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総二郎が茶事を行ってる間に部屋に戻って次の仕事の為の着物を揃えていた。
持って来た着物が3枚・・・今日の午後にもう1度着替えたらあと1枚しかない。
衣桁に掛けておけば大丈夫だろうけど、それがこの世界の人には難しいところ・・・ちゃんとしたスケジュールを前もって聞いてなかった私の責任だ。

「同じ着物を着ると準備不足だと言われるのよね~。それに総二郎も同じ着物を連日着るような人じゃないし、だからって本当に買うわけにはいかないし。そこは相談しなきゃダメよね・・・。
取り敢えず、今日の着物を出しておこう」

部屋の隅にあった衣桁に午後の着物を出して、もう1枚は畳紙に入れたままにして置いておいた。
帯や足袋なんかの小物を出して着替えの準備はOK!今日の夜の会食と、明日の講演会の時間を確認しようとスマホを取り出した。


「牧野さん、ちょっといいですか?」
「はーい!」

私を呼んだのは大森さんで、講演会にくるメンバー表がやっと出来たからって事務所に呼ばれた。
それに最終日の支部会のタイムスケジュールにホテルでの打ち上げの時間、宗家に京都からお土産を渡したいからと言われてザッと宗家の人数を聞かれたり・・・。
ついでに茶事が長いからって事で、事務所でお菓子もいただいて和やかな時間が過ぎていった。


「・・・そう言えば、大森さん」
「どうしました?急に真面目な顔をして」

「・・・いえ、何でもないです。ごめんなさい!慣れないことが多いから緊張しちゃって!」
「は?あぁ、この屋敷の事ですか?ははは!西門の昔の本邸ってだけで、今じゃ静かなものです。怖がることはありませんよ?」

「・・・ですよね~!」


本当は高木さんの事を聞いてみたかった。
でもこれも堤さんの言う「自分で解決するべき事」なのかもしれない・・・そう思ったから口を噤んだ。
高木さんの事を疑うような発言を総二郎の秘書である私がしてはいけない。何も証拠がないし、事実茶事は行われていて問題は発生しなかった。

だから蒸し返さなくてもいい事・・・なんだ。


総二郎に何も知られずにキチンと仕事は進んでる、秘書はそのサポートをすればいいのよね?
そして宗家に対して不利な事が起きそうになったらそれを密かに止めて、無理だったら総二郎に連絡すること!出来るだけ茶道に集中させるのが私の役目・・・拳を握り締めて自分に気合いを入れていたら、大森さんに不思議な顔をされた。


「それじゃあ部屋に戻りますね。菩提寺には先代もご一緒でしたっけ?」
「いいえ、総二郎様だけですよ。支部の広報と牧野さんだけが同行すると思いますから宜しくお願いしますね」

「・・・は、はい!」


って事は、菩提寺では総二郎と私だけ?(広報さんは無視して)
昨日からろくに話してないから少しだけ緊張する・・・でも、今は千香さんの事には触れないでおこうと思いながら事務所を出て、部屋に戻った。


スッと襖を開けて部屋に入り、そこでもう1度衣桁に掛けた着物のしつけ糸なんかをチェック。その小物を確認して、漏れがないことを確認。
そのまま何となく部屋の隅に目をやったら・・・・・・


「あれ?着物・・・えっ!着物がない?!」

さっき畳紙に入れたまま置いた着物がなくなってる!
その場所に四つん這いで近づいたけど、何処を見てもそれがない・・・オマケにその為の小物を入れた小箱もない!
ちゃんとここに置いたのに、どうして・・・?

急いで部屋を飛び出し大森さんに助けを求めようとしたら、また現れたのが高木さんで、慌ててる私を見て驚いていた。


「どうしたんです?そんな顔して・・・何かありましたか?」
「・・・・・・あ、あの!!」

「落ち着いて話してください、牧野さん」
「はいっ、実は・・・!」


大森さんに話そうと思ったのに、この時の高木さんが真面目な表情だったからそのまま彼に着物がなくなったことを話した。
そして持って来た着物がそれしかないと言えば、今度は彼が慌てて総二郎の部屋に駆け込んだ。
勿論彼が見たって着物が出てくるわけじゃない。その部屋にはこれから着替える着物と、総二郎が脱いだスーツしか見えなかった。


「本当にこの隅に?」
「はい!畳紙に入れたまま、明日の講演会で着るからと思って・・・誰かこの部屋に入ったんでしょうか?」

「いえ、ここは総二郎様がお泊まりになってる部屋なので勝手に使用人は入らないと思います。入るとしたら牧野さんぐらいでは?」
「私だけ?でも、現に私が事務所に行ってる間になくなってるんですよ?誰かが移動させたとしか・・・」

「そのような事は考えられませんけどね・・・。仮に誰かが入ったとしても、総二郎様のお荷物に触れるなんて事は考えられません」
「でも!」

「兎に角着物は必要ですよね・・・困ったな・・・」
「ちょっと宗家に電話してきても・・・あーっ、電池切れだった!」

「お静かに、牧野さん。東京に相談しても間に合いませんからこっちで考えましょう?」


どうしよう・・・まさかこんな事が起きるなんて!




