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司に言われて向かったのはシアターディストリクトに近いプレスラウンジ。
ニューヨークの夜景が一望できて抜群だと評判のルーフトップバーだ。泳ぐ訳じゃねぇけどわざわざ作られてるプールまであって、カクテルを飲みながら談笑する客で賑わっていた。

・・・ってか、ここに男2人でかっ?!


『いらっしゃいませ』
『道明寺で予約があると思うんだけど』

『あぁ、もうお待ちですよ。こちらへどうぞ』



まずは飯って事か?
ウェイターに案内されたのはルーフトップバーの手前にあるレストランだった。

そこに行くと懐かしい後ろ頭・・・相変わらず個性的だな、と苦笑いして近づいたら無愛想な顔で振り向きやがった。


「遅いっ!!この俺より後に来るとはいい度胸だな!」
「はぁ?そんなの知るかよ!来たばっかりの俺を無理矢理誘ったのはそっちだろうが!」

「・・・ふんっ!」
「・・・くくっ、変わんねぇな、司」

「早く座れ、腹が減った!」


この後極上のステーキを食いながら久しぶりに2人で馬鹿な話ばっかりしていた。その殆どが自分の身内の悪口ってのにウケたが、こいつは今ではお袋さんの片腕として世界中を飛び回ってる。
なんやかんや言ってドデカい仕事が似合う男になってしまった。

それにしても変わらず女の話はこれっぽっちも無い。
まさか今でも・・・?って少し疑問に思ったが触れずにスルーしてやった。


飯を食い終わったらルーフトップバーの特等席に案内されて、そこで出されたカクテルを男2人で色気もクソもなく飲んでいた。
元々すげぇ喋る男でもねぇから会話は途切れ途切れ・・・俺はその間、牧野が何してるのかを考えていた。

ちゃんと食ってちゃんと寝たんだろうか。
時差ボケ起こしてたから今頃寝られなくて困ってんじゃねぇだろうな・・・・・・なんて。


「・・・なんか変わった事ねぇのかよ、総二郎」
「なーんも。あぁ、あきらが帰国してまた人妻の美人秘書と上手いことやってるぞ」

「・・・馬鹿野郎だな、あいつは」
「そういや類は全然帰国してこないな・・・忙しいのかな」

「寝てんじゃねぇのか?いつ会っても寝惚けた顔してるし」
「ははっ!そうかもな。でもこの前真夜中なのに電話に出てくれたけどな」

「なんで電話したんだ?」
「・・・・・・・・・え?」


何で電話したんだっけ・・・って考えたら蓼科のロードコースの時だ。
今頃なんであんなところに行ったんだって聞かれたら・・・牧野の事を司に話す?いや、それは・・・って悩んでいたら司の方が変な顔して俺の返事を待ってた。
でも嘘をついても類に聞かれたらバレる・・・ただバイクでぶっ飛ばしたかっただけって言うのはやっぱり嘘くさいか?


「・・・・・・何で電話したのか・・・は、忘れた」
「何か隠し事してんのか?」

「なんで俺が司に隠し事するんだよ。大体今は殆ど会わねぇじゃん」
「じゃあ話せよ。会わねぇんだから問題ないだろう」

「思い出したら教えてやる」
「お前、すげぇムカつく言い方するな!吐け!!」

「なんだよっ!そんな事ぐらいで怒鳴るな、このガキが!」
「・・・んだと?総二郎、お前・・・・・・!!」

♪~~~♪~♪~~


思わず口喧嘩に発展するかと思った時に鳴った司のスマホ、それに手を伸ばして画面を見た司が固まった。
そして眉間にすげぇ皺寄せて、次には俺を凝視。「何だよ・・・」って言うと、スマホを耳に当てた。

なんだ、こいつ・・・マジ、ムカつくっ!💢


「・・・俺だ・・・は?あぁ・・・・・・えっ?」
(なんだ?誰からだ?)

「おぉ、50㎝ぐらいかな・・・・・・いや、80㎝か?まぁそんな感じだ」
(なんの長さだ?司が気にする長さにしては小さくね?)

「・・・・・・それは、えーと・・・総二郎、デモンストレーションいつだ?」
「は?デモンストレーションは明後日だけど(えっ、俺に関係してる事なのか?)」

「・・・んあ?あぁ、そうか!悪い・・・いや、その日にはここに居ない。パー・・・いや、ラストには戻ってる・・・」
(大丈夫か、こいつ・・・だから誰と喋ってんだよっ!)

「判った。その時に行けばいいんだろ?くどい!1回言えば判るっ!」
(いや、何の事か知らねぇけどお前に1回で通じた事はあんまりねぇぞ?)

