FC2ブログ

plumeria

plumeria

明日のパーティーが終われば次の日には日本に帰る。
その前にどうしても食事に誘ってやりたくて、大至急届けさせたドレスとコート・・・それを着た牧野が目の前に現れた時、何故かすげぇドキッとした。
今までだって何度かドキッとはしたけど・・・・・・ヤバい、もしかして俺、マジでこいつの事を?


いや、だって・・・牧野だぞ?

俺の好みなんて何1つ押さえてねぇし、色気もないし、胸もないし、ガキの時は俺を突き飛ばした女だ。最近で言えば足で腹を蹴った女だ。
それなのに・・・?いや、違う・・・ただ見慣れないから驚いただけだ。


「なにブツブツ言ってるんですか?こんなの無理矢理着せといて!そんな顔するならやめましょ?私は部屋でハンバーガー食べたらいいんで」
「馬鹿か!お前、アメリカまで来て1回もマトモに飯食ってねぇだろ?明日だって午後からパーティーだけど、立食だから食えるかどうかなんて判んねぇし!」

「だって驚いた顔するんですもの、私なんて連れて歩くのが恥ずかしいんでしょ?」
「・・・そうじゃねぇよ。俺としたことがアクセサリー忘れてたから余計に淋しいって思っただけだ。先にそっち行こうか」

「はっ?余計にって何気に失礼な事言っちゃって!それにわざわざ買わなくても・・・」
「そういう店に行くんだって!」

「・・・・・・(さっきはそういう店じゃないって言ったのに・・・)」




*******************




何か変だと思ったら西門さんがまるでエスコートするような素振りに変わった。
私が部屋を出ようとしたら先に行ってドアを開け、私を出したらそっと閉めて真横を歩くし、廊下で誰かにぶつかりそうになったら今までに無い優しい腕で私を引き寄せる・・・。
これが今までだったら「馬鹿野郎!」の声付きでグイッと引っ張られたのに?

エレベーターに乗る時もそっと背中に手を添えられて、まるで守るみたいに立ってる。

なんか気持ち悪いんだけど・・・。


そしてホテルを出るとすぐにリムジンが来て、それに乗り何処かに向かった。
何かを運転手さんに話してたけど、その会話なんて当然聞き取れない。聞こうと思って横を見たら、いつもより澄ました顔だったから何も聞けなかった。

そしてリムジンが停まったのは宝飾店?
すごくゴージャスで眩しいディスプレイと上品なドアが高級店を感じさせる・・・本当にこんなお店で買う気なのかと焦ったけど、ここでも気障な顔で「行くぞ」とだけ言われて、緊張しながら横を歩いた。


「・・・あの・・・」
「なんだ?」

「ここって・・・高くないですか?」
「そっか?このぐらいは普通だろう。そのドレスなら・・・これかな?」

そう言って取ってくれたのはゴールドのネックレスだけど、ゼロが・・・私の最大級の贅沢より2つも多いっ!
それをあっさり即決で買って、ついでにイヤリングまで!?合計でいくらなんだろう・・・?

「・・・・・・・・・!」

ヴァンキッシュの修理代より高いじゃないのっ!

そ、そんなの首と耳にぶら下げて歩くの?


『今からお着けになります?』
『あぁ、俺がやるからいいよ』

『そうですか?では、こちらにお嬢様をお連れ下さいませ。鏡がございますわ』
『サンキュ!』



最後のサンキュ!しか聞き取れなかったけど、西門さんがまた私の背中をそっと押して奥に連れて行き、そこにある鏡の前に立たされた。すぐに後ろから回ってきた彼の腕・・・そしてキラッ!と光ったのは私の首。
ドクンドクンと鳴る私の心臓の音が彼に聞こえるんじゃないかと焦った。

そして耳にはループイヤリング・・・パッと見た感じはピアスに見えるお洒落なヤツで、どうやらダイヤが一周埋められてるらしい。

それも西門さんが後ろから着けてくれて、終わったら私の肩を抱いて真横に顔をくっつけた。
鏡で見たら並んでる顔・・・でもクールに笑う西門さんに比べて私、凄く引き攣ってる!そして耳に唇を近づけて「綺麗じゃん?」って・・・それにビクッとして肩を竦めたら、クスクス笑ってた。


「き、綺麗なのはネックレスとピアスでしょ?そんなの耳元で言わないで下さい!」
「そういう時は素直にありがとうって言うもんだ。そんなに口を尖らせてるとホントに可愛くねぇからやめろ」

