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パーティー会場に入って数十分、奥様は楽しそうに色んな人と話してる。

確か私に同行しろって言った時、お友達がいないから私に話し相手になってくれって言わなかったっけ?それなのに私が誰とも話せなくて壁の花になってるのは何故?
しかも花沢類も誰か判らないおばちゃんやおじちゃんに捕まってるし。

この人も来る予定じゃなかったのに付いてきて何故か忙しそう・・・時々困った顔して私を見るけど、どうしようもないから放っておいた。


せっかく可愛くしたのになぁ・・・。
花沢類、まだ私にひと言もその言葉を言ってくれてない。
もしかしたら似合わないって本気で思ってんのかな。私には使用人の制服の方が似合うって・・・思ってんのかな。

1人ポツンと立ったまま、すぐ近くの窓硝子に映った自分を見てみた。
うん、見るだけならお嬢様。クルンと巻いた髪を触ってそこに映ってる自分に軽く笑ってみる・・・そうしたら私の後ろに花沢類の姿が映ってた。

そこに近づく綺麗なドレス・・・ハッとして会場内に視線を戻した。


少し前に私を睨んでいた女の子が、今度は赤い顔して両親だと思う人と一緒に花沢類のところに行く。その蕩けそうな表情はさっきと全然違うじゃない?
威張ったような態度で顔を背ける時は素早かったのに、どうして花沢類の前に行ったらそんなにモジモジすんの?

彼の方はそのお嬢様を見ずに、その子の両親の方に顔を向けてる。
それには少しホッとするけど、私の足は動かない。

・・・ううん、動けない。呼ばれない限り、彼の側に行く理由なんて・・・ないもん。



なんだか面白くない・・・花沢類の前に知らない女の子が居るのを見るのが嫌で、私は会場の外に足を向けた。
廊下で少しだけ気分転換しよう、ただそれだけだった。

会場出た廊下を少し歩くとエレベーターホールがあって、そこには歓談用のソファーなんかも並んでた。そして大きな窓もある・・・私はそこから外の景色でも見るかとトボトボ歩いていた。
ふと見ると豪華なエレベーターの扉の上、昇降ランプが上方向に動いてる。もう少しでこの階だけど、誰か降りてきたりして・・・なんて考えながらそこを通過しようとしたら、本当にエレベーターが止まったみたい。


その扉が静かに開いて、降りてきた人は・・・・・・西門さん?!


今日もバッチリキメている黒髪の彼と、扉が開いた瞬間に目が合った。しかも隣には凄い美人が彼の腕にぶら下がるようにくっついてる・・・ついでにその彼女にも思いっきり睨まれた。


「うそっ!西門さん?」

「おっ?!つくしちゃん?あぁ、もしかして創立記念パーティーに来てんのか?」
「ねぇ、どうして東京に居るの?」

「は?どうしてって・・・俺は親父の名代で来たんだけど?」
「だって夏休みは京都の禅寺で修行中じゃなかったの?」

「・・・・・・・・・修行?」


あれ?西門さんが「ん~~~」って頭を抱え込んじゃった。
しかも一緒の女の子はまだ私を睨んでるし・・・。

暫く考え込んでた西門さんは女の子の耳元にキスするみたいに唇を寄せて「ロビーで待ってな」って囁いて、真っ赤になった女の子は素直にエレベーターに乗ってロビーに向かった。
その時の彼の仕草は私が見てても恥ずかしいぐらい・・・でも、凄く女の子に優しかった。


「・・・ごめんなさい。私が声を掛けたから?」
「いや、別に構わねぇよ。どうせ親父に頼まれただけだから、顔だけ見せたら帰ろうと思ってたし。それに今の子はそう言う立場の女じゃねぇし、長いこと中で過ごす気なんて初めから無かったんだ。それより座ろうか?気疲れしたんだろ?」

「・・・うん。でも彼女、待ってるんじゃない?」
「気にすんな。ロビーでスマホでも弄くってるだろ」


確かに西門さんはタキシードじゃなかった。
勿論フォーマルスーツだったけど、その格好で他のお店でデートしてもおかしくない感じ・・・これから何処かでさっきの女の子と食事でもするんだろうか。

彼はそんなに気にして無さそうだったのに、私だけが眉を顰めてソファーに向かう・・・そして西門さんと並んで座って、やっぱりドキドキしていた。


「・・・つくしちゃん、すげぇ綺麗にしたんだな。一瞬誰だか判んなかった」
「え?あはは!そお?奥様がね、ドレス作ってくれたの」

「へぇ、流石おばさん!似合うヤツ選んでもらったじゃん」
「似合う?・・・そう、かな・・・似合ってるのかな」

「は?類だってそう言っただろ?って言うか、あいつ来てんの?」
「うん、中に居るよ。奥様と一緒に色んな人に挨拶してる」


西門さん・・・似合うって言ってくれた。
たとえそれがお世辞でも似合うって・・・綺麗だって言ってくれた。それが嬉しかったのに・・・悲しかった。
だって花沢類は言わなかった。驚いてたみたいだけど・・・何にも言わなかったんだもん。

はぁっ、て溜息ついて顔をあげたら、逆に西門さんは少し怖い顔をしていた。


「どうしたの?西門さん・・・私、変な事言った?」
「いや、許せねぇと思っただけ」

「許せない?誰を?」
「決まってるだろう。類のことだ」

「・・・は?」


花沢類の事・・・?
どうして西門さんが今の話で花沢類を許せないの?
驚いて彼の目を見ると、彼も私の目をジッと見つめていた。その真剣な表情にさっきよりも心臓が五月蠅くなって、身体の中が熱くなる気がした。

やだ・・・どうしちゃったの?西門さん、どうしてそんな目で見るの?


