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<side朱里>

「・・・えっ?光留お兄様が?」
『そう、光留のスマホが無いから俺から電話してるんだけどね、あいつ、少しヤバい連中と問題起こしちゃって捕まってヤられちゃったんだ。で、光留が朱里ちゃんを呼んでるから一緒に来てくれない?』


その電話は放課後になったばかりの時に掛かった。
私にプロムのパートナーなんて申し込んできた嫌な人・・・同級生の噂でも西林って人は乱暴だって聞いてたから話もしたくなかったのに。
偶然だろうけど、この前は街中で話し掛けてきて、無理矢理映画なんて連れて行こうとして気持ち悪かったのに!

でも話を聞いたらお兄様のピンチらしいし、ヤられたって事は殴られて動けないって事?
光留お兄様、結構強いのに・・・と、この人の言う事は信じられなかった。


「それで私にどうしろって言うんですか?」
『あいつ、動けないんだけど1人で帰ると家の人が騒ぐだろ?それが嫌だって言うから助けてやってよ。でさ、ボコった相手がタチ悪い奴等だから光留のスマホ奪って朱里ちゃんに連絡しようとしてるんだ。だからこの電話が終わったらすぐに電源落としてくれる?狙いは朱里ちゃんだと思うからさ』

「えっ?私のせいでお兄様が襲われたの?」
『可愛い妹だから守りたかったんだよ。じゃあ5時に裏門に来て?光留のところに案内するから』

「わ、判りました!」


5時って・・・あと20分じゃない!
言われたとおりにスマホの電源を落として、美作のお迎えが待ってる正門じゃなくて裏門に走った。

確かにボコボコにされた光留お兄様がそのまま帰宅したら、お婆様もお母様も驚いてすぐにお父様に連絡するわよね・・・そうなったらお父様のお怒りが爆発して抑えられないかも!
それも怖いから取り敢えず西林さんの言葉に従って、後の事はそれからでもいいだろうって思った。


あれ?でもどうして西林さんは光留お兄様がヤられたって知ってるの?
お兄様のスマホは取り上げられたのよね?・・・じゃあ一緒に居たってこと?それで助けてくれなかったの?
西林さんだって相当ワルそうに見えるんだけどなぁ?


裏門が見えてきたら走るのを止め、少し冷静に考えた。

もしかしたら行かない方がいいんじゃないかしら・・・光留お兄様、今何処に居るの?
どうしてここまで来るなら一緒に乗せてこないの?話がおかしい・・・ような気がする。

でも考えてるうちに門に着いて、タクシーを停めていた西林さんがニヤッと笑った。


「・・・もしかして騙したの?お兄様の話なんて嘘じゃないんですか?」
「どうしてそう思うの?今から案内するって言ってるのに」

「だって・・・!」
「いいから乗って。急がないと光留、ヤバいかもよ?」

「えっ?!そんなに酷いの?」
「骨が数本折れてるかも・・・俺1人じゃ抱えられなくてね」

「・・・・・・・・・」


後ろを振り向いたけど裏門から帰る生徒なんて居ない・・・美作の車で行った方が良かったんじゃ、そう思った瞬間に西林さんが私の腕を掴んでタクシーに乗せた!
そして彼も反対のドアから入って運転手さんに「出して」、そう言うと静かに走り出した。


嫌か予感がする・・・それは光留お兄様の事じゃなくて自分のこと。
もしかしたら私、失敗した?


助けて、お母様、お父様・・・!!


助けて・・・・・・紫音!!




