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この度のイベントの最終日・・・両国の代表と参加メンバー、それにアメリカの企業関係者や政府関係者が続々とパーティー会場に入って来た。
俺達が入ったのは随分後の方だったから、入ったらすぐに牧野を見る男の視線を感じた。


まぁ無理もない・・・極上の大振袖だし、意外にも化けてるし。
いつもなら群がって来るはずの女達も今日は静か・・・そのぐらい牧野は良い意味で目立っていた。

それなのに肝心の牧野は緊張してるのか、また顔が引き攣ってる。俺から少し離れて歩こうとするから、無理矢理引っ張って真横に来させた。


「何、ボーッとしてんだ?英語で話し掛けられたら困るの、お前だろうが!」
「そ、そうなんだけど・・・でも」

「いいから俺にくっついとけって。話したとおりこのパーティーは立食のフリースタイルだから、何処から誰が来るか判んねぇからな」
「・・・でも、側に居て良いんですか?怒られません?」

「誰に?」・・・そう言った時に始まった主催者代表の挨拶。
そのせいで会話は途切れて、牧野はそのまま俯いて俺の横に立っていた。


・・・・・・怒られるって、誰にだ?
秘書が入っちゃいけないとかって無いし、大体牧野が秘書だなんて俺が言わなきゃ判らねぇし?
少し向こうに見える東川だって宏美を同伴してるんだから、別に問題は・・・って牧野を横目で見下ろしたら、すげぇ赤い顔して困ってやがった。
でも、その顔が・・・何故か可愛い。

少しだけ尖らせた唇が何とも言えず・・・って眺めていたら、挨拶はさっさと終わり歓談の時間になった。


「やぁ、総二郎君!お父上が具合悪かったんだって?」

そう話し掛けてきたのは京都の染め師で、今回の参加者だった。その家とは西門家が京都にあった頃からの付き合いで、今でもお袋はこの人の染めた反物で着物を仕立てるぐらい懇意にしてる爺さんだ。
だから無視する訳にもいかず、親父がギックリ腰だったことを話すと大笑い・・・いや、そんな事はどうでもいいから、なんてのは心の中だけで、表向きは”営業スマイル”。

そうしていたら今度はズイッと近寄って来た女性は普通の着物を着てる京都の芸子。
「最近来ないわねぇ、総さん!」なんて言うからマズい!と思ったら・・・隣に居るはずの牧野が居なかった。


あれ?牧野、どこ行ったんだ?



************************



西門さんが色んな人に捕まってるのを見て、そ~~~~っと後ろに下がって彼から離れた。
このまま廊下に出てひと休みして、西門さんが婚約者と会って私の事なんてどうでも良くなったら部屋に帰ろうと考えた。

うん、やっぱり会う自信がない。
自分がこんな臆病な人間だったなんて思わなかったけど、もう傷つきたくない気持ちの方が大きかった。
出来るだけ目立たないように(すごく目立つ振袖だけど)、人の間をすり抜けて・・・ちょっとだけ振り向いた。

「西門さんは・・・よしよし、まだ話し込んでるわ。今のうちに・・・」
「You look great in that kimono!」

「・・・はっ?!」

前を向いたら今度は全然知らない外人さんがニコニコして私の行く手を塞いだ。
えへ♡と愛想笑いだけしてその横をすり抜けようとしたら、グイッと身体を同じ方向に向けてまた真正面に!

「The presence of young girls in kimono adds to the gaiety of a party!」
「はい?」

なんて言ってるのか早口で全然・・・と言うより、ゆっくり喋られても本場の英語なんて聞き取れないんだけど。
どうやってこの場から逃げようかと瞬きすること数回、また私の後ろから昨日と同じ声が聞こえてきた!