**********************




「いや、本当に腕をあげられましたなぁ!若宗匠のお茶は久しぶりですが、そのお歳で見事です」
「・・・ありがとうございます」

京極さんがやたらご機嫌で俺を褒めるのはいいが、その隣の間島支部長の面白くなさそうな顔はなんだ?
昨日先代が早くに退席して俺まで酔い潰れたからなのか・・・もしそうだとしても今日の茶席ではそれを匂わせてないのだから、いい加減機嫌を直しても良さそうなのに。

でも俺も支部長の機嫌なんてどうでもいい。
だから無視して主客の京極さんとだけ会話をしていた。


「それに随分と表情がお優しくなられた。さては・・・よいお話でもあるのですかな?」
「は?あぁ・・・いえ、それはまたいずれ」

「おお!そうなのですね?ご隠居様も安心ですなぁ?」
「・・・ははは、どうですかのぉ?この子が本気でも相手が我慢出来るかどうかは判りませんのでな」

「・・・・・・・・・💢」


我慢ってなんだ?
そんな窮屈な生活させてねぇけど?すげぇ自由に伸び伸びと・・・・・・とまでは言わねぇが、息が詰まらない程度に緩くしてるっての!
先代をチラッと睨んだが、素知らぬ顔で茶菓子を口に放り込んでやがった。


「それでは昨日の千香とのことは・・・はて、あれは遊びですかな?」
「・・・はい?千香さん、ですか?」

「いや、若宗匠は確かに随分酔っておられたが、まさかお忘れではないですよね?あれだけ千香に言ったのですからなぁ・・・」
「・・・・・・いや、申し訳ないが覚えてませんが?」

「ははは!ご冗談を!千香を連れて一乗寺にお戻りになったのですから、そりゃあ・・・そう言う事でしょう?」

「・・・・・・・・・私が?」


まさか・・・まさか、この俺が見境無くそんな事を?!
そんな馬鹿な!朝起きた時、横には誰も居なかったぞ?


・・・はっ?!そう言えば俺、何も着てなかったけど・・・・・・えっ?!



いや、待て。
この俺が「その時」の記憶を失うわけがない。
しかも「賢者タイム」の記憶もない・・・それに酔い潰れていたとしても身体が覚えてるはず・・・特に下半身。

・・・今日、腰に違和感ねぇし。



「・・・・・・・・・」

「さっき千香から電話がありましてな。外泊をお許しください、なんて小さな声で言うておりましたが・・・どこぞの部屋で休んだのやら・・・ねぇ?若宗匠」

「さぁ、私に聞かれましても・・・」



知るか!そんなの!!💢






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<ひと口メモ>
賢者タイムとは、男の子が射○した後に訪れる、興奮状態から冷静状態へ一瞬にして変化する時の気だるさや虚無感の時間のことらしいです♡
この時間の長さは人それぞれで、ゼロという人はあんまり居ないそうですが総ちゃんは短そう(笑)💦
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Comments 4

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2020/01/15 (Wed) 20:08 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

生粋娘様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは!今回の総ちゃんはそうですね~💦
今はつくしちゃんの活躍の場なので大人しくしてもらっています(笑)
総ちゃんが活躍しちゃダメなんですよ、今は。

ふふふ、こんな役立たずの総ちゃんもたまには許してくださいね~!


あはは!カメノコタワシ!痛そうですね💦

2020/01/15 (Wed) 23:50 | EDIT | REPLY |   
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2020/01/17 (Fri) 13:28 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんにちは。

コメントありがとうございます。


あら、知らなかった?
この時はね、男の子の邪魔をしちゃいけないのよ(笑)
素に戻る瞬間に女の子が余計な事言ったらヤバいらしい。
そして再びスイッチ入るかどうかはその人次第。

あはは!総ちゃんはそもそもそんな時間があるのかどうか💦
次の発射準備即完了!よーーーーーーぃ、(打)てーーーーっ!!ってヤツ?

同じプレイボーイでもあきら君にはありそうよね!
類君は寝て回復だから無視していいと思います。賢者タイム=睡眠=害無し
司君は・・・その前に賢者タイムに辿り着くまでが大変そう(笑)


何の話よ!!

2020/01/18 (Sat) 15:13 | EDIT | REPLY |   

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