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パーティー会場の外にあるバルコニー・・・そこはバルコニーと言ってもまるで小さなお庭みたいに木や花が植えられていて、思った以上に広かった。
照明はまるでヨーロッパの街灯みたいに(行った事はないけど)ゴージャスで、オレンジ色の光がムード満点・・・それに見上げればもう星が光ってた。

そして誰もいない・・・私と美作さんの2人だけ。
そこの一番端っこ、会場からは見えにくい場所に連れて行かれて心臓のバクバクは鳴り止まない・・・今、自分に何が起きているのかさっぱり判らなかった。

花沢類がこんなところを見たら今度こそ・・・そう思って会場を振り向こうとしたら美作さんの手で頬を止められた。


「つくしちゃん、ホントに今日は綺麗だ・・・俺が来る前に誰からも声を掛けられなかった?」
「えっ?・・・あはは、誰からも掛けられていませんよ~(西門さんが声掛けてきたけど)」

「そっか・・・みんな遠慮したんだな。あんまり素敵だから」
「やだ!美作さん、冗談はやめて下さいよ、私みたいなのにそんな声なんて・・・」

「私なんか?そんな言い方はしないの。充分素敵なレディだよ、つくしちゃん・・・」
「美作さん・・・?」


な・・・なに、この空気・・・なに?この会話・・・妖しく私を見つめる瞳がさっきよりも近くなってる?

待って・・・これって、もしかしてこの人も私に・・・また目を閉じなきゃいけないシチュエーション?!
本日何回目かのドキドキが始まったけど、今回はマジかも・・・そう思った時・・・



「何してるの、あきら。牧野をどうする気?」

「・・・・・・・・・はっ!」
「・・・なんだ、類。もう来たのか」


誰もいないと思ったのに名前を呼ばれたから振り向いたら、超ご機嫌斜めの花沢類が私たちの後ろに立っていた。そして普段と違う早足で近づいて、私の身体を支えてる美作さんの手を振り解いた!
それに驚いて蹌踉けたら、今度は私の腕を掴んで自分の後ろに回して、その勢いで転けるかと思った!「痛いんだけど!」って小さな声で言ったのに、それでも花沢類の手の力は緩まない。

それよりも斜め後ろから見上げた彼の顔が本当に怖かった。


「ちょっと、花沢類・・・どうしたの?なんでそんな・・・!」

「あきら、牧野に何を話してたの?今、近づいてたよね・・・どう言うつもり?」
「どう言うって・・・お前に関係あるのか?つくしちゃんを1人の女性としてエスコートしてただけだけど?」

「誰もエスコートなんて頼んでないじゃん。それに今日のパーティーはパートナー同伴じゃないし」
「どうしてそこまでムキになるんだ?類は彼女を放ったらかしてたんじゃないのか?慣れてない場所で1人にさせられて可哀想だったのに」

「放ったらかしてたんじゃない!ちゃんと目で追ってた!」
「馬鹿か!見てるだけでいい訳ないだろ?!な、つくしちゃん、淋しかったよな?」

「・・・は、はぁ、確かに・・・」


花沢類が声を荒げて美作さんに怒鳴ってる。
まるでヤキモチ焼いてるみたいに突っかかって、私の手を握る力はどんどん強くなってるし、相変わらず私は彼の背中にくっついてる状態だし。
でも、これ以上手首を掴まれてたらうっ血する・・・だから花沢類の背中をバンバン叩いて「手が痛い!」って訴えた。

そうしたらやっと離してくれて、私は赤くなった手首をブンブン振っていた。
ホントはそこまで痛くなかったけど、どうしていいのか判らないから・・・だから2人に背中を向けて手首を摩って、自分の戸惑ってる顔を見られないようにした。


「・・・って言うかさ、類がどーしてそこまで怒る?つくしちゃんは花沢家の使用人・・・お前付きだけどそれだけなんだろ?俺とどうなろうがつくしちゃんが決めること・・・そうじゃないか?」

「牧野が決めること・・・かもしれないけど俺が許さない」

「だーかーら!なんで類の許可が要るわけ?許さないってなんだよ!退け、邪魔だ」
「・・・あきら!!」


こんなやり取りが背中側から聞こえてきて、またフワっと美作さんの香りに包まれた・・・そう思ったのに・・・!




