FC2ブログ

plumeria

plumeria

『あんた、毎年誰かに渡してたの?』

その言葉が頭から離れない。
渡す人なんて居るわけないじゃない・・・そう言いながら毎年作ってるけどさ。
渡せるはずないじゃない?今や花沢物産の専務さんになってるのに。


残業で遅くなって1人で歩くバス停までの道・・・同じ言葉を何度も繰り返しながらカメにも追い越されそうな速度で歩いてた。
1人の部屋に帰るのなんて慣れてるし、淋しいとかって気持ちはないはずなのに、彼が会社に来た時にはいつもこうなる・・・自宅に戻りたくなくなる。

かと言ってこの時間から1人で飲みに行く事も出来ないし、いくら昔から痩せてる私でもそんな事はしちゃダメな歳になった。
ちょっとだけ・・・お腹のお肉が摘まめそうだし。

そしてバス停に着いた途端、現実に戻って首を振った!


「いかんいかん!まだ嫁入り前の娘・・・は厚かましいわね、女がそんな事言ってどうする!」
「嫁に行く気はあるの?」

「当たり前でしょ?まだ30にはなってないもん!諦めないわよ」
「じゃあもうすぐじゃん?急がないと」

「まぁねぇ・・・でもこればっかりは相手が必要でしょ?その人が雲の上どころか宇宙人だから・・・・・・はっ?!
「多分そいつも地球人だと思うけど」


昼間の続きみたい・・・独り言に割り込んできた言葉に反応したら・・・また花沢類?!!

しかもなんて所を盗み聞きすんのよっ!
(お腹のお肉は声に出してなかったよね?!)


「どどど、どうして急に現れるのっ!専務も残業とかあるの?!」
「やめてくれる?この時間でも専務だなんて。牧野は?残業だったの?」

「ま、まぁね・・・こう見えて企画課の主任だからやる事は沢山あるのよ。課長とか部長の方が早く帰ってるわ」
「そうなんだ?じゃあお腹空いてない?」

「空いてない!少しぐらい腹ごしらえしてから残業を・・・」
ぐ~~~きゅるるるるるるる・・・

「・・・ぶっ!!」


どうして私はこうなのか・・・そしてそこまで笑う?花沢類。
バス停の電子掲示板に縋り付いてまで笑わなくていいと思うんだけど。


その時、私が乗るはずのバスがやってきた。
お腹を抱えて笑ってる失礼な男の事はこの際放っておいて、私はさっさと帰ってしまおう。これに乗らなかったら次のバスまで結構時間があるし。

花沢類に何も言わずに止まったバスの開いたドアに向かって1歩・・・そうしたら急に後ろからグイッと引っ張られて、私の身体はボスッ!と彼の胸に・・・!
運転手さんの「乗らないんですか?」のひと言に答えたのは花沢類だった。


「ごめんね、乗らないから」

「乗るわよーーーっ!!」って叫んだ時にはバスはもう発車してた。



「ちょっと!今度はなんなのよ!私はあれに乗るんだったのに!」
「食べに行かないの?お腹鳴ってたじゃん」

「だからっ!こんな時間から食べられないわよ!」
「お腹に肉が付くから?」

「聞いてたの?!」
「いや、何も?」


・・・エスパーか!この男っ!!




**




「いらっしゃいませ、花沢様。ご予約の席はこの奥でございます」

「ん、ありがと」
「・・・・・・(ご予約?)」


偶然会ったと思ったのに何故「ご予約」と言う言葉が出るんだろう?
首を傾げながら入ったのはさっきのバス停から歩いて10分ほどのフレンチレストランだった。
超高級って訳でも無いけど、そこそこいい感じ・・・私が通常利用するような店じゃない。でも花沢類にしたらちょいランク下げたって感じだ。

そこで窓際の薔薇が一輪飾ってあるテーブルに案内されて、彼と向かい合って座った。
流石予約してあったってだけあって前菜はすぐに運ばれて来て、私の目は釘付け・・・それをまたこの人は口に手を当てて笑っていた。

はっ!・・・もしかして・・・?



「花沢類・・・まさかと思うけど、すっぽかされたの?」
「・・・誰に?」

「予約してたんでしょ?ここ、別の人が座る予定だったんじゃないの?」
「・・・・・・・・・・・・」

「やっぱりそうなの?!あなたを振る人がいるの?!うわっ・・・でも、落ち込んじゃダメだよ?
そう言う事だってあると思う・・・いくら見た目だけ完璧な花沢類でも中身は変態だし、それを見抜かれたのね?うんうん、仕方ないよ~」
「違うし(中身が変態?)」

「・・・・・・違うの?」
「出てくる料理で判ると思うけど?」


そう言われてキョトンとしてたら、出てきた料理・・・見事に私の大好物ばっかりだった。
「カロリーまでは考えなかったけど」のひと言は余計だったけど嬉しくて全部完食♥気が付いたら花沢類のデザートまで私の前に置かれていた。



でも本当に約束した人、居ないのかしら・・・その話が出ない訳ないよね?
あの家唯一の跡取り息子だもん・・・両親が放っておかないよね?


花沢類の子供・・・必要だもんね。

だから思い切って聞いてみた。



「ねぇ・・・花沢類」
「どうした?お代わり?」

「違う。恋人・・・居ないの?」


あれ?どうしてそんな”鳩が豆鉄砲を食ったよう”な顔するの?
やっぱり核心突いちゃった?!!


「・・・・・・いるよ」

「いるの?!ホントに?!」
「うん。ただ本人が気が付いてないだけ」

「・・・は?」
「いつ気が付くのかなって待ってるんだけど国宝級の鈍感だからね・・・でも、そろそろ限界かなって思ってる」

「・・・そうなんだ。花沢類、苦労してるんだね」
「・・・・・・・・・まぁね。変態だから待てるのかもね」

「そっかぁ・・・頑張ってね!応援してる!」
「ありがとう」



今度はそんなに嬉しそうに笑わないでよ・・・涙が出るじゃないの!

でも、その鈍感な彼女って・・・一体どんな人なんだろう?





にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
応援、宜しくお願い致します♡
関連記事
Posted by

Comments 6

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/02/15 (Sat) 11:23 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

みわちゃん様、こんにちは~(笑)

コメントありがとうございます。


あはは!今年は総ちゃんと類君、同じテーマで進めております♥
で、類君は完全にコメディでございます💦

気が長いでしょ?(笑)
早く言えよっ!!って言いたくなりますよね~♥

まぁまぁ、そこをグッと堪えて楽しんでください。
たまにはこんな惚けた2人も良いかな~、なーんて!

2020/02/15 (Sat) 11:53 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/02/15 (Sat) 15:39 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは!ドSかもしれませんよ?(笑)
類君、完全に遊んでおります。
これからもっとつくしちゃんに意地悪を・・・(笑)

黒い尻尾をフリフリしてる類君・・・♥


つくしちゃんがいつ気が付くのか、お楽しみに♥

2020/02/15 (Sat) 18:06 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/02/15 (Sat) 20:58 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

麦猫様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは!美味しいビールで酔っ払い、妄想の世界で楽しんでください(笑)
ニヤニヤしちゃいます?ふふふ、それなら良かったです♥

この類君、最後までこんな感じなのでむふふってなると思います。
短編ですがニマニマして下さいね~♥お一人の時にね?💦

2020/02/16 (Sun) 00:12 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply