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青森から帰ってきて2人同時に大熱を出して寝込んだ。

当然部屋も引き離され、みんなには相当呆れられた。それは総二郎がまた無茶をしたんだろうって話になっていたけど、本当は私の「実家」があまりにも寒かったから。
でもそんな事も言えなくて、家元にも家元夫人にも「許してもらえた・・・ックショ!!」って言っただけでまずは総二郎がダウン。
速効お医者様が呼ばれたけど、その時に今度は私が40度の熱を出してダウン。


流石の私も最近は空調設備の整った場所ばかりだったから、あの冷気には耐えられなかった・・・。総二郎に至っては帰りの飛行機から既に悪寒が走り、迎えの車が来た時には発熱してたみたい。

身体が丈夫かどうかって問題じゃない・・・それほど寒かった。


でもそんな中、総二郎は西門の専属弁護士さんを呼んでお父さんの話をして、その人はすぐに動いてくれた。
そして私達の熱が下がった頃には友達とお父さんの間で起きていた賠償問題が解決して、今まで払ったお金の大半が戻って来たらしい。


「良かったな・・・ゴホっ、で、あの小屋は出たのかな・・・ゴホゴホッ!」
「グズっ・・・うん、たびん(多分)あたらひい(新しい)うちほみふけて(家を見つけて)ひっほしたと(引っ越したと)・・・」

「ゴホッ!つくし・・・何言ってるのか判んねぇから喋る・・・ゴホゴホっ!!・・・喋るな」
「もめん・・・(ごめん)」

咳き込む総二郎と鼻水が止まらない私・・・兎に角悲惨だった。



**



全快したのは一週間も経ってからで、それから急いで私の特訓が始まった。

お茶室での作法を覚えただけで野点なんてやったこともない。
当然半東さんなんて経験もないから全部が新しい事だった。
総二郎曰く、茶事の半東さんの方がすごく難しいって事で、今回は野点だから楽だろう・・・とは言え、野点用の立礼棚すら初めて見るから、その説明から始まった。


「昔は緋毛氈敷いてそこに座ってたんだけど、客の年齢も上がってるから直に座るのは大変だろ?だから今では殆どが椅子なんだ。
で、釜は炉がないから電気式で棚のこの部分。ここで湯を沸かして・・・」

「これはなぁに?」
「こいつは茶道具を入れる籠。狭い机の上だからここに仕舞うんだ」

「へぇ・・・」


ふんふんって聞きながら実際に総二郎が立礼棚でお茶を点ててくれて、その手順を覚えた。

私がするのはそのお手伝い。
野点は続けて何杯ものお茶を点てなきゃいけないから、それが滞らないようにサポートする。そして目の前のお客様にお茶菓子を差し出したりお茶を運んだり、飲み終わったお茶碗を回収したり・・・何となくウェイトレスさんみたいな感じだ。
そう言ったら総二郎に苦笑いされたけど、問題なのは総二郎より私の立ち居振る舞いの方がお客様に見られてしまうこと。


「でもみんな総二郎に釘付けじゃないの?私なんて見るかなぁ・・・」
「今回は見られるな」

「どうして?」
「登場シーンから俺達と並んでいるからだ。普通の弟子なら宗家の俺達と並んで出てこない。水屋で待機していて、それなりの格好で時間になれば出てくるけど、今回のお前は違う。
着物もお袋が準備するし、俺の横に立って歩く事でお前の立場は半分公表したことになる。つまり、後の家元夫人として客が見るんだ。当然俺より注目されるだろうな」

「・・・怖っ!」
「ビビるなって。その時に焦らねぇように稽古してるんだから」

「・・・うん!頑張る!」
「よし、もう1回初めから。俺が座って道具を並べ始めたらつくしは・・・」


外での着物の動き方も特訓された。
歩き方に座り方、袖の扱いに着崩れしない方法・・・「野点は障子も畳もないから楽だな!」って言われたけど、草履で動くのがこんなに大変だったとは!
おかげで毎日筋肉痛・・・変な所が緊張して、毎晩総二郎にマッサージしてもらった。




***********************




青森から帰ったつくしは少しだけ肩の力が抜けて、以前のようにずっと俺の部屋に居るようになった。

頑張らないとって思いが強すぎて、京都から帰ってからは気が張ってたから、両親にも会えて話が出来て、俺の言葉で自然体に戻ったようだ。
野点の稽古も茶室のように息苦しくないから順調だし、何よりつくしが前向きだったから順調に進んでいた。