「じゃあなっ!」ブチッ!!

「・・・今の誰からだ?」
「宇宙人だ」

「・・・・・・・・・・・・」


道明寺ホールディングスも苦労してるんだろうな・・・こんな男がトップにいるんだから。



**



ホテルに戻ったのは夜の11時。
もうこの時間には牧野も弟子達も草臥れて寝てるだろうと思いながらロビーを歩いていたら、今度は俺のスマホが鳴った。
誰かと思ったら同行している弟子の井上・・・何かあったのかと電話に出たら、思いもしなかった内容だった。


「どうした?何かあったのか?」
『あ!若宗匠、申し訳ありません、今はどちらですか?』

「ちょうどホテルに戻ってきたところだけど」
『本当ですか?すみませんが7階に来ていただけませんか?牧野さんが・・・』

「は?あいつがどうしたって?」
『そ、それが何故かレストランでお酒飲みまくって、殆ど意識がない状態になっちゃってですね・・・』

「・・・・・・・・・・・・」


はっ?!何だって?!
アメリカまで来てアルコール中毒かっ?!



電話を切ってすぐに7階に向かったら、牧野の部屋の前で井上と上田がオロオロしてやがった。
でもそこに牧野は居ない・・・って事は部屋で寝てるのか?!急いで駆け寄ったら、2人がガバッ!と頭を下げて「申し訳ありません!」と謝ってきた。


「いや、それはいいが牧野は?」

「牧野さんは部屋で寝てるんですが、鍵閉めちゃうと外から開けられないし、でも何かあったら動けないだろうって思ってどうしようかと・・・」
「だからこの部屋の鍵は牧野さんのカバンから出したので持ってるんです。これです」


そう言って上田が出した牧野の部屋のカードキー。
ここまで戻って来たけど牧野が自分で歩けない状態だったから、2人がカバンから出して部屋に入れ、ベッドに寝かせたと言われた。
それを俺が受け取って、2人には夕食時の状況を確認した。


「急にお酒をガンガン飲み出して焦ったんですよ。行ったレストランでは殆ど食べて無いし、時差ボケで具合悪かったからダメだって止めたんですけどね」
「吃驚するほどハイテンションになったかと思えば急に暗くなったりで・・・何かあったんでしょうか、若宗匠」

「・・・判った。兎に角お前達は明日も早いんだからもう部屋に戻れ。俺が暫く様子を見るから心配するな」

「宜しいのですか?」
「申し訳ありません・・・」

「いや、いい。ご苦労さん」


何度も頭を下げながらそれぞれの部屋に入ったのを見届けてから、牧野の部屋のガキを開けた。

ここは最上階の俺の部屋とは違って室内が見渡せるから、奥にあるベッドに寝てる牧野の姿はすぐに確認出来た。
ただし女慣れしてない2人の寝かせ方だから、ポイッと縫いぐるみを置かれたみたいに寝かされてる。せめて布団ぐらい掛けてやれよ、と思ったけど、触れちゃいけないとでも思ったんだろうな。

一応・・・女だし。


「仕方ねぇな・・・牧野!おい、大丈夫か?!」

「・・・・・・・・・ん・・・」
「少し身体を起こせるか?酒の匂いがついた服だと気持ち悪いぞ!」

「・・・・・・うるさ・・い・・・」
「何だって?牧野、お前・・・何やってんだよ・・・」

「・・・・・・そうじ・・・くそ・・・・・・ば・・・」
「・・・は?」


聞き間違いだよな?
「総二郎のクソ馬鹿」・・・って言われたような気がするんだけど。





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Comments 4

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2019/11/01 (Fri) 14:03 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは!誰だと思います?

そうなんですよ~、私は滋ちゃん、あまり書かないですね(笑)
少し苦手なんです、彼女。
因みに優紀ちゃんもあまり出ません。こちらも苦手です。

桜子は大好きです!!♡

でも最近は出て無いけど(笑)

そして宇宙人とは・・・もう少し先で判りますよ♡

2019/11/01 (Fri) 20:29 | EDIT | REPLY |   
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2019/11/03 (Sun) 13:21 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

・・・・・・・・・そう言えば椿さんって人もいたね。
私、椿さんとか出したこと無いかも。

あっ、司君を書かないからか!(笑)

と、言う事でその線は消えました!!

さて、誰でしょう?(笑)


うんうん、司君が絡んでもいいけど、その場合・・・もっと遅くなるけどいい?

2019/11/04 (Mon) 01:10 | EDIT | REPLY |   

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