『失礼、彼女は私のパートナーなんですけど何か?』
『え?あぁ、いや、可愛らしいなぁと思ってね』

『それはどうもありがとうございます。でもあなたの奥様が後ろで睨んでるんじゃないですか?』
『はっ?おぉ、これはマズい・・・ははは!失礼、お嬢さん』



それはハンバーガーを奢ってくれて、昨日も通訳してくれた優しいイケメンさん!
名前を聞きそびれたと思っていたのに、このイベントの関係者だとは思わなかった。だから逃がしちゃいけないと思って彼の袖をガシッと持ったら凄く驚いた顔をされた。


「あのっ!この前も昨日もありがとうございました!」
「くす、それはもう聞いたけど?」

「そ、そうかもしれないけど・・・・・・そうだ!お名前なんて言うんですか?このイベントの関係者なんでしょ?まさか何処かの団体さん?」
「え?そんな風に見える?」

「いえ、全然。初めは外人さんだと思いましたから」
「そう・・・じゃあ、ここは騒がしいから廊下に出ようか?少し話そ?」

「・・・はい♡」


その少し斜めに傾けて笑う顔、サイコーーーッ!
西門さんと違って可愛いじゃないっ!やだ、キュンキュンしちゃうっ~~っ!・・・と、急にハイテンションになって、茶髪の彼に背中を支えられて廊下へと向かった。




********************




今まで真後ろに居た牧野が居ない・・・なんて思っても、あの豪華絢爛な大振袖を見失う訳がない。
また何を考えてんのかコソコソと会場の隅に逃げていく牧野の後ろ姿を見た時にムカッとした。

そろそろ我慢の限界・・・こうなったらその態度の理由を吐かせてやる!

その勢いで牧野の後を追おうとしたら、今度は主催者代表に肩を叩かれ「いやぁ、西門君!」が始まった・・・。そしてこいつも無視できない。だから適当に話し相手をして、早く切り上げようとしてもなかなか話が終わらない!

イライラしながら(でも営業スマイル)このおっさんの話を聞き、漸く終わったから振り向いたら・・・



どっから湧いて出たーーっ!!💢💢
類の馬鹿野郎っ!!💢




あの嫌味なほどサラサラな茶髪が、深紅の大振袖を抱えて廊下に向かってやがった!
冗談じゃない、どうして一度ならず二度までも牧野に近づくんだ?

腹が立って踵を翻し、2人の後を追って廊下に出た!


そうしたら少し離れたエレベーターホールの横の休憩スペースにド派手な色を発見!
小走りで向かって行くと、牧野と類が隣り合って座って、類の手が牧野の頬に・・・?!


まさか・・・まさかこの2人、出会っていきなり・・・?!


嘘だろっ?!!





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Comments 4

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2019/11/18 (Mon) 15:16 | EDIT | REPLY |   
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2019/11/18 (Mon) 15:36 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あっはは!総ちゃん、素直じゃないから(笑)
もうねぇ💦好きな子にはなんとかって、子供みたいなんですよ~。

そして類君は一体何をしているのでしょう(笑)
この人、ここではかなり不思議ちゃんですよね💦

さて・・・この2人、何してるんでしょうか。うふふ、積極的な類君・・・だったりして!

2019/11/18 (Mon) 22:41 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

司君は「30粉遅れてくる」ですから(笑)

総ちゃんのイライラMAX、類君の行動で何かが起きるかも?
そうですよね~、ちゃんと判って帰国して欲しいですよね(笑)

私も着物は好きですけど、最近の成人式の着物姿はちょっと(笑)
全員がそうではありませんが、私の働いていた会社の子も振袖姿を見せてくれますが・・・

着物なのに黒いレースの手袋をしている。
蜘蛛の巣の模様の振袖に真っ赤な帯。
ド派手なピアスをしている。
爆発したような付け毛に薔薇の花飾り、等々・・・。

それには首を傾げます。

やっぱり上品で古風な感じが好きです(年寄発言💦)

2019/11/18 (Mon) 22:47 | EDIT | REPLY |   

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