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あまりにも突然の事で声も出なかった。
すごく強く抱き締められたかと思ったら今度はほっぺたを包まれてからのキス・・・。

さっき西門さんとするかと思ったのに、美作さんともするのかと思ったばかりなのに・・・まさかの花沢類からキスされて完全に身体がフリーズ状態。
何も考えられなくて彼の腕に抱かれたまま力が抜けてった。

だってこれが初めてなんだもの・・・どうしていいのかも判らずに彼に寄り掛かって足がガクガクに・・・!
そしてフワッと唇が離された瞬間、ガクンとその場に倒れ込んだ!


「・・・・・・はぁはぁ・・・はぁ」
「ま、牧野?!」

「・・・・・・んっ、はぁ・・・」
「あんた、もしかして息止めてたの?」

「そうよっ!だって急に・・・急にそんな事するから!ど、どうしていいか判んないじゃん!もうっ・・・っ!」
「・・・・・・ごめん」


謝るぐらいなら最初っからするなっつーの!って言いたかったけど言葉にならなかった。
それよりも心臓が五月蠅くて、足も腰も立たなくて、片手だけ彼の手に繋がれていたけどそれ以外は全部床に崩れ落ちていた。
その繋がれた手の指先だって震えてるのが判るぐらいで、だんだん涙が出てきて視界が歪んで・・・。

そうしたら今度は急にフワッと抱きかかえられて、私の身体が宙に浮いた?!


「きゃあああぁっ!な、なにっ?!」
「・・・ベンチに座るだけ。ジッとしてな」


宙に浮いたと思ったのは一瞬で、花沢類の首に思いっきりしがみついていた。
私の目の前20センチ上には彼の顔があって、いつもと変わらない無表情・・・でも、彼もちょっと赤いかも?

向かったのはこのバルコニーから煌びやかな夜の街が見えるベンチ・・・そこに行くとそっと降ろされて、そのまま座らせてくれた。花沢類は私の横に同じように座って、すぐに手を繋がれた。


その指先から私の心の中の声が全部筒抜けになってるんじゃないかと思うほど・・・指先が火照って自分の心臓が今までにないぐらいバクンバクンして壊れそう!
そのせいで痛いぐらい・・・繋がれてない手を胸に当てて『静かに!』って念じたけど全然伝わらない。逆に時間が経つほどその痛みは強くなった。


彼は何にも喋らずに何処を見ているのかも判らない。
私も頭の中が真っ白で何を話していいのかさっぱり・・・だから花沢類と目の前の夜景、夜空の星とフワフワの自分のドレスを順々に目で追ってくだけ。

暫くそんな時間を過ごしていたら、やっと彼が小さな声を出した。


「・・・・・・ダメだった?」
「えっ?・・・いや、あの・・・」

やっぱり私の顔なんか見てなくて、彼の目は街のイルミネーションを見てる。


ダメだった・・・ううん、ダメじゃない。
そんな事ないって、私はそう言いたいのに唇が緊張して震えるだけで、彼の質問にはすぐに答えられなかった。


「・・・我慢出来なかったんだ。あきらがあんたを連れて行こうとするから・・・その役目は俺だって思ってたから・・・」
「・・・・・・自分の役目?それって・・・」

「あんたを1人にしたのは確かだけど、だからって誰かに触れさせるつもりなんてなかったんだ。それなのに・・・」


そこまで言ったら急に口を噤んで下唇を噛んだ。
逆光で顔が暗かったから判りにくいけど、やっぱり少しだけ頬が赤い・・・それを悟られたくなかったのか、私とは反対側に顔を背けた。

私の心臓は相変わらず五月蠅い・・・五月蠅いけど、それだけじゃなくてどんどん胸の奥が熱くなった。


「・・・ちゃんと言ってよ、花沢類」
「・・・今ので判るだろ」

「判んない。だって私、今まで彼氏なんていないんだもん。はっきり言葉にしてくれないと判んないよ。今日だってそうだよ・・・こんな格好しても何も言ってくれない。他の人は言ってくれるけど、花沢類は何も言ってくれないじゃん」
「・・・・・・・・・」


「・・・花沢類?」
「じゃあ、もう1回抱き締めてもいい?」


その返事なんて待つ気もなかったのか、言った瞬間私を引き寄せて抱き締められた!
彼の指先の温かさが薄いドレスの生地を通り抜けて私に伝わる・・・そうしたら私も彼の首に両腕を回していた。

綺麗に巻いてもらった髪・・・その中に顔を埋めてるから彼の吐息が私の耳を擽る。ゾクッとする温かさに私の腕にも力が入って彼を自分に引き寄せた。


いい香り・・・今日の花沢類はいつもよりすごくいい香りがする・・・。

その香りに酔っていたら囁くような甘い声が聞こえた。


「・・・綺麗だって思ったんだ。でもその言葉がすぐに出ないほどドキドキしたんだって・・・。
誰にも見せたくなくて、あのまま屋敷に閉じ込めたかった・・・そのぐらいあんたが眩しかったんだ・・・」

「・・・ほんと?」
「ほんと・・・もう誤魔化したりしない」


どうしよう・・・涙が出そう。
花沢類の言葉が嬉しくて・・・胸がいっぱいで・・・だから回していた腕をもっと引き寄せた。そうしたら耳元に唇を寄せて一番欲しかった言葉をくれた。


