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高橋君に連れられて入った営業課・・・そこで「5分遅刻した時の謝り方」を勉強した。
この会社の担当者、大川さんはそこまで怒ってなかったけど、高橋君の頭は下がりっぱなし。だから私も一緒になって何度も身体を折り曲げた。

ここでもう既に胃が痛い・・・理由は仕事なのかあの人なのか判らないけど。


そして簡単に私の紹介をされて名刺交換、その後は高橋君とここの担当者の話を聞くだけだった。
見積書を出して色んな説明して、契約開始から終了までの工程も詳しく、そしてたまにする世間話は判らなかったけど愛想笑いで誤魔化した。
でも内容はさっぱり・・・・・・15階で何が行われているかが気になって仕方なかった。


綺麗なお嬢さんだった・・・。
わざわざのお出迎えは仕事じゃなくて・・・まさかの恋人?昼間っから会社でデートなんて有り得・・・・・・るのか?

西門さんなら・・・。


「牧野さん・・・でしたっけ、どうしたんですか?」
「・・・・・・・・・」

「牧野さん?大川さんがお呼びですよ?」
「・・・・・・はっ!」

「はははっ!緊張してました?何かお考えだったみたいですから」
「いえっ!ごめんなさい、さっきここで知り合いに会ったので気になって・・・はっ、それも打ち合わせに関係無かったですね、すみません!」


睨まないでよ、高橋君・・・もう口から出ちゃったんだから。
気恥ずかしくて俯いてたら「誰だろう?」って大川さんが呟いたから「茶道家の西門さんで・・・」、そう言うと判ったみたい。

ってことは何度もここに来てるのかしら?


「あぁ、西門流の方ですね?長身でイケメンの」
「はい!そうです!そこら辺じゃ見ないような超イケメンの・・・はっ!ご、ごめんなさいっ!」

「お知り合いだったんですね?じゃあ香織さんの事も?」
「香織さん?」

「香織さんはご存じないのかな?うちの社長令嬢でしてね、西門さんに夢中なのですよ。
ですからよくお茶会に行かれるんですが、今日は確かここにお呼びになってましたね。私も1度見掛けたことがあるんですが、ホント、整った顔立ちですよね~!不公平だと思いません?高橋君」

「・・・・・・私は別に何とも」


高橋君のご機嫌悪いのは置いといて・・・じゃああの人が社長令嬢の香織さん?
でも大川さんの言い方だと恋人じゃないのかも?と、つい目が上を向いちゃう・・・。


「牧野さん、天井見ても何もないですよ・・・」
「はっ!ご、ごめんなさいっ!高橋君っ!」

「何回謝ってるんですか・・・」
「ご、ごめん・・・」




***********************




「・・・・・・・・・・・・」
「それでな、総二郎君。この部屋にテレビを置いて、たまには寝泊まりするって感じで・・・」

「・・・・・・・・・・・・」
「お父様、この辺りにウッドデッキなど如何かしら。海を見ながらお茶が飲めるんじゃない?2階もあれば素敵じゃなくて?」
「おぉ、それもいいな!で、どうだろう?総二郎君」


此奴ら・・・本気で言ってるのか?

俺の目の前には設計図のようなものがあって、庵を建てると聞いていたのに普通に別荘だった。
それこそ好き勝手に作ればいいのに・・・と、呆れて言葉も出ないが、何か言えとばかりに2人並んで俺を見てる。仕方なく図面を無視して説明してやった。


「峰山副会長、私は茶を点てる庵を造りたいと聞きましたが、違うのでしょうか?」
「いや、その通りだ。ここで君にも茶を点てて欲しくてねぇ~」

「ではまずは庵の説明から致しましょう。
庵というのは元々『小さな家屋で草ぶき屋根の住まい』のことを言います。または『僧侶が住まう簡易の家屋』と言う意味もあります。つまり『世間との交流を隔てた家屋』です。
テレビなど置きませんし、ウッドデッキも必要ありません。ベッドもソファーもカラオケルームも2階もございません。
競争や煩悩、誘惑、雑念などを持ち込まない世界なのです。ここに住むという観念がないので生活に必要なものは逆に要らないのです」

「「・・・・・・・・・」」

「判りましたか?必要なのは落ち着けるという空気だけです。このまま建てると言うなら私の意見は必要なし、よって建築会社と打ち合わせをされることをお薦めします。それでは、失礼」


こんな話より俺の頭の中には牧野の姿しかなかった。
今、同じ建物の中にいる・・・それだけで心臓が喧しい。出会わなかったのなら気にならなかったのに、もうあいつの目を見てしまった・・・・・・気持ちが一気に溢れ出してた。


でも8階なんて俺には関係ない場所だから、ロビーで待とうと思いエレベータに乗り込んだ。
その途中、8階でエレベーターが止まり開いたドアの向こうを見たが・・・牧野じゃなかった。他の奴等に気取られないように息を吐き、1階に着いたらそこら辺の壁に縋って待っていた。


もう帰ってるかもしれないのに自分でも何やってんだと思う。でもエレベーターから目が離せない。

開く度に手に汗が滲む。
掛ける言葉は何も考えていない・・・・・・ただ、もう1度会いたかった。


次に会えばなんて言うつもりだ?
飲みにでも誘うか・・・いや、牧野がそんなのに乗ってくるか?
それよりも飲めるのか・・・てか、あいつなら飯の方が乗ってくるんじゃね?


腕組みして俯いて考え込んでたら「総二郎様!」と呼ぶ声・・・ハッと顔をあげたらエレベーターが開いて香織がニコニコ笑って走って来た。


お前かっ!!💢・・・と、思うが29年間の間に染みついた営業スマイルが速効反応して、したくもねぇのにニコッと愛想笑いを・・・

その時、今度はもう1つのエレベーターが開いて、牧野があの男と一緒に降りてきた!


そして俺を見て眉を思いっきり寄せて、口の端までヒクヒクさせていた。
何故そんな顔をする・・・って自分を見たら、右腕に香織がくっついてる?!

ヤバッ!と思ったがコバンザメのようにくっついて離れない!そのうち牧野が睨んだままズンズンこっちに向かって歩いて来た。



「相変わらずだね、西門さん。今までよく命があったわよね!」
「はぁ?それが数年ぶりにあった友人に言う言葉か?」

「総二郎様になんて事言うのよ!2度とここに来ないでっ!」
「牧野先輩、次の取引先に急ぎましょう!」


「もうそろそろそんなのも似合わない歳だわね。1人に絞ったらいかが?」
「お前、人の事言えねぇだろう。もうすぐ三十路なんだから誰かに拾ってもらったらどうだ?」

「総二郎様はもう絞ってんのよ!見たら判るでしょ?!」
「牧野先輩っ!俺が拾いますから急ぎましょうっ!」


「サイッテーだよね!」
「お前もな!」



もう1回会ったはいいが、この歳で大喧嘩して別れた・・・。





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2020/02/22 (Sat) 16:01 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あっはは!そんな抹茶嫌だわ~~~~💦
類君の「抹茶ミルク」だけでも怒るのに(笑)

でね、その溢れちゃうのは「気持ち」だから。
そんな所から溢れないから。
しかも街中で溢れさせてたらただの変態だから。


高橋君(笑)彼、なかなかやらかしてくれるんですよ(笑)
総ちゃん相手に100年早いけどライバル心剥き出しで💦


あっ!もう一つ・・・その名前ね、パール様が決めたのよ?(笑)
私じゃないから。パール様が「それ」にしてくれって・・・。

だから「止まり木」と連想させたのはご自分じゃないの?(笑)やだぁ!もうっ!!!




2020/02/22 (Sat) 21:11 | EDIT | REPLY |   

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