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「牧野主任、どうしたんですか?メドゥーサみたいになってますよ・・・?」
「亜紀ちゃん・・・もう少し可愛いたとえにしてくれる?」


と・・・言ったものの否定出来ない。

昨日一睡も出来なかった・・・頭の中で鈍感なお嬢様とルイスがグルグル回って楽しそうだったんだもの。
おかげで肌荒れは酷いし、化粧は出来ないし。
この私が珍しくご飯も食べてないから(実は深夜にドカ食いしたので胃もたれ)力が入らないし。

それでも仕事は待ってくれないから午前中はボロボロの状態でパソコンに向かい、昼になったら亜紀ちゃんにテイクアウトのサンドイッチを頼んで自分は机でダウン・・・そうしたら女子社員がキャアキャア話してるのが聞こえた。


「今日も花沢専務が来てるんだって!」
「いやぁ~ん!昨日も来てたよね?どうする?うちが花沢物産の傘下に入ったら~!」

「そんな訳ないじゃない。なったからって専務が来る回数が増えるって言うの?」
「わっかんないけど~~♥あぁ~ん、14日、チョコ渡そうかなぁ~♥」

「何言ってんの!張り紙出てたでしょ?」
「えぇ~、あれって外部の人にもダメなの~?」


今日も来てるんだ?

・・・って、まさかここに寄ったりして。

それを聞いて急いで起き上がり、休憩室に向かって速効メイク。取り敢えず色を塗っとけ!みたいだったけど化粧して、髪もボサボサだったから急いで纏めた。
滅多にしないシュシュ・・・それを付ける自分の心境が既にわからない・・・。


でもいつまで待っても彼が来ない・・・いや、待ってないけど。
亜紀ちゃんが買って来てくれたものを食べて、今日はお腹が鳴らないようにしているのに来ない。

気が付いたら足が3階に向かってた。



「あれ?牧野主任、誰かに用?呼ぼうか?」
「へっ?!」

声をかけられて振り向いたら花沢物産担当の友田さん、彼が1人で立っていた。この人と一緒じゃないんだ?って彼の後ろを見たけど影も形もない・・・。あの大男が165㎝の友田さんに隠れることも出来ないだろうけど。
「何ですか?」なんて不思議がられたから、つい出鱈目な事を言って誤魔化した。


「あはは!いやね、昨日花沢専務が来た時に落とし物をしたから渡そうかと思って。さっきね、うちの課の連中が騒いでたから今日も来てるのかな~って思っただけなの~」

「あぁ、花沢専務ですか?もう帰られましたよ」
「帰った?!!」

「は?え、えぇ・・・何でも彼女にValentineのプレゼント買わなきゃって言って・・・」
「プレゼント?!!」

「えっ?!え~~とですね、俺が『Valentineは女の子から貰うんじゃないんですか?』って言ったら・・・

『フランスでは男女関係なく贈り物をするんだよ』

って、超爽やかな笑顔でしたけど」


・・・今、友田君、花沢類のモノマネしたわね?似てないから。
いや、そんな事はどうでもいいけど!!


超鈍感な彼女にプレゼント・・・その為に4階まであの長い脚が向かなかったと?
今まで何度も無意味に来ていたクセに、本命に猛アタックされたら私の所には来ないって?

その場でシュシュを外して髪を振り乱したら友田君がビクッとしていたけど、もういいわ・・・やっぱり私達は何年経っても「友達」なのよね。
「落とし物、預かりましょうか?」って言ってくれた友田君には「落としたぐらいだから捨ててやるわ!」と吐き捨てて自分の課に戻った。



