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不味い・・・全然やる気スイッチが入らねぇ。
つくしに丸2日間触れてない。それだけで身体の力が抜けてくようだ・・・。

しかもあいつは赤ん坊が出来たてホヤホヤでまだ自覚もしてねぇだろうし、吐き気で俺の事なんて忘れてるだろうし。


講演会まであと1時間で、資料も手元にあるのに読んでもいない。
話し始めたら言えそうな気がしたから焦らないけど、その前に誰かスイッチを入れてくれ・・・なんて、馬鹿な事を考えながら控え室の椅子に座っていた。

先代は控え室の隅っこで新聞なんて読んでるし、その横には何故か高木がスマホを弄くってる。その他にも一乗寺の弟子達が数人ウロウロ・・・それをボーッと眺めていたら、控え室をノックする音が聞こえて高木が対応に出た。

「・・・え?判りました。私が行きます」、そう聞こえてすぐに先代に断りを入れて出ていった。


その時の目はいつもの人を小馬鹿にしたようなんじゃなく鋭かった。
それよりもドアを開けた瞬間に廊下にいた男・・・間島剛に見えた。それが不思議だったけど、兎に角無気力・・・彼奴らの事なんてどうでもいいと知らん顔。
その為体に先代が「大丈夫か?総二郎」と怪訝な顔を向けてくるけどそれさえも無視した。

つくしの笑い声が聞こえないとつまんねぇ・・・自分でも情けないと思うが正直な気持ちだ。


「若宗匠、そろそろお時間です。お客様も揃っておいでですのでお支度を」

京都支部の若造がそんな事を伝えに来たから仕方なく腰を上げたが資料は机に放置・・・慌ててそいつが持って来て手渡され、また先代が嫌そうな顔をしていた。


・・・ま、どーでもいいけどよ。




**********************




大森さんに頼んで車を出してもらい、京都支部に向かった。
そこには既に沢山の車が停まってて、着物のおじさんやおばさん、スーツ姿の人がウロウロしていた。初めての講演会だから何がどうなってるのかさっぱり・・・兎に角総二郎の控え室があるはずだからそこに行かなきゃ!と受付に向かった。



「東京の宗家の方?本当に?」
「本当です!若宗匠が来てるでしょう?私、秘書の牧野つくしと申します。通していただけませんか?」

「若宗匠の?もう総二郎様は控え室にいらっしゃいますが、どうして秘書の方が遅れてくるんですか?」
「そ、それは・・・(流石に寝坊したとは言えないよね?)今朝ほど具合が悪かったので総二郎様が先にお出掛けになったんです。本当です、本人に聞いていただけませんか?」

「・・・そう言って入ろうとする女性っているんですよね・・・」
「本当ですって!宗家に電話してもらってもいいですよ?牧野つくしは在籍してますから!」

「でもねぇ・・・」


総二郎の素行が悪いから信じてもらえないんじゃないの?!

・・・とは言えずに受付で揉めていたら、別の人が「控え室で確認して来ます」と行って席を立った。
だからそれまでは入り口で待機・・・それも仕方ないとイライラしながら待っていたら、やってきたのはまた高木さんだった。

他のお弟子さんでもいいのに何故この人ばかり出てくるのか・・・ムカッとして高木さんを見たら、彼も眉を顰めて私を睨んだ。


「牧野さん、どうしたんですか?具合が悪いのだから来なくて良かったのに」
「そうはいきません。若宗匠に会わせていただけます?控え室は何処ですか?」

「若宗匠は今、資料の読み込みで誰も側に来るなと言われています。ですからご隠居様も遠慮してるのにあなたを連れて行くわけにはいきませんよ。
それにもうすぐ講演会の前のセレモニーも始まり、総二郎様とご隠居様がステージに立たれます。騒がれても困るのであなたは会場でご覧になったら如何ですか?特に控え室でする事はありませんから」

「若宗匠は私が行っても怒りません。いいから案内して下さい」
「いいえ、若宗匠から止められています。牧野さん、講演前の若宗匠の邪魔をしたいのですか?」

「だから邪魔しないって言ってるのに!」
「終わったら会えますよ。あなたの具合が悪くならなければね」

「・・・・・・💢!」
「会場入り口は向こうです。どうぞお入りになって総二郎様の勇姿をご覧になってて下さい」


そんなもの見なくてもアメリカで充分味わったっての!
どうして私を彼のところには連れて行かないと言うのか・・・その理由は判らなかったけど、ムカついて1度外の空気を吸いに、今来たばかりの玄関を出て行った。


「寒っ!・・・京都って寒い~~~!!くっそーーーっ!」

誰に八つ当たりしてるのか・・・別に京都が悪いわけでもないけど、拭いてくる風に向かって「馬鹿野郎!」と叫ぼうかと思ったら・・・会場横の植木のところで大柄な男性の背中が見えた。
なんだかコソコソする人をよく見掛けるなぁ、と思ったけど、人がいるのに叫ぶ訳にもいかない。だからムカつくけど中に入ろうとして、その人をもう1度見たら・・・間島剛さん?

