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「おはようございます~!」

「あぁ、おはよう、牧野さん。車は大丈夫ですか?」
「・・・事故ってませんね?」


次の日、車での初出勤♡
なぜか堤さんと西村さんがガレージ前で待っててくれた。
そんなに心配だったとは・・・ってちょっとショックだったけど、それも有り難いことだと「大丈夫、随分慣れました!」と頭を下げた。


「それよりも気持ち悪いことがあったんですよ~」

「気持ち悪いこと?」
「まさか自分で運転して車酔いしたんですか?」

「そうじゃなくて!・・・なんかですね、昨日の帰り道、派手なバイクに後をつけられてたみたいなんです・・・怖いでしょ?」

「・・・派手なバイクに?」
「後をつけられる・・・何か声を掛けられたんですか?」

「いえ、声は掛けられてないです。でもアパートに着いた時にバイクも停まったみたいで、私が駐車場に入れたらその後何処かに行ったみたい。ヤだなぁ、アパートの場所を確かめられたのかしら・・・」

「「・・・・・・・・・」」


あれ?なんで2人とも黙るわけ?むしろこっちの方を心配してくれればいいのに。
初めてストーカー行為されて私が怖がってるのに、この話をしたらクスクス笑いながらお屋敷に入っていった。
自意識過剰じゃないのよ?本当にバイクが近くまで来てたんだから!って、わざわざ追い掛けてまで言うのも恥ずかしいから止めたんだけど。


**


事務所に保険の書類を提出してから秘書控え室に向かった。

♪~

その途中で鳴ったスマホの音。誰かからメッセージ?と思って確認したら西門さんからの・・・『衣装部屋に来い』

衣装部屋って、あの着物が沢山ある部屋の事かな?
荷物を置いてから堤さんに聞くと「すぐに行くように」ってそれだけ。何があるのか判らなかったけど、急いでその部屋に向かった。


「ホント、これだけ広いとすぐにって言われても時間掛かっちゃう~!」

その部屋は秘書控え室からは結構離れてる。
途中で何人もの使用人さんに挨拶しながら足を速め、やっと近くまで行ったら廊下から着物姿の西門さんが見えた。
でも、もう1人座ってる女性がいる・・・?背中だけで誰か判らなかったから、恐る恐る近づいてそっと中の様子を窺った。


「おはようございます・・・あれ、志乃さん・・・?」
「あぁ、おはようございます、牧野さん」

「・・・・・・事故ってねぇな?」
「はい、大丈夫です!」

この人までそんなに心配しなくても良くない?仮にも私の指導したのは自分でしょうに。
そして微妙に前屈みになって腰を庇ってるから「どうしたんですか?」って聞いたら「煩い!」って怒られた。

・・・聞いただけなのに。変なの!


そこには女性用の着物が何枚か出してあって、小物まで綺麗に並べられていた。誰かの着付けを手伝えって言うのかしら・・・?着物なんて着る事は出来ないって1番始めに話してるのに?
無言で畳の上の着物を眺めていたら、志乃さんが畳紙を開けていた着物を広げて私の肩に掛けた。


「・・・は?」

「どうでしょう、総二郎様。これなんか合うと思うんですが」
「そうだな・・・でも、華やかにすると逆に面倒な事になるからもう少し色味を抑えたものにしようか。で、秋っぽいヤツ・・・薄い色でいいけどな」

「でしたらこちらは?三才山紬 の草木染 ですわ。伽羅色地ですけど白と藍の縞があって綺麗でしょう?帯にはこちらのお茶の花が描かれた名古屋帯。企業の中に入るのですからこのぐらいはお洒落しませんと」
「うん、そうしようか」

「・・・企業の中?」


どうやらこれは美作商事に行く時の私の着物らしい。
でも私は着物慣れしてないし、その前にお茶の事を知らないのに?
驚いてそれを西門さんに言うと「なんか文句あるのか?」・・・文句じゃなくて、西門流のためでしょうよ!素人にお手伝いさせても笑われるだけなのに!


「牧野、今日の俺の予定を知ってるな?」
「はい。午前中は高宮のご隠居様のお稽古が10時からで、11時からは新しい生徒さんの初稽古です。午後は本邸で後援会の打ち合わせと夕方は都庁からお客様がいらっしゃる予定です」

「その通り。その11時からの新しい生徒の名前は牧野つくしだ。心の準備をしておけ」

「はい!判りまし・・・・・・たっ?!

「だから10時から俺が爺さんの稽古としている時、お前は志乃さんの着付け教室、その後着物のまま稽古に突入する」

「・・・・・・・・・」


「それじゃあ志乃さん宜しく~」なんて言って西門さんは部屋を出ていった。
残されたのは鋭い目付きの志乃さんと私・・・この後着ていたスーツをその場で脱がされ着物用の下着を着る羽目になった。

ホントに着付けするの?洋服のボタンでさえたまに一段ずらしてるのに、この私が着物を着られるようになるの?!


