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ホテルからの帰り道、もう診療時間外だと思うのに無理矢理入った病院・・・そこでレントゲンを撮って、靱帯のごく一部の線維が切れた、所謂軽度の捻挫だと診断された。
その時も真横には西門さんがいて、お医者様の説明を一緒に聞いてる。

確かに怪我した時横に居た人だけど、自分で説明が出来ない訳じゃないから側に居なくてもいいのに・・・チロッと睨んだけど私の顔なんて見もしなかった。


「軽度と言っても甘くみないで。湿布を貼って安静にして、階段などは使わないようにね」

「・・・・・・でもアパートは2階で・・・」
「判った。階段を登らせなきゃいいんだな」

「・・・・・・・・・」


何故そこで「判った」って言うのよ。まさかアパートでも私をお姫さま抱っこして上がるってんじゃないでしょうね?そんな事しても次の日には降りなきゃいけないんだから同じだっつーの!
勤務二日目から休んでもいいって言うなら話は別だけど?それにこれはある意味労災だよね?
明らかに私に対する嫌がらせて体当たりされて、それが勤務中なんだから・・・そうだよね?

もう1回チロッと見たけどガン無視。
・・・って言うかスマホの画面を弄くってる。その指の動きは何処かにメールしてるみたいだった。


「あれからはもう深酒していませんか?急性アルコール中毒で命を落とす人もいますから気を付けてくださいよ?」

「・・・・・・は?」
「あの時、お前に点滴してくれたうちの主治医だ」

「ははは、飲み過ぎによる深夜の往診はご勘弁いただきたいものです」
「す、すみませんっ!お世話になりました!!」

「念の為に今日はお風呂に入らずシャワー程度で。痛みが酷くなるといけないので痛み止めを出しておきます。長くても2週間ぐらいで完治すると思いますが、腫れと痛みが引けば日常生活に戻って構いません。でもヒールのある靴は暫く履かない方がいいでしょうね」

「ありがとうございます・・・」


西門の主治医・・・道理で時間外でもOKって事なのね?

ここでは流石に車椅子が出され、西門さんが面倒くさそうに押して駐車場に向かった。
それでも乗る時には同じように抱えられ、顔+言葉とは裏腹に凄く丁寧に助手席に座らせてくれた。


**


「遅くなりましたね・・・本当にごめんなさい」

帰り道、ヘッドライトを点けるぐらい暗くなった道を走っていた。
もう今日の仕事は全部終わったのかどうか、初日の私にはさっぱり判らなかったけど、西門さんは特に機嫌が悪い訳でも無さそうだった。
でも無表情のままハンドルを握ってて、私がそう言っても返事は無い。

車外から入る光で時々ピアスが光るのを横目で見ていた。


黙ってると足が疼く・・・包帯を巻くためにストッキングを脱いだから生足なのが凄く気になる。
丸見え状態の膝を鞄や手で隠そうとしていたら、信号待ちで急に後ろに手を伸ばし、何かをバサッ!と私の前に持って来た!

「うわっ!なに・・・」
「車に置きっぱなしにしてた俺のジャケット。それでも掛けとけ」

「・・・あっ、ごめんなさい。ありがとうございます」
「女がモジモジしながらスカート触ってると襲いたくなる。俺の為だから気にするな」

「・・・はっ?!」
「安心しろ、怪我人は対象外だ」


誰もモジモジしてなかったでしょうよ!確かにスカートは触ってたけど、そんな気はこっちには全然無いからっ!
それに怪我してなかったらどうなるって言うの?!そんな考えの男の秘書なんて冗談じゃないんだけど?

