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幸せな夢に泣いた次の日・・・残念だけど出勤だ。

自分の誕生日だと言っても月曜日、しかも決算期で大忙しだから定時でなんて帰られない。少し溜息交じりで珈琲を飲んでいたら寝坊助の彩がつくしに手を引かれて起きてきた。

くすっ・・・今日も派手に寝癖がついてて、まだちゃんと目も開けてない。
大きな口で欠伸して、加代に「彩様、はしたのうございますよ」なんてお小言を言われてた。そして加代に抱かれて自分の高椅子に座り、そこでもう1回大欠伸・・・つられて俺まで欠伸が出て加代に睨まれた。


「今日は早く帰られそう?」
「ん~、無理かな。明日が決算だから書類だらけでさ」

「そうなんだ~、でもなるべく早く帰ってね?あーちゃんが張り切ってるから」
「怖いな。何する気なの?」

「うふふ、教えない~!楽しみにしててね?」
「・・・・・・・・・・・・」


自分の誕生日なんてどうでもいいけど、彩が計画してくれてるなら・・・そう思うと少しだけワクワクする。

この小さな身体で何してくれるんだろ?
チラッと横を見たら、好奇心の塊の彩は朝食のフルーツヨーグルトに醤油を掛けてた・・・そして吐き出して加代に叱られた。

ま、そうだろうね・・・。
チャレンジ精神旺盛なのはいいけど、いつかお腹壊しそうで怖いんだけど。


「行ってらっしゃーい!」
「パァパ、はやくかえるでしゅよ~!」

「行ってきます。ん、頑張ってくるね」


彩を抱っこしたつくしに行ってきますのキス、その後で彩のおでこにもキス。
そして俺の車が門を出て行くまで振り続けてくれる小さな手・・・毎朝この時間が1番辛いんだよね・・・。



**



社のロビーに入った瞬間、受付から手渡される小さな包み・・・「HappyBirthday」って書かれてるけど、つくしに「持って帰ってね」って言われてるから受け取ってしまった。
その後もすれ違う社員から「おはようございます」と「おめでとうございます」の声。
役員エレベーターに乗り込む前に既に両手に抱えられないほどのプレゼントをもらった。


「おはよ・・・」
「あっ、おはようございます、専務!はい、準備出来てますよ!プレゼントはお預かりします!」

「・・・・・・は?」
「は、ではございません!早くお仕事しないと!」


執務室に入ったらニコニコ顔の秘書・藤本が居て、俺の机には既に書類が並んでた。
しかもサイドデスクまで用意されて、そこにズラーーーーーっと。
いつもそんなサービスなんてないのに、サインするページまで開かれて、要点箇所には付箋まで・・・自分が遅刻したのかと思って時計を見たけど、終業時間の5分前。

藤本、一体何時から仕事してたんだろ?


でもそのおかげでサインするものは凄く早くに終わって、その間に藤本が急ぎのメールをチェック。
今日中に返事しなくちゃいけないものだけピックアップしてくれた。それに海外からの電話もいつもは英語を話したくないからって出ないクセに、今日は率先して出てる。

「Would it be okay tomorrow or some other time?」
(それは明日でも良いですか?)

なんて、仕事を先延ばしするなんて初めて・・・俺としては有り難いけどかなり不気味な光景だった。
昼食も藤本が「お誕生日ですから」なんて言って、社食で1番高い「松阪牛のステーキ弁当」を持って来させて、メールを見ながら食べた。

「藤本、休憩は・・・」
「残業しますか?」

「いや、頑張る・・・」
「珈琲ぐらい淹れて差し上げますからねっ!」


・・・・・・これも彩の為だ。文句言わずに藤本の言う通り、黙々と仕事をした。



そして定時になったら藤本が凄い速さで片付け始めた。
「あっ、それも今日中・・・」っていった書類も「明日で結構です!」と言って取り上げられ、わずか5分で俺の机の上は何も無くなった。
いつもは「もう帰るんですか?!」の一睨みがあるのに今日は「お疲れ様でした!」。


父さんか母さんに頼まれたんだろうけど、今日は甘えさせてもらおう・・・。


「藤本、ありがと」
「気持ち悪いことを言わないで下さい。極普通に勤務時間に働いていただいただけです。専務の仕事率が悪いのではと常務に言われましたので」

「くすっ、そうなんだ?今度から残業無しだね?」
「いつもこうなら助かりますけどね。私だって早く帰りたいんですから」

「明日も頑張るよ」
「勿論です!専務、お誕生日おめでとうございます。今日の残業無しが私からのプレゼントです」


随分堅苦しいプレゼントだと笑いながら駐車場に向かい、急いで自宅に戻った。




自宅に戻るまでに色々考えたんだ。
彩のくれるプレゼントってなんだろう?

最近ハマってるのはお絵かきだから、俺の似顔絵?絶対に人の顔とは思えないものが出てくるんだよね。
それか折り紙で作ったメダル?この前何故か黒い折り紙でメダルくれたから、良いのか悪いのか判らなかった・・・。
もしかしたらつくしと買い物に行って服とか。彩とお揃いの水玉のシャツだったら着なくちゃいけないのかな?

「問題児」から卒業して「ダメ親父」とか書かれたTシャツだったらどうしよう・・・。
犬を欲しがってたから俺にプレゼントするって事にして彩のペットだったりして。


そんな事をワクワクしながら考える。
彩がすっごい笑顔で何か作ってるのを想像してる。


なんだろう、なんだろう・・・う~ん、なんだろう?

交差点の赤信号・・・笑いながらハンドルを持つ俺を、前を歩く通行人が不思議そうに見てる。
多分、凄く幸せそうに見えたんだろうなって・・・自分でルームミラーを確認したら、かなり気持ち悪かった。


そんなこんなで数分後、幸せ溢れる我が家が見えてきた。





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ラストは明日の11:00です。
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2020/03/30 (Mon) 21:10 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

そうそう!忘れがちな藤本も引っ張り出して見ました(笑)

次回作は藤本が出る予定です♥なのでここでリハビリ的に書いてみました💦
藤本ってこんな感じよね~、みたいな。


そうそう!子供が持って来た「ママの顔画いた!」ほど恐ろしい言葉はありません。
何度それで引っぱたこうと思った事か(笑)

「何処がママやねんっ💢!!」心の声。

でも「パパの顔」がいくら可笑しくてもそれは許すのよね(笑)

因みにうちの子は魚の絵がめっちゃ上手かった!!
虫とか花とか普通なのに魚は本当に上手でした。漁師の血がそうさせるのか・・・?


なんやかんや言って全部捨てられずに今でも保管してあります。
きっと類君にも宝箱があるんでしょうね♥

2020/03/30 (Mon) 23:31 | EDIT | REPLY |   

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