「・・・あんたの事好きになったみたい・・・だから誰にも触れさせないで・・・」




**************************




いつから想っていたかなんて判らない。
スマホを無くした時・・・いや、それよりも前のピアスの時、もしかしたらピアノを引いた時にはもう俺の中で大事な存在だったのかもしれない。

それがいつからだなんてどうでもいいけど、言葉にして伝えたら溢れる気持ちを抑えることなんて出来なかった。今、抱き締めてる指先から全部牧野にこの想いを届けたい・・・そう思ったら力を緩められない。
いつもと違う牧野の髪にもキスをして、ドレスが皺クチャになるかもしれないのにもう1度引き寄せた。


「・・・なんか言ってよ。あんたの言葉も聞かせて?」

「・・・・・・・・・」
「牧野・・・言うまで離さないよ」

「ごめん、花沢類・・・やっぱりダメだよ・・・」

「・・・・・・は?



待て・・・ちょっと待て!!さっきまで『ちゃんと言葉で言え』って言ったの牧野だよね?
それで俺はストレートに自分の気持ちを話した・・・・・・それなのにダメ?!

その言葉に吃驚して抱き締めていた牧野の身体を離した!
牧野も俺と同じように真っ赤になって、目だってうるうるで・・・どう見ても嫌がってる感じじゃないのに・・・ダメ?!


「どういう事?ダメって何が・・・他に好きな男が居るようには思えなかったけど?」
「だって・・・契約違反になっちゃうんだもん」

「契約違反って?」

「花沢家で働く時に奥様と約束したの。お屋敷内恋愛禁止だって・・・だからダメ、だよね?私、クビになっちゃうよね?」

「・・・・・・・・・・・・」


そんなこと・・・まさかバイトの条件に恋が引っ掛かるとは思わなかった。
その理由に脱力して・・・って言うか、牧野らしくて可笑しくなった。



「じゃあさ、それが無かったとして・・・どうなの?」
「無かったら?無かったら・・・花沢類のこと、大好き・・・かも」

「かもはダメ」
「・・・・・・大好き・・・」


その言葉を貰った時、もう1度牧野を抱き締めた。
今度は優しく、牧野を包むように引き寄せて・・・その後触れるだけのキスをした。


「じゃ、クビになったらいいんじゃない?」
「え?!そんな事したらあの家で暮らせないもん・・・またアパート暮らしするの?他でバイトして?」

「ううん、住むのは俺の部屋。使用人じゃなくて恋人として住めばいい・・・家庭教師も継続出来るよ?」
「・・・恋人として?」

「これからも毎朝起こして?今度から一緒に登校しよう?もう隠さなくていいし、誰もあんたに手出し出来ないから安心だよ」
「・・・いいのかな」

「くすっ、俺専属はそのままで・・・諭吉は増えないけどね」
「あはっ、そりゃ残念!」



この日、部屋に色は増えなかったけど、俺の心がバラ色になった。





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Comments 8

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2019/09/24 (Tue) 06:57 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/24 (Tue) 07:07 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、おはようございます。

はい!やっとここまで来ました♡
このままギャグで終わりそうな2人でしたが(笑)

いや、それでもいいんですけどね♪読者様は怒るんだろうな~って思っていたので。
類君もこんな告白するぐらいならもう少し早く気がつけよ!って言いたいでしょ?(笑)

少しは糖度が上がりましたでしょうか?
ふふふ、最後までどうぞ宜しくお願いします♡

2019/09/24 (Tue) 08:31 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、おはようございます。

そうそう!いきなり告白したと思ったら同棲宣言ですよ💦
類君、変わり身はやっ!って感じですよね~。

類ママが主犯なので問題は無さそうですが、2人はまだそれを知りませんからね(笑)
どうなりますやら~💦

でも、これで暴走開始・・・かも?
これだけコメディにしておいての暴走は・・・イマイチ書く方も???ってなります(笑)
全然違う2人みたい💦ははは・・・。

2019/09/24 (Tue) 08:42 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/24 (Tue) 11:04 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

麦猫様、こんにちは。

ははは!お待たせしました。
糖度が増えてきたところでラストコーナー曲がっちゃいましたけど(笑)

まぁ、これでお父様が反対してきたらそれもギャグですが、そうなるとお話しが終わらないので💦

そうなんですよ、実はもう3ヶ月もこの話を書いています。
恐ろしい事に予定を30話以上オーバーしてました(笑)

理由は色々あるんですが💦

諭吉以上💦私は諭吉も好きです・・・えへへ!

2019/09/24 (Tue) 13:14 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/24 (Tue) 20:02 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: やっと

happy様、こんばんは。

あはは!焦れったくさせて申し訳ありません💦
はい、やっとこさです(笑)

コメディは糖度を上げにくいのでなかなk進まず、こんなに掛かってしまいました❤
でもその分、ラストにはドーンと激甘で(笑)

って、そんな技はないので普通にラブラブさせますね💦

ふふふ、楽しんでニヤニヤしていただけたら嬉しいな~!

2019/09/24 (Tue) 22:33 | EDIT | REPLY |   

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