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plumeria

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「お疲れ様です!」
「えっ!牧野主任、本当に残業無し?!」

「勿論よっ!それじゃ、また明日!」
「明日は土曜日ですよ?!」


亜紀ちゃんに返事もせずに部屋を飛び出したのは午後6時半・・・花沢類が午後8時って行ってたから急がなきゃ!
Mホテルにこんなビジネススーツで行くなんて目立ちすぎるから、まずは会社の近くのショップに行ってそこそこ可愛いワンピースを買った。でも上に着てるコートが古いし、靴も踵がすり切れてる・・・!

今日のお財布にはこのワンピースが買えるぐらいしか・・・

「・・・・・・くっ、仕方ないっ!これとこれくださいっ!!カ・・・カードで!」
「ありがとうございます~」

「そして着替えさせてください!」
「は、はい、どうぞ~」


牧野つくし・・・付き合いで作っただけで、殆ど使った事がないカードを震える手で差し出す・・・!
この時の悔しさったら半端なかったけど、今日はもうヤケクソだった。

どんな人なのかどうしても確かめたい・・・それだけだった。


可愛い人なら許せるの?
それとも美人なの?
もしかしてお腹にお肉が無い桜子みたいなナイスバディの持ち主とか?


「もしかして急にデートでも決まったんですか?良かったら髪もアレンジしましょうか?」
「ホントですか?あのっ、簡単でもいいので豪華にお願いしますっ!」

「・・・は、はぁ」

言ってる事が無茶苦茶だわ・・・でも店員さんは本当に可愛らしく編み込みをしてゆるふわに仕上げてくれた。
うん♥何処から見ても28には見えない♥

・・・・・・そうじゃなくて、時間が無いのよーーっ!!



今まで着ていたスーツは紙袋に入れて駅のコインロッカーにヨレヨレのコートと一緒に放り込んだ。
それから究極の無駄遣い、タクシーに乗ってMホテルへ・・・その時に窓に映った自分の顔が殺気立ってて怖かった・・・。

「お嬢さん、バレンタインデート?」なんて運転手さんに言われて「偵察です」とも言われず「そうです~♥」って答えてみたけど、言ったあとで凄い違和感と罪悪感・・・。
だけど誰がどう見たってデート仕様だもの、コソコソせずに堂々とホテルに入らなきゃ!と気合いだけ入れてみた。



そしてとうとう着いたMホテル・・・時間はいい感じで7時45分。

もしかしたら花沢類が何処かに居るんじゃ・・・って見回したら、なんとエントランスからロビーに向かう茶髪の男発見っ!!
あのスタイルと飄々とした後ろ姿は彼に間違いない!だから急いでタクシーを降りて見つからないように後をつけていった。


「確かここのエグゼクティブスィートって言ったわ・・・」

柱の陰にへばりついて見ていたら、彼は数基あるエレベーターのうち、1番豪華なヤツに乗り込んだ。
それはスィートルームしかない上層階直通のエレベーター・・・私は流石にそれに乗る勇気がなかったから一般のエレベーターでその階を目指した。
いや、早く行かなきゃ見失うのに~~!

上品なお客様達に囲まれて、1人悶々とした表情の私・・・せっかく買った可愛いコートの裾を握り締めて、10㎝ヒールに蹌踉けながら立っていた。

それにしてもたった1人でスィートルームに向かう淋しさ・・・さり気なく隣のご夫婦らしき人が私を見てるのが判る。
こんな事ならイミテーションでもいいから左手に指輪すれば良かったっ!!


上層階に着いて、バラバラと降りて行くお客さんに混じって私も降りたけど、彼が予約した部屋が何処かなんて判らない。フロント聞いても教えてくれるわけはないし、ここは隠れて(何処に?)待ち伏せるしかない。
仕方なくエレベーターホールの横にある談話コーナーみたいな所でひと休みする事にした。お腹空いたぁ・・・って思ったけどそこには珈琲しかなかったから、それにお砂糖とミルクたっぷりで飢えをしのいだ。

その時・・・


「今何処?」
「あぁ、そうなんだ・・・いいよ、待ってる。気にしないで?」
「馬鹿だな、怒らないよ」


うわあぁーーーっ!!
花沢類の声ーーっ!!



瞬間移動でそこのカーテンに包まった!それはもう蓑虫状態・・・動くもんか、と息を止めて窓に張り付いて!


「・・・あぁ、判った。うん・・・部屋は3507だけど」
「ん、愛してるよ。じゃあ後でね」


・・・愛してる?!!

は、花沢類がそんな言葉を?!



でもその言葉が終わると靴音が聞こえて・・・そして、また消えて行った。


そろりそろりとカーテンから抜け出して、そっとエレベータホールを見たけど誰も居ない。
足音をさせないように廊下まで行って、そこで客室の方を見たけどやっぱり誰も居ない。花沢類、わざわざ部屋番号を廊下で伝えたのかしら?
変な人・・・いや、それは昔からだけど。

でも私にとってはラッキーだ。
前後左右を確認しながら3507室を探し、そこのドアにへばりついた。


「・・・・・・・・・・・・」


さすがMホテル・・・音なんて漏れ聞こえないわ。
本当にこの中に花沢類が居るのかしら。
そして電話してたぐらいだから超鈍感のお嬢さんはまだ来てないのよね?

凄く豪華なドア・・・この向こうで何が繰り広げられるのかしら・・・ホントに花沢類、その人に何か渡すのかなぁ・・・。


「・・・でも何処かに隠れなきゃ彼女に見つかるよね・・・」



その時、私の後ろに誰かが立ってるなんて思いもせずに、3507って書かれたドアの前でぐったりしてた・・・。





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Comments 4

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2020/02/21 (Fri) 13:41 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

ははは!そこは着替えてないですね💦まぁ、偵察してる気分ですからね(笑)
でもこれで捕まっちゃいましたからね♥

さて、この後は・・・?

むふふふ♥類君の思惑通りになるかな?(笑)

2020/02/21 (Fri) 15:08 | EDIT | REPLY |   
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2020/02/21 (Fri) 21:54 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんばんは。

コメントありがとうございます。


蓑虫状態(笑)
うんうん、こんな事するの、子供しか居ませんけどね💦

でね、この類君の行動は独り芝居じゃないのよ(笑)
さて、相手は誰かな?懐かしい人とお話してますのでお楽しみに♥

えっ?!判った?!さっすが~~~~!!


で、後ろに居たのは総ちゃんかもよ?(笑)
ここで突然の総つくに変更もありか?!

2020/02/21 (Fri) 22:27 | EDIT | REPLY |   

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