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父さん達が自宅に戻ったのはもう日付が変わった頃だった。
俺はこのまま病院に泊まり、つくしの意識が回復するのを待つ・・・それが何日掛かろうとも、つくしの側を離れる気はなかった。

ベッド脇の椅子に腰掛けてつくしの手を片手で握り、もう片方で少し赤味が戻って来た頬を撫でた。
その次にはポコンと出ている腹を摩って天使にも「ありがとう・・・」と呟いた。


あの事故を乗り越え、つくしの弱った身体の中で生き抜き、不思議な力で俺達を助けてくれた・・・自分の子ながらなんて逞しいんだと誇らしかった。

3月が待ち遠しい・・・早く君に会いたいな。
そう願ったらポコンと俺の手を蹴った!
有栖川邸でも少しだけ感じたけど、やっぱり感動する・・・つくしが寝ているから俺は暫く天使と2人で遊んでいた。

ポコンと押してくるから少しだけ押し返す・・・つくしの寝顔を見ながら何回やってみただろう。
そのうち動かなくなったから俺もそこから手を離した。


その時、コロンと籠もったような金属音がコートの中から聞こえてきて、それが柊祐の残した鈴だと思い出した。
急いで取り出してもう1度隙間から覗いてみると、やはり中に何かが入ってる。
この病室に固いものがあるだろうかと探してみると、ゲストルームに何処かの引き出しの鍵があった。それを持って鈴の真ん中に押し当て、ゆっくり力を込めていく・・・すると鈴は形を歪め、中のものが出てきそうなほど隙間が広がった。

もうこの鈴はつくしに聞かせることはない・・・だから気にせず最後にグッと力を入れると、鈴が割れて何かがコロンと落ちてきた。



「・・・あ、これは・・・」

落ちてきたのはフランスで買ったアクアマリンのピアスの1つ。もう1度振ると、またひとつコロンと落ちてきた。
でも、まだ音がする。もう1度振るとそこから出てきたのは俺達の結婚指輪だった。

こんな所に隠してたのか・・・。
だから最後にこいつを残していった?

皮肉れたあいつのしそうな事・・・『気が付いたのなら持ってけば?』なんて声が聞こえてきそうだった。


それを持ってつくしのベッドに戻り、左手を見ると柊祐が用意した指輪がはめられていた。それをそっと抜き取って俺達のものと交換・・・その指に自分の指を並べて、それをスマホで撮影した。
窶れた顔を送ったりしたら後で怒るもんね・・・だから、その指輪を幼馴染みに送ってやった。


『取り戻せたよ。子供も無事だった。ありがとう』


そうしたら途端に鳴る電話。
慌ててゲストルームで電話を取ったら司で、何を言ってるか判らないぐらい大声で怒鳴られた。
怒ってるんじゃなくて色々質問してるんだけど、俺が説明する間もなく次の質問をするから結局最後には怒られた。
切った途端に掛かったのは総二郎で『今何処だ!』って言うから「花沢総合医療センター。でもつくしは目が覚めてない」と言えば明日の朝来ると言って電話は一方的に切られた。

俺だけなら来ないって言うわけ?

それにムッとしてスマホを睨んだら、最後に掛かってきたのはあきら。
『良かったな!』と開口一番に喜んでくれたのはこいつだけだった。

その後にも三条と大河原からもメッセージが入り、進は・・・どうやら寝てるらしい。



電話も落ち着いたらまた椅子に座ってつくしの手を握った。


今日はこのまま寝てもいいかな・・・流石に疲れた。
座ったままの姿勢でベッドに俯せたら、すぐに睡魔が襲ってきて俺も夢の中に入って行った。




**************************




・・・また夢をみた。

この前と同じウエディングドレスの花嫁さんと真っ白なタキシードの花婿さん。
やっぱり顔が見えないけど、今日は凄く楽しそう・・・何故なら今日の夢には音楽が流れてるの。

それに誰だか判らないけど笑い声も聞こえる・・・ほら、また何処かから『おめでとう!』って。
そうしたら庭の奥の方から小さな子供が走って来るのが見えた。


男の子?女の子?

