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何処かのホテルで「クリスマスパーティー&私の送別会」なんて言われて場所を聞いたら、あの公園の近くにあるホテル・・・池田君と食事をしたホテルの名前だった。
でもよくよく確かめたら、そのホテルの真横の居酒屋・・・みんなで社長にブーイングしたけど「予約が取れなくて!」って気不味そうにしていた。

私としては大助かりで、そのホテルには入りたくもない。
池田君とは何もなかったけど、優柔不断な私のせいで彼を傷付けたような気がしていたから・・・。


だからその日も居酒屋だけでみんなと別れた。
二次会だけでもホテルのレストランでって話になり、先輩も後輩も「牧野さんが主役なのに~」って言ってくれるけど、そこは引っ越しを理由に逃げるしかない。


「私はいいからみんなで行っておいでよ~!今日は本当にありがとうね~」

「牧野さん、本当に行かないの?」
「先輩、行きましょうよ~!あのホテルのケーキ、美味しいって評判ですよ~?」

「連日の片付けで疲れちゃって。それに行きたい所があるんですよね~、だからここで帰ります!」

「もしかして・・・また『サンタさん』待つの?去年は会わなかったんでしょ?」
「来ませんって!サンタさんは子供の味方ですよ?オトナは管轄外ですって!」

「・・・ふふっ、サンタさんは来ないだろうけど、暫く見られないだろうから大好きなツリーでも見て帰ります。タクシー拾うから心配しないでね!それじゃあ、また明日!」


先輩2人が酔っ払ってる後輩を引き摺ってホテルに向かい、同僚は迎えに来た彼氏と帰って行った。社長さん達はホテルじゃなくて別の飲み屋に向かい、課長は慌ててクリスマスケーキを持ってタクシーに乗り込んだ。
みんなそれぞれのクリスマス・・・私は、いつもの場所で久しぶりにツリーを見ようとクルリと向きを変えた。


少しずつ近づくツリーを見ながら子供の時を思い出していた。

あの時の天使が高校でサンタさんみたいに現れた。
私は別の人を好きだったけど、心の奥の方ではいつもそのサンタさんを探してた。
漠然と、私を連れ去るサンタさんは「彼」だと思ってたのに素直じゃなかった・・・眩しすぎたのよね。

でも、こんなに恋しいと思うなら・・・当たって砕けた方が良かったな。


そんな事を考えていたらいつもの場所に来て、そこから顔をあげると昔と変わらない天辺の星が見えた。


沢山の人の姿も声もみんな消えてく。他のものは一切なにも感じなくなって、私はそのお星さまだけを見つめていた。
そうしたらあの歌が頭の中を流れていく・・・それを小さく口ずさみながら花沢類の笑顔だけを思い描いてた。


『・・・でもね 大人になれば あなたもわかる そのうちに・・・

恋人がサンタクロース 本当はサンタクロースつむじ風追い越して
恋人がサンタクロース 背の高いサンタクロース雪の街から来た・・・』



その時雪が降り出して、私の頬に冷たく落ちた。
でもすぐにそこが熱くなって・・・舞い落ちる雪がぼやけて見えなくなった。


『そうよ 明日になれば私も きっと分かるはず・・・

恋人がサンタクロース 本当はサンタクロースプレゼントをかかえて
恋人がサンタクロース 寒そうにサンタクロース雪の街から来る・・・』




「・・・牧野!!」


「・・・・・・え?」


それまで何も聞こえなかったのに、懐かしい声だけが耳に入ってきた。
その瞬間、回りの音も戻って来た。賑やかなクリスマスソングも沢山の人の会話も笑い声も・・・そして心臓の音が1番喧しくなった。

空耳かしら・・・毎日考えてたから?


「牧野!あんた、そこで何してるの?今年も・・・1人なの?」


・・・・・・やだ、振り向けない。

やっぱり聞こえる・・・あの人の声が聞こえる。
子供の時と、高校の時と・・・最後にここで会った時と変わらない声に気が付いたけど、怖くてそのままツリーを見ていた。
そうしたら真後ろまで来たのが判った。

花沢類の・・・香りがする。


「・・・どうして無視すんの?迎えに来たのに」
「・・・・・・え?」

「あんた、クリスマスに連れ去って欲しいんでしょ?だからそうしに来た・・・時間、掛かったけど」
「・・・・・・・・・」

「・・・もう逃がさない。今年は・・・俺を置いて帰らせないから」


そう言って後ろからふわりと抱き締められた。
沢山の人の中、私達を見てる人がいるのにお構いなし・・・花沢類の柔らかくて冷たい髪の毛が私の頬に触れた。

私の身体を包んでる腕・・・それをゆっくりと私も掴んだ。
そうしたら溢れ出るものが止まらなくなって化粧が崩れるほど・・・それでもそれを拭うことも忘れて彼の腕にしがみついた。



「・・・・・・ごめん・・・待たせすぎた。臆病なサンタでごめん・・・」
「ううん、怖がったのは私なの」

「もう一つごめん・・・九州行きも諦めて?」
「・・・何で知ってるの?」

「くすっ、サンタだから何でも知ってるって言いたいところだけど・・・さっき、あんたの会社の人から聞いたんだ」


その後、私を後ろから抱き締めたまま。これまでの事を教えてくれた。
2年半前の夏に池田君と出掛けたことも、その年の冬にここで待ち合わせしてたことも偶然見てしまって追い掛けなかったって・・・私があの人と恋をしてるって勘違いしてたって。
だから車の写メも無視して、ここにも2年間来なかったって・・・。


