FC2ブログ

plumeria

plumeria

翌朝・・・目が覚め、隣を見たけど誰も居ない。
京都だから当然だが、すげぇ物足りなくて起き上がる気にもならない。
そのせいだろうか・・・朝から俺の・・・・・・も元気ない。

その時に使用人から朝食の知らせが来たが、愛想無く返事してまだ布団の中で寝転んでいた。


今日の予定はなんだったっけ・・・・・・昔は全部自分でやってたから覚えていたけど、最近はつくしが喧しく知らせに来るのが楽しくて覚えることなんてしなかった。
ぼーっと考えていたら・・・京都支部での講演会だったと思い出した。

何を話すんだったっけ・・・と考えたら、いつもの利休の話と高取焼の話だったと思い出す程度。それも初めてじゃねぇから何とかなる。どうせ資料を見ながらだからリハも予習めいたものも無い。

そんなものはどうでもいい・・・つくしの体調だけが気になっていた。


医者も驚く悪阻の早さなら産まれるのは・・・9月か?
ヤベ、月見の茶会と紅葉の茶会がてんこ盛りの時か・・・親父1人じゃ無理かもだから孝三郎を出すか?でもあいつはろくな茶を点てねぇからな。
いや、その前に結婚式・・・いや結納・・・いや公表・・・いや、まず牧野家に挨拶じゃね?

ってことは京都から帰ったら病院行って、その足で牧野家に行って・・・・・・断わるとかねぇよな?
あのつくしの親だ・・・一体どんな人だ?

ダメだ、全然纏まらねぇ。



そのうち催促が来て、仕方なく起き上がった。
昨日は酒もそんなに飲んでないから頭痛もないし、機嫌以外は極普通・・・サッと部屋着に着替えてダイニングに向かった。
古い日本家屋と言っても先代の身体を考えてダイニングはテーブルと椅子。既に座っていた先代の隣に俺の席が準備されていたから挨拶だけしてそこに座った。

でもこれ以外に飯の支度はされていない。
つくしの分は何処に?と聞けば、使用人が「牧野様は今朝も気分が悪くて起きていらっしゃいません」と言った。


「・・・今朝も?また吐き気か?」
「いえ、それは判りませんが、まだ具合悪そうにしておられて横になっておいででした。高木さんの指示でそっとしておくようにとの事でしたので、無理にお声掛けしませんでしたが・・・」

「高木の指示?牧野の事を高木が指示してんのか?」
「も、申し訳ございませんっ!!」

「これ、総二郎。朝からそんなに目くじらを立てるものではない。そもそも具合の悪い秘書を寒い京都に連れて来るからではないか?気が休まらんから先に東京に帰してやったらどうじゃ?」

「・・・・・・いえ、帰るときは一緒に帰ります。ご迷惑でしょうが休ませてやってください」
「儂は構わんが?」

「・・・・・・・・・ご心配ありがとうございます」


東京で何も起らないのなら帰してやりたいが、まだわからない。
だからつくし1人を東京に帰すわけにはいかない。そして先代が大騒ぎするかもしれないから余計な話は出来ない・・・呆れたように俺を見る先代だったが、それを無視して朝飯を食った。

それが済んだらつくしが手配してくれた着物を着て、支部に出向く準備は完了。それでもまだつくしが現れないから昨日の部屋に行ってみた。
そうしたらつくしの部屋から使用人が出てきて、手に持ってるのは朝食の食器・・・見れば全然食ってなかった。


「もう起きてんのか?話は出来そうか?」
「牧野様ですか?いえ、まだ寝ておられます。ですから1度食事もおさげしようかと・・・またお目覚めになったら軽めの食事をご用意します」

「・・・・・・悪いな。宜しく頼む」
「はい、ご心配なく。思ったより気温が低くてお風邪を引かれたのかもしれませんね。でもお熱はないですし、寝るのが1番でしょう」

「・・・・・・・・・・・・」


ヤバい・・・こんな時に南房総で無茶したからか?
・・・腹の子、大丈夫だろうな?俺の子だから体力はあると思うけど帰ったら速効医者だな。

俺が医者に叱られて済むならそれでもいい。
つくしと子供が無事なら・・・そう思って部屋を覗くのを止めた。襖越しに「ゆっくり寝とけよ?」なんて声掛けて、俺は1人で支部に行くことにした。




**********************




「・・・・・・はっ!」

ガバッと起き上がったら、目に入ったのはやっぱり昨日と同じ部屋。私の荷物がテーブルの横に置かれたままだった。
何気に残ってる倦怠感・・・ボーッとするけど寝過ぎたのかしら。
頭を掻きながら大欠伸して、その時にズキッと頭が痛んだ。寝起きなのに頭痛・・・そんな事が滅多にないから気持ち悪かった。


・・・あれ?どうして私お布団に入ってるの?
自分を見たら昨日のスーツのまま・・・って事はお風呂にも入らずに?