「あ、あのさ・・・花沢類が何かしたの?でも、夏休みは会ってないよね?あぁ!幼馴染みの大親友だから話さなくても考えてることが判るの?花沢類がそんな事言ってたけど」

「・・・いや、俺は類の考えてることなんてさっぱり判んねぇ。こんな慣れない場所につくしちゃんを連れて来てんのに放置するなんてな。俺なら何があっても側から離さねぇけど・・・そう思ったら許せなくなっただけ・・・」

「・・・はい?えーと・・・それでどうして西門さんが許せなくなるの?」

「つくしちゃん・・・もしかしたら類に何も言われなかったんじゃないのか?綺麗だとか・・・可愛いとか、そんな姿を誰にも見せたくないとか、俺だけに見せてればいいとか」

「えっ?う、うん、確かにひと言も・・・ひと言も言われてないけど、私達、そんなんじゃないし・・・」

「この姿見ても抱き締めてくれなかったのか?似合ってるって・・・キスもしてもらえなかったのか?」

「だっ、だからっ・・・わ、わた・・・私達はご主人様と使用人だから!」


ちょっと待って!!
なんで私が思ってた事を西門さんに言われなきゃいけないのーっ?!



どうしてバレたんだろ?私の顔に書いてあった?そんなに僻みっぽい表情だった?
ヤバい・・・頑張って笑顔にしたつもりなのに、逆に怖い顔になってたとか?

自分のほっぺたを両手で抱え込んで、カチコチの表情筋をほぐしてたら、西門さんが私の腕にそっと触れてきた。


「に、西門さん?あの・・・」

「喋らなくていい・・・そのままにしてな」


そしてどんどん近づく顔・・・もしかして、私は目を瞑らないといけない・・・・・・とか?




********************




何処の誰だか判らない親子に捕まってた時、牧野が淋しそうに会場から出ていくのを見た。
トイレかもって思うから追い掛けたりはしないけど、数分しても帰って来ない・・・だから気になって親子を無視して廊下に出てみた。

でも、トイレから誰も戻って来る気配はない。
辺りを見てもあのドレスは見当たらない。何処に行ったんだろうと暫くその場で待っていたけど、何故か嫌な予感がする・・・まさか1人で帰ろうとしたとか?そんな気がしてエレベーターホールに向かった。


「・・・・・・あれ?」

そこで目に飛び込んできたのは見覚えのある水色のカクテルドレス、その隣にはスーツ姿の男?
それは窓辺にあるソファーに座った牧野と・・・・・・総二郎?!

総二郎が牧野の腕を掴んで引き寄せようとしてる場面だった。牧野も抵抗なんてしていない・・・どうしてそうなるんだ?!
その光景に驚いて歩を早めて近寄り、その足音に気が付いて2人同時に視線を俺に向けた。


「牧野、何してるの?・・それに総二郎、その手を離せ!」

「は、花沢類?!」
「なんだ、来ちゃったのか?もう少し待ってくれりゃ良かったのに」

「・・・どう言う意味さ」

「別に・・・さて、それじゃ俺は帰ろうかなぁ~」


総二郎は牧野の腕を離したら、ニヤリと笑ってソファーから立ち上がり、わざと俺の真横を通り過ぎようとした。
腕がぶつかるぐらい近づいたその時に囁かれた一言・・・


「早く京都の禅寺に戻らなきゃいけねぇんだろ?俺、修行中みたいだからさ」
「・・・・・・・・・・・・」

「その様子じゃ遊覧ヘリも楽しいだけで終わったな?・・・この馬鹿野郎!」
「・・・・・・・・・・・・」


そう言えばそんな事言ったっけ・・・って振り向いたら、後ろ向きのまま片手をヒラヒラさせてエレベーターに乗ってく総二郎。
会場にも入らずに何しに来たんだ?


目の前には総二郎に掴まれてた腕をあげたままの牧野がキョトンとしたまま座ってる。

「あんた、今、目を閉じようとしてたでしょ?」
「・・・はっ!してない、してない!!」




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2019/09/21 (Sat) 07:38 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

総ちゃん登場しましたね♡
ふふふ、これだけで済むかどうか(笑)類ママ、会場の何処かでニヤニヤしてると思います♡

お目覚めは近いと思いますが・・・もう暫くパーティーシーンは続きます。
今度は誰かな?って1人しかいないじゃん💦・・・ですよね?(笑)

おかしいなぁ?
9月初めに終わる予定だったのに・・・。

なんでもうすぐ10月なんだろう(笑)

2019/09/21 (Sat) 11:23 | EDIT | REPLY |   

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