「そうだったの?なんだ・・・神様は意地悪だね、ほんの少し時間をずらしてくれれば良かったのに・・・」
「あはっ、確かにね。でも、その代わりあんたじゃないとダメだって思い出させてくれた・・・最後のチャンスを与えてくれたんだよ」

「最後の?」
「ん・・・年が明けたらフランスに行くんだ。だからあんたを連れて行く」

「・・・サンタさんの行き先はフランスなの?」
「そう。しかも寂しがり屋のサンタだから1人はダメ・・・パートナーが要るんだ」

「ふふっ、全然サンタには見えないのに、花沢類」
「・・・そお?でも、実はね・・・」


やっと私から手を離して、彼は回りをキョロキョロ見て少しだけ赤くなった。
どうしたんだろう?って彼を見上げてたら、着てるコートのボタンを少しだけ開けて・・・・・・


そうしたら中に着てたのが真っ赤なセーターで、真ん中に白い雪の模様のノルディック柄!
恥ずかしそうにそれを見せて「これしか無かったんだから!」って・・・そしてすぐに黒いコートで隠した。


「あはは!花沢類、サンタさんだ!」
「・・・そう言ったじゃん、あんたを迎えに来たサンタだって。だから今日帰るのはサンタの家でいい?」

「・・・・・・・・・・・・」
「返事が無くても連れて帰るけど」


「・・・・・・うん!」


待ち焦がれていた「サンタさん」の腕に飛び込んで、それを「サンタさん」はしっかり正面から抱き留めてくれた。
その時に流れて来たクリスマスソング・・・2人でその曲に耳を澄ませた。


『凍えていた心が嘘みたいに解かれて

I'm feelin' that I can believe your love tonight

どんな夜も記憶も怖いなんて思わない

You know I've realized it again Baby on this special day

この闇がもう貴方を何処かへ連れて行かないように
空を舞う白い雪に溶かして何時でもどんな時でも

I'll never leave your side I promise under the white light 』




「MerryChristmas 牧野・・・愛してるよ」
「・・・MerryChristmas、類。これから宜しくね!」






fin。





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イメージソングは「恋人はサンタクロース」ですが・・・実はこっちも♡
聞いてみて下さいね(音量注意)



アレンジしてあるので安室さんの動画とは違うのですが、全体が聞ける動画が無かったので。




寂び部分だけですがこちらも良かったら聞いてみてね♡
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Posted by

Comments 10

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2019/12/27 (Fri) 15:20 | EDIT | REPLY |   
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2019/12/27 (Fri) 16:37 | EDIT | REPLY |   
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2019/12/27 (Fri) 20:02 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは!サンタスーツ💦
そう思ったんですけど、どうしても、どうしても書けなかったんです(笑)

類君がサンタスーツ💦いやね、本当に可愛いとは思うんですが、出来ませんでした。

ええっ!そんなリクエスト来ましたか💦
困ったなぁ(笑)

思い付いたらバレンタインにでも♡

2019/12/27 (Fri) 21:31 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

おおっ!今日はまた美味しそうですね(笑)
すぐにお正月ですよ?ヤバいですね~💦

お話はこんな感じで、最後にはホッコリとしていただけたでしょうか。
最後に付けた動画の雪だるまに一目惚れした時に思い付いたお話です。
楽しんでいただけたのなら良かったです。

それとパスワードですが、あれは私には全然問題無いですよ?
多分まりぽん様の思ってる通りだと思うんですが、自分では試した事がないので判らないんです。

今度誰かに送った時に試してみよう(笑)
なので気になさらないで下さいね。

ご連絡いただき、ありがとうございました。

2019/12/27 (Fri) 21:37 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

ヘタレ類君、最後は頑張りました♡
確かにトナカイも良いとは思うのよ。それを書いたらまた歴史に名前を残すとも思ったの。
でも、流石に・・・書けなかった(笑)
トナカイの着ぐるみって短足なのよ?類君、走れないじゃん?

何より恥ずかしそうにコートを脱ぐ類君を書きたかった(笑)←変態


いや、ホントにジレジレした話でスミマセン💦

総ちゃんの場合・・・ツリーは女を照らす道具ですから(笑)←ド変態

2019/12/27 (Fri) 22:02 | EDIT | REPLY |   
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2019/12/27 (Fri) 23:33 | EDIT | REPLY |   
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Re: タイトルなし

rin様、おはようございます。

コメントありがとうございます。

はい♡時間は掛かりましたがどうやら落ち着いたようです♡
恋愛音痴な2人の可愛いクリスマスストーリーにしたかったのですがどうだったかな?(笑)

こちらこそお付き合いいただきありがとうございました。

2019/12/28 (Sat) 09:42 | EDIT | REPLY |   
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2019/12/28 (Sat) 14:38 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

麦猫様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

えっ!そん格好を?

・・・・・・多分ですけど、頭では想像出来るんですが、それを文字には出来ないって言うか。
私もサンタスーツ、可愛いと思うんですよ?でも文章には出来ませんでした(笑)

それを書けるようになったら一人前ですかね?💦

いや~、無理だわ~💦

2019/12/28 (Sat) 23:15 | EDIT | REPLY |   

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