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ザザ・・・・・・ザザ・・・ザザ・・・・・・
      ザザ・・・・ザ・・ザザ・・・・・・・・・ザザ・・・・・・


波の音だけが耳に届く。
相変わらず繋がれた手・・・そこが凄く熱くて指先に意識が集中する。

たまに触れる腕も、少し風の向きが変わると触れる髪にもドキドキする・・・・・・相手は牧野なのに。


横を見ることが出来なくて真っ直ぐ前だけを見ながら歩いていた。
もうすっかり陽は落ちて辺りは暗いんだけど、俺達みたいに出歩いてる人達は結構いたりして危なくはない・・・けど、2人っきりにもなれない。

いや、ならなくてもいいんだけど・・・。


「あっ・・・」って砂に足を取られて牧野が蹌踉めいて、俺は慌てて両手で抱き留めた。
そうしたら少し照れながら「ありがと」って・・・そんなに可愛い謝り方、いつどこで誰に教わったんだ?!今までだったら『花沢類が引っ張るから転けちゃったじゃん!』って人のせいにして怒ってなかったっけ?

サンダルに砂が入ったって俺に寄り掛かって砂を退けてる・・・その時に前屈みになるから少しだけど谷間が・・・見えた。


ヤバっ・・・!それは反則だよね?
もしかしたらわざと見せた?湯布院でだって隠れてお風呂に入ったクセに外国に来たら大胆になったってこと?それに腕を身体に寄せたらもっと強調されるのに、そんなポーズを・・・・・・するの?


「ふぅ・・・やっと砂が取れた。ねぇ、花沢類・・・砂浜じゃない所ってある?」
「砂浜じゃないところ?えっと・・・あぁ、あそこに桟橋があるけど行ってみる?」

「・・・誰も居ない?」
「・・・・・・誰も居ないみたい・・・だけど」


誰かが居たらダメなの?それって2人がいいって言ってるのと同じだよね?
牧野はもう1度俺の手を握って、さっきみたいに微笑みながらくっついてきた。だからそのままゆっくり歩いて桟橋に・・・2人だけの桟橋に向かった。


街の方からの灯りと月で波がキラキラと光る。
牧野はそれを「綺麗ね・・・」なんていいながら眺めてる。見上げたら結構星が見えててそっちも綺麗・・・牧野に「見上げてごらん」って言うと髪を靡かせて夜空を見上げた。

薄暗い中で牧野の白い肌が浮かび上がって、空を見上げてる彼女のデコルテラインに目が行った。
こんなに細い肩だったんだ、って今更ながら華奢な身体に驚いたりして・・・少し風が強く吹くとスカートがヒラヒラ舞い上がって俺の方が焦った。

誰も居ないよな・・・って、牧野が気にしてないのに周囲を確認。


「花沢類、あの星、赤くない?」
「どれ?あぁ・・・あれは蠍座のアンタレス。日本だともう少し低い位置に見えるんだけどね」

「凄い、星座に詳しいの?素敵ね、花沢類」
「・・・・・・そお?いや、全部知ってるわけじゃなくてアンタレスは有名な星だからさ・・・」


待て待て・・・俺に「素敵」って言葉がでる?
驚いて牧野を見下ろしたら、大きな目を真っ直ぐ俺に向けている彼女と目が合った。

吸い込まれそうな黒い瞳・・・ヤバいぐらい俺の心臓が鳴り始めた。今・・・多分そういう「チャンス」・・・だよね?
これは自然な流れであって、俺は逆らわなくていいんだよね?


「牧野・・・・・・」
「・・・花沢類・・・」


牧野の頬に手を添えてゆっくり顔を近づけた。
牧野も目を閉じた・・・うん、そう言う事だよね。まだなにひとつ言葉を出してないのにいきなりか?って気もするけど、お互いに望んでるって事でいいんだよね。


言葉は後からでもいい・・・今、この瞬間、正直になれば・・・・・・って思った時だ。


急に強い風が沖の方から吹いてきて、牧野のドレスをバサッ!と捲り上げた!
それに驚いて頬に当てていた手を外してスカートを押さえ、牧野に近づけていた顔は彼女のお腹の辺りに・・・!牧野も俺の行動に驚いて体勢を崩し、桟橋の端に立っていたからそのまま後ろに・・・!!


