Sister Complex (8)

「つくし・・・ちょっといい?」

やっと類が声を掛けてくれた。
私をエスコートするなんていっておきながら今までずっとお父様、お母様があちこちに連れて行くから
全然類と一緒にはいられなかった。
泣きそうなぐらい心細くて不安だったのに、類もいろんな人に挨拶していたから私の方なんて見てくれなかったし。


「お父様、お母様・・・少しお兄様の所へ行ってもいいかしら。向こうで呼ばれているの」

そう言うとお母様は類の方に眼を向けた。
一瞬険しい顔をしたと思ったけど、お母様はすぐに笑顔に変わった。


「つくし・・・類のお友達がいらっしゃるわ。多分、あなたに会わせろって類が言われたんでしょうから
ご挨拶していらっしゃい。いずれも名家のご子息ですから恥ずかしくないようにね・・・」

「はい・・・お母様。では、ちょっと失礼します」

お母様が何を言いたかったのかは理解出来なかったけど、取り敢えず類が呼ぶ方へ急いで行った。
この時、私の目には類しか映っていなかったから、その後ろに誰かがいたなんて気にもせずに類に話しかけた。

「類・・・もう!私の側を離れないっていったくせにすぐどこかへ行っちゃったじゃない!ひどいよ!」

「ごめんね・・・仕事関係の人が沢山いるから仕方ないんだって!・・・もうそっちは一通り済んだからね」

「じゃあ、今からはずっと一緒にいてくれる?お父様達といても相手がどなたかわからないし、話が難しくて
何言ってるのかわかんないからつまらなくて・・・」


類にぴったりとくっつてる私に急に誰かが声を掛けてきた。
それは類のすぐ後ろから現われた、すごく綺麗な男性・・・優しそうで紳士的な人だった。

「初めまして・・・随分と甘えんぼさんなんだね。俺は美作あきら・・・類とは小さい頃からの親友だよ。
これからは英徳だって?会えるかもしれないね。よろしく、つくしちゃん」

「あ・・・ごめんなさい!類しか見てなかったから・・・こちらこそ宜しくお願いします」

うわ・・・すごく格好いい人!類のお友達って初めて会ったけど・・・類と少し感じが似ている人だった。
今度はその美作さんのすぐ横にいた人が声を掛けてきた。

「よっ!初めましてだね!俺は西門総二郎。こう見えて茶道やってるんだけど、今度類と一緒に茶会に呼んであげるからさ!
何ならうちに入門しない?直接俺が指導してやるよ。類の妹なら家元もなんも言わねぇだろうし!」

「は?お茶・・・ですか?えっと・・・お母様に相談しますね!」

今度はすごくイケメンなんだけどむちゃくちゃ軽そうな人・・・茶道の家元の息子さんがお友達って聞いたことあるけど
この人がそうなのかしら・・・想像できないんだけどっ!
類はため息をつきながら、この二人から私を少しだけ遠ざけた。

「つくし、こう見えて二人とも女の子に手が早いから近寄っちゃダメだよ!特に総二郎は見境ないから絶対に
二人きりとかダメだからね・・・声かけられたらすぐ俺に報告して!」

「そう・・・なの?でも、こんな私の事なんて気にならないと思うけど?」

「それが甘いって言ってんの!つくしは男のいない生活してきたんだから油断しないこと!」


類の手は私の肩に置かれていて、ちょっと怖い顔でお説教が始まった。
類のお説教は結構長い・・・私が生返事しちゃうからだけど、毎回こうなったら終わらないのよね・・・。

それを見た二人が笑いながら話しかけてくる。

「何だよ・・・まるで恋人じゃね?お前達兄妹だよな?・・・類って妹にはそんなに煩いんだ!」
「ホント・・・意外だな。お前がそんなに喋るの、聞いたことない気がする」

その言葉で急に類が黙ってしまった。まぁ、私はそれで助かったけど、類は少し怒ったような顔で
西門さん達から顔を背けてしまった。私はそんな類の顔を見たことがなかったから不思議だったけど。


