FC2ブログ

plumeria

plumeria

会場に戻る途中の花沢類の不機嫌なこと。
怖い顔して俯いて、あれからひと言だって喋らない。

私の少し前を歩いてるけど私達の間は2メートルの距離がある・・・さっきの西門さんでさえ30㎝ぐらいまで顔が近づいたって言うのに。
・・・って言うか、西門さん、何だったのかしら?

私が会場に入る前にもう1度彼が降りて行ったエレベーターを見たら、花沢類が右腕を掴んで引っ張った!


「うわっ!痛いっ・・・なにすんの?」
「余所見し過ぎ!そんなだから総二郎に・・・」

「西門さんに?」
「・・・・・・いや、何でもない。あいつ、何か言ってた?(まさかヘリのことがバレたとかないよね?)」

「・・・ううん、別に何も言わないよ。でも西門さんは私の事、可愛いって・・・綺麗にしたんだねって褒めてくれたけど」

「・・・・・・・・・あいつ、誰にでも言うんだよ」
「でも嬉しかったもん」


花沢類がまた怒ったような顔になった。
私もつい西門さんの名前を強調した。だって・・・だって・・・!

だってのその次を話そうとした時に、彼の後ろの方から奥様がこっちに向かってくるのが見えた。さっきまでニコニコしていたのに何故か真面目な顔・・・不味い、話し相手をサボったって怒られるのかしら?!
私が困った顔を見せたから花沢類も振り向いて、奥様が近づいてくる事に気が付いた。


「やだわ、2人とも何処に行ってたの?」

「申し訳ありません!少し気分を変えたくて廊下に・・・私、誰も知らないのでどうしていいか判らなくて」
「・・・気疲れしたみたいだよ。だから言ったじゃん、こんな場所に牧野を連れて来ない方がいいって」

「あら、退屈だったかしら。でも、もう少し類と一緒にご挨拶したい方もいるし、そのあいだ誰かとお話し出来たらいいのに・・・」

「今、西門さんが来たんですけど帰っちゃったみたいで・・・」
「総二郎が来るって知ってたの?教えてくれれば良かったのに」

「・・・・・・総二郎君?」


今度は奥様が「ん~~~~?」って悩み出した。西門さんがここに来たらおかしかったのかしら?
その不思議そうな顔もすぐに元の美魔女顔に戻って、嫌がる花沢類を引っ張って「すぐに戻るわ~」って会場の奥に入って行った。

よく判らない親子・・・また私は1人ぼっちになった。




「あれ・・・今日はゲストなんだ?」

不意に左側から声がしたから顔を向けると・・・今度そこに居たのは美作さん?!

彼は3月末と同じようにタキシードでバッチリ決めていて、すごく優しい笑顔・・・西門さんに比べてちょっと安心する。

初めて見た時から感じていたけど穏やかで物腰が柔らかくてエレガントで知的。ホントにこの人が年上しかダメなのかって疑うぐらい、私には優しい顔をしてくれるから急に顔が火照った。
そのニコって笑って首を傾けるのも反則!マネして首を傾けてみたけど、私がやるとぎこちなくて動きの悪い人形みたい・・・。


「今日はすごく可愛くしてるんだね。類のお供で来たの?これも業務な訳?」
「は?い、いえ!今日はおば様のお供で来ました。話す相手が欲しいからって言われたんですが、どうも話せる人は沢山居るみたいで・・・私がポツンとしちゃったんです」

「・・・おば様?そう呼んでるの?」
「会場内ではそう呼ぶようにって。言葉遣いも気を付けなきゃでしょ?もう疲れちゃって・・・」

「あっはは!で、類は?」
「あそこでおば様とそのお友達に捕まってます。あの人も初めは来ないって言ったクセに付いてきたらあんな事に・・・」

「来ないって言ったの?」
「うふふ、こう言う場所が苦手なんでしょ?ご機嫌斜めのままですから」


美作さんは面白そうにシニア層に捕まってる花沢類を見ていて、そのうち肩を振るわせて笑ってた。
彼もチラチラこっちを見てるけど、どうやら身動きが取れないみたい。むしろ流されて私達から遠離ってるような?

花沢類もご年配には弱いのかしら・・・なんて考えながら、もみくちゃにされてる彼を見ていた。


「つくしちゃん、花沢家には慣れた?大学は続けられそう?」
「はい、お屋敷には慣れましたよ。相変わらず花沢類のグータラには手を焼きますけど。大学はどうですかねぇ?色んな人がいるし、勉強は難しいし、このバイトもバレちゃ不味いしで大変ですよ~」

「くすっ、仙道明奈みたいなのもまだ居るかもしれないし?」
「やめてくださいよ、美作さん・・・」

「大学で類に頼れないなら俺に言えよ?絶対に助けてやるから」
「・・・は、はいっ!」

「こんなに綺麗なお姫さまを泣かすヤツは許さない・・・なーんてね!」
「や、やだっ・・・綺麗だなんて」


そんな恋愛ドラマみたいな極甘台詞を口から出しても違和感がない生粋の「王子様」
恐るべし、美作あきら・・・イケメン度は花沢類も負けてないのに糖度が違いすぎる。



「あら、あきら君・・・今日はそんなお年頃のお嬢様がお相手なの?」
「あぁ、みどりさん、こんばんは。うん、今日はね・・・そっちは旦那さんと?」
「・・・仕方なくね」

「あきら君、お久しぶりね。最近誘ってくれないと思ったら・・・ふふっ、可愛らしい方ね」
「お久しぶり、真理子さん。そう言うけど後ろであなたを見てる人がいるよ?今日のパートナー?」
「うふふ、たまには主人と・・・ね」

「・・・・・・・・・」


恐るべし、美作あきら・・・年上好きは本当で、しっかりちゃっかり複数確保なのね?



