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<side総二郎>

「・・・ははは!儂のような年寄は後回しにされましたかな?」
「いえ、そのような事は御座いませんよ、ご隠居様。まぁ・・・あの子にも色々とあるのでしょう」

紫音が帰られないと聞いて急遽2人きりになった茶室・・・そうは言っても茶会ではないからのんびりと話をしていた。

つくしからあいつが慌てたような声で電話してきたと言われたが、寧ろ俺は少し嬉しかった。
いつもいつも優等生で反抗もせず、常に正しくあろうとする息子・・・確かに良いことなんだろうがもどかしかった。もっと自分の胸の奥に激しい感情があるだろうに、それを出せずにいるような気がしていたから。

何があったかは知らないが、自分でどうにも出来なければ助けを求めるだろう。
そうしないのなら自分で解決出来ると考えてのこと・・・それもまた紫音には必要な行動だと思った。そんな話を鷹司前会長としながら縁側から見える菖蒲の花を眺めていた。


「ご子息は初めて会った時も物静かで穏やかなお子様でしたからなぁ・・・。懐かしいです、もう何年前になりますかな?」
「17年も経ちましたよ。あっという間でしたね」

「おぉ、もうそんなに・・・して、もう1羽の鶯はお元気でしょうかな?」
「・・・・・・どうでしょう。本当に困ったものです、あの子は昔から鉄砲玉ですから」

「お父上に似ているのでしょうよ?またそのように怖いお顔をして・・・」
「・・・こればかりは」


花音の話はするな!とも言えずに苦笑い・・・。
幸せになるなら類でもいいが、あいつの中からつくしが消えるとは思えないからな・・・とつい溜息が出ちまう。


一体何処が良いんだか。
無愛想で無表情で言葉足らずで訳判んねぇヤツ・・・・・・父親とはまるで違う男なのに。
娘の初恋は父親で、理想の男も父親で・・・なんてよく聞く話だが実際は違うもんだな・・・と。



その時につくしが血相変えて部屋までやってきた。


「鷹司様、いらっしゃいませ。お話中申し訳ございません・・・あなた、少し宜しいですか?」

「どうした?」
「儂なら耳が遠いですから気にせずお話しなさい。さて・・・菖蒲の花でも見ましょうかね・・・」


鷹司前会長が気を利かせて縁側から庭に出て、それを見計らってつくしが真横まで来た。
でもその時の手が震えている・・・まさか紫音に何かあったのかと身構えた。


「どうした、何があった?」
「紫音を迎えに行った運転手さんから電話が・・・実は・・・・・・」



・・・朱里が連れ去られた?

「紫音がそれを追って行ったのか?!」
「そうみたいなの。朱里ちゃんのスマホに繋がらないって」

「・・・判った。つくし、ご隠居のお相手を頼む」
「お願いね!総」

鷹司前会長の後ろ姿に一礼してその場を立ち、急いで自室に向かった。
そこで電話したのは勿論あきらだ。


『・・・どうした?総二郎』
「あきら、落ち着いて聞けよ?朱里のことだけど・・・」




*********************




「・・・・・・し、紫音・・・?紫音!助けてぇ!!」

「朱里!!」

「うるせぇよ!、デカい声で喚くな!!」
「きゃああぁっ!!」


俺の名前を呼んだ朱里の左頬に西林の平手が・・・!
乾いた音と共に朱里が床に倒れて、西林はそれでも朱里の腕を離さなかった。いつも可愛くしている髪が乱れて、恐怖で朱里が震えている・・・それを見たら全身の血が逆流した気がした。


許せない・・・よくも朱里を・・・!
しかも何もしていないのに、男が女性を暴力で押さえつけようとするなんて・・・絶対に許せない!


「なんだよ、西門先輩。あんた、英徳一の優等生だろ?こんな場所に来んじゃねぇよ!!・・・出ていけ!」
「・・・・・・・・・」


五月蠅い・・・優等生がなんだって言うんだ。そんなもの関係ない・・・朱里の方が大事だ!


「ビビって喋られねぇの?喧嘩なんて経験無さそうな坊ちゃんだもんなぁ?」
「・・・・・・・・・」


喧しい・・・ビビってるんじゃない、腹がたってんだ。こんなに腹がたったのは生まれて初めてってぐらいにな・・・。


「それとも何か?この女、俺と一緒にヤるか?そりゃ可哀想だぜ~?まだ中坊だからな!でも意外とこいつも好きかも・・・」
「・・・・・・・・・!!」


黙れ・・・・・・黙れ・・・それ以上朱里に触れるな!!


