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plumeria

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「また、降ってきたよ。早く仕上げないと」

少し小さめの雪玉を二人で抱えて体に乗せた。庭の雪、結構使ったんだね。
さぁ、完成まであと少し。どこから持ってきたのか、黒い石をボタンに見立てて体につけて。
同じ石を今度は目にして・・・台所からもらったの?人参が鼻になった。

気がついたら使用人達が後ろで準備してるんだ!
いつの間につくしはみんなと友達になったの?よく見たらリビングでみんながこっちを見てる。
今度は腕?屋敷から小さめの箒が4つ届けられた。
二人で位置を確かめながら箒を刺した。
どこからでてくるのか、赤いバケツと黒いバケツ。
つくしじゃ届かないから俺の役目だね。

小さい方に赤いバケツ、大きな方に黒いバケツ



「すみません!ありがとうございましたーー!!」

手伝ってくれた使用人達に深々と頭を下げるつくしにリビングから拍手が送られた。

雪がまた庭を白くしていく。あっ!って叫んで一度部屋に戻っていった。今度は何?

次に来たときは手にマフラーを持ってる。
そして、小さい方にはピンクのマフラーをリボンみたいに、大きな方にはブルーのマフラーを一周巻きにして
それはもう、満足そうに笑うお姫様。

「中に入ろうか」
「うん。すごく楽しかった」

あっという間にお昼も過ぎた。
家の中に入ったら食事の支度が出来てた。ずっと外にいたから暖かいビーフシチューにつくしは大満足。

「あー・・疲れた。動いたあとは特別美味しいよね」

「ぷっ!あんたはいつも美味しそうに食べてるじゃん」

外を見ると庭の二人がこっちを見てる。
もう、庭は真っ白で・・・雪だるまのバケツ帽子にも雪が積もってる。


また、つくしの姿が見えなくなった。
家の中、どこを探してもいない・・・もしかしてまた?
窓から外を見るとつくしは雪だるまの前に座っていた。

もう!まだ雪がふってるのに・・・

迎えに行こうとしてコートを着たら戻ってきた。頭にたくさん雪を乗っけて、ほっぺたを赤くして。

「どうしたのさ。まだ、作り足りなかったの?」

「ふふっ・・ちょっとね・・」

そう言って濡れた服を着替えに部屋に行った。


使用人頭の加代が笑いながら声を掛けてきた。

「類様、ご覧になりましたか?」

「何を?」

「まぁ・・・あそこですよ・・・ほら」

そう言って窓の外を指さした。
二人の雪だるまの間になにかいる・・・?あぁ・・あれってさっき作ったの?
くすくす・・ほんとおもしろいね。

小さな雪だるまがちょこんと立ってる。今度は黄色いマフラーを巻いて。
さっきまで二人だったのに、今は三人の雪だるまがこっちを見てる。
ほら!使用人達も笑っちゃってスマホで撮ったりしてるよ?


「ねぇ、あれ、作ったの?」

戻ってきたつくしに聞いたら真っ赤になって笑ってる。

「えへへ・・・だってね、ほら!来年の私たち・・・なんだよ?」

「・・・・え?」



うそ!!ほんとうに?!・・・びっくりして声が出ない・・・

「来年はもうパパだよ?類。これからもよろしくね?」

「本当に!?・・ちょっと待って!!それなのにあんな寒いとこであんな事したの?何かあったらどうすんのさっ!!」

「大丈夫だよ。カイロ貼ったもん」

「もう!!ダメダメ!早く休んで!!体も温めないと!あっ・・・じゃあ、昨日もムリしたんじゃないの?!」

大丈夫だってケラケラ笑ってるけど・・・あぁ・・!もう心配かけてっ!
でも、次の瞬間もう耐えられなくて思いっきり抱きしめた!
俺の腕の中で苦しがってるみたいだけど、ごめん・・・今は離せないよ・・・

こんなに大事な人に会えただけで幸せなのに・・・
もう一人天使が来るんだってさ!!
涙が出そうなのを必死に我慢した。

どんな天使がくるんだろう・・・つくしに似た元気のいい子がいいな。
絶対、寂しい思いなんかさせないんだ!
早く・・・早く会いたい!!俺たちの天使に・・・!!


「ほら・・・類、やっぱり可愛いよね」
「うん・・・」

窓の外はもう暗くなってきて雪もやんだ・・・
部屋の明かりを受けて、外の三人は寄り添ってこっちを見てる。


夜になってつくしは俺の腕に抱かれてすやすや寝てる・・・
遊び疲れた子供のように・・・

つくしの頬にキスをして俺も眠りにつく・・・
来年の夢を見ながら。

来年、雪が降ったらまた作ろう・・・・
小さな雪だるまがこれからも増えていく。

きっと。

無題






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