「えっ?はっ・・・きゃああああぁーっ!!
「牧野っ?!」

ザッバーーーン!!


「きゃああぁーっ!助けてっ・・・!誰か助けてぇ!」
「牧野!」

「わ、私、泳げないんだって!はっ、はな・・・ぶはっ・・・は、花沢類、助けてぇーっ!!」
「今行く!」


海に落ちた牧野を助けようと飛び込んで、凄い形相でしがみついてくるのを抱きかかえた!
「死んじゃう~!!」って叫んで大暴れして、俺の頭を何回殴った事か!「死なせないから落ち着け!」って言うと泣き声みたいなのが聞こえたけど、夜の海の中だからホントに泣いてるかなんて判らない。

そのまま岸に向かって泳いで、足が着くところまで来たらゼイゼイ言いながら牧野を引き摺って砂浜に戻った・・・。


「はぁはぁ・・・はぁはぁ・・・んぐっ、はぁ・・・ま、きの・・・大丈夫?」
「・・・・・・ゴホッ!はぁはぁ・・・助かったぁ・・・・・・」


2人ともが波打ち際でぐったり・・・近くを散歩していた人に「大丈夫かい?」と声を掛けられたけど返事すら出来なかった。


「ちょっとーっ!どうして海に突き落とすのよ!」
「はぁ?突き落とした訳じゃないじゃん!あんたのスカートが舞い上がったから!」

「えっ!花沢類、私のスカートの中、見たの?!」
「見てないよ!そうじゃなくて見えそうだったから隠したんだって!」

「大体なんでこんな所に居るのよーっ!髪が海水でベトベトじゃん!もーーーーっ!!」
「あんたが暑いって言うから海に来たんだろ?その気だったのは牧野だよ?!」

「うっそ!私は昼間の海で泳ぎたかったのに~!暗いのに海に来ても怖いだけじゃん!」

「・・・・・・・・・」


・・・・・・いつもの牧野だ。

さっきまでの牧野は何だったんだ?・・・でも、この勢いが本当の牧野だって思うと可笑しくなって、プッ!と噴き出したらもっと怒り出した。


「こんなびしょびしょで歩けない~!」
「はいはい、おんぶしたらいいんでしょ?背中に乗りな」

「ホント?別荘までだよ?花沢類、大丈夫?砂浜だよ?」
「平気だよ、あんた軽いし。ほら、帰るよ」

「うわぁ~~い!」



何だかホッとしたような、残念のような・・・もう少し風が吹くのが遅かったら良かったのにって思ったのは本当。

そして別荘に帰ったら、ずぶ濡れの俺達を見て母さんが呆れていた。


「あなた達、こんな時間に何してたの?どうして濡れてるの?まさか・・・泳いだの?」

「申し訳ありません、奥様。散歩してたら海に落っこちちゃいました・・・類様に助けていただいて・・・ックシュ!」
「・・・そう言う事・・・ックシュ!」



「・・・シャワーしたら早く寝なさい」

「「はーい・・・ックシュ!」」






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Comments 4

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2019/09/13 (Fri) 01:19 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/13 (Fri) 07:50 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんばんは。

あはは!だってぇ~💦まだ告白してないんだもん!
だからビーチでは何も出来ないじゃないですか?ね?

それならここはやっぱり泳ぐしかないでしょう?海だもん(笑)


うんうん、類のおんぶは似合いそうだよね~♡

だからね・・・初めてのR無しのお話しって事も考えられるのよ(笑)
出来ないでしょ、この2人だと💦💦

2019/09/13 (Fri) 20:00 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

ホントですよね💦匂いだけでこの効果・・・ヤバい薬ですよ(笑)
類ママ、何処から持って来たんでしょうか💦非合法だったらどうしましょ!

記憶はなくなっても、ベッドで一緒にお目覚めしたら意識すると思ったんでしょうかね?

でも、ママさんの完敗ですよね~。
こうなったら最後はアレしかないのかも?

2019/09/13 (Fri) 20:08 | EDIT | REPLY |   

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