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・・・・・・いってぇ・・・頭が・・・ガンガンする。


目を覚ましたのはいいが、酷い頭痛で頭が上げられないほど・・・でも、少し顔を横に向けたらここが一乗寺だとすぐに判った。

いつの間に戻ったんだろう?
それに何故何も着てないんだ・・・誰がこんな事を?

それが出来るのはつくししかいないけど・・・そう思った時につくしがお茶屋で姿を見せなかったことを思い出した。この部屋を見回しても布団はこれしかねぇし、つくしの荷物もない。
勿論姿は無い・・・一体あの後、どうしたんだ?!


「あいつ、吐き気がするって・・・今何処にっ・・・ってぇ・・・!」

少し動かしただけで殴られた後みたいな鈍痛・・・その頭を抱えるようにして起き上がり、スマホを探したが・・・ない?
昨日着ていた服のポケットにも荷物の中にもスマホがなかった。何処かで落としたのか忘れたのか・・・それならあのお茶屋か?とは思ったがすぐに確認出来ない。

急いで服を着替え、苦虫を噛み潰したような顔で廊下に出た。
1人だけ見掛けた使用人につくしの事を聞いても知らないと言う。仕方なく先代の部屋に行くと、爺さんは朝飯を済ませてのんびり茶なんか飲んでやがった。


「・・・どうした?総二郎、顔が悪いのぅ?」

「顔色の間違いですね?そんな事はどうでもいいんですが、先代・・・大変お恥ずかしいのですが、昨日のお茶屋の事を教えていただけませんか?実は酒のせいなのか記憶がなくて・・・つく、いえ牧野を知りませんか?何処にもいないのですが」

「つくしちゃんか?昨日お茶屋で具合が悪くなったと言って、あの店の控えの間で休ませてもらっていたそうだが?」
「その後です!いつ頃戻って来ましたか?今は何処に居るのでしょう?」

「お前の秘書なのに儂が知るわけがなかろう?それに儂も総二郎が酔い始めた頃に腹具合が悪うなって先に屋敷に帰ったのじゃよ。お前に声を掛けたがさっぱり返事が無かったが、それも覚えておらんのか?」

「・・・先代も具合が?じゃああのお茶屋に最後まで居たのは・・・」
「お前と間島支部長と孫2人じゃないか?おそらくお前が帰った頃には儂はもう寝ておったと思うが?」

「・・・・・・牧野は何処で休んでいるのか知ってますか?」
「お前と一緒じゃなかったのかい?」


一緒だったら聞かねぇだろうがっ!!💢


と、思ったが爺さん相手に怒鳴るわけにもいかない。
ここは仕方なく引き下がり、大森さんにでも聞こうかと部屋を出ていった。

その時にばったり出くわしたのが高木・・・今日も柔らかい笑顔だったが、その目が笑ってねぇからムカついた。


「おはようございます、若宗匠。本日は11時から茶事でございますので宜しくお願い致します」
「・・・言われなくても判っている。それよりも牧野を知らねぇか?何処にも姿が見えないんだが」

「牧野さんでしたら昨日の夜遅くに戻って来まして別棟でおやすみですよ?でもまだ起きてこないとはどうしたのでしょう・・・若宗匠が起きていらっしゃるのにご不便ですね。声を掛けて来ましょうか?」

「・・・別棟?そこに案内してくれ、自分で行く」

「いえ、私が行きましょう。そこは使用人の棟ですので若宗匠に足をお運びいただく訳にはいきませんから」

「使用人が使う別棟?そんなところに牧野を休ませたのか?」
「牧野さんの希望です。私は詳しく知りませんが、昨日はご迷惑をお掛けした上に宗家の方と自分では立場が違うので同じような部屋では気後れすると・・・では、呼んできますね」


つくしが気後れする?
そんな馬鹿な・・・あいつは既に俺と同室で暮らしてんだ。今更そんな事で気後れなんて言うはずが無い。
京都だから立場上部屋を別けるにしても必ず俺に言うはずだ。


・・・まさか、誰かが動いてるのか?




