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14日になった・・・・・・・・・。
世間ではこの日を「恋人達の日」と言う・・・。


それなのに私はどんよりしたまま会社に向かい、ルンルンしてる高橋君の横に座っていた。

あの日、西門邸から走って逃げてマンションに戻ったけど、部屋にあの自称「ラブレター」がなかった。
無意識のうちに鞄に入れたのか、自暴自棄になって捨てたのか全然覚えていない。でも宝物のようにしていたから、手元から無くなって凄く心細かった。

1年に1度しか見なかったけど、10年間も手放せなかったのに行方不明だなんて・・・。



「牧野先輩?どうしたんですか?今日は残業出来ないんですから早く仕事を片付けないと・・・ね?」
「・・・仕事ったって私にはまだないわよ・・・自分の担当が無いんだから」

「じゃあ僕の商談の手伝いしていただけません?この企業の過去データが欲しいんですよ。出来たら購入者年齢別のデータがあれば助かります。資料室にあると思うんで」
「・・・ん、判った。探してきます」


高橋君・・・私は残業したい気分なのよ。
でも配置換え直後で何もないのよ!判ってて言ってるわね?
悪戯っぽく笑うのも止めて欲しい・・・このまま時間が止まれば良いのにって言葉、普通は恋人と居る時に使うんだろうけど。

この時の私はまさにその気分だった。
資料室に閉じ籠もって終業時間まで隠れとこうかしら・・・30前にもなってこんな考えするのって私ぐらいじゃないの?



まぁ当たり前だけど、今日もキチンとやってきた終業時間。
高橋君はさっさと片付けてデスクの上は綺麗・・・それに比べて私は何にもする事がないはずなのにぐちゃぐちゃ。
「片付けるから~」なんて言いながら時間稼ぎしてるみたい。だからってこの子から逃げられそうにも無い・・・私の顔は引き攣るばかりだ。

そしてゆっくり時間を掛けてデスクを片付け、それが終わったら仕方なくコートを手に持った。
この日はビジネススーツよりも少しお洒落なワンピーススタイルで、張り切ってる訳じゃ無いけど、一応下着もおNew・・・それを選んだ事にも自己嫌悪だ。
いつもの履き心地の良い綿パンで良かったんじゃないの?つくし!!


「会社から2人で出たら怪しまれるんじゃないの?」
「え?俺は別に気にしませんよ?牧野先輩、嫌なんですか?」

「嫌って言うか・・・あなたは良いでしょうけど、私は色々言われるから・・・」
「あぁ、気にしなければいいですよ。それに聞かれたらそういう関係ですってちゃんと話したら?」

「そういう関係って・・・自分から言わないでしょ、普通・・・」
「そうかなぁ?言わないと苛められますよ?あっ、でもその時は俺がちゃんと守りますから!」

「・・・・・・ははは」


なんか頼りないけど?
苛められてる女1人助けるのって結構体力と根性が要るの、知ってるのかしら、この子・・・。



タクシーに乗って向かったのはTホテル。
そこのロビーに入ったけどフロントに向かったのは高橋君だった。
私は少し離れた椅子に座って待ってて・・・本当言えばダッシュしてここから逃げたかった。だからずっと入り口を見つめていた。


「あれ?・・・今の人・・・・・・」

その時にエントランスを横切った人・・・暗くてよく見えなかったけど、歩き方が「彼」に似てた・・・?そう思って身を乗り出したら、高橋君がタイミング悪く戻ってきた。


「くすっ、牧野先輩ったら誘っておきながら予約を忘れるなんて。でも安心して下さい、ちゃんと部屋は取れましたから」
「・・・そ、そうなんだ(どーして満室じゃ無いのよ!)」

「行きましょうか?まずは荷物を置いてからディナーして・・・明日は休みですし、ゆっくりしましょうね」
「・・・そ、そうね(どーして明日が土曜なのよ!!)」


部屋はスィートとかじゃなかったけど流石Tホテル、凄く良い雰囲気だ。
そして豪華なディナー・・・これも文句なく美味しかった。と、思うけど実はよく判らない。見た目は綺麗で華やかなValentine仕様なんだけど気分はどんどん沈んでいく。