「・・・・・・っ!あ、ありがとう・・・ございます」
「いーえ、どういたしまして。じゃ今度こそレストランだな。腹の虫が鳴くことも出来なくなっただろ?」


・・・確かにお腹空いた。もう9時だもん。



そんなお嬢様みたいな格好して彼と向かったのは予約必須のマンハッタンの人気フレンチレストラン。
外観も内装も素敵で、ここにも高級感が溢れていた。このお店は肉料理よりも魚料理と中心としたメニューが並んでいるらしい。出された料理はどれも綺麗で美味しかった。

それに「マナー講座じゃねぇから好きに食え」って言われたから、この前美作さんに聞いた事を思い出しながら食べた。


でも、本当はこんなドレスやアクセサリーや食事よりも、婚約者との時間の方が良かったんじゃないの?


何度もそれを聞こうとして聞けなかった。
どうせ明日には・・・判るから。


「あの、(婚約者に)怒られませんか?私とこんな所に来て・・・」
「は?(親父達が?)・・・別に怒らねぇだろ。ここよりもっと豪華な店に行く事の方が多いから」

「そうですか・・・でも、なんで私とこんなお店でご飯?もっと他に(婚約者との)時間の使い方があったんじゃないですか?」
「まぁ、色々あったけどお前も頑張ったしな。巾着袋が好評だった事の礼みたいなもんだ」

「・・・くす、そうですか」
「そのネックレスとイヤリングは特別ボーナスにしてやる」

「へっ?!ホントに?!」
「あぁ、記念にな」


・・・・・・もしかしたらこのネックレス売ったら、車の修理代金払えるんじゃないの?


「・・・・・・・・・・・・」

「何考えてるんだ?」
「は!いや、なんでもありませんっ!!」



**




10時半・・・食事が終わってからホテルに戻ると思ったら、今度連れて行かれたのはエンパイア・ステート・ビルディングだった。
どうしてこんな所に行くんだろうって彼を見上げたけど、少し嬉しそうな顔するだけで何も言わない。

もしかしたらここで婚約者に紹介とか?
だから笑顔なのかしら・・・って嫌な予感がした。


でも1人で引き返しても帰ることが出来ない。だから仕方なく西門さんにくっついてエレベーターに乗った。
そして一気に地上320mにある86階の展望台へ・・・そこに行ってから驚いた!

デッキには窓ガラスがない・・・直接ニューヨークの景色が目の前に広がった!


「うわっ!!凄い・・・」
「だろ?ここを見せてやろうと思ってさ」

「でも、寒い~~!!」
「そりゃ仕方ねぇな。剥き出しなんだから。ほら、こうしたら寒くねぇだろ?」


背中から西門さんがスーツの上着のボタンを外して私の身体を包み込んだ!
そのまま腕を回されて、私の背中と彼の胸が・・・それに吃驚して顔は真正面を向いてるけど、心の目は背中の彼を見つめていた。


ズルイよ・・・婚約者が居るくせにそんなの・・・!
勘違い、しちゃうじゃん!


「ほら、あれが泊まってるホテルだろ?で、あっちが・・・牧野、聞いてんのか?」
「・・・・・・聞いてますよ、でもそれより足が寒くて・・・」

「あ~、膝下丸出しだもんな。そこまではカバー出来ねぇな。もう少し我慢しろ」
「・・・うん、あっ、あのビル綺麗・・・!」

「あぁ、あれは・・・」


本当はこんなに綺麗なニューヨークの夜景なのに霞んで見えない。
それを寒さのせいにして鼻を啜りながら、背中から来る西門さんの温かさを感じてた。






にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
応援、宜しくお願い致します♡
関連記事
Posted by

Comments 6

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/11/15 (Fri) 15:33 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/11/15 (Fri) 18:01 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは!ですよね~💦
多分総ちゃんの素直な行動なんですよ♡

誰にでも出来るし、普段は態とやってる・・・でも、今は自然とやってるんだと思います。
認めないと言いつつ、行動はとても分かり易い総ちゃんです(笑)

で、この2人の誤解はいつ解けるのでしょうかね(笑)

如何に主語が大事かと言う事ですねっ!

2019/11/15 (Fri) 20:46 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

ん~~~~~~~♡

近づいた感、ある?(笑)

2019/11/15 (Fri) 20:47 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/11/24 (Sun) 10:52 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます(笑)

あっはは!
それ前から好きって言ってるよね?

うんうん、これも外せない1つのシーンだよね~♡
そんでもって耳にキスするの♡

・・・ジュル、たまらんっ・・・♡

2019/11/24 (Sun) 23:58 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply