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plumeria

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今度は何が起きたんだろう・・・牧野が鼻歌を歌っている。
フンフンフン♪と聞こえるのは音程がズレてるけど、イケメンアイドルグループの最新曲だ。


俺と井上達は牧野の部屋で、明日の土産の準備をするこいつを少し離れた位置から眺めていた。

昨日こいつと寝たベッドはもうすっかり綺麗になってて今朝の乱れた様子は全くない・・・そこに目を向けると牧野の甘えた声を思い出して、何気に熱を感じていた。

それなのにこいつは「やっぱり可愛いわねぇ~、巾着袋❤さて、次は、と!」なんて言いながらあの巾着袋に茶のセットを詰めてる・・・その手の軽いこと。
すげぇ楽しそうに手を動かして、もう半分以上は終わったようだ。


「フンフン~♪」
「・・・・・・牧野」

「は~い、何ですかぁ~?」
「・・・何があったんだ?」

「うふふ❤秘密でーす!」
「・・・・・・は?」


マジ、気持ち悪い。語尾を伸ばすのもそうだがハートマークが飛んでる気がする。
でもあの状態の牧野に男との接触があるとは思えないし、ましてや英語で愛を語れるとも思えない・・・それなのに何でリア充みたいな反応してやがる?

なんか、すげぇムカつく・・・!腹が痛かったんじゃねぇのかよ!


「牧野、午後からはアメリカでも店を出してる料亭に挨拶に行くんだが」
「あっ!まだこの仕事をしていますので井上さんとじゃダメですか?」

「・・・料亭の後はニューヨークにある和食器の店にも行くんだが」
「まぁ、忙しいんですねぇ!気を付けて行って下さいね?」

「・・・最後にはこっちにある和菓子店で明日の茶菓子頼んでるから挨拶しに行くんだが・・・試食があるぞ?」
「へぇ!アメリカにも和菓子屋さんがあるんですね?西門さん、お土産買って来て下さいよ」

「・・・・・・今日の晩飯は他の団体との会食になってるがお前どうする?これは自由参加だけど」
「うわっ!まだ全然マナーが出来ないんで私はいいです。それにお腹空いてないんで」

「昼飯食わなかったのか?」
「・・・・・・・・・えぇ、食べてないです。お腹壊してたので」


なんで今だけ返事が遅かったんだよ・・・なんか隠してるな?
俺がジーッと見てるとサッと顔を逸らせる。それって疚しいところがあるって言う態度じゃね?


**


<side井上&上田>

部屋の真ん中のラグに座り込んで仕事をするつくしを、少し離れたところにある椅子に座って見ている総二郎。
さらにその総二郎よりも後方で床に座って2人を眺めている井上と上田・・・。


「なぁ・・・なんで若宗匠、牧野さんの部屋で椅子に座って仕事を眺めてんだろ・・・」
「今まで弟子の部屋に入った事なんてないだろ?秘書なら入るのかな・・・」

「しかも牧野さんもあれだけ若宗匠に睨まれても鼻歌止めないって凄くないか?」
「それにあれだけ遠回しに連れ出そうとする若宗匠も初めて見たけど」

「今までは海外だって俺達に何も言わずに出掛けてたよな?」
「飯に誘われた事なんて1度もないけど・・・って、一緒に食えねぇよ・・・」

「俺達、なんでこの2人を見てるんだろう・・・」
「・・・だよな」




***************************




「じゃあ行ってくる・・・」
「行ってらっしゃーい!」

何故か怒ったような顔の西門さんが、2人のお弟子さんを連れてニューヨークにある知り合いの店に出向いて行った。それを自分の部屋のドアの前で手を振って見送って・・・姿が見えなくなったら溜め息を漏らしながら中に入った。


確かにイケメンの彼にハンバーガーを奢ってもらったから気分は良かったけど、だからってすぐに普通には戻れない。態と明るく振る舞ってみたけど、それにも限界があって疲れた・・・。

だって真後ろからずっと睨むんだもん。
自分が婚約者と仲良くしたのは私に黙ってるくせに。


「怒りゃしないけど、ダメだと思うのよね?そんな人がいながら私にキ・・・キスなんてしてさ!
昨日の夜だけじゃないのよ?西門に初めて来た日だっていきなり抱き締めてさ、あんな濃厚なの・・・・・・それ、女として許せないから!」

ブツブツ言いながらお茶セットを詰めていたら、何故か茶匙が余った。
「あれ?」って事で今後は詰めたものをまた出してチェックして、そうしたら抹茶が2個入ってる袋を見付けて呆然・・・って事は何処かにお茶が入ってない袋が?!