ワインだって極上なんだろうけど味なんて判らない。
高橋君がその銘柄を言ってたけど覚えられないし、ワイングラスに映った自分・・・グラスで歪んでる以上に凄く変な顔してる気がする。


最後のデザートもいつもなら1番嬉しいのに今日は溜息・・・とうとうディナーも終わってしまった。



部屋に戻ったら私の緊張はMAXだった。


本当にここでこの人と過ごすの?
私が誘ったんだから仕方ないの?
それにもう1回ヤってるから(覚えてないけど)問題ないの?


「牧野先輩?どうしたの?」
「・・・・・・わ、私やっぱり・・・」

「くすっ、まさか今から帰るなんて言わないよね?言ったでしょ?今日は牧野先輩が俺を誘ったんだよ?」
「だけど本当に覚えてないのよ!だから・・・やっぱり帰る!!」

「往生際が悪いなぁ、先輩。帰すわけないだろ?!」
「えっ・・・あっ、いやああぁーーっ!!」


どうしても・・・どうしてもこの先を考えたくなくて荷物を持って出ようとしたら、高橋君がいきなり私の身体を抱えてベッドに放り投げた!そして真上から覆い被さってきて、私の両手を掴んだ・・・!!

動けない・・・もうすぐ近くに高橋君の顔があって、キスまであと少し・・・顔を背けたけどそれにも限界がある!
彼の熱が伝わるところまで来た時、我慢出来なくて大声をあげてしまった・・・。


「やだぁーーっ!!西門さん、助けてぇーーっ!!」




・・・・・・あれ?どうしたの?

それまで目の前に来てたと思った高橋君の顔が・・・・・・ない?
私の腕を掴んでいた手も外してて、押さえつけられていた身体が軽くなってた。
少しだけ顔をあげたら、彼はベッドの端に座ってて・・・私に背中を向けてた。


「・・・・・・たか・・・」
「もういいよ、帰れば?別の男の名前を叫ばれながら抱きたくないし、それって強姦じゃん?この前もそうだったけどね」

「えっ?!この前って・・・」
「ラブホでも先輩、あいつの名前しか呼ばなかった。だから脱がせただけで何もしてない・・・・・・安心した?」

「・・・ホントに?」
「あぁ。今日既成事実にしようとしたのに・・・・・・ホント、残念!」



残念とかじゃ無いわよーーっ!!
どれだけ落ち込んだと思ってんのッ!💢


・・・なんて言えない。
酔い潰れたのは確かだから。
そして下着を見られたのも事実・・・出来たら今日の下着を見せたかった・・・じゃなくて!



「ごめん、高橋君。じゃあ・・・行くね」
「・・・・・・・・・・・・」

「あの、また来週・・・」
「・・・・・・・・・・・・」


返事が無いのも無理はない。
コートを羽織って脱げた靴を履き直して、簡単に髪を整えたら部屋を出ようとドアまで行った。


「・・・の人・・・」

「・・・は?」

「あの西門って人、多分先輩の事を特別に想ってるよ。この前うちの会社に来てたから」

「・・・・・・うそ!」

「自分で確かめたら?14日はあと4時間しかないけどね・・・」



あと・・・4時間?!






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Comments 4

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2020/02/26 (Wed) 13:12 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは!殴りに来ると思った?うんうん、今度は仮面ライダーとかで(笑)

何処までも天然なつくしちゃん♥
さて、総ちゃんは今何処でしょう?(笑)

①カーテンの中
②隣の部屋の総ちゃん
③ホテルのロビーで仁王立ち
④ホテルの植え込みの中
⑤実は本邸で寝てる

2020/02/26 (Wed) 23:06 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/26 (Wed) 23:43 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、残念!!(笑)

正解は明日♥️

⑤はいかんよね(笑)💦

2020/02/26 (Wed) 23:58 | EDIT | REPLY |   

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