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plumeria

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・・・・・・・・・痛い。
身体が・・・・・・痛い、凄く痛い・・・。

お腹が・・・足が・・・腕が・・・腰が・・・全身が鉛みたいに・・・重い。
でもすごく温かくて幸せ・・・それにいい香りがする・・・・・・・・・。

なんだろう・・・この感じ・・・


ピピピピピピ・・・

ん?鳥の声が近い・・・・・・


ピヨピヨピヨ~♪

あぁ、キキちゃんの声だ。
鳴いてるってことはもう朝・・・少しだけ目を開けたらカーテンの隙間から白い光が見えた。
そのカーテンはグレーで、白いキャビネットが見えて子宝弁慶草が置いてある。その向こうにキキちゃん・・・。

と、言う事はここは花沢類の・・・・・・はっ?!


少し手を伸ばしたら温かいものに当たった。しかもこの感触・・・・・・人肌?
ぼんやりしていた頭がだんだんはっきりしてきて、痛い身体を動かして横を見た。

そこで寝てるのは・・・花沢類だ。


髪を乱して小さく寝息をたてて、片手は私の身体を押さえ込むようにして・・・重たいと思ったら彼の片足が私の足に絡まってた。それを退かそうとしても動かない。
少しお腹に力を入れたらズキッ、と鈍い痛みが走った。

「・・・いたっ・・・」
「・・・・・・・・・牧野?」

「・・・あ、ごめん、起こしちゃった?はな・・・(じゃなかった)類」
「ん・・・・・・大丈夫・・・おいで、牧野・・・」


ベッドから出ようと思ったのにまた引き戻されて彼の腕の中・・・類の髪の香りで昨日の事を思い出して顔が真っ赤になった。

不味い・・・よね?早くこの部屋から出て自分のお部屋に戻らなきゃ・・・。
この部屋で彼と過ごしたなんてバレたらアルバイトが・・・って思ったけど、恋をした時点で解雇。そんな言葉を思い出して頭がこんがらがって、嬉しそうに抱き寄せる類の胸に顔を埋めた。

類は恋人として住めばいいなんて言ったけど・・・そんな事出来る訳がない。


王子様と使用人が結ばれるのは物語の中だけ・・・現実はそんなに甘くないもんね。


「・・・・・・ダメだよ、類・・・もう起きなきゃ。自分の部屋に戻る。えっと・・・服・・・」
「どうして戻るの?まだ早いじゃん。それに夏休みだから大学ないし」

「・・・大学は無くてもまだ辞めてないからバイトはあるもん。もうすぐ6時だから着替えなきゃ・・・」
「・・・・・・・・・どうしても?」

「ん、どうしても。ごめんね」


拗ねた顔を見せる類の腕を退けて、バスローブを羽織りベッドから降りた。
立ち上がる時もお腹が痛い・・・それに足もフラフラ。少しだけ前屈みになってドレッシングルームに向かい、そこで脱ぎ散らかしたドレスを拾った。
見れば洗面所の横には髪飾りにアクセサリー、それに2人分のタオルに・・・昨日の下着。

誰が見るわけでもないし、ここを掃除するのも私だけど・・・って思いながらそれも手に持って顔をあげると、目の前の鏡で自分を見てしまった。


首元が赤い・・・それにすごい乱れ方。
彼の寝癖なんて何も言えないぐらいぐちゃぐちゃで・・・でも、自分で言うのもなんだけど少しオトナっぽい気もした。

経験しちゃったから?

・・・・・・・・・自分で思ったくせに恥ずかしくなって、急いで部屋に戻った。


部屋に戻ってからベッドを見ると類は拗ねて背中を向けてる。
子供だなぁって思いながら「後で来るね!」って声を掛けたけど返事もなかった。

ドアまで来たら深呼吸・・・誰も廊下に居ませんように、って祈りながらそーっと開けた。


「おはようございます、牧野さん。こんな時間に類様のお部屋からそのような格好でどうしました?」

「・・・・・・・・・・・・」


うわあああぁっ!!
どうしてドアの前に加代さんが居るのぉ?!!





********************




牧野が俺の部屋から出て行こうとした時、俺は拗ねたフリしてベッドに潜り込んでた。
でもカチャ、と開けた音とほぼ同時にバーン!!と締めた音もして、何が起きたのかと飛び起きた。

そして出て行ったはずの牧野がドレスを抱えたまま走って戻って来て、今度は部屋の1番奥で踞った。


「どうした?牧野!何があった?」
「・・・・・・・・・バレた!バレたわ、花沢類!!」

「は?バレたって?(花沢が戻って来た・・・)」
「廊下にか、かっ、加代さんが居たっ!!」

「・・・・・・加代が?」


踞ってる牧野の横まで行って背中に触れたけど、すごく震えてる・・・「大丈夫だから」って抱き起こそうとしたら顔をあげて、今度は俺の姿を見て悲鳴をあげた!