確か夕ご飯をここで食べたらそのまま眠くなって・・・・・・・・・それからどうしたっけ?



「・・・・・・あっ!総二郎は?!」

急いで起き上がってすぐ近くの洗面所で顔を洗い、簡単にメイクをしてからスーツを着替えて総二郎の部屋に向かった。

誰ともすれ違わない。本当に使用人さんの少ないお屋敷なんだと思いながら廊下を小走りで歩き、椿の庭が見えたら1度足を止めた。
まさか今日も千香さんが出てくるんじゃ・・・?

でも人の気配はしない。
時間を見るのも忘れてたから総二郎が居るかどうかも判らなかったけど、勇気を出して声も掛けずにバーン!と襖を開けた。


「・・・あれ?」

誰も居ない・・・。

総二郎が昨日着ていた着物が綺麗にたたまれて部屋の隅にあって、和箪笥を調べたら紺色の着物が無かった・・・って事は、もう総二郎は講演会に向かったって事?

また急いで部屋に戻ってスマホで着信とメッセージを確認・・・・・・・・・


「どうしてなんの連絡も無いの?総二郎、どうしちゃったの?まさか本当に私が邪魔で・・・・・・」


ぐ~~~きゅるるるるるるる・・・


お腹が鳴った・・・こんな時なのになんて正直な胃なのかしら。
ガックリ肩を落としてその場に踞ってたら、「牧野さん?」と声を掛けてくれたのは大森さんだった。
小さな声で返事をしたら襖が開いてニコニコした大森さんが入って来たけど、この人は私の顔を見て驚いていた。


「どうしたんです?そんな疲れた顔して!あ~あ、目の下のクマ、凄いですよ?牧野さん、具合はいかがですか?」
「・・・へ?」

「いや、昨日の夜に食器を下げに行った使用人から牧野さんが爆睡してるからどうしましょう、と言われましてね。丁度高木君が居たから様子を見にいってもらったんですよ。そうしたら随分疲れて寝てるようだって言われたから布団を敷いて、すぐに寝かせたんですけどね・・・」

「じゃあ高木さんが布団を?」
「そうですよ~、心配してましたよ?」


・・・・・・高木さん。
その名前を聞いて凄く嫌な予感がした。

どうしていつもあの人がタイミング良く現れるの?それ、見張ってるって事じゃないの?
これも証拠が無いから言葉には出来ない。大森さんには「ご迷惑掛けました」と謝って、総二郎の事を聞いた。やっぱりもう京都支部に向かったらしい。それには先代も高木さんも同行してるとか。


「若宗匠からのご伝言で体調が悪いならゆっくり休むようにとの事でした。胃に優しい食事を作らせましょうね」
「若宗匠から電話も無いんですが、何か他には・・・」

「電話?そう言えば総二郎様がスマホを持ってるのを見てないですねぇ・・・?申し訳ない、私は何も知らないのですが」
「そうですか・・・」


暫くしたら大森さんに言われた使用人さんが雑炊を持って来てくれた。
お腹が空いてる私には優しすぎるご飯だったけど美味しい・・・それを全部いただいてから、やっぱり支部に向かうことにした。


総二郎が私に接触しないなら私から捕まえに行ってやる!
えぇ、堤さんに言われたんだから信じてるわよ?信じてるけど私を避ける理由も千香さんの事も聞いてやる・・・講演会が無事終わったのを見届けたらね!


覚悟しろ!西門総二郎💢!




にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
応援、宜しくお願い致します♡

関連記事
Posted by

Comments 2

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/01/19 (Sun) 12:25 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

生粋娘様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは!つくしちゃんは逞しいですが、総ちゃんがどんどん変な方向にっ!!
そうそう、戻って来たらね・・・大変そう♡(はっ!私が大変なのか?!)

誰か代わりに書いてくれないかなぁ💦

2020/01/19 (Sun) 23:15 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply