Sister Complex (1)

それはぼくがまだ2歳の頃、春のあたたかい日だった。

使用人でぼくのお世話係だった加代が朝早くに大きな声で話していたんだ。
いつもはそんな事ないんだけど、その時の加代はホントにびっくりするような声でお父様とお母様を
呼んだんだ。


「大変ですよ!旦那様、奥様・・・門の所に女の子の赤ちゃんが置かれているんです!」

「なんですって・・・女の子の赤ちゃん?無事なの?その子は・・・」

お母様が一番に心配して加代がその子を運んできた玄関に行った。
僕もお父様と一緒に、すぐにお母様の後を追いかけて玄関に走って行ったんだ。


そこにいたのは本当に女の子の赤ちゃん・・・

小さな小さなバスケットに入れられて・・・でもとっても大切そうに沢山のお布団にくるまれて眠っていた。
ひとつだけお手紙と手作りのお守りを入れられてたって加代が話してた。

その子は全然泣いてなかったんだけど、捨てられたんだと思うと僕の方が悲しくなって・・・
とうとう泣き出したんだ。お母様が抱きかかえてくれたけどしばらく泣き続けた。


「まぁ、類が泣くことはないでしょう?ほら・・・この子が起きてしまうわ。泣かないでちょうだい」

「奥様・・・類様は加代がお世話いたしましょう。それで、この赤ちゃんはどうしましょうか?」

そのとき僕はもう泣き止んで、この子の側に座った。
ジッと見ていたら急にその子は眼を開けて、おおきなあくびをしたからびっくりして尻餅をついちゃったんだ!

なんて大きな黒い目なんだろう。それに髪の毛ももう真っ黒でふさふさで・・・
ぼくが近づいたらニコって笑ったんだ!なんて可愛いんだろう・・・!
手を出してたから、そっと僕が指を近づけたらその指をギュッて掴んできた!
あったかくてどこからするんだろう・・・甘い匂いがしたよ。

僕がそうやって遊んでいたら後ろではお父様とお母様が何かを話していた。
お母様は僕を産んだ後に病気をして、もう赤ちゃんが産めなくなったって言っていた。

だからかな・・・お母様はこの女の子の赤ちゃんがすごく可愛くて、抱っこしては嬉しそうに笑っていたんだ。
そして、お父様はこれも何かの縁だろうって・・・ぼくにはよくわからなかったんだけど・・・

この赤ちゃんはこのままうちの子供にするって決めたんだ。
「とくべつようしえんぐみ」・・・ぼくには難しかったけど、お父様は弁護士さんを呼んでいた。


うちの子?ぼくと同じこの家の子供になるの?

「類・・・この子は今日からあなたの妹よ。この子にお名前をつけてあげなさい」

「お名前?ぼくがつけてもいいの?」

お母様はにっこり笑ってくれたから、昨日加代と庭で見つけたものをこの子の名前にしたんだ。



「じゃあ、この子はつくし!花沢つくしだよ!」


******


つくしはすごく可愛かった。ぼくは妹が出来て嬉しかったからずっとつくしの側にいた。
つくしのお世話はぼくの仕事・・・食事の時も遊ぶときも、本を読んであげるのもぼくの仕事だった。
洋服を着せてあげるときも加代はダメだって言うけど、ぼくがいつも服を選んであげた。

つくしの胸の下のあたりには小さなハートマークの痣があった。着替えるときに偶然見つけたもの・・・。



「ほら!つくし・・・こっちだよ!」

ハイハイし始めた頃はぼくも一緒になってやってたら加代にすごく怒られた。

「ほら!つくし・・・手を持っててあげるから頑張って!」

立ち始めた頃は手を持って支えるつもりが一緒になって転けて、一緒に泣いた。
歩き始めたらつくしはいつもぼくのあとをついてくるから、ぼくはいろんな所に行けなくなった。
だって、つくしが転んだら嫌だから。

いつも手を繋いで、いつも抱っこして、いつも一緒に笑って泣いて・・・
寝るときもいつも一緒だった。

「女の子と一緒だなんていけませんよ!類様は男の子でしょう?一人で寝て下さい!」

加代はいつも煩く言うけど、お母様がいいって言ったから大きなベッドでいつも一緒に寝ていた。


つくしがすごい熱を出したときには絶対にダメだって言われて部屋に入れてもらえなかったけど
こっそり入って隣で寝ていた。だって苦しそうなのに一人なんて可哀想だよ?


「類様は花沢家の跡取りですから何かがあっては困ります!いけないと言うことはしてはなりません!」

「じゃあ、つくしはいいの?同じ子供だよ?妹だよ?・・・加代なんか大っ嫌い!つくしのことを大事にしない
加代なんて大っ嫌い!」

そう言うと悲しそうに加代は笑ったけど。

「つくしはぼくの宝物だよ?すごく大事な宝物だからぼくと同じようにしてあげてよ」

「わかっていますよ。つくし様も大事ですよ?でも、病気の時はいけません。類様が病気の時に
つくし様に移したら嫌でしょう?それと同じですよ」

でも、病気の時が一番寂しいんだよ?
ぼくが病気の時にはお医者様はいつも来るけど、お母様は来ないんだ。

だって会社に行ってるから・・・誰かに手をギュッてしてもらったら嬉しいんだよ?
だから、病気の時でもつくしには寂しくないようにしてあげたいんだ。


だから・・・ぼくはずっとこれからもつくしの側にいるって決めたんだ!

ぼくがつくしを守っていくんだ!

rui11.jpg

類君の新しいお話しでございます。

可愛らしい類君で始まりましたが、題名どおり!2話まではプロローグみたいなものです。
今回も激甘あり!爆弾もあり!ただ、牧野という名前が一切出ないので
ちょっと不思議な感じです。

イメージフラワーはチューリップ・・・。夏に向かっているのにごめんなさいね。

花より男子

6 Comments

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2017/06/12 (Mon) 04:28 | EDIT | REPLY |   

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2017/06/12 (Mon) 05:17 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: タイトルなし

kyoro様、おはようございます🎵

そうなんですよ。始まりから花沢ですからね~❗
甘く切ないラブストーリーなんですよ。多分。

私にしては長くなりそうですから、気長におつきあいくださいね!
類君の子供時代ってイマイチよくわかんないから、(一人っ子だし)、私の理想で書いちゃった🎵えへへ。

まぁ、どうなりますか。
頑張りまーす🎵

2017/06/12 (Mon) 06:28 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: おはようございます

えみりん様、おはようございます‼

潮干狩りできましたか?
変態とかなりませんよ!ラブストーリーなんですよ?
予定では。

ラストまでもう大変❗始まったばかりだけど。
類君を救う会がまた出来るかもしれませんわ。
今度は類を落としまくる私。クレーム来そうだわ~❗

ボチボチ頑張りたいと思います🎵

ありがとうございました🎵

2017/06/12 (Mon) 06:34 | EDIT | REPLY |   

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2017/06/12 (Mon) 08:57 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: タイトルなし

わんこ様、おはようございます🎵

そうなんですよ。実子になります。
わんこ様、法律にお詳しい⁉だとしたら、少し目をつぶっていただくこともあるかも。( *´艸`)

まぁ、どうなりますかしら。
あまり暗くはならないけど、爆弾は落とすこともあるかな?
気長におつきあいくださいね!
宜しくお願いいたします🎵

2017/06/12 (Mon) 09:58 | EDIT | REPLY |   

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