その日の帰り、亜紀ちゃんがご飯に誘ってくれたけど食欲がなくて断わった。
だから、またいつもの道を1人のんびり歩きながら帰っていたけど・・・つい、後ろを振り返る。

誰もいないのに・・・。


つまんない。
本当につまんない・・・マジでつまんない。

今日は誰も引き止めてくれない。来たバスを1本態と乗らなかったけど・・・やっぱり来ない。

「あっ・・・雪まで降り出した・・・」


天気まで私を凍えさせる・・・。
最終便までバス停で待ってたけど、とうとう1人ぼっちのまま・・・・・・半泣きでそのバスに乗って帰った。




**




「はぁ~!ホントに誰も渡さないんですかね?今日は男性社員、静かですね~」
「・・・・・・そうね」


とうとう来てしまった2月14日。
そしてなんて鈍感な亜紀ちゃん・・・。

子供じゃあるまいし張り紙なんて無視して恋人達は色んな場所でチョコをあげたり貰ったりしてるっつーの!
モテないおじさん達だけが静かにしてるけど、若者に通用する訳無いじゃない。陰でイチャイチャしてるヤツは沢山居るのよ・・・そして何故か私はそう言う連中に目が行くのよ!


「牧野主任、それにしても今日はいつにも増して地味ですね・・・どうしたんですか?」
「仕事モードなの」

「そうなんですか?もしかしたら仕事終わっても予定無し?」
「どうしてそんな言い方かな・・・もう少しオブラートに包みなさいよ」

「ねぇねぇ!だったら今日こそ私とご飯に行きません?世の中の恋人達ってデートばっかりなんですもん!友達からも断わられちゃって!」
「・・・・・・亜紀ちゃん」


何故そこで私まで「暇人」だと思うわけ?
「もしかしたら予定無し?」じゃなくて「当然予定あり!」かもしれないじゃないの!全くこの子は・・・って腹が立つけど本当は亜紀ちゃんの言う通り。
でもそこで「よし!行こう!」なんて言えない・・・だって今日は花沢類が・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・


「ダーーーーッ!!
考えるな、私っ!!」


「きゃあっ、なになに?!」


ヤバい・・・あの人が鈍感娘を抱き締める場面を想像してしまった・・・。
あの顔で甘い言葉を囁かれたらどんな女も一発陥落・・・いや、今日はお強請りされてるんだから陥落するのは花沢類か?

だから考えるな、馬鹿っ!

あの人に女性を口説く力があるとは思えない・・・エロ門や美作さんとは違うし!
いや、今日は誘われてるんだから口説かれるのは花沢類か?

だからだから、考えるな、馬鹿馬鹿馬鹿!!

あの人、すぐに口説かれちゃうんじゃないの?!なーんにも考えて無さそうだし!
どんなプレゼント選んだのか知らないけどホイホイ渡してご機嫌とるんじゃ・・・


「だ、大丈夫ですか?牧野主任・・・具合悪いの?」
「・・・いえ、大丈夫よ。打ち合わせしましょうか。今日は残業出来ないから早く終わらせましょう」

「えっ!じゃあ一緒にご飯♥」
「私は先約があるの。ごめんなさいね、亜紀ちゃん」



こうなったら・・・・・・一目、その鈍感娘を見てやろうじゃないの!





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Comments 6

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2020/02/19 (Wed) 12:41 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

はい♥完全に遊ばれております。
それならもう少し早くに・・・と思ったりもしますが(笑)単純に30前を書きたかっただけです、はい!

一昨日、今年初めての雪が降った・・・らしいのですが、私は見ることも出来ませんでした。
いつ降ったんだろう?ってぐらいで積もることもありませんでした。

う~~~ん、1回でいいから庭が真っ白になった所を見たいです・・・。
今日は・・・逆に暑かった(笑)

2020/02/19 (Wed) 18:16 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/19 (Wed) 20:59 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

てるる様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

うふふ!国宝級の鈍感娘です♥
ぜーーーんぶ知った時はどうなるんでしょ?(笑)

意地悪な類君、書いてて楽しいです♥あははっ!

2020/02/19 (Wed) 21:42 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/21 (Fri) 21:40 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あっはは!こういう思い出ない?!
私はこれ、あるんですけどね~(笑)
まだ車持ってない時だったんだけどね。バス停で待ってると、その時に付き合ってた人が仕事終わって通り掛かってくれたら車が目の前で止まるのよ(笑)
それを待つのに何本かバスを見送った覚えがあるなぁ~って。

え?真っ直ぐ帰ったかって?

帰りましたよ~~~~!真面目な子でしたから♥


はい、喜劇です♥
連載の反動でコメディ書きたいです(笑)

2020/02/21 (Fri) 22:24 | EDIT | REPLY |   

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