慌てて詰め直したら時間はあっという間に夕方。


窓の外が薄暗くなってきた。
私・・・アメリカにまで来て何やってんだろ。


ふと考えた・・・西門に来てからいくら貯金が出来たのか。
あれから3ヶ月でまだ20万ぐらい。580万円には程遠いなぁ・・・って。


晩ご飯なんて欲しくは無い。なんたってアメリカンサイズのハンバーガーを2個も食べたんだもん。

それでも珈琲とケーキぐらいならお腹には入るし、疲れた時には甘いものが1番って言うじゃない。
だから手を休めて、ロビーの奥にあったラウンジに行こうと思った。そこなら英語が喋れなくても注文ぐらいは出来るだろうし、いざとなったらフロントが助けてくれる。
カードキーとポーチだけ持って重たい腰を上げた。

部屋を出たら一応隣の部屋を確認・・・井上さん達はまだ帰ってないみたいだった。


「もしかしたら3人でご飯かな?まぁ、いいや・・・1人には慣れてるし」


お昼と同じようにブラブラ歩いてエレベーターホールまで行き、降りてきたエレベーターに乗り込んだ。そして他の外人さん達に囲まれて下まで降りて、ドアが開いたら後ろから押されるように飛び出した。
その時に躓きそうになって、ムッとして振り向いたらその時に隣のエレベーターに乗った人・・・


「あれ?今の髪の毛・・・」

ここはアメリカなんだから色んな髪の人がいるのに、何故かその茶色の髪がお昼に出会った人に見えた。
驚いて立ち止まったら後ろから来た人に紛れて彼は見えなくなり、そのうち隣のエレベーターはドアが閉まって上に向かった。


服も似てた?まさかこのホテルに泊まってる人?
日本人だったからもしかしてイベント関係者・・・でも打ち合わせにあんなイケメンが居たら気が付くと思うんだけど。

暫く上がって行くエレベーターを見ていたけど、色んなところで止まってるから階なんて判りっこない。
それなら忘れようと、またブラブラとラウンジの方に向かって歩いた。


その時、ハッと顔をあげたら時計を見ている御夫人が目の前に来ていて、危ないと思った時には避けられずに思いっきり体当たりされた!

「きゃあっ!!」
「きゃ・・・!!なに?」


・・・日本語?

「なに?」って言葉が日本語だったから、ぶつかって蹌踉けたのは私だったけど「申し訳ありません!」って叫んだ。そうしたらキッ!と怖い顔を向けて、その真っ赤なルージュの口から西門さん並の言葉が飛んで来た。


「あなた!こんなところをボーッと歩かないでちょうだい。ホテルの中だからいいけれど、そんな事を普通の路地でしていたら身包み剥がされるわよ!」

「・・・はっ?」

「は、じゃないわ。ここはのんびりした日本じゃないの、常に回りを見て緊張感を持ちなさい。それに若いうちからこんな一流ホテルに泊まるなんて・・・甘えた生活に慣れないことね!」

「・・・・・・・・・は?」

「それしか言えないの?もういいわ、時間がないから!」

そう言ってその女の人はまた凄い速さでロビーを歩き、外に出て行った。


なんだったの?!




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2019/11/08 (Fri) 00:10 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは!

コメントありがとうございます。


爆笑っ!!
そんなに不憫だった?(笑)

想像したら笑えるでしょう?
私、一人で爆笑しながら書いたもん。

総ちゃんがこんな事やってる~~~💦って。


謎の類君に謎のおばちゃん(笑)
摩訶不思議なマンハッタンのお話です。

2019/11/08 (Fri) 20:17 | EDIT | REPLY |   

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