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「さぁ、覚悟しなさい!」

何処の大根役者だ?と思うようなつくしの手の動き・・・そこにあるのはCD-R。
全員がキョトンとする中で、1人慌てていたのが高木だった。

しかもそのCD-R、なんでつくしの服の中から出てくるんだ?
さっきスクリーンに映し出されたんだから映像室にあるはずだろ?そこから持ち出す暇なんてなかった・・・ってか、資料のCD-Rじゃねぇのか?


「つくし、それがなんだってんだ?高取焼のディスクじゃねぇってのか?」
「これは高木さんがすり替えた偽物のCD-Rです。
これを会場に映しだしたら若宗匠が大変なことになるってヤツですよね?剛さんの話を全部を盗み聞きした訳じゃないから判らないけど、その映像を見た後で騒ぎ出すのが何処かの女性で、あの男性はそれを合図にして若宗匠に襲いかかるって言ってましたもん!」

「・・・騒ぎ出す女?」
「誰かは知りません。でももしかしたら千香さんじゃないんですか?会場に来てましたよね?」


つくしの鼻息は荒く、名探偵のようにこれまでの話をした。

自分がここに来ても西門の控え室にすら入れてもらえず、それで拗ねて外に出たら剛の話を聞いてしまったこと。映像を見てから騒ぎが起るのなら、そのCD-Rを確認すればいいと思って西門の控え室に向かったこと。
そこに居た弟子に高木の部屋を聞き、鍵が掛かっていたから開けてもらい、鞄の中から本物のCD-Rを見付けたこと・・・


「実は若宗匠が作ったCD-R、私が落としたせいで小さな傷があったんです。それに口紅がついて微かに汚れたんですが、その傷と汚れがあるCD-Rが何故か講演直前に高木さんの鞄に入ったままでした。
それに朝イチのテストの後に1度映像室から持ち出しましたよね?それも確認済みです。その時にこの偽物とすり変えたんだわ!」

「・・・知りませんね」

「でもあなたの鞄から出てきたのよ?誤魔化しても無駄です!」
「証拠なんてないでしょ?あなたの作り話かもしれないじゃないですか」

「証拠ならあるわ!」
「なに?」


俺も先代も呆然・・・つくしが「証拠」だと言って出した物、今度は俺のスマホ?!
ここに来た初日のお茶屋で無くしたはずのスマホがつくしの手に握られてて驚いた。そして高木はもっと驚いたように一瞬目を見開き、「チッ!」と舌打ちして顔を背けやがった。

つくしはそのスマホの画面をジッと見つめ、そいつを俺のところに持って来た。


「若宗匠、これ若宗匠のに間違いないですよね?」
「・・・あぁ、なくしたと思ってたが」

「ここ、見てもらえます?何かついてるでしょ?」
「ん?あぁ、なんだこれ・・・白い粉?」


俺のスマホの側面、電源ボタンの辺りに白っぽい粉がついていた。それはチップを入れる箇所の極小さな隙間にも・・・つくしはスマホを俺に渡して高木の前に立った。
そしてまた怖くもない仁王立ちをして、ジロッと睨み上げた。


「同時に見つけた若宗匠のスマホです。これもあなたの鞄から出てきました。その鞄、ここに持って来て下さい!」
「・・・・・・何故?」

「スマホについてる粉、あなたの鞄にあったんです。何かが溢れたんじゃないの?なんならそれを何処かに提出して鑑定してもらえばいいんじゃないですか?」
「・・・・・・!!」

「それに何度も剛さんと一乗寺のお屋敷の隅で話込んでましたよね?それだって私は見てるんです。それに剛さんが私の事を監視してたのも知ってます。牡丹の間に行った時、この人の香りがしましたもん!」


先代も剛を睨み、剛は流石に眉を顰めた。
間島支部長も小さく「くそっ・・・!」と呟き、高木は観念したのか、すぐ近くの椅子に倒れ込むようにして座った。

ここに警察も間島以外の支部役員も居ない。
つくしはわざわざ彼奴らが居なくなるのを待って、外部に西門の騒動が漏れないようにしたんだろうか・・・あれだけドジって慌てん坊で、俺の足ばっか引っ張ってたのに、いつの間にそんな事が出来るようになった?


まぁ、アメリカでも本人の知らぬところですげぇ働きだったし、意外と頼もしいヤツだな、とそっちに感心していた。



「さて、間島さん・・・話してもらおうかの?あんたの噂は知らん訳じゃない。シラを切るならさっきの警官を呼び戻すまでだが?」

「・・・・・・くっ!」
「私が言いましょう。どうせもう隠せない・・・私達が牧野さんを甘く見たって事ですよ、間島支部長」


先代の問いかけにそう答えたのは高木で、今までのニヤけた表情を一変させ、投げ遣りで横柄な態度に変わった。

こいつは間島に雇われた便利屋で、西門に潜り込ませて不祥事になるネタ探しをしていたらしい
茶道に興味があると言ってたのも当然大嘘で、大森さんにくっついて京都支部の使い込みがバレないかをチェック、ついでに俺の素行調査もしたりして宗家を陥れるきっかけを探っていたと。