また剛さんが誰かと話し込んでるようだった。


前は一乗寺のお屋敷で高木さんだった。今度は京都支部で総二郎の講演会の時に誰と?
一体この人は何をしてるんだろうかと、靴音をさせないようにそっと近づいてみた。そして建物の陰に隠れて立ち聞き状態・・・悪いと思ったけど凄く気になった。

そうして聞こえて来たのは・・・


「・・・それがモニターに映ったら会場が騒ぎ出す。そうしたら女が1人大声を出す予定だから、そのあとで飛び込んでくれ」
「判った。こいつはフリでいいんだな?本当に切りつける必要はねぇって事で」

「傷を負わせたら不味いだろ。あんたはその手前で取り押さえられるだろうが、必要なのはそんな騒ぎが起きたって事実だけだ。警察を呼んだりはしないから終わったら謝礼を渡す。いいな?」
「ちっ!先に払えねぇのかよ・・・」

「成功報酬だ。よし、行け」
「・・・了解」



「・・・・・・・・・・・・」


なに?今の会話・・・もしかして今から始まる講演会で何か騒ぎを起こそうって言うの?
総二郎の講演会なのに冗談じゃないわ!


『西門流に不利益になる事柄にアンテナを張り巡らしご報告します。不利益なことでお耳に入れるべき事かそうでないかを判断したら、時には自ら処理することもあります』

もう総二郎には連絡出来ない・・・それなら私が止めなきゃ!


身体を屈めてその場を離れ、支部の中に入ると今度は講演会場の隅っこに立っていた。
そうしたらさっき間島さんと話していた男が最前列の左端に座り、辺りをキョロキョロしてる・・・それを確認したあとでぐるっと会場内を見回したら、右側に千香さんらしき女性を発見した。

さっき言ってた女って千香さんの事かしら?

でもその前に「それがモニターに映ったら会場が騒ぎ出す」って聞こえた。
って事はあのステージ中央のスクリーンに何かが映るの?

「でもそれは私が渡したCD-Rの資料画像のはず・・・まさか、あれも利用する気じゃないでしょうね?」


まだステージには誰も上がってない。
でもこれだけ集まってるから間もなく始まるはず・・・それなら高木さんが持っていたあの封筒の中のCD-Rを探してみよう。


私は会場を出て、来るなと言われた控え室の方に向かった。






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Comments 6

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2020/01/20 (Mon) 12:50 | EDIT | REPLY |   
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2020/01/20 (Mon) 16:38 | EDIT | REPLY |   
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2020/01/20 (Mon) 17:25 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

コソコソ男💦そうそう、沢山居るんですよ💦
ってか、面白い妄想してますね~(笑)

なんで私がウグイス嬢ですねん!
そしてあの方まで巻き込むなんて出来ません(笑)
(柊祐の話を読んでもらおうかと思ったけど勇気出ないもん)

抜かれるものも・・・それ?(笑)
拷問ですねぇ💦

2020/01/20 (Mon) 23:29 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

はい!長くなりましたが最後の闘いでございます♡
でも解決までは今暫く掛かります(笑)

よって総ちゃんのお目覚めももう少し待って(笑)
まだ妄想の中で悶々としていますが、確実に動きは素早くなります。

ふふふ、侮るなかれ!ですね♡

2020/01/20 (Mon) 23:40 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

生粋娘様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

いやいや、やる気スイッチは「そこ」ではありません💦
そんな処を「アレ」で刺激するのはお止めください💦
ってか額に入れてるんだ?!!恐ろしい・・・ちょっと想像しちゃった💦

で今度は足袋を要求・・・(笑)
それはどうかしら・・・素直にくれるかどうか聞いておきますね(笑)

・・・殴られると思いますよ?

2020/01/20 (Mon) 23:43 | EDIT | REPLY |   

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