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「若宗匠が自分を選ばなかったからと言ってみっともない真似をするでない!お前こそ下がりなさい!・・・うっ、ゴホッゴホッ!」
「大福餅のお爺ちゃんっ!大丈夫?!」

「牧野っ、なんて事を!!」


お爺ちゃんが胸を押さえて踞ったから、それまで敬語だったのに病院の時のように話し掛けてしまった。
でもまだちゃんと回復してないのなら大変だもの、お茶碗を総二郎に渡して、急いでお爺ちゃんの背中を摩った。

咳き込むのが止まらなくて苦しそう・・・ハッ!まさか?!


「お爺ちゃんっ!あれだけ言ったのにまさか桜餅が喉に引っ掛かったままとか言わないよね?!向こうの席で何個食べたの?お水持って来ようか?!」

「ゴホゴホッ!だ、大丈夫だよ・・・餅はまだ食うておらんから・・・ゴホっ!」
「ホントに?風邪引いてたの?やっぱり奥の部屋に行きましょ?私があの時みたいに一緒に行くから。立てる?お爺ちゃん」


周りはザワザワしてて、総二郎はポカンとしてて、家元に家元夫人まで走って来て私達の周りには人集りが・・・。
どうしてそんなに物珍しげに見るのかしらって腹が立って、お爺ちゃんの前に立って両手を広げた。
そうしたら総二郎は持ってたお茶碗を落として割るし、家元夫人は真っ青、家元はアワアワしてる・・・見世物じゃないのよ!ってムッとして皆を睨んでしまった。


「お騒がせして申し訳ありませんが、具合の悪い方がいらっしゃいます!
そのように周囲を囲まれますとお爺ちゃ・・・いえ、お客様が気にされますので道を開けて下さい!今からお部屋でお休みいただきますので、皆様はお茶会をお続け下さいませ!」

「つ・・・牧野、その方は・・・」

「若宗匠!暫くお側を離れますのでお一人で頑張って下さい!・・・お爺ちゃん、行こう?もう大丈夫だよ」

「「「「・・・・・・・・・」」」」


「・・・・・・くくっ、まことに面白いお嬢さんだのぅ!」

「・・・・・・え?」




**************************




後援会長を何度も「お爺ちゃん」と呼んで気軽に背中を摩り、トドメに前に立って仁王立ち・・・それに驚いて持っていた茶碗を落としてしまった。
しかも親父は狼狽えてるし、お袋は顔面蒼白・・・奥から出てきた堤も西村さんも固まった。

勿論招待客は殆どがこの騒動を見てるから呆然・・・つくしの声だけが桜舞う庭に響いた。


「そのように周囲を囲まれますとお爺ちゃ・・・いえ、お客様が気にされますので道を開けて下さい!今からお部屋でお休みいただきますので、皆様はお茶会をお続け下さいませ!」


茶会が続けられねぇのはお前のせいだっ!
お前の後ろに後援会長が居るから俺達が動けねぇのにっ!



「つ・・・牧野、その方は後援・・・」
「若宗匠!暫くお側を離れますのでお一人で頑張って下さい!・・・お爺ちゃん、行こう?もう大丈夫だよ」


だからお爺ちゃん言うなーーっっ!!


確かにジジィだが、その人のご機嫌を損ねたら話がややこしくなるんだよっ!この後でお前の話を出そうってのにどーしてこんな騒ぎになるんだっ!
いや、事の発端は雪乃だが・・・それは判ってるが、その雪乃にベタ惚れの爺さんだってのに!

これ以上騒ぎになったらつくしのイメージが悪くなる・・・こうなったら今日はつくしを下げようと親父達に目配せしたら「うんうん!」と頷かれた。
残念だが仕方ない・・・ある意味すげぇ印象に残るデビューだが、いずれまた機会があるだろうと、つくしに声を掛けようとした時だった。


「・・・くくっ、まことに面白いお嬢さんだのぅ!」

「・・・・・・え?」
「・・・は?」

「ただの花粉症だよ。今年は特に酷くて、すぐに咳こむんだよ。だから心配しなくていい、お嬢さん。あんたは本当に優しい人なのだねぇ、病院でも助けてくれてありがとうよ」

「花粉症だったの?!なーんだ、良かったぁ!」
「・・・病院?」

「はい。こちらのお爺ちゃんは以前後援会長のお見舞いに行った時に大福餅喉に詰まらせたお爺ちゃんです。ほら、私が若宗匠を待ってる間に病室に送り届けたお爺ちゃんですよ、覚えてます?」


そう言えばそんな事があったような・・・って、その時に堂本会長が俺を見てニヤリと笑いやがった。って事はあの時、つくしが西門の人間だって知って態と病院内を連れ回したな?!
そうとは知らずにつくしは会長の肩に手を掛けて「向こうに行きましょう」って心配そうに見てる・・・いや、多分その花粉症も演技だろ?!


「牧野・・・よく判ったが、実はそちらの方が西門流関東後援会会長の堂本様だ。大福餅のお爺ちゃんではなく、堂本後援会長とお呼びしなさい・・・」


「・・・えっ?!」
「ほほほ、宜しゅうな、牧野つくしさん」




***********************




お爺ちゃんの身体を支えていたのに総二郎から突然言われた一言・・・この人が後援会長さん?さっき「会長」って言ったのは「後援会長」って意味だったの?!
それに驚いて隣のお爺ちゃんをガン見したら、お爺ちゃんの方から「宜しくな、牧野つくしさん」・・・心臓が一瞬止まった。

その直後に家元と家元夫人を見たらお2人とも固まってるし、その後ろの堤さんは指を額に当てて眉を歪ませてるし、西村事務長はに困ったような笑顔で頭を掻いてる。
勿論目の前の総二郎は真っ青・・・その足元の割れた茶碗が総てを物語ってる感じ。


私はそ~~~っとお爺ちゃん・・・もとい後援会長から手を離し、1歩ずつ後ろに下がった。
その時に草履が脱げそうになって躓いたけど、それは総二郎がナイスキャッチしてくれて何とかセーフ・・・極上の着物の両袖を総二郎に抱えられたまま周りを見たら・・・お客様は全員私を見ていた。


不味い・・・だから「間違えるな」だったの?!

どうしてもっと早く言ってくれなかったのよーーーーっ!!


ここで総二郎が真っ直ぐ立たせてくれて、私の代わりに会長の前で頭を下げた。


「堂本会長、牧野が大変失礼致しました。
宜しければ彼女の言う通り、1度奥の間でお休みいただけないでしょうか。お着物の事もございますし、花粉症が酷いのならお辛いでしょう。ここは是非・・・」

「そうじゃなぁ・・・では茶室にて牧野さんのお茶をいただきましょうかな?若宗匠が教えておいでなら薄茶ぐらい点てられましょう?」

「・・・・・・はい?」


「・・・・・・・・・・・・」


はっ?!
今度は私に茶を点てろと?!





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Comments 4

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2020/02/17 (Mon) 17:50 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あっはは!このつくしちゃん、イマイチお茶は点てられません(笑)
まだまだお客様にはって感じです。

でもやるしか無いよね~~💦


お茶碗割るって書いて、何処かでも茶碗割ったな~って思い出してたら「私の帰る場所」の紫と薫だったわ~。
恐ろしいもの書いた事も既に忘れてる・・・💦

少し前にあきらの「オカルト」ってどんなんだっけ?って読んでみて・・・自分でビビった(笑)
話が怖いと言うより、よくこれを公開したな、と・・・。


うん、お話しは楽しい方が良いねって思った(笑)

2020/02/17 (Mon) 22:40 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/18 (Tue) 12:47 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。


凄い夢だよね?(笑)
ごめんけど「1枚」ってとこで笑ったわ💦出来たらもう少しあればいいのに(笑)


私はね~、自分の夢じゃないんだけど、娘がずーっと隣で寝てたから(自分の部屋が嫌いで)娘の寝言でよく起こされてた。
それがね、毎回私絡みなのよ。

「お母さん!ごめんなさい!」
「お母さん!許してぇ!」
「お母さん!もうしません!」


「・・・・・・(どんな夢見てんの?)」


次の日、聞いてもいつも夢は覚えてないんだけどね💦

どうやら私は夢の中で酷いらしい・・・・・・。

2020/02/18 (Tue) 19:54 | EDIT | REPLY |   

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