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すげぇいい所で邪魔をされた挙句、ここで聞いた俺の予定・・・その過密スケジュールに驚いた。

「明日はこのお屋敷で午前中に茶事の亭主をお勤めいただきまして、午後からは西門の菩提寺にお参りし、そこで住職と談話としていただきます。それはこちらの会報で紹介させていただきますので撮影と録音もさせていただきます。
その日の夜は鴨川で食事会、明後日は京都支部で講演会を行っていただきます。それには京都の企業家の方もお招きして・・・」

「待て!その講演会ってのは聞いてねぇけど?何についての講演だ?」

「お題はお任せ致します。利休先生についてても良いですし、お道具についてでも結構です。皆、若宗匠にお会いしたいと申してますのでお得意なお話で」

「・・・気に入らねぇな。俺は客寄せじゃねぇけど?」

「そう言う意味ではございませんが、お気に障ったのでしたら謝罪致します。でも若宗匠のお話はとてもお上手だと評判ですので、ここは是非とも」


その次の日には京都支部の支部会合に出席して、最後の大宴会は何処かのホテルを借りて行うらしい。
これが親父だったらどうする気だったんだ?と悩んだがもう遅い・・・今更中止にも出来ねぇし、判ったと頷いて高木を部屋から追い出した。

つくしはその会話をキョトンとした顔で聞いていて、思ったより急がしそうだと自分のスケジュール帳を広げていた。


・・・今のスケジュールは俺も初耳だ。
って事はつくしを襲って来た連中は当然知らないはず。この通りに行動すれば俺はつくしと離れる時間も随分ありそうだが、それは大丈夫だろうか・・・。




********************



ただここで1度お茶会をするだけだと思ったらとんでもない仕事量で驚いた。

普通は講演会というのも随分前から予約があって内容だって粗方決めてあって、総二郎はそれについて下調べするぐらいだったもの。その資料集めとかならやったことはあるけど、今回みたいにお任せで明後日だなんて無茶苦茶な!

でも彼はその辺はプロフェッショナルだからそこまで慌ててないみたい。
流石だなぁ、と思うけど私は何をしたらいいやらで頭がこんがらがった。


「えーと、取り敢えず何をしたらいいんだっけ?」
「そうだな・・・1番の希望はさっきの続きだが」

「あぁ、さっきの・・・って、馬鹿な事言わないで!まだ明るいってば!」
「暗くなったらいいのか?そりゃ楽しみだ。声を出さずにするのって結構いいもんだぜ?」

「うわっ・・・変態!」
「誰が変態だ!」


馬鹿な事を言う総二郎の事は放っておいて、着物の準備をしなくちゃ・・・だよね?
東京から送った着物は予備も含めて3枚だけ。それで間に合うかと言えば・・・ギリギリだ。それを総二郎に言えば「最悪買いに行けば良くね?」だって。

「私は着物って準備したけどいつ着るの?半東さんだって出来ないし」
「そうだな・・・今日は花街って言ってたから着物じゃねぇほうがいいだろう。明日の茶事の時には念の為着ておけ。その後の対談の時、俺は着物を着替えるがお前は同じ着物でもいいだろうし」

「花街(かがい)ってどんなところ?」
「ん~~~、お茶屋が並んでるところだな。座敷遊びって知ってるか?」

「・・・・・・・・・・・・」
「なんか勘違いしてるだろ?言っておくがテレビで観るような野球拳とかじゃねぇからな?」

「そうなの?!」
「本気で脱がせてどーすんだよ!」


京都で舞妓さんと遊ぶことを「お座敷遊び」と言うらしい。
しかもこれには定額料金っていうのはなくて「お花代」「飲食代」「宴会お立替」ってのが必要だと総二郎の蘊蓄が始まった。
「お花代」は舞妓・芸妓さんに対しての料金で、1人3万円程度。


「舞妓が客に『お花つけておくれやす』は『料金払え』って意味だから。遠回しにはんなりと表現するのが舞妓言葉ならではだな」
「怖っ・・・!1人3万円?!」

「後は飲み代に2万ぐらい、舞妓が踊ればご祝儀だ」
「ひえ~~~っ!!踊ればご祝儀?!」

「それなりの稽古を積んだ踊りでこれも伝統芸能だ。だからアメリカにも来てただろ?」
「あっ、そう言えば・・・」

「だから確かに野球拳のような遊びもするが脱いだりする訳じゃねぇ。お茶屋はシビアな世界だから、その日の遊び方で料金も変わってくるんだ。下品なことしたら跳ね上がるんだぞ?」
「・・・へぇ、そうなんだ(総二郎が脱がせない話をするのが新鮮・・・)」


そんなお茶屋さんに先代と総二郎と間島さん達と・・・私?
一体どんな世界でどんなお料理で、舞妓さんってどんな感じだろう?

初めての体験で少しワクワクするけど、総二郎は面倒臭そう。
だから着物にも着替えずスーツのままで行くと言い、その話が終わったら前もって送っていた荷物の中からこのお屋敷の人達に渡すお土産を配りに行った。

勿論先代のところには総二郎もくっついてきて、私からじゃなくて総二郎の手から。
それを先代は嫌そうに受け取っていて、それが済んだら私1人で事務所に行き、大森さんにお屋敷の使用人さん達へのお土産を手渡した。


「これはこれは、お気遣いいただきまして」
「いえ、お世話になるのですから。お口に合うといいのですが」

「先代は随分と牧野さんの事を気に入られたようですよ?あんなに楽しそうなお顔は久しぶりです。総二郎様は面白くなさそうでしたけどね」
「はぁ、嬉しいですが・・・先代と若宗匠は仲が悪いんですか?」


聞いちゃいけないのかと思ったけど、この人は話しやすそう・・・だから喧嘩腰だった2人の事を尋ねてみた。
そうしたら「いやいや」と手を横に振って苦笑い。実は先代は総二郎の事が可愛くて仕方ないのだと教えてくれた。


「ご隠居様が家元の時、まだ総二郎様は小さくていらっしゃいましたが、荒々しい所はあってもお茶の才があると言われましてな。兄上様がいらっしゃいましたが特に総二郎様のお稽古を厳しくされてたそうです。その度に小さな喧嘩を繰り返されて、兄上様は絶対に逆らわない穏やかなお子様でしたが総二郎様は茶碗を投げられる事もあったとか。それでも茶室に戻ってくるのだから天職なのだろうと、微笑ましく見ていたそうです」

「お茶碗投げた?一体いくらのお茶碗を・・・はっ!申し訳ありません!!」

「ははは!そりゃ相当なお値段でしょうよ?
ただ、そのように荒れた部分は大人になっても出てくるだろうから、それを諫めてくれるような人が現れないかと案じておられました。そうしたら噂で牧野さんのお名前が出たので興味があったのでしょう」

「・・・・・・合格点、ですかね?」
「・・・このまま何事もなければ?」


クスクスっと2人で笑って「頑張ります!」、そう言って事務所を出た。


そして総二郎の部屋まで戻ろうと廊下を歩いている時、物陰で誰かが話してるのを見掛けた。

その背中は高木さんの服・・・?
思わず立ち止まって柱の陰から覗いて見ると、その向こう側にいるのは・・・何処かで見たことがある男性だった。


誰だっけ?と、首を捻ったけど思い出せない。
でも私には関係無い・・・そう思って歩を速めて部屋に向かった。





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Comments 2

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2020/01/12 (Sun) 20:22 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

了解しました。
きっちりヤらせていただきます!キリッ‼️

2020/01/13 (Mon) 01:15 | EDIT | REPLY |   

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