「それにしてもそのドレス・・・すごく似合ってるね。類の見立て?つくしちゃんって何歳だっけ」

「17になったばかりです。いいんですよ、わかってるから。子供っぽいんでしょ?美作さん」

「いいんじゃない?どうせそのうち嫌でも大人になるんだし。子供っぽいなんて事はないさ。
もう少ししたらもっと素敵なレディになりそうだよ?」

うそっ・・・!これがこの世界では普通の会話なのかしら・・・背中がゾクッとするんだけど・・・!
それにこの美作さんってものすごく色っぽくない?・・・どっちが女なのかわかんなくなりそう・・・。

「あきらがそんなに見つめるから固まってんじゃん!この子、どう見たって男を知らなさそうだから
止めといた方がいいぞ?俺とはちゃんとオトナになってから付き合おうぜ?つくしちゃん!」

「はいっ?!西門さん・・・でしたっけ?意味がわかんないんですけど?」

そうだろうなって大笑いしてるけど、なんだかこの人は私のことをバカにしてるのかしら?
類が言ってた変なヤツらって実は類のお友達のことじゃないの?


助けてもらおうとして類の方を見たら・・・類はその時怖い顔でお母様の方を見ていた。
何かあったのかしら・・・私も振り向いたら、逆にお母様は私たちの方を微笑みながら見ていた。
なぜ類はお母様を睨むように見ていたんだろう・・・。

そして、しばらくしたら美作さん、西門さんの後ろからもう一人のお友達が姿を見せた。
すごく背が高くて、なんだかすごいオーラを持っている人・・・類が一際険しい顔になった。

その人は私のことを鋭い目つきで見てきた。
あまりにもその目が怖くて、逆に眼が離せない・・・一瞬時が止まったかのように思えた。


「司・・・そんなに睨まないでくれる?こいつは慣れてないって言っただろ?」

「あぁ?・・・そうか。これが類の妹か。・・・・・・似てねぇな!」


その一言は私にはひどく冷たく突き刺さった・・・何なの!この人は・・・!
私が一番気にしている言葉・・・それを名前を名乗る前に言い放つなんて!

「類の妹だからもう少しいい女かと思ったのにな。そこら辺にいる女と大差ねぇじゃん!
類も妹を随分と可愛がってるって聞いたけど・・・こんな妹を大事に守ってたのか?笑えるな・・・」

私たちのいる場所の空気が変わった。


類に向かってなんて事を言うの?!私の大事な類なのに・・・!
私はこの大男が許せなくて、パーティーの最中だということをすっかり忘れてしまった。
私のことなら何とでも言えばいい・・・でも、類を侮辱するのは絶対に許せなかったから・・・!

「なんなの?!あなた・・・類のことを笑う気なの?私に対する文句なら私に言いなさいよ!
大体あなた何者なのよ!名前ぐらい名乗りなさいよっ!礼儀知らずな人ね!」

「つくし!やめときな・・・!」

類が私の肩を掴んで止めようとしたけど、それを振り払ってその大男の前に仁王立ちしてしまった。
どんなに睨んで見下ろしたって怖くないわよ・・・類のことを馬鹿にするのは絶対に許さない・・・!


「勇ましい妹だな・・・根性だけは認めてやるよ」
「煩いわね!名乗れって言ってんのよっ!」


その男はニヤって笑った・・・その顔は自信に満ちあふれた顔だった。
この二人にも負けないほどの美しい顔をした男・・・。


「俺か?・・・俺は道明寺司だ・・・!」

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花より男子

2 Comments

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2017/06/19 (Mon) 11:07 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: タイトルなし

凪子様、こんにちは🎵

極悪❗(笑)😁

そこまではないかも。
いや、どうかな?ワガママではあるかな?

私も兄がおりますが、これを書いてて複雑な気分になりましたよ。
早めに救出しないと、類が壊れそう‼
前作がわりと激甘だったからもどかしいんですよ~❗

もう、甘い話に戻りたいワタシでございます。

でも、頑張りまーす🎵始まったばかりだし。


では、また~❗今日もありがとうございました🎵

2017/06/19 (Mon) 16:13 | EDIT | REPLY |   

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