「宜しいですね?まずは基本中の基本!姿勢を正します!」
「は、はい!」

この言葉から始まって、この後は通訳が必要な日本語だらけで私はさっぱり判らなかった。初めに着物の部品名(既に表現がおかしい)を教えてくれなきゃ全然動けないんだけどっ!


「後衿を長襦袢の衿と重ねてピンチで止めておきましょう。こうすると肩から着物が落ちないから」
「衿を持って着丈を決めますよ。ずれないようにしっかり引いて !」
「上前巾を決めます。上前巾の位置 は右腿の一番張っている所より少しだけ被らせて。着物がズレないように姿勢を崩さない!ここで失敗すると何度もやり直しです!」

「・・・・・・・・・(何もしてないのに身体が痛い!)」

「上前を開いて下前を巻き込みます。衿先を少し上に 引き上前より幾分短かめに押さえますよ」
「左手で上前腰紐の位置を押さえて右手で腰紐を取り、上前を押さえた ままの左手に渡します」

「・・・・・・・・・(全然判んないっ!)」

「おはしょりを整理し衿を整えますよ」
「下前の衿の折り返しにきちんとかかるように胸紐で押さえて、胸元をきっちり合わせます。おはしょりが斜めになっている場合はこの時点で真っ直ぐに整えます。いいですか?」

「・・・・・・・・・(おはしょりってなに?)」

「伊達締めを締めたら帯に移ります」
「志乃さん・・・吐きそう」


・・・情けないが本日はここでギブアップ。
1度全部緩めてもらった後で、もう1度志乃さんに着物を着せてもらい、着付け教室は次回に持ち越しとなった。

そして何とか吐き気も治まって、11時に志乃さんの案内で西門さんのお稽古場に向かった。


「総二郎様、牧野さんをお連れしましたよ」
「あぁ、入っていいぞ」

「・・・・・・(また吐き気が・・・)失礼します」


今度は2人っきりでお茶のお稽古・・・この前の茶道教室で見てるはずなのに懲りてないのね・・・。




***********************




「失礼します」、そう言って入って来た牧野を見て驚いた。
これまで洋服・・・安っぽいスーツとカジュアルな普段着しか見たことがなかったから。

古風な顔立ちだったから似合うとは思ったが、牧野の着物姿は意外にも美しかった。
お袋の古着とはいえ特注の着物と帯、それだから似合うって訳でもないだろうが、こんなに肌が白かったっけって思うほど・・・本当に上品に見えた。

志乃さんが簡単に纏めたんだろうけど、すこし下の方で結った髪のせいでオトナっぽいし・・・こんなにも雰囲気が変わるのも珍しいと言うか。
いや、普段が子供っぽいからか・・・?


「・・・・・・うぇっ
「・・・・・・は?」

「いえ、なんでもありません。お稽古の・・・順番・・・ぐぇっ、教えて下さい」
「・・・・・・?あぁ、じゃあまずはそこに座れ」


どうしたんだ?
今、何処かでカエルみたいな声が聞こえたのは気のせいか?

いや、牧野しか居ねぇし?




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Comments 4

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2019/10/12 (Sat) 12:49 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

コメントありがとうございます。
そしてまたまたご指摘、ありがとうです~!

いつ「が入ったんだろう?(笑)手が当たったのかな・・・もう、馬鹿ですよね💦
ホント、助かります♡

ふふふ♡私の場合、総ちゃんって元々恋しない人・・・ってイメージです。
原作でもそうですよね。恋したのは更ちゃんだけですから。

おちゃらけてるし、女性の扱いは得意だけど恋じゃない。
自分の恋には少し臆病なところがあって、でも認めたら超ウザい(笑)
こんな感じで書くことが多いですね~。

本当はエロ格好いい総ちゃんを書きたいですけど、筆力がないので💦


あはは!つくしちゃん、何かしそうですね💦


2019/10/12 (Sat) 22:03 | EDIT | REPLY |   
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2019/10/13 (Sun) 13:38 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。
そうそう、もう落ちてるんですけどね♡

着物の着付けって出来ます?

母が着物を着る人だったので何度か着たんですけど、今となってはねぇ・・・
色んなセレモニーも着物じゃないですもんね。

和箪笥に数枚あるけど全然見てないなぁ・・・でも、着る気分にもならない(笑)


そうねぇ、この2人はColorfulよりは早くそうなると思いますよ♡
なんたってあっちは97話でしたから(笑)

2019/10/13 (Sun) 22:48 | EDIT | REPLY |   

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