***********************




「退け、邪魔だ!」、そう言って俺を突き飛ばし、あきらが牧野の横に行ってまた腰を抱き寄せた。

それを見た瞬間身体の中心がカッと熱くなり、牧野を連れて行こうとするあきらの肩に手を掛けた。
あきらは驚いたように振り向いたけど、気がついた時にはこいつを牧野から引き離し胸ぐらを掴みあげ、左頬に渾身の一発を・・・!

ボカッ!!

「きゃああぁーっ!!」

牧野の悲鳴がバルコニーに響いた。
そしてあきらは俺の拳を真面に喰らって後ろに倒れ込み、殴られた頬を手の甲で拭った時・・・ほんの少しだけ赤いものが見えた。
口の中を切ったのか・・・親友をこんな風に殴ったのはもう記憶にないほどだったから自分でも驚いたけど、それでも我慢出来なかった。

苦痛に歪んだあきらの顔に怯える牧野。
彼女の前で人を殴ってしまったこと、それには少し動揺してしまった。


「なんて事するの、花沢類っ!美作さん、大丈夫?!」
「・・・ってぇ!!何すんだ、類!」

「・・・・・・・・・」

「ちょっと!謝りなさいよ!」
「・・・いや、もういいよ、つくしちゃん・・・こんな顔して会場にも戻れない。今日はもう帰るよ」

「・・・・・・・・・」

「美作さん!ごめんね、私のせいで・・・」
「そんな事ないさ。気にしないで」


なんなの?あきらにはそんな風に優しくするわけ?
あんた、こいつの事が好きでもなんでもないクセに・・・俺にはそんなに怖い目を向けて怒るわけ?

会場の中に戻って行くあきらの背中を困ったような顔して見つめて、姿が見えなくなるとキッ!と俺を睨んだ。まるで朝寝坊した俺を叱る時みたいに口を尖らせて真横まで来たら、可愛らしいドレス着てることも忘れて仁王立ちになってた。


「もう!どうしちゃったの?あんなに怒ることないじゃない!」
「・・・あんたがあきらについて行くからだろ。あいつが女性に手が早いって教えてたと思うけど?」

「そんなんじゃないもん!私が1人だったから話し相手になってくれたのよ?お料理だって一緒に食べてくれたし!」
「少し待てば俺にだって時間は取れた!あんた、母さんのお供なのに離れてどうすんの!」

「だって奥様は全然会話に困ってないんですもの!私なんて来なくても良かったって思ってたら美作さんが見付けてくれたのよ?」
「じゃあ聞くけどあきらになんて言われた?」

「・・・えっ?えっと・・・あの・・・」


そんなに赤い顔して悩むこと?
どうせ『今日は綺麗だ』とか『ホントに素敵だ』とか『他の誰かに声掛けられなかった?』とかだろ?それ、さっき総二郎にも言われたはずだよね?!
それに喜んであきらが腰を引き寄せても抵抗しないで・・・あのままキスする気だったの?俺の見てる前で・・・?


「い、いいじゃない、なんて言われても・・・花沢類が怒ることじゃないでしょ?どうしてそんな風にイラついてるの?!」

「・・・・・・・・・れたから」
「え?聞こえなかった。なに?」


「あいつがあんたに触れたからだよ!それが・・・許せなかったんだ・・・!」

「・・・・・・えっ・・・」


そんなに驚かなくてもいいだろう・・・ずっと思ってたんだから。
ハワイでケインにマッサージされてる時も、赤いビキニを見る奴等にも、さっきの総二郎も、その前のチャイナドレスの相手の男にも・・・あんたに近寄る男全部にジェラシー感じてたんだから!

それなのに今度はあきらまで・・・それが許せなかったんだって!


