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マンションに戻ってから、ずっと引き出しに入れたままのものを取り出した。

それは10年前に必死の想いで書いた初めての手紙・・・たった1行しか書いてないんだけど、この時程真剣に手紙を書いたことがなかった。
だから西門さんのひと言を聞いても捨てられず、実は毎年Valentineになるとこの手紙を思い出していた。


大っ嫌いだった西門さん・・・本当に嫌いになれたら良かったのに、口から出る言葉とは正反対・・・私の心の中にはいつもこの人が居た。


「はぁ~~~~!!それなのにどうして?!」

その手紙を手に持ったままテーブルにゴツン!と頭を打ち付けた!
この私が酔っ払って高橋君と一夜を過ごし、その上記憶にもないのにホテルに誘った・・・あれだけ堂々と言うんだから本当なんだろうけど、自分が1番信じられない!

「もう結婚どころか恋すら諦めようかと思ってたのに、若い男の誘惑に負けたのか?!
それとも年上ぶって何処かに隠していた色気を出したのか?牧野つくし、あんたって女は・・・っ!」


誰を責めてるんだか・・・自分で自分を罵倒する事30分。
気が付いたら手に持っていた手紙がくしゃくしゃになっていた。


・・・・・・このままで良いの?
・・・・・・あの時、誰かも言ってたじゃん、「これが最後」って。

・・・・・・・・・最後は何度も来ないけど、あの時は渡せなかったよ?
・・・・・・・・・本当に良いの?

まだ「最後」は来てないんじゃないの?!


うん、良くない・・・・・・良くないよ!


私は夜なのに鞄を引っ抱えて部屋を飛び出した。
そして表通りでタクシーを拾い、運転手さんに告げたのは西門さんの自宅住所・・・あの怖くて堪らなかった家に向かった。

これもあの時と同じ、気が狂ったとしか思えない。
行ってどうするのかも判らないけど、兎に角気持ちが焦ってた。


会えたら・・・もしも会えたら・・・

ここまでは何度も考えるけど、その後の言葉が出ない。それでもあの場所に行きたかった。
もしも会えたら、今度こそ勇気を出すのよ、私!



**



そしてついてしまった西門家・・・あの日と何1つ変わらない大きな門。
この時間だから誰も居ないし、この先どうしたらいいのかも判らない。
インターホンもないって事は、夜間はここを開けないのかしら?全然判らなくてウロウロしてばかり・・・誰か気付いてくれればいいのにって思うけど、この白壁がお屋敷を完全に隠してるから私の事なんて見えるわけが無い。

その前に西門さんがこの中に居るのかさえ実は知らない・・・本当に無計画に飛び出してきてしまった。


「裏口に行けばインターホンがあるのかな?でも確かこの家、裏口も2つぐらいあるよね?あっ、ガレージに行けば判るのかしら・・・でも、そこにも門はあるよね・・・。
電話する?いやいや、10年前の番号と同じかどうかも判んないし・・・」


白壁の向こうには灯りが漏れてる・・・ってか、この家が真っ暗になることはない。どうにかして見えないかとピョンピョン跳ねてみたけど当然見えない。
ご馳走がガラスケースに入ってるのを見てる気分と言うか、痒いところに手が届かないというか・・・。


その時、急に正門が開いて、中から着物姿の男の人が出てきて「誰だ!」って叫ばれた!
ビクッとして身を固くしたけど、懐中電灯のようなもので顔を照らされて心臓が爆発寸前!よく考えたら「誰か気付いて~」の前に防犯カメラに映ってるって!
そんな事も忘れて間抜けにも正面入り口をウロウロしたりして、これが西門さんにバレたら告白どころじゃない!

またすっごい顔と声で怒られる~~~~~っ!!


「誰だ!あんた、そこで何してるんだ!」
「ご、ごめんなさいっ、道に迷いました!」

「はぁ?そんな訳無いだろう、もう何分間もここに居るだろう!なんの用だ、ここがどなたのお屋敷か知ってるのか?!」
「し、知りませんっ!し、失礼しますーーっ!」

「こら、待て!」
「待てませーーーーんっ!うわあぁっ!!」


驚きすぎてその場で転けたけど、急いで立ち上がって走って逃げた!
西門さんの鬼みたいな顔しか想像出来ないっ!こんな時間に馬鹿じゃないの?って思いながら真っ暗な道を大通りに向かって止まることなく猛ダッシュ!
その男の人が追い掛けてこないって判っても足が止まらない~~~~っ!

最後の方は何から逃げてるのかさっぱり・・・もう泣きそうだった!




*********************




親父の部屋で明日の打ち合わせをした後、自分の部屋に戻ろうとしたら正門の方で女の悲鳴が聞こえた。
しかもその言葉が「待てませーーーん!」?!

なんの騒ぎだ?と玄関に行けば、丁度警備担当も兼ねてる弟子が戻ってきたところだった。
でもそいつは俺に気付かず何かを見ながら頭を掻いてる。どうしたのかと傍まで行くと、漸く俺に気が付いて驚いていた。


「なんだ、何故俺を見て驚く?今の声、なんだ?」
「わ、若宗匠・・・いえ、その・・・防犯カメラに堂々と映る女性が居ましたので出てみたんですが・・・」

「は?そんな馬鹿が居たのか?で、なんだって?」
「いえ、それが・・・道に迷ったと行って走って逃げたのですが、途中で転けて・・・」

「ドジな女だな。若いのか?」
「子供みたいでしたが」


子供・・・?こんな時間に子供がうちに?
でも弟子は何かの紙を手に持って不思議そうな顔をしている・・・そして俺を見上げて何か言いたそうだった。


「その紙はなんだ?」
「はぁ・・・でもこれ・・・」

「いいから💢!見せてみろ!」
「は、はいっ!」


その動作が遅すぎてイライラするっ!💢
弟子の手から紙を奪い取って、バッ!と広げてみたら・・・・・・・・・・・・



『西門さんの事が好きです』



・・・・・・・・・は?!


この字・・・・・・・・・あいつじゃね?!





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2020/02/25 (Tue) 22:39 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは!そうなのよ~💦
このつくしちゃん、突然の行動には出るクセに恋にはビビりなの(笑)
この話の設定は28歳なんだけどね💦まるで小学生みたいでしょ?

そしてくしゃくしゃの手紙が総ちゃんの手元に(笑)
こんな届き方、あるんかーーーい!って思うけど。

まぁ、こんな展開だからコメディだよね・・・甘いとかエロいとかになるかは判りません。
はいっ、ごめんなさいね~~~♥

2020/02/26 (Wed) 00:37 | EDIT | REPLY |   

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