**********************




「・・・・・・・・・・・・・・・」

もうすぐ8時になる。
総二郎はもう起きてて茶事の準備を始めてるはず・・・そう思っても彼の所に行く勇気が出なかった。

私は半東さんでもないし、茶事に関してはノータッチ。
でも判らないなりにも毎回が勉強だから、総二郎の支度を手伝いながら彼に気合いを入れるのが役目・・・自分でも昨日まではそう思っていたのに。

総二郎は着物なんて当然1人で着られるし、お道具の準備も茶室の設えも1人で何でも出来る。
寧ろ私がいたら邪魔なぐらいだ。それも全部判ってる・・・判ってるけど総二郎はそれも稽古だと言って教えてくれる・・・んだけど。

・・・・・・・・・。


「さっきから何回同じ事言ってるんだろ!もういいのよ、この目で見ちゃったもん。総二郎は結局美人でお金持ちを選んだって事なんだから!」

1人で帰る支度をして荷物も全部纏めた。
後は総二郎に会わずにここを出て、さっさと京都駅に行こう・・・そう思っていたらスマホが鳴った。
掛けてきたのは・・・堤さんだ!


「おはようございます、どうしたんですか?こんなに早く・・・もう本邸ですか?」
『いえ、まだ家ですよ。大丈夫かな、と思っただけです。変わった事や困った事はありませんか?』

「・・・・・・・・・」
『どうしました?牧野さん、何かありましたか?』

「・・・・・・つ・・・堤さぁ~~んっ!!
『落ち着いて。まずは状況説明からお願いします』


人が泣いてるのに何故そんなに冷静なのか・・・超落ち着いてる堤さんに昨日の出来事から今朝の事を話した。
お茶屋さんで千香さんに言われたこと、西門の状況と私が役立たずなこと・・・何より今朝、総二郎の部屋から千香さんが出て来たことを話した時は、自分でも何言ってるのか判らないほどボロボロのぐちゃぐちゃだった。


「もう何を信じたらいいのか、わから・・・判らなくなって、もう帰ろうかと思って・・・に、荷物を持って・・・えぐっ・・・」

『成る程』

「もーーーーっ!!なんでそんなに冷静なんですかっ!私の気持ちも知らないでーーっ!
堤さんのばかぁ!!」

『馬鹿と言われるのは心外ですが、まずは1つずつ解決しましょうか』

「ぐずっ・・・解決?解決なんてしなくても見ちゃいましたから!!」

『牧野さんが見たのは千香さんが総二郎様の寝ている部屋から出てきたシーンだけでしょう?その中で何があったのか、もしくは最中を目撃した訳ではないんですよね?』


最中って・・・・・・

この堤さんの冷静かつ無感情な喋り方で「最中」って言われてもピンとは来なかったけど、確かに見た訳じゃない。
でも明け方に女性が部屋から出てきて、中の男性が裸だったら「やる事」って1つしか無いと思うんだけど?なんたって相手は総二郎・・・もしかしたらこれが極自然な行動かもしれないし?
今まではそうだったって証言も数多く聞かされてるし、本人も認めてる・・・それなのに・・・・・・?!


『それと西門の財政難と言う話ですが、確かにこの数年間、全体で見れば緩やかに下降気味ではあります。それはある意味時代の流れと言いますか、若い世代に茶道がなかなか浸透しないという現状からであり、下降気味と言っても驚く数字ではありません。寧ろ下降気味なのは関西支部であり、関東支部では伸びています。
これは総二郎様のご活躍によるものでしょうけど、メディアなどへの出演による収益は上昇していますから問題ありません』

「は?だって・・・だって、宗家の財政難を救うのは間島家だって!」

『最後に牧野さんが役立たずというのは私からは何とも申し上げられません。
それは総二郎様が感じられることであり、私から見れば確かに失敗が多いので悩みますが、総二郎様は逆にご自分の将来を意識するようになって落ち着かれた・・・つまり、少しは役に立ってると思います』

「・・・・・・褒めてます?」
『えぇ、勿論』


どうして堤さんが言うと褒められてる気にならないんだろう?
でも、少し気分が変わってきた・・・千香さんの言葉の中に真実はないのかもしれない。


それなら、この話の裏に何かあるの?
私への攻撃かと思ってたけど、もしかしたら総二郎本人に対する攻撃・・・だったりして?