俺の言葉に吃驚して溢れ落ちそうな目をしてる牧野を今度は俺が引き寄せた。

そして自分の胸に彼女を抱きかかえ、逃げられないように自分の両腕を細い身体に巻き付けた。
その時にあきらの残り香が鼻をついてムカッとして、それを全部俺のものに変えたくて・・・1度身体を離した後に頬を包み込んで顔を寄せ、優しくその唇を塞いだ。


いつも俺を怒鳴ってる唇を、
いつも困ると尖ってしまう唇を、
いつも楽しそうに独り言を呟く唇を・・・今は自分のものにしたかった。




***************************


<sideあきら>

「いってぇ・・・久しぶりに類の拳を真面に受けたな・・・腫れたらどーしてくれるんだ?」

まさかあんなに本気で殴ってくると思わなかったから、会場に入ったらすぐにタオルをもらって隅で冷やしていた。そこにやってきたのは今日の依頼人・・・類のお袋さんだ。


「あきら君、どうだった・・・って、どうしたの?ほっぺた赤いわよ?」
「おばさん、暢気なこと言わないでよ!頼まれた通りにやったら殴られたんだから!」

「えっ?類が殴ったの?うそっ!」
「ホント!・・・ったく、ああ見えて本気出したらマジすげぇ力なんだから・・・血も出てるし」

「ごめんなさいね~!じゃあ類はちゃんと自分に素直になってるかしら?」
「さぁ?まだバルコニーに居るけど・・・・・・あぁ、そうなんじゃない?あんな事になってるけど」


おばさんと2人でこっそりバルコニーを覗いたら・・・・・・可愛らしい2人を見付けた。


「あらら、ホント♡急に変わるのねぇ、あの子ったら」
「鈍感が目覚めたらああなんじゃないの?ここからは早いと思うけど」

「そう言えば総二郎君も来たみたいだけど、知ってる?」
「そうなんだ?家元の代わりかな・・・でも多分逃げてると思うけど?」

「裏でコソコソするの、好きだものねぇ~、総二郎君」
「・・・おばさんに言われたくないな」






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Comments 8

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2019/09/23 (Mon) 09:07 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/23 (Mon) 09:37 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

お返事遅くなり申し訳ありません。

台風は真夜中にやってきましたが思ったほどではなく、被害などはありませんでした~。
でも遠く離れたところで雨の被害があったようで何とも💦

もう今年の台風は終わりかなぁ?


お話しは・・・ははは!あきら君、いつも可哀想な役回りで申し訳ないっ!
殴られても紳士って感じですが、きっと類ママにお友達でも紹介してもらうんだと思います(笑)

やっとここまで来ました~♡
暴走間近ですかね?(笑)

2019/09/23 (Mon) 21:45 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: おはようございます🎵

meimei様 こんばんは!

あっはは!ありがとうございます!
判りました?やっぱりそうですよね~。

えーと、もうすぐですかね?来月からは・・・どんよりさせるかもです。
ごめんなさいね💦いろいろ書かないと気分が変わらないので💦

宜しくお願い致します♡

2019/09/23 (Mon) 21:48 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/23 (Mon) 22:17 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

麦猫様 おはようございます。

あはは💦もう次話が公開してしまいましたが💦
お返事遅くなり申し訳ありません。

ふふふ、90話以上遊んでやっとここまで来ました♡
で、ここまできてつくしちゃん、裏切らないでしょう~💦

いや、このつくしちゃんなら有り得るかも、ですけど(笑)


台風の風、凄かったですか?
私のところはすぐ近くを通過したのですが、そこまでなかったんですよ。
助かりましたが不思議です。今回は凄いだろうなって思ったけど爆睡しました💦

まだ発生するかもしれないので油断できませんねぇ💦
季節の変わり目でもあります。体調に気を付けてお過ごし下さいませ♡

2019/09/24 (Tue) 08:27 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/26 (Thu) 11:00 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんばんは。

そうそう!あきら君ね(笑)
ほんと申し訳ないぐらいあきら君を使うわぁ、私。
しかもよく殴られるのよね💦

ほんと、書きながら「ごめんね~」って思ったけど、これを総ちゃんには出来なかったの~(笑)

また美作麗子でも書いてあげよっ!


あはは!コソコソ総ちゃん(笑)
何しに来たのよ、あんた!って登場でした。

2019/09/26 (Thu) 19:51 | EDIT | REPLY |   

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