「道具類には花見に因んで桜を描いたものを使うから」
「桜?このお盆も?」

「あぁ、これは花形盆と言って、縁の部分が紅い「爪紅(つまぐれ)」で窪みを作って花の形をしてるんだ。主菓子は桜餅とか桜餡のものとかで干菓子は金平糖かな」
「あっ、このお茶碗も?」

「あぁ、薄茶だから茶碗に絵柄が入ってもいいからな。全部じゃねぇけど桜の模様が入ったものもある」
「懐紙まで桜がある~」

「これが秋の月見の茶事になると月をモチーフにしたものに変わるってこと」
「はぁ~、道具選びも大変ね!」

「その季節を楽しむものだからな・・・って、菓子だけ食うな!」
「あはは!お腹空いちゃった!」




咲き始めた桜が白く浮き上がる夜・・・今日も1日中草履で動いていたから脹ら脛が痛いなんて言って、俺の前で無防備に足を晒してる。
そんな桜見みたいな白い肌を俺に向けたらどうなるか、判ってると思うのに・・・。


「・・・・・・つくし、張ってるな、ここの筋肉・・・」
「ん~、そぉ?はぁ~~~、気持ちいい!総二郎ってマッサージ上手いよね~」

「マッサージだけじゃねぇけどな・・・」
「だめ!今はマッサージに集中して!」

「でもすげぇ気になる・・・この上の方。実は誘ってるだろ?」
「誘ってな~い!あっ・・・ダメってば、まだマッサージ・・・」

「その声が悪い。もう我慢出来ない・・・」


俯せてたつくしの上に乗っかって、そのまま顔を捻らせキスをする。
こうなったら止められない・・・今日もマッサージは5分で終わり、拗ねた顔したつくしを抱き締めた。


本当は待ってたクセに・・・つくしはすぐに俺の首に両手を回して、ちょっとは上手くなった誘い眼で俺を見る。
キスしてくれと言わんばかりの唇を自分で少し舐めたりして・・・俺はその仕草に痺れながらもこいつを焦らして遊んでしまう。

毎晩繰り返されるゲームのような駆け引き・・・今日はつくしが降参して「早くキスして!」と怒った。


「欲しいなら欲しいって言えよ」
「やだっ・・・総二郎こそ意地悪・・・私で遊んでるでしょ?」

「そんな事ねぇって。つくしの全部を見てるだけ・・・・・・悪いか?」
「もぉ!いいから早く・・・総二郎、もう待てない~」


「待って」が口癖だったこいつから出る「もう待てない」・・・これが聞きたくて今日も我慢してる天邪鬼な俺だ。






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Comments 4

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2020/02/13 (Thu) 13:37 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/13 (Thu) 22:04 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは!二人して大風邪引いちゃった(笑)
そりゃそうですよね~💦都会っ子ですから。


あらら!そんなに長く?大変でしたねぇ~、インフルかしら?
私は高熱ってあんまり記憶にないです。インフルの時も38度まで行かなかったし。
怪我は多いんですけど(笑)

今年は風邪、引いてないですか?
今はコロナウイルスの方が怖いのかしら・・・。

私も今度娘のところに行くので、マスクを買いました・・・。
バイト先でマスク着用って言われてるけど全然買えないからって。
田舎だから先週はまだ買えたんですけど、もう売り切れちゃった。

う~~~ん、色々と怖いですね。
気をつけてくださいね💦

2020/02/13 (Thu) 22:25 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

生粋娘様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

勿論2人一緒に・・・って、風邪が治りませんって💦
どっちを鼻水にしようかな~って思ったんですが、総ちゃんは鼻水を出さない人なので(笑)つくしちゃんにしました。
咳なら許せた・・・(笑)

私は怪我ばっかりなので冬と言わず年柄年中痛いです。
特に雨の日・・・アキレス腱切ってますから。

大怪我で入院は2度ありまして、そのうちの1つは動脈切ったので大変でした。
入院一週間、病名は冗談抜きで「動脈断裂による出血多量」でした(笑)いやぁ、そこの傷もいまだに痛いです。

因みに頭は金属の棒で殴られた事があり(喧嘩ではありません)その時に脳出血しました。
でも・・・生きてます。しぶといですね・・・💦

2020/02/13 (Thu) 22:33 | EDIT | REPLY |   

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