花沢類は捕獲されたまま何処かに行ったと思ったら姿が見えなくなった。奥様はゴージャス過ぎて目立つから居場所は判ったけど、相変わらず誰かと歓談中。
もう帰りたいな~って考えていたら・・・お腹が鳴った。


「お腹空いてるの?何か食べた?」
「ううん、全然。だってここに入ってすぐに2人があんな風になったから・・・こういう場所でのマナーがイマイチ判らなくて」

「そうなんだ。じゃあ一緒に行こうか?」

そう言って私の手を取り、お料理が並んでいるテーブルに連れて行ってくれた。そして真っ白で綺麗なお皿を手渡してくれて「食べたいと思った物を少しだけこの皿に取ってごらん」って。


「皿は左手に持ってフォークは皿の下で指に挟んでみて?で、テーブルに置いてあるサーバーで取るんだよ」
「あっ、はい!」

「沢山取らないようにね。皿はその都度交換で、何度でも取りに来ていいから」
「・・・は、はい」

「くすっ、取ったら向こうに行こうか?ゆっくり食べたいだろ?」
「はい!」


この後もグラスの持ち方、お代わりの仕方、お皿の置き方とか沢山教えてくれた。
一緒に食べてくれる人が居たらホントに美味しい・・・お料理名も食材もなんだか判らなかったけど、美作さんが居てくれるから余計にそう感じるのかも♡

少しお腹に入れたら満足しちゃって、今度は美作さんがシャンパンを取って来てくれた。


「ここはバルコニーがあるんだけど、つくしちゃん付き合ってくれる?そこで2人で飲まない?」
「・・・へっ?」

あ、あら?腰の辺りが熱い・・・そう思ったら美作さんの手が私の腰に当たってて、そのまま引き寄せられた。




*************************




「いやぁ、ホントに立派になられましたぁ!どうですか?そろそろ・・・もう誰か決めた方がいるのですかな?」
「・・・・・・は?」

「おぉ、それなら儂の孫はどうじゃな?身内が言うのもなんじゃが美人ですぞ?」
「・・・・・・いえ、まだ1人でのんびりと・・・」

「類君、珍しいねぇ!おやおや、みんなで彼の取り合いですかな?それなら我が社も参戦せねば!」
「・・・・・・・・・」


母さんに引っ張られて向かった先には知らない爺さんが沢山・・・逃げ出したくて振り向けば新たな爺さんがやってきて、どんどん牧野から引き離されてしまった。
母さんはすっかり自分の世界に入って会話に夢中だし、牧野がポツンと立ってるから気になって仕方ない。

総二郎みたいなヤツに声を掛けられないようにと何度も視線を向けていたら、牧野に近づいて行く男を見付けた。


・・・それが誰なのかはすぐに判った。
あの態とらしい髪の掻き上げ方、何気に傾いてる首に常に立ってる小指・・・・・・あきらもやっぱり来てたんだ!


不味いって思った時には近藤社長が来てまた会話から抜けられない。
イライラしながら社長相手に話をしていたら、窓際ではあきらと牧野が楽しそうに話してる。それを横目でチラチラ見ていたら、そのうち2人仲良くテーブルに行きオードブルを食べ始めた。

あきらがテーブルマナーを教えてる・・・それは俺が!って向きを変えたら、ヌッと現れたのは父さんの古い友人の企業家夫婦・・・またしても行く手を遮られて2人が人混みの中に消えた!

いや、こんなことしてる場合じゃないのに・・・!
意識だけは2人に向かうんだけど、意外と強引なシニア層を振り切れない。
どうにかしてここから抜け出して牧野の所に行かなくちゃ、と再度視線を向けた時・・・丁度屯っていた連中が移動して2人が見えたけど、そのあきらの手が牧野の腰を引き寄せていた。


あの先にはバルコニーがある。
あきら、牧野をそこに連れ出す気だ・・・!


「・・・・・・って事があってねぇ。類君、だから君にも・・・」
「申し訳ありません、そのお話しはまたいずれ聞かせて頂きます」

「え?類君?」
「失礼します!」


もう爺さんの昔話に付き合ってなんかいられない。
俺の足は人混みを掻き分けて、2人が行こうとしているバルコニーに向かった。





にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
応援、宜しくお願い致します♡
関連記事
Posted by

Comments 2

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/09/22 (Sun) 08:13 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

ふふふ、そうなんです~♡
総ちゃんはおまけでしたが、機転を利かせて上手いことしてくれたみたいですね♡
流石です(ただ、出したかっただけ💦)

で、登場したのがあきら君。
でも総ちゃん効果で少し焦り気味の類君・・・早く奪わないと持って行かれるぞ!ってところでしょうか。


台風は・・・だんだんヤバくなってきました💦
今晩が酷いようで、イヤだなぁ~と思ってます。早いうちに類君の更新チェックしないと💦
停電になりませんように・・・。

今は風はないけど土砂降りです。風はこれからなのかしら・・・。

お気遣いいただきましてありがとうございます。

2019/09/22 (Sun) 13:26 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply