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桜の大寄せが終わってからすぐに始まった会合、そこで私の事を認めてもらって総二郎と一緒に頭を下げた。
家元も家元夫人も一安心したのか嬉しそうで、大広間のお客様達の中には微妙な顔付きの人も居たけど、そこは堂本会長が盛り上げてくれて和やかに終わった。

帰り際は4人並んでお客様を見送り、その時には私の着物を「懐かしい」と言ってくれる人も居た。
縁起担ぎの着物・・・その通りだと家元夫人とニコニコだった。



「さてと!次は・・・アレだな!」
「は?アレって?」

「うふふ!つくしさんが取り持ってくれた春の大茶会ですよ。アメリカからお客様がお見えですから今度も大変よ?」
「うん、今度は総二郎が亭主だな!」

「・・・あぁ!巾着袋のおじさんの?!」
「おじさん言うな。世界的に有名なバトラー社の社長だ・・・」


この桜の大寄せだけで手一杯だったからすっかり忘れてた!
そう言えばそんな事を言ってたような?

だから今度は大寄せよりも少し規模の大きな・・・って言うか、野点と茶事が合体したような大茶会の準備に入った。

家元達は野点担当で、茶室は総二郎。
今度は本格的な茶懐石付きの茶事を総二郎が担当し、私は半東をする事になった。
だから大寄せが終わった次の日からまた特訓・・・こっちの方がややこしくて身体は痛くならないけど毎日頭が痛かった。


その春の大茶会の当日、懐かしいおじさんとおばさんに再会し、その後ろには総二郎もドン引きするぐらいの顔ぶれが並んでいたらしい。
でも私には誰が誰やらで全然緊張しなくて、この日も最後にはバトラー夫妻とハグした。

今回のお土産は女性には縮緬細工の洋風アレンジの髪飾り。
男性には西陣織のカードケース・・・どっちも巾着袋制作室オリジナルだ。


『また会えて嬉しかったわ~!またアメリカにいらっしゃいね、今度は私達が案内するわ』
『ありがとうございます!もっと英語を勉強したら行きますね!』

『噂では婚約されたとか?いやぁ、お目出度い!私達もお祝いするからね。結婚式はいつかな?』
『まだ決まってないんです~。決まったらお知らせしますね♥』


そう言ったら後ろからみんなに凄い目で見られた。
この人達を式にご招待したらそれこそとんでもない事になるらしい・・・お客様がお帰りになった後で全員から怒られた。



それからも毎日大忙し。
私の事はすぐに公表されて、記者会見は改めてMホテルで行うからと毎日総二郎と挨拶の練習をした。

「いいか?急性アルコール中毒で西門に連れ込まれたとか絶対言うなよ?」
「じゃあ総二郎に580万円請求されて無理矢理秘書にされたのは?」

「それもダメ。街中で出会って一目惚れにしとけ」
「どっちが?」

「お前が、だろ!」
「ええーーっ!そんなの変だよ、総二郎が一目惚れじゃないとここに住んでるのが説明出来ない!」

「・・・そうか、俺か!」
「そうだよ、総二郎だよ!」


こんな会話を廊下から堤さんが真面目に聞いて、志乃さんが呆れて、西村さんが笑ってる。
そして前もって報道各社に配る写真の前撮りの時は総二郎が5分で終わったのに、私はあれこれ加工されて2時間掛かった。
・・・それってどうなの?




記者会見の日には京都の先代が東京に来て下さった。
私は嬉しくて玄関で「先代~~~っ!」と言って飛び付いたもんだから、家元夫人に叫ばれ、志乃さんにめっちゃ叱られた。
それを総二郎は呆れ顔・・・ここでも先代と総二郎の睨み合いがあった。


「宜しいですか?今回は大人しく隅っこで見てて下さいよ?」
「儂は京都でも大人しかったぞ?つくしちゃんに手は出しておらんし」

「当たり前です!孫の婚約者に手を出す爺様が何処にいます?!」
「よう言うのぉ?どこぞの女を寝室に連れ込んだくせに」

「あれは連れ込んだのではありません!忍び込まれたのです!」
「油断して眠らされて情けない・・・西門の男とは思えん姿じゃったな・・・」

「人の事が言えます?下剤飲まされたのは先代でしょ?」


・・・相変わらず仲が良い、この2人。


その後の記者会見は練習したにも関わらず、私に発言権は無かった。
宗家全員一致で「つくしさんは喋らない方がいい」と言う結論になり、質問の返事は全部総二郎だった。
私は極上の振袖着て始終ニコニコ・・・フラッシュを浴びる快感に酔い痴れていた。


「総二郎さんはつくしさんの何処が1番お好きですか?」

「1番、ですか?彼女の中に順番ってないんですよ。在り来たりで申し訳ありませんが、彼女の全部が私には大切なものですから」


おおーーーっ!って響めきが会場中から・・・。
よくもそんな言葉がスラスラ出るよね?って隣を見たら、爽やかさ200%で微笑まれた。
これぞ「愛されてる幸せ」って言うんだろうか?

みんなは知らない・・・今、この時も総二郎の手がテーブルの下で私の手を握って離さないこと。



記者会見が終わったら、今度は秋に決まった結婚式の準備が始まった。


家元は総二郎を連れて挨拶回りをし、家元夫人は私を連れて婦人会の行事に参加。
私用の新しい着物、私専用の箪笥、お部屋も新しく作るといわれたのはお断りした。今までのお部屋で充分・・・そう言ったら総二郎が新しいマンションを買った・・・。
白無垢の試着に色打ち掛けを特注、1度綿帽子をつけてみた時には総二郎の方が大はしゃぎだった。


堤さんの所に可愛い赤ちゃんが産まれたのはこの頃で、身内だけでお祝いをした。
家元夫人は血の繋がりはなくてもうちの外孫だって言って嬉しそうに産着を揃え、女の子だったからさっそく来年用の雛人形を注文していた。


「まぁ!大輔さんに似てるわね~!賢そうだわ~」
「本当ですよね~!美人さんだわ~」

「ありがとうございます」
「お兄・・・大輔さんったらもうメロメロなんですよ~」

「きゃあーっ!堤さん、お風呂とか入れるんですか?!」
「勿論です。オムツだって替えますよ。有紗が寝不足になってはいけませんので協力は夫として当然です」


家元夫人と志乃さんが拍手。
総二郎は面白くなさそうで家元は苦笑いだった。


「女だから有紗に似て愛矯があった方が良かったんじゃね?」
「総二郎様のところにお生まれになったら同じ事を申し上げますよ。総二郎様に似た女の子は心配で堪りませんから」

「・・・・・・お前、義弟のクセに生意気だな・・・」
「すみません、親としては先輩になってしまって」


・・・相変わらず仲が悪い、この2人。



で、この人達はやっぱり面白くないらしい。
出版社の響子さんからはキッチンナイフが届き、美作の秘書の小百合さんからはハンカチが届き、雪乃さんからは入浴剤が届き、真凜さんからは高級石鹸が届いた。
ナイフは「切れる」、ハンカチは「手巾(てぎれ)」、入浴剤と石鹸は「消え物」と言って全部お祝いの贈り物にしちゃいけないもの・・・総二郎と苦笑いしながら、それでも大事にしようって話した。

でも小百合さん・・・既婚者で美作さんの○○じゃないの?って少し思ったんだけど。



夏にはその美作さんと花沢さん、ちょっと怖い道明寺さんも西門に来て、そこで4人が久しぶりにお酒を飲んで楽しそうだった。
花沢さんは相変わらず私で遊ぶから総二郎が怒り、それを見て道明寺さんが難しい顔して美作さんが宥めてた。

花沢さんからはダイヤのネックレス、美作さんからはパールのブレスレット、道明寺さんからはNYのマンションひと部屋・・・そのどれもが総二郎を怒らせ、私は全部ニコニコ顔で受け取った♥


「今度はフランスでクレープ食べない?屋台で売ってるし」
「そうなんですか?!うん、行く~~~!」
「おい!クレープ食いに海外に行く気か!」

「今度から美作茶道部には来ないの?総二郎1人じゃ面白くないんだけど」
「じゃあ今度行こうかなぁ~♥あの羊羹もう1回食べたいし」
「茶道を面白いとか面白くないで決めるな!今度から弟子に行かせる!」

「・・・・・・・・・誰だ、お前?」
「よく言うよね?人にピストル向けといて」
「司・・・お前、何しに来たんだよ・・・」


この人達もこれからは私のお友達・・・うん!楽しくなりそう~♪




そして秋になった。

今日は総二郎ではなく、家元直々のお稽古。
これは西門家が古くからしていることのようで、式の前日には現家元のお話を聞く・・・この家に嫁ぐ心構えのようなお話しだったり、先人の教えだったり様々だそうだ。

今日のお話はと言うと・・・


「今日は『いろは歌』のお話しをしましょう。これには元になったお経の言葉があり、そこには幸せになるための真理が説かれているんだよ」

「幸せになるための?」
「難しいのだが総二郎達にも先代が説いておられたのでね、私はあなたにお話しようかと思う。まぁ、気楽にお聞きなさい」


そう言って教えてくれたのは・・・

『色は匂へど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず』


この中には「諸行無常」「是生滅法」「生滅滅已」「寂滅為楽」が含まれているのだとか。

色は匂へど 散りぬるを・・・香りよく色美しく咲き誇っている花も、やがては散ってしまう。
我が世誰そ 常ならむ・・・この世に生きる私たちとて、いつまでも生き続けられるものではない。
有為の奥山 今日越えて・・・この無常の有為転変の迷いの奥山を今乗り越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず・・・悟りの世界に至れば儚い夢も見ず、仮相世界に酔いしれることもない安らかな心境になれる。


「あら、いろはにほへとって匂いの事じゃ無いんですね?」
「そうだよ。花の色が艶やかに色づいていることを表していてね、それは桜の花だと言われてるよ。ははは、桜の大寄せの時のあなたのようだね?」

「くすっ、今年の春が1番の見頃だったって事でしょうかね?」
「いやいや、これからもっと華やかに咲きなさい。いろは歌のように早く散らないように。でもこの世の困難を総二郎と共に乗り切って、心穏やかに暮らしていきなさい」

「・・・はい、頑張ります!」




家元のお話が終わったら総二郎がひょこっと顔を出した。


「つくし、牧野の両親がそろそろ羽田に着くぞ。迎えに行こうぜ」
「あっ、もうそんな時間?はーい!支度してくる!」

「急げよ?で、転けるなよ!!」
「あっはは!大丈夫だよ~!」




この時、思い出した。
出会った頃に総二郎が言ったこと・・・。


『いのち短し恋せよ乙女 あかき唇あせぬ間に
熱き血潮の冷えぬ間に  明日の月日はないものを』


つまり若くて1番綺麗な時には恋をしろって意味だ。
艶っぽい唇がくすんで色褪せねぇうちに、身体の中の血が熱く流れてるうちに燃えるような恋をしろってこと・・・




牧野つくし、花盛りの25歳♥

ちゃーーーーんと素敵な恋をしました♥



明日、私は「西門つくし」になります。





終♥



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「いろはにほへと恋せよ乙女」終了です。

後書きは特に予定しておりません。

そして諸事情で24日までパソコンに向かうことが出来ないので連載はありません。
その代わりとしてValentineStoryを定時に公開致します。
コメントは嬉しいのですがお返事はいつもより更に遅れるかも(笑)💦ごめんなさい!

それでは長い間の応援、ありがとうございました。

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Comments 16

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2020/02/21 (Fri) 15:11 | EDIT | REPLY |   
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Re: No title

yuki様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

どうも応援ありがとうございました。
最後は駆足で💦申し訳ありません。

すこし長くなりましたので、ささっと終わらせてしまいました(笑)

はい、少しゆっくりさせていただきます。
今後とも宜しくお願い致します。


大変ですよね💦気をつけて下さいね~!!
私も必死で買い求めましたよ(笑)
はやく落ち着くといいですね~💦

2020/02/21 (Fri) 15:16 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/21 (Fri) 15:52 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/21 (Fri) 16:23 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/21 (Fri) 18:57 | EDIT | REPLY |   
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Re: タイトルなし

まりぽん様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

私の帰る場所の後だったのでのんびり楽しく書きました。
いつもの如くこんなに長くなるとは思いませんでしたが、楽しんでいただけたのでしたら良かったです♥

確かに!!総二郎と西門家の方が助けられたのかもしれませんね!
私的には堤さんが結構好きでした(笑)

きっと楽しい西門家になるんでしょうね~♥


いつも楽しくて温かいコメント、本当にありがとうございました。

2020/02/21 (Fri) 20:08 | EDIT | REPLY |   
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Re: No title

kazigon様、こんばんは。お久しぶりです~!

コメントありがとうございます。

最後までお読みいただき、感謝でございます♥
あはは!最初に出てきた人ですか?これからやっつけちゃいます?💦

そうですね~、気が向いたら頑張ります!(笑)

どうぞこれからも宜しくお願い致します♥

2020/02/21 (Fri) 20:11 | EDIT | REPLY |   
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Re: No title

めいめい様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

そうですね💦思ったより長かったですね~💦
100ぐらいで終わるかと思っていましたが(笑)

毎度の事で申し訳ありません。
それがなかなか書けないのですよ・・・長い方が楽でして。
それも続きを書きたいところですが、今は余裕がなくて申し訳ありません。

また落ち着いたら書きますね~!
気長に待ってて下さいませ♥

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

2020/02/21 (Fri) 20:14 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/21 (Fri) 23:30 | EDIT | REPLY |   
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Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。
そして最後まで応援ありがとうございます。

今回の最終回は沢山の人に来ていただきました♥
あはは!司君の台詞ね!うん、なかなか笑えるでしょ?(笑)


そうなのよね・・・実はこんなに長かったのです💦
事件なんて殆ど起きてないのに何故こんなに長くなったのか・・・私も不思議💦

私の・・・は番外編入れたら300越え?(笑)
アホみたいに書いたのねっ!!

いやいやいや、読者さんも長編は疲れるよね~!
でも短いのが苦手だから、ホント申し訳ないわ💦

実は娘のところに行って来ます♥引っ越しするので手伝いに💦
だからスマホもあんまり見られないのです。それから旦那はすぐに帰すけど、私は少しのあいだ遊んできます。

ではでは、ちょっとだけしかないけど、ValentineStoryを楽しんでくださいね♥


いつもありがとう~~~~!!

2020/02/22 (Sat) 01:03 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/22 (Sat) 10:56 | EDIT | REPLY |   
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Re: タイトルなし

生粋娘様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

あはは!確かに邪魔されそうですね💦
しかもつくしちゃんは楽しみそうです・・・総ちゃんだけストレスかな?(笑)

はーい!ありがとうございます~~♥
でも引っ越しだけで終わりそうです💦
例のウイルスが出ている場所だし、観光地なので人はめっちゃ多いし、学生の引っ越しシーズンに突入しているので大変そう・・・。

美味しいものを食べたいけど、引っ越し優先なのでコンビニのお弁当かも(笑)
お天気だけが心配です・・・晴れるといいなぁ♥


いつも応援、ありがとうございます!
では、行ってきまーーーーーす!!

2020/02/22 (Sat) 11:37 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/22 (Sat) 15:58 | EDIT | REPLY |   
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Re: タイトルなし

みわちゃん様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

おおっ!忙しいのですね💦
花粉にインフルにあのウイルスに、色々と世間を騒がしておりますので気をつけて下さいね?
お話しは暇なときで(笑)逃げませんから。

はい、最後は沢山の人に出ていただいて賑やかに締め括りました♥

ホントにねぇ(笑)
なんであの出会いからこの終わり?ですよね💦うんうん、私もそう思います!
「私の帰る場所」があまりにも暗かったのでその反動なんですが、反動にしては話が長かった💦

今度は類君がシリアスなのでコメディを止められなかったってのが理由の1つです(笑)

いつになったらゆっくりに・・・(笑)


でも3月からは3話更新はないかな?
12月と2月って大変なんですよね(笑)
クリスマスとValentine、しかも2人分・・・来年はもう無理かもです。


ではでは、いつも長編にお付き合い下さいましてありがとうございます♥
これからも宜しくです♥

2020/02/22 (Sat) 21:04 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/23 (Sun) 00:13 | EDIT | REPLY |   
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Re: おひさしぶりです。

シポンヌ様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

おおっ!なんと嬉しいお言葉(笑)
意味もなく進んでいったのですが、所々でクスッとしていただけたのでしたら嬉しいです♥

よくもこんな巫山戯た話を162話も(笑)
もう少し短く出来たらいいのですが、毎回ジレジレさせて申し訳ありません💦

今後とも宜しくお願い致しますね~♥

2020/02/23 (Sun) 00:20 | EDIT | REPLY |   

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