俺が女の秘書をつけた事は間島から聞いたが、その後アメリカまで同行させた事からそう言う関係だと推察。牧野を使えば俺の醜態が世間に晒されるんじゃないかと企み、この京都行きを間島の希望だとして先代に提案したらしい。


「それで儂に何度も家元から総二郎への変更を話しておったのか?儂も別に総二郎でも良かろうと思ったから気にもしなかったが、総二郎が来るまでの10日間、わざわざ舞鶴の旅館に招待して寛がせたのも連絡を取り合うのを避けるためか?!」

「・・・えぇ、そうですよ。家元のスケジュールを急に変更させられるのはご隠居しか居ません。でもその理由を色々と探られると不信感を持たれると思ったので若宗匠から引き離したまで。
まぁ、充分不思議には思われたでしょうが、東京のお2人は旅行気分で来るだろうから大丈夫だと思いましたよ」

「(俺でも良かろうって何だ?)・・・悪いが仕事とプライベートの区別はつけている。そんな言われ方は心外だな」
「・・・・・・(区別付けてるのかしら)」



そして初日の夜、お茶屋での出来事に話題が移った。

まずはつくしに出鱈目な情報を伝えるために千香が別室に監禁し、俺には具合が悪いと伝えて連絡するのを阻止。
同時に先代には下剤、俺には睡眠導入剤を入れた酒を飲ませて2人を時間差で一乗寺に帰すようにした・・・その説明を淡々と話しやがるからすげぇムカつく・・・!

つくしは既にそれを知っていたのか驚きもせず、「寒かったんだからね!」と叫んでいた。
因みに剛はお茶屋でフレグランスは嫌がられると思い、この時はつけていなかったらしい。


「あの時慣れない酒を飲み過ぎたのかと思ったのに、本当は薬だったのか?!そんなもの、酒に入れたら下手したら死ぬぞ?判ってんのか!」
「俺は薬学部卒なんですよ。そのぐらいの知識はありますから加減しましたって。
因みにその睡眠導入剤を手に入れた時、しくじって鞄の中で1袋破ってしまいましてね。そのスマホの粉は多分それでしょうね・・・俺としたことがそこまで気が回らなかったな」

「・・・って事は千香も共犯か」
「えぇ。牧野さんの話し通り、今日の映像を見て騒ぎ立てるのも彼女の予定でした。だから会場に居たんですよ」

「どんな映像で騒ぐつもりだったんだ!」
「・・・後で牧野さんが持ってるものを一緒にご覧になれば面白いと思いますよ?スマホは若宗匠が眠ってる時にポケットから拝借しました。今はこれがあるために不便なんですよ~、人を騙す時はね」


牧野の部屋を俺と別けたのもこいつ。大森さんにも牧野の希望だと伝えていたらしい。
茶事の部屋を間違えさせようとしたのも、その後に着物を隠したのもこいつ。着物は使用人用の着物が沢山仕舞ってある箪笥の中に紛れ込ませているとサラッと言いやがった。

そして態と取引ある呉服屋の中で1番遠くにある店に行かせ、女将に適当に時間を潰すように頼んだと白状した。

常に俺と牧野が会わないように剛まで呼んで監視して、今日も牧野がここに来るとは思わなかったと言った。色々と吹き込んでショックを与えてるから動けないだろう、そう決めつけていたと言って苦笑いしていた。


「そもそも牧野さんと引き離された時点で、若宗匠が狼狽えて失敗すると思ったんですよ。それなのに茶事はキチンと終わらせるし、居なくなったと大騒ぎして醜態晒すわけでもない。
俺は秘書が居ないぐらいで慌ててドジる若宗匠を期待していたのにそうじゃなかった・・・だから最後の講演会での惨事は派手にしたかったんだけどな~!」

「当たり前だ!そんな事より牧野の身体の方が大事だと・・・・・・・・・」



あれ・・・待てよ?


さっきのお茶屋の話、つくしは吐き気じゃ無かった・・・千香が監禁って言ったよな?
って事は・・・もしかして今までのつくしが「気分の悪い」ってのは嘘だったのか?



・・・・・・俺の子供は?






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Comments 4

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2020/01/25 (Sat) 15:45 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

みわちゃん様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは!怖い物知らず💦1番怖いのはすぐ側に居るかもですが(笑)

高木さんね💦
ここで揉めると200話いきそうなので止めました(笑)
このお話、私の・・・のリハビリで簡単に終わらせるはずだったのに💦

気が付いたらこんな事になってしまった!

なんで?どうして・・・ミステリーじゃないのに(笑)
って事で、終わりが見えてきました❤

最後まで宜しくお願い致します~♡

2020/01/25 (Sat) 21:42 | EDIT | REPLY |   
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2020/01/25 (Sat) 23:42 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

生粋娘様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

あはは!そんな~💦
まだ話合いは終わってないですよ?
いきなり始まりませんよ~(笑)

もう少しお惚け総ちゃんで楽しんでください♡いつか、始まると思います(笑)

2020/01/26 (Sun) 10:19 | EDIT | REPLY |   

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