判らない・・・どうして判らないのかしら。走って来るほど大きくなってるのに性別が判らない子供だった。

そしてその子も顔がはっきり見えない。
笑ってるのかしら・・・白い歯が見えるんだけど、輪郭がぼやけてる。
でも、花嫁さんの前に来たら手に持っていた真っ白な薔薇をくれた。花嫁さんが嬉しそうに受け取った・・・。

なんて素敵な光景かしら・・・身体が温かくなってくる。


気が付いたら私の意識が花嫁さんと一緒になってて、驚いて顔を上げたら・・・・・・


『・・・類?うわっ、新郎さんって類だったの?!』
『何言ってんの?さっき神様に誓ったの、忘れたの?思い出させてあげようか?』

『う、ううん!ちゃんと覚えてるって!あ~、でも吃驚した!ねぇ、今ここに居た小さい子って・・・・・・あれ?』
『小さい子?今日はそんな小さい子の招待はないけど・・・大丈夫?つくし』

『・・・うそ、でも確かにここに・・・』
『招待したのは残念だけど彼奴らだけ。振り向いてみな?みんな悪い顔してるから』

『・・・みんな?』


類に言われて振り向いたら・・・

道明寺が凄く怖い顔して腕組みして「てめぇは自分の事も忘れたのか!」。
それを隣の美作さんが宥めながら「いいんだって!最後に思い出せばそれでOK!牧野はそれでいいんだよ」
そうしたらニヤけた西門さんが「行方不明にならなかったんならいいんじゃね?掴む手を間違えるなよ!」

今日も元気な滋さんは「良かったねぇ!日本に帰ったら忘れるほどお酒飲もうよ!」
相変わらず色っぽい桜子は「それ、いい迷惑ですわ!後始末って私に来る事が多いんですもの!」

一年中頼りなかった進が少しだけ男っぽく見えた。「姉ちゃん!今度は俺達の番だから盛大に祝ってよ?」
そんな進に寄り添った真由美ちゃんが「お姉さん!今度お料理教えて下さいね~!」
泣き虫の優紀はここでも泣きながら「これからもずっと親友だよ、つくし!」


あぁ・・・みんなそこに居たんだ?

私、ずっと探してた気がするのに、こんなに近くに居たの?
なーんだ、心配して損した!


『くすっ、変なつくし。さぁ、おいで。俺達の家に帰ろう?』
『・・・うん!類・・・一緒に帰る!』



・・・・・・・・・・・・・・類のところに帰る・・・





「・・・・・・・・・んっ・・・」


頭がぼんやりする・・・目が・・・上手く開けられない。
身体中が痛いけど・・・私の右側が・・・重い。

でも温かい・・・何だろう?

少しだけ目を開けたけど私の右手をしっかりと握った人が隣で顔を埋めてる・・・。
その髪の色、この手の感触・・・それに凄く懐かしい香りがする。

もう少し顔を傾けると、その人の顔が半分見えた。



「・・・・・・類・・・?」


なーんだ・・・類ったらこんな所に居たんだ。
私、ずっとあなたの手・・・探してたのに。


1番欲しかった温もり・・・今、私はそれを掴んでるんだって思ったら涙が溢れた。


「・・・類・・・・・・会いたかった・・・」





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Comments 4

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2019/12/30 (Mon) 07:24 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

はい♡目覚めましたねぇ~!
これからゆっくりエンドに向かって行きます。
年内に終わる予定がズレちゃいましたけど💦

えっ!柊祐が復活したらお話が終わりませんよ?(笑)
退場させちゃダメだったかしら(笑)

1つずつ残った問題を解決していくだけで、大きな展開は終わったかな?
天使ちゃんに会えるまでもう少しです♡

2019/12/30 (Mon) 11:57 | EDIT | REPLY |   
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2019/12/30 (Mon) 15:32 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あっはは!だからね💦もう現実味の無い話なのよ!(笑)
でもガムランボールってのは中に入れられるようになってるのもあるから、無茶ではないとおもうのよ?
一般的な鈴だと入れられないだろうけど。


でっ!!
そんな登場したら怖いから!(笑)

女装して看護師でも怖いから!
点滴に白い液体が・・・それもっと怖いから!!(笑)

2019/12/30 (Mon) 23:09 | EDIT | REPLY |   

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