とは言え、このジャケットは助かる。
だから膝の上に置いて自分の足を隠した。
まずは一安心だ、そう思って窓の外を見たら・・・・・・何故か私のアパートの方向じゃない。

この道は本邸に向かってるみたい。
もしかしたら退勤処理のため?また車から降りて動かなきゃいけないのかと、少し気が重たくなった。


暫くしたらやっぱり車は本邸の裏口、さっき私達が出ていった駐車場に戻って来た。
そして私を乗せたままガレージに車を入れ、彼は運転席を降りた。私も西門さんのジャケットを手に持ったままドアを開け、何とか自分で歩こうと身体を外に向けた。

その時に無言のまま出てきた手・・・ここでもフワッと抱き上げられて、お屋敷の裏口に向かった。


「あっ、あの!少しなら歩けるから・・・やだ!こんな格好で中に入れません!」
「・・・心配するな。部屋は俺のと離れてるはずだから」

「は?部屋って何の部屋?事務所で退勤するんじゃないの?」
「お前の部屋に行くに決まってるだろう」

「へ?私の・・・部屋?」
「さっき西村さんと志乃さんにメールしてひと部屋作らせているから。足が治るまでそこに住め」


・・・・・・・・・はっ?今度は同居?!いや、足が治るまでか・・・。




**********************




牧野の事は再会した時から気になってた。
俺の好みから外れてる、凶暴でガキみたいな女なのに、どうしてここまで気になるのか・・・でもキスした時に思った。

俺の中の何かがこいつを求めてるんだって・・・。
面白くない毎日に、牧野なら何かを与えてくれるんじゃないかって・・・そんな気がした。


幼馴染みとは違う、男同士だと埋められない何か。
遊びの女達じゃ埋められない、自分自身で見つけたいもの。

いや、漠然とし過ぎて判んねぇけど、とにかく牧野をもう少し近くで見ていたかった。だから会社を強引に辞めさせて西門に入れたんだ。
こんなややこしい屋敷の中で、作法も何も知らなくて困るだろうって・・・そう思いながらも秘書にした。


ガキの頃、何度か見掛ける度にズキッと心に刺さったものが今でもある。
昔から抱いてるこの感情がなんなのかを確かめたかった。



そして判っていたはずだった。
工藤響子の前に他の女を連れて行ったらどうなるか。だけど俺が居るんだから問題ない、そう思った。

でもそれは間違いだった。
まさかあんなにも豹変して、怪我してる牧野に追い打ちかけるような真似をするとは・・・。

・・・って事はもっと側に置いて守らなきゃいけねぇよな?




「ちょっと!ここに住むってどういう事ですか?!やだ、ここには私のものは何もないもん!ふ、服だって・・・!」
「服なら牧野のサイズで少しは揃えてあるはずだ。下着も気にしなくていいぞ?いくらでもあるから」

「西門さんの彼女のものなんて着られないわよ!」
「ばーか!俺はここに女を連れて来たことなんかねぇよ。ここには色んな人間が出入りするから万が一のことを考えて色々置いてる訳よ」

「・・・息子しか居ない家に万が一の事って何よ・・・それにどうして服は少しで下着が沢山なのよ!」
「なかなか鋭いじゃん?まぁ、気にすんな!」



くくっ、明日から仕事が楽しみだ。




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Comments 4

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2019/09/16 (Mon) 13:49 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

ふふふ、総ちゃんの方が気になって仕方ないみたいですね♡
総ちゃん、自分の本気には結構疎いってイメージが私にはあるんですよ(笑)
天邪鬼って意味ではF4の中で1番ではないかと・・・。

確かに!彼氏になったらウザいほどくっついてるかも💦
でも表面上は意地悪してるんですよ(笑)いや、面倒な男だな💦

2019/09/16 (Mon) 17:51 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/16 (Mon) 23:30 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、おはようございます。

いえいえ、気付かずに申し訳ありません💦

えっ!類君、お笑い一直線って・・・💦
いや、本人必死なのよ?(笑)随分LOVE度が上がって来たと思うんだけど?!

総ちゃんのはまだまだでしょう~💦
だってこっちもお互い気付いてないもん(笑)


そうそう、下着の方が多いのよ(笑)
着替えてもすぐ・・・って事があるんじゃないかしらね・・・ははは!

2019/09/17 (Tue) 08:02 | EDIT | REPLY |   

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