西林の言葉が終わらないうちに俺は全速力でこいつに向かって走り、ハッと振り向いた顔面に思いっきり左手の拳を振り下ろした!!
それは鈍い音をさせて西林の鼻っ柱にクリーンヒットし、「ぐわああぁ・・・!」と呻き声をあげながら朱里から離れて床に転がった!


「きゃああああぁーーーーっ!!」
「朱里!お前は目を閉じて耳を塞いどけ!」

「・・・し、紫音・・・」
「いいから言う通りにしろ!」

「・・・!紫音、後ろ!!」


朱里の声で振り向いたら鼻血を出した西林がパイプのようなものを持って立っていた。
その足は蹌踉けてて、片手で何度も顔面の血を拭い、それなのに目だけは殺人鬼のように鋭い・・・!俺はこいつからガードするように朱里の前に立った。


「くそっ・・・よくもやりやがったな・・・!人なんて殴れねぇような顔してるクセによ!」
「確かに殴った事は無い。お前のようなヤツに関わった事なんて無いからな」

「はっ!この程度で俺を倒したとか思うなよ・・・馬鹿め!!」
「じゃあ掛かって来いよ。何度でも受けてやる!」

「黙れ!・・・この野郎ーーっ!!」



父様から言われた言葉が瞬間頭に浮かんだ。


『まず喧嘩ではメンタル面だ。闘う前に気持ちで負けるな。
殴り合いでは左右のストレートパンチを打つフォームだけは絶対に間違えてはならない。どんな場合でも肘は下に向けるな。
身体は真っ直ぐだ。横を向くようになると、連打ができないし防御ができない。
足の力は腕の力の3倍だ。むしろ力を抜いて当たる瞬間のスピードを意識しろ。体重がのって速ければ確実に倒せる。
角度は上から落とすのではなく足に対して垂直なのが一番力が乗る、つまり真横だ』



俺は聞いた。何故、そのような事を覚えないといけないのか、と。


『それはな・・・紫音、お前が1番大事に思う人を守らなくてはならない時に使う為だ。自分の為だけになら闘うな』


それが・・・今だ!!





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Posted by

Comments 6

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2020/01/26 (Sun) 12:54 | EDIT | REPLY |   
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2020/01/26 (Sun) 17:35 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: お久しぶりです。

シポンヌ様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

お忙しいのですね~!お風邪など引かれませんように。

楽しみにしていただけて嬉しいです♡
このお話も随分時期がずれてしまいましたが(笑)

総ちゃん、喧嘩の極意を教えていたのですね~!多分技よりも心を伝えたかったのでしょう♡
こうやって守ってもらえるなんていいですよね~♡
(その前に攫われるような立場にないんですが💦)

さて、紫音、勝てるかな?(笑)

2020/01/26 (Sun) 23:19 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

多分本気じゃなくても1回ぐらいは実地で教えてると思いますよ(笑)
この人達、護身術は習うみたいだから。

でも本気の喧嘩は初めて・・・どーなるのかは次話で(笑)

そうそう、最強の父達が来ますからね!皆様、こっちが闘う方が興味あったりして!
40過ぎのおっさん2人と高校生1人・・・秒殺かも。

2020/01/26 (Sun) 23:27 | EDIT | REPLY |   
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2020/01/27 (Mon) 01:18 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

鶯💦我ながらなんと恥ずかしい喩え💦
フランスまで飛んで行った鶯で機嫌の悪い総ちゃん(笑)

あはは!喧嘩の極意(笑)
流石紫音、記憶力はいいとみた!
動きは判んないけど、言葉では理解している!みたいな?(笑)

でも弱かったら悲しいのでね~、頑張って闘って欲しいよね!
総ちゃんまではいかなくても、大事な人を守れるぐらいじゃないと!
ま、心配ないよね(笑)あきら、動くし。


あ~~~あれは刺されてるからナイフじゃない?
StopMotion・・・刺されたらRが遠のく!って怒られたヤツでしょ?(笑)


ごめん💦
鉄パイプ=昭和の女にウケた💦

うん、判る気がする(笑)

あれもSetinMotionになったらR多かったね~💦絶対2度と読めないけど。

2020/01/28 (Tue) 00:20 | EDIT | REPLY |   

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