『西門流に有益となる事柄、逆に不利益になる事柄にアンテナを張り巡らしご報告します。有益となる事柄があれば先に手回しして接待の準備、不利益なことでお耳に入れるべき事かそうでないかを判断したら、時には自ら処理することもあります』

そう言えば秘書になった1日目、そんな話をしたっけ・・・。


『思い出しましたか?伝えるべき事と控えておいた方がいい内容があると言った事・・・今回の話も控えておいた方がいいと思われます。総二郎様のお心を乱すにはあなたを利用した方がいいと判断しているのでしょう。
それに最初の問題ですが・・・総二郎様と千香さんの事、流石に真実は判りません』

「・・・・・・・・・・・・」


そこ、1番否定して欲しい部分なんだけど。


『あなたの言う通り、そこはあの総二郎様ですからね。でも、それを信じるかどうかは牧野さんの心次第じゃないですか?』

「・・・え?」

『どうしても疑ってしまうのならそれまで。総二郎様を信じるのなら堂々としていればいいのですよ』



総二郎を信じるのなら堂々と・・・・・・


その言葉は悩んで曲がりくねっていた私の気持ちを真っ直ぐにしてくれた。




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Comments 8

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2020/01/12 (Sun) 12:37 | EDIT | REPLY |   
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2020/01/12 (Sun) 12:45 | EDIT | REPLY |   
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2020/01/12 (Sun) 15:58 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

生粋娘様、こんばんは!

コメントありがとうございます。


あっはは!惚れますかぁ?!
堤さん、ステンレス製ですよ?抱き締められたら冷たいと思いますよ~?

ふふふ・・・事件が続きますからね♡
総ちゃんのお惚けにも期待しててください!(笑)

2020/01/12 (Sun) 21:53 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

みわちゃん様、こんばんは!

コメントありがとうございます。

ははは!そんなに?
旦那様を優先でお願い致します(笑)

総ちゃんも爺ちゃんも飲まされてますね~♡
とんでもない京都支部ですね!怖いわぁ~💦

今からつくしちゃんの反撃、と行きたいのですが、相手もなかなかやってくれます。
多分1番情けないのが総ちゃんです(笑)

あはは!ごめんよ、総ちゃんっ!
こんなキャラじゃないのにね~💦

2020/01/12 (Sun) 21:57 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんばんは!

コメントありがとうございます。

あはは!まりぽん様、こっちはコメディですって!
真剣になってはダメですよ?サラリとお読み下さいね♡

そうそう、つくしちゃんも本来の姿に戻りつつ・・・でも、まだ色々事件は起ります。
今度は総二郎抜きで頑張らないといけません。

でもそこはつくしちゃん(笑)突っ走って大変なことが始まるかも?!

2020/01/12 (Sun) 22:06 | EDIT | REPLY |   
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2020/01/12 (Sun) 22:14 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは!今回はダメダメ総ちゃんです💦
チョロいもんですね~!どうやら薬盛られるとも思って無かったようです。

それよりも気になるつくしの具合で自分の事は忘れてる模様。


あら!堤さんってそんな感じに見えた?(笑)
いい人・・・だと思います。多分ね💦
ステンレス製なのでイマイチみんなに理解してもらえないのかも・・・。


少しずつ反撃していくのでもう少し見守ってね♡

2020/01/13 (Mon) 22:03 | EDIT | REPLY |   

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