「きゃああぁーっ!なんでそんな格好でウロチョロすんの!!
何か着なさいよ!花沢類のばかぁ!!」



「・・・あんたがすごい顔して戻って来たからでしょ?そんな言い方ある?」
「いいからっ!なんでもいいから早く着て!」


・・・・・・確かにもう部屋も明るいから刺激的かもしれないけど、それが出来たてホヤホヤの彼氏に向かって言う台詞?
自分の部屋に居るのにウロチョロって・・・初めて言われたんだけど。

仕方なくバスローブを羽織って今度は俺が牧野の代わりにドアに向かった。
いつもなら入って来そうな加代なのに一応遠慮してるのかドアは開いてない。それでもこの向こうに居るのは判ってるから、極普通にカチャ、と開けた。


「おはよう、類。なかなか楽しいパーティーだったみたいね。爽やかなお目覚めかしら?」

「・・・・・・・・・・・・」

「あら、どうかしたの?うふふ、ダイニングで待ってるわ。2人で仲良く来てちょうだいね!」
「それでは類様、朝食はいつものお時間で。牧野さんにはきちんと朝の仕事をするようにお伝え下さいませ」

「・・・・・・・・・・・・」


あれ・・・なんで母さんまで居たんだ?
しかもどうしてそんなに機嫌が良いわけ?

ウキウキした足取りで階段を降りて行く母さんと、それにくっついて行く加代の後ろ姿を見ながら、呆然と自分の部屋のドアに手を掛けて立っていた。



**



あれから泣きじゃくる牧野を彼女の部屋に連れて行き、着替えを手伝ってやって、制服に着替えたら手を繋いで俺の部屋に戻った。勿論掃除なんて出来やしないから、俺がカーテンを開けてランドリーボックスの交換をし、キキの餌やりと水替えまでやった。
その間中、牧野はソファーに座って頭を抱え込み、これから向かうダイニングで何を言われるのか悩みまくってた。

母さんにまでバレたって判ったからだろうけど、そんなの隠し通すつもりもなかったから俺は気にしないんだけど。


「ほら!いい加減立ち直りな?誰も怒ってないんだと思うけど?」
「・・・類様、怒られてもクビにならなければいいんですよ・・・ここを追い出されたら次に何処に住めばいいのか・・・午後からはアパート探しかしら・・・」

「どうしてそうなるかな・・・あの部屋を追い出されたらこの部屋に来ればいいって昨日から言ってるじゃん」
「そんなの簡単に言わないで下さいよ・・・現実世界にシンデレラなんていないんだから・・・」

「シンデレラなんて思ってないでしょ?俺が欲しいのはシンデレラじゃなくて牧野つくし・・・あんたなんだから」
「・・・類様、叩かれそうになったら代わって下さいます?」

「・・・・・・か、代わってあげるから」


ちゃっかり何をお願いしてるんだか。
いつもは俺が怒鳴られながらダイニングに向かうのに、今日は牧野を引き摺るようにしてそこに向かった。




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Comments 6

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2019/09/27 (Fri) 07:32 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、おはようございます。

さぁ、どうでしょうね?(笑)
類君はこれまでそれを考える事もなかったのではないでしょうか?
頭の中はつくしちゃんことでいっぱいで、不思議に思ったことはないかも?

えっ?!ドアの外でですか?
それは考えなかったなぁ~(笑)二人の行動は見抜かれてると思うので、先読みされたのではないかと・・・?
でも、このママさんと加代さんならやりそうですねっ!

ふふふ、なんのお話しがあるんでしょう♡
あと2話の予定です。最後まで宜しくお願い致します!

2019/09/27 (Fri) 08:41 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/27 (Fri) 15:02 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんにちは!

ちょっと!やめてくださる?(笑)その表現💦
リアルに想像しちゃうじゃないですか!

もう少しオブラートに包みましょうよ(笑)
めっちゃ笑ったんですけど!!

S様が添え木持って来たらどーすんの?💦(笑)


お話しは・・・そうそう、反対されたら話が長引くっちゅうねん💦いかんいかん!

2019/09/27 (Fri) 16:26 | EDIT | REPLY |   
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2019/09/27 (Fri) 22:52 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

麦猫様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

幼い恋物語、申し訳ありません💦明日で終わります(笑)
ふふふ、違う意味でドキドキしましたか?

大抵どの部屋の類君もオトナですものね~♡

でも今度の類君はオトナ・・・かな?私は苦手なんですが、オトナ類君に挑戦です♡
話は一気に暗くなりますが、良かったら次の連載にも遊びに来て下さいね♡


コメントのお返事、どうしても書く方を優先するので遅いし短いしで申し訳ないと思っています。
でもお気持ちは有り難くいただいております♡

こんな私ですが、これからも宜しです~♡

2019/09/28 (Sat) 00:14 | EDIT | REPLY |   

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