に小石を蹴って玉子を割ったヤツ!」
「人聞きが悪い。確かに蹴ったがそれで割れたんじゃなくて、あんたが荷物を落としたから割れたんだ。最終的には自己責任なのに人のせいにして怒鳴り散らしたのはそっちだ」

「あなたが蹴らなきゃ玉子は割れなかったのよ?!」
「よく言うなぁ、人の愛車を足蹴にしたヤツが!」

「・・・・・・はっ、そ、そうか!」

「あんたが蹴らなきゃ今頃580万出して修理しなくてもよかったんだが?」


牧野の人差し指はここで膝の上に戻った。
そして気不味そうに唇を尖らせたまま、運転席から視線を外し真っ直ぐ前を向いた。くくっ、面白ぇ!


牧野が黙ったから車を発進させ、こいつのアパートがある町に向かった。当然場所は知らないから案内させ、小さなアパートの前で「ここだから」って指さされた。
車を降りたら運転席の方に回り、俺が窓を開けたら変な顔で畏まってる。さっき話した事が気になるんだろうから、明日は普通に出勤して退社手続きをとるように念押しした。


「本当に辞めさせる気?でも・・・私、西門って場所で何するの?」
「それは来たら教えてやる。まぁ、特殊な世界だから難しいかもしれないけど根性がありゃ何とかなるだろ」

「根性・・・なにか技術が要るの?お茶なんて点てられないわよ?」
「あんたが点てる必要はねぇだろ?それよか体力が必要だからよく寝てよく食っとけ」

「は?体力・・・お掃除とかするの?」
「そんなのは使用人が山ほどいるから心配すんな。まぁ、いいからいいから!楽しく働いて580万稼ごうぜ?」

「・・・・・・全然楽しく無さそうだけど」
「ははっ!かもな!」




********************




アパートの部屋に入るなり脱力・・・自分のベッドにダイブして昨日からの事を思い返していた。

高田先輩と杉本さんに裏切られ激怒して深酒、酔っ払った挙句に西門さんの愛車を蹴り飛ばす。
急性アルコール中毒になって点滴をされたのが西門さんの家で、次の日起きたら豪華な檜湯に入る。
美味しいご飯を食べて彼に濃厚なキスまでもらい、ついでに強制的に転職させられる・・・その西門さんがあの時の男の子。


「はぁ・・・ダメだ、全然ついていけない。そもそもどんな人なの?西門総二郎って・・・」

ここでムクッと起き上がりスマホで検索してみた。
そうしたら、なんと彼の素性・素行が事細かく書いてあった。


茶道表千家西門流現家元の次男で、家督相続を放棄して家を飛び出した長男に代わって次期家元に就任。
英徳学園から英徳大学史学部卒業で成績優勝、武芸に長けてて剣道五段、弓道七段。昨年は伝統文化を引き継ぐ若者として国を代表して渡米し、アメリカで茶道を披露・・・・・・他にも褒め称える内容がびっしり!

ついでに女性関係のネタもびっしり・・・これは無理ないのかもしれないけど、少し読んだだけでクラクラした。

その中でも目を惹くのが画像。
メディアにも出てるらしくて格好いい画像が沢山・・・気が付いたら文字よりもその画像に見惚れていた。


うん、見るだけなら・・・ね。




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Comments 6

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2019/09/07 (Sat) 13:43 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/07 (Sat) 17:28 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは!

西門家は・・・って言うより総ちゃんは優しくないかもしれませんよ?
有休消化なんてさせるかしら?(笑)

あっ、そう言えば有休消化って上長が認めなければダメなんですよね。
私は全部消化して辞めましたが、その後に後輩が急に辞めるって言ったんですよ。
そうしたら上司と少し揉めたらしく「有休は認めません」って言われたようです。

泣き付いてきたので相談には乗りましたが「上長が認めれば取得可能」ってことらしく、絶対に取れるものではないのだと知りました。

怖いわ~💦上長と喧嘩して辞めたら取れないなんて💦

2019/09/07 (Sat) 21:05 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは🎵

meimei様 こんばんは。

ははは!そこは妄想の世界ですよっ!
私なんて昨日の事も覚えていません!キリッ!

でも凄く印象に残ってることは覚えてますよ?そうですね・・・3歳の時ぐらいの時に兄と大喧嘩して怪我したこととか覚えてます。
怖い思いをしたことは意外と記憶にあります。

木登りして降りられなくて泣いたとか(笑)←花音か!!


いやいや、総ちゃんの記憶力が良いのですよ。
そう言う事にしましょう💦

2019/09/07 (Sat) 21:10 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/07 (Sat) 22:28 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。


そうそう!スマホ見ながら涎垂らしてるつくしちゃんですよ(笑)

顔だけ見たらね・・・って、今度から毎日至近距離で見ることになるのにね♡
生総ちゃんですよ?羨ましいですよね~♡

毎日命令形で指図されたいわ♡何でも言うこと聞いちゃいますよねっ!


・・・・・・いや、私にMの気はなかった。

2019/09/08 (Sun) 00:48 | EDIT | REPLY |   

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