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plumeria

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「・・はい、出来ましたわ。髪飾りはこのぐらいしないと着物に負けてしまいますからね。本当に綺麗ですこと・・・素敵なお振り袖ですわねぇ」

「あ・・・ありがとうございます(家元夫人のだけど)」

部屋に呼んでいたメイクの担当者に和装メイクをしてもらい、髪も結い上げてもらった。
今時流行の洋風な結い方じゃなくて、古典的なヤツ・・・でも、その方がこいつには似合っていた。花かんざしを豪華につけて、まるで花嫁衣装みたいだった。

・・・いや、何考えてんだ?


「それでは失礼します」とメイクの人間が部屋を出ていったら今度は着付け。
その部屋に置いてあった衣桁から振袖を外して牧野に手渡し、それを羽織ったら声をかけろと言って俺は別の部屋に移動した。その時に入ったメッセージは司・・・はぁ、とすげぇ溜め息が漏れた。

『30粉ぐらい遅れる』

「・・・今でも漢字に弱いんだな、こいつ。それに遅れてまで来なくていいのに」


司と牧野が会うのかと思うと、何かが起きそうで怖いんだが。
ってスマホの画面を睨んでいたら、牧野が「着ました~」と顔を出した。それを見て腰を上げ、隣の部屋に入った。



**



お袋の宝物と言っても間違いじゃない「一期一会の大振袖」・・・その深紅の京友禅を着た牧野は凄く美しかった。
確かに着物は極上だが、誰が着ても似合うって訳じゃない。こいつは元々和装が似合うんだろうな、と帯を結びながら考えていた。

最近は何かと着物を着る機会があったからすっかり慣れてるし、着物での所作も随分と上品になった・・・俺の教え方が上手いんだな、と自画自賛だ。

なんて言ってるけどやっぱり牧野の表情がイマイチ・・・それを今聞くのもマズいか?とそっとしておいた。


「井上さん達も着物ですか?」
「は?いや、彼奴らは出ねぇけど?」

「えっ?そうなんですか?じゃあ・・・」
「このパーティーは俺とお前だけど?」

なんでそんなに嫌そうな顔になる?まさかあのひょろんとした井上とちんちくりんの上田のどっちかに気があるとかじゃあるまいし。
極上の振袖着てるクセに顔だけ引き攣らせて、まるで何かの犯罪者を見るみたいに睨むのやめてくれねぇかな・・・。


「なんでそんな事気にすんだ?彼奴らは弟子だからパーティーに出る方が緊張して嫌だろうよ。慣れてないし」
「いや、それを言うなら私だって初めてですって!それに私はお茶も出来ない秘書ですよ?」

「ちゃんと点てただろ?そこまで美味くはなかったみたいだけど」
「・・・そりゃそうでしょうよ!だってあの時のお茶で4・・・5回目?ぐらいなんだから!」

「くくっ、すげぇじゃん?俺なんて茶道初めて5年間は客に茶なんて点てなかったぞ」
「だからあの時は成り行きなんですよ!もうっ・・・」


やっといつものような会話が出来たと少し嬉しくなったのに、また慌てて「ダメダメ!」なんて言って口を噤んだ。


時間は午後2時半・・・3時から始まるパーティーだからボチボチ行かなきゃいけないが・・・と、懐中時計を見るフリして牧野を見たら、やっぱりソワソワして落ち着かない。
それに何故か悲しそうに見えるのは気のせいか?


「どうした?お前、ホントに何考え込んでんだ?」
「・・・・・・あ、あの・・・」

「ん?」



************************




何を考え込んでるか・・・そう聞かれたけど、婚約者の事を聞くのが怖かった。
だから現れたら井上さん達の所に逃げようと思っていたのに、2人が居ないなんて言われてショック・・・だったら自分は1人ぼっちになっちゃうと、心配で仕方なかった。

だからこんな派手で綺麗な振袖着ても気分は奈落の底・・・目の前に血の池地獄か針地獄があるような気分だった。


でも、もう時間が迫ってる。
心の準備をするために、やっぱり聞いておこうかと・・・西門さんの顔を見ずに俯いたまま尋ねた。


「あの・・・今日、(婚約者が)来るんでしょ?」
「は?なんで知ってんだ?まさか、井上達が喋ったのか?」

「って言うか、立ち聞きしちゃって・・・まさかそんな人が来るなんて思わなかったから吃驚して」
「別にいきなり怒鳴ったりとかしねぇだろ。気は荒い方だけどマナーは心得てるし」

「気が荒いんですか?前から・・・なんですか?」
「あぁ、ガキの頃からだからもう慣れた。あいつが何か言いかけたら俺が止めるから心配すんな。もしかしてそれが気になって様子がおかしかったのか?」

「・・・だって、今までひと言も聞いた事が無かったから」
「あれ?言わなかったっけ?(ホテルの撮影の時に道明寺の名前を出したような気がするが?)」

「素敵な人・・・なんでしょうね」
「・・・気になるのか?」


「・・・気になりますよ(あなたの婚約者なんだから)」
「・・・マジか(ヤバい・・・見た目だけはいいからな・・・牧野が一目惚れとかしたらどーすんだ?)」


深窓のお嬢様だと思ったけど、気が荒くて怒鳴るかもしれないの?
どうしよう・・・私、そんな人に耐えられるかしら。


時間になって西門さんに連れられて部屋を出たけど、このままトンズラしたくなった・・・。


「・・・・・・・・・」
「大丈夫だって。女に興味はねぇから」

「・・・そりゃそうでしょうけど」
「それは知ってんのか?(噂になってんのかな・・・あいつがまだ○○だって)」

「・・・はぁ」
「エレベーター来たぞ、牧野」


このエレベーター、2人だけで乗ってる時に故障して止まればいいのに・・・。





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Comments 4

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2019/11/17 (Sun) 12:29 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

あっはは!もうそろそろ限界ですね(笑)
どっちかが「婚約者」か「道明寺」を出せばいいだけなのに💦

自分でもColorfulの類君を思い出してしまいました・・・。いかんいかん!!

そろそろ次に進ませねばっ!!
って、出てくるのは・・・彼ですけどね(笑)

2019/11/17 (Sun) 16:14 | EDIT | REPLY |   
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2019/11/18 (Mon) 10:54 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

ええっ!(笑)
ごめん・・・それは考えてなかったわ💦
半分当たってるような、違うような(笑)


そうなのよ・・・ちょっと忙しくてね(笑)
今までに無く追い詰められてるのよ💦
マジで困ってます・・・うん、ヤガーもね、終わらないからどうにかしたいんだけど。

アレもね、ホントそろそろだよね(笑)

・・・・・・・・・。


お気遣いありがとうございます♡

2019/11/18 (Mon) 22:18 | EDIT | REPLY |   

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