************************




「どっちに向かってるんだ?」
「・・・このまま進むと東京ヘリポートがあるんで・・・若洲でしょうか?」

「そんなところに?」
「いえ、判りませんけど・・・あっ!」

「どうした?!」
「タクシーが信号無視を!」


運転手が急ブレーキを踏んで赤信号で停まり、でも朱里が乗ってるタクシーはそれを通過して走り去った!
通行人で前が見えなくなり、他の車が入ってくるから尚更判らなくなり、信号が変わって進んだ時には既にタクシーなんて何処に行ったか判らなくなってた。

くそっ・・・!こんな時に、と思ったが運転手を責めるわけにもいかない。
タクシーは真っ直ぐ進んだから、兎に角このまま走れと命じてスマホを取り出した。
調べるのはこの付近に西林エンジニアリングの関連施設があるかどうか・・・人目につかないようにするなら自分が知ってる場所にすると思ったから。


「西林エンジニアリング・・・結構支店があるな。倉庫・・・とか?」

ホームページに出ている関連部門を調べると・・・・・・あった!若洲に木材倉庫・・・ここかもしれない!

運転手にその場所を教え、スピードを上げる・・・本当は運転を代わりたいぐらい焦ったが、それよりも前方を睨み朱里の無事だけを祈った。


ヘリポートを過ぎて橋を渡り、車は若洲に入った。
そして向かった先の倉庫・・・今度はさっきのタクシーが「空車」を掲げて俺達とすれ違った!


「紫音様、今のは・・・!」
「うん、間違いないと思う。いいから倉庫に進んでくれ!」

「畏まりました!」


ほんの数分で「西林エンジニアリング資材倉庫」と書かれた場所に着き、そこで車を停めさせた。運転手はオロオロしてるけど待機するように命じ、1人で車を降りた。
倉庫のシャッターは降りたままだけど、その隣には小さなドアがある・・・磨り硝子の向こうには僅かだけど照明が点いてるのが判った。

この中に誰か居る・・・それが朱里とあいつだと思うと心臓がバクバクして五月蠅いぐらいだ。
でも物音を立てて朱里に攻撃されたら不味い。だから静かにドアノブに手をかけ回してみると・・・・・・開いた!
鍵を掛けなかったんだ!

音をさせないように中に入り、電気が点いてる部屋に向かった。
会社の倉庫が建ち並んでる場所だけどこの時間だから凄く静か・・・そのうちボソボソと人が会話してるような声が聞こえた。でも男の声だ。

1人じゃないのか・・・まさか数人で朱里を?と要らぬ想像までして汗が流れる。

小さく高い声も聞こえた。
それが朱里なのかどうかも判らない・・・兎に角状況が把握出来るところまで行くしかないと歩を進めると、次の瞬間には悲鳴があがった!!


「いやああぁーーーっ!!誰か、助けてぇっ!!」



・・・・・・朱里っ!!


その声は朱里だった。
もう止まれない!!そこからはダッシュして声のした奥の部屋に向かい、そこのドアを思いっきり蹴り飛ばした!

それに驚いて振り向いたのは西林・・・その手が掴んでるのは床に踞ってる朱里の腕だった!


「朱里!!無事か?!」

「・・・な、なんだ!どうしてここに・・・!」
「・・・・・・し、紫音・・・?」


朱里の足元にはチェーンが切れたイルカのネックレス・・・それを見た瞬間、俺の中でも何かが切れた音がした。





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Comments 4

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2020/01/24 (Fri) 19:32 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様 こんばんは。

コメントありがとうございます。

どうだろう・・・F4はみんな闘える設定ですが、この子は・・・強いとは思えませんね(笑)
でも本気出せばって感じでしょうか。

殴り合いはないと思います。
何より「手」を大事にしていますから。


えっ!そう来たか・・・。
でも、もしかしたらそれより怖いことになるかもしれませんよ?(笑)

2020/01/24 (Fri) 23:28 | EDIT | REPLY |   
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2020/01/27 (Mon) 00:36 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

待って・・・あきらが犯罪者になっちゃう💦
海に沈めちゃイカンでしょう(笑)

ここはやっぱりライフルじゃない?
私はあきら=ライフルなのよね♡

西林の耳ギリギリラインにバーーーーーーン!!で、どお?

2020/01/28 (Tue) 00:04 | EDIT | REPLY |   

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