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午後になって総二郎から聞いた迎えの時間が迫ってきた。
ここから羽田に行くとなると・・・と、計算したらもう出なくちゃいけない頃だ。だから慌てて料理の下拵えを止めて身仕度を整え、部屋を飛び出した。

「このコンパクトカーにあの大男2人が乗るのかしら・・・まぁ、いいか!最悪私が後ろに乗れば♡」

そんな事を呟きながら地下駐車場を出て、車を羽田空港に向けて走らせた。



予定通り16時に羽田に到着したものの、何処で待てば判るんだろう・・・って広いロビーの真ん中に突っ立ってた。
確かロンドンで2人が落ち合って一緒に帰ってくるって言ってたっけ。
ファーストクラスだから出てくるまでそんなに時間は掛からないと聞いたし、あの15時55分がそうかしら?なんて電光掲示板を見ていたら・・・

「「「「「きゃあああぁーーーっ!!」」」」」


あぁ、向こうから来るのね?と通行人に教えてもらったような感じ。

でも間違ってはいなかった。
奇声が聞こえた方に進むと、前方から歩いて来る長身のイケメン王子が2人・・・花沢類と美作さんが周りの空気を浄化しながらこっちに向かって歩いて来る。
そして私に気が付いたら、花沢類が荷物を美作さんに投げて飛び付いて来た!


「牧野!久しぶりーっ!」
「ひ、久しぶりだね、花沢類!お帰り~」

「類!自分の荷物ぐらい持てよ!って牧野、元気そうだな」
「お帰り、美作さん。くすっ、ちゃんと荷物持っちゃって。お人好しは相変わらすだね~」


大きな猫に飛び付かれた感じ・・・てか、花沢類!自分が男だって判ってないのか、そんなに力入れて首絞めたら息が止まるっ!
それにここは『愛の国・フランス』じゃないんだから、こんな人混みで抱きつかれたらすっごい目で見られるから!

って思った時には遅かった。
既に私達の周りには人集りが出来てて、そのド真ん中で抱き合うのが美女と野獣・・・もとい、美男子と小動物。
この状況に耐えかねた美作さんが花沢類を引き離してくれたおかげで漸く呼吸が出来た・・・。


「はぁはぁ、なんて力出すのよ!花沢類!」
「あははっ!ごめんね?つい嬉しくて」
「もう飛行機の中から牧野牧野って五月蠅くて・・・」

「そうなの?嬉しいけど、出来たらその表現は控えめにお願いするわ・・・」
「だって抱き心地が良いんだもん」
「類の抱き枕、バナナじゃなかったか?」

「・・・・・・ははは、そりゃ大差ないわ・・・」


確かにバナナには胸もお尻も無いからね・・・。



そんな馬鹿な話をしながら駐車場まで行って、そこで私が「どうぞ~」って言ったら2人共が止まった。
そして気が付けば運転が美作さんで助手席が花沢類。私は荷物と一緒に後部座席に座ってた。

私の腕を信用出来なかったのね・・・・・・納得だけど。



マンションに着いたら美作さんに駐車場を教えて、そこに停めたら2人を最上階に案内した。
その頃からヤケに機嫌の悪い2人・・・特に花沢類の口数が随分減った。


「さてと、こっちだよ~」

「・・・へぇ、総二郎のヤツ、こんなマンション持ってたんだ」
「自分の秘密基地だったんじゃない?あいつ、疚しいこと多いから」

「ははは・・・それはどうだか知らないけど」

「牧野、気にならないのか?いつからここに住んでるんだ?」
「・・・聞きたくないけどいつから?」

「・・・さ、最近だよ。それまでは自分のアパートに居たんだから」


言えない・・・このマンションからダイブしようとしたなんて。
話したらその理由を追及される・・・口が裂けても言えないっ!
もっと詳しく!って言いたそうな2人を無視して玄関のドアを開け、ここでも「どうぞ~」なんて、まるで新婚さんが新居に案内するみたい。

眉根を思いっきり寄せた2人が嫌そうに靴を脱いだ。
・・・総二郎の言葉じゃないけど、そんな顔するなら自宅に戻れば良いのに・・・。



「珈琲淹れるね~・・・って、あれ?2人とも何処に行ったの?!」

リビングに通したつもりなのに誰も居ない?!
驚いてキッチンから飛び出して他の部屋に行ったら、美作さんを寝室で発見!


「何見てるのよ!ここはダメでしょ!」
「・・・・・・おかしいな」

「な、何が?!」
「ん?あぁ・・・牧野、何処で寝てんだ?」

「そんな事も美作さんには関係ないでしょ!はい、出た出たっ!!」


ゲストルームで寝てるって言っていいのかどうだか・・・私はその方が良いんだけど、総二郎に怒られちゃ嫌だから何も言わずに美作さんを寝室から引っ張り出した。
ホントに油断も隙もない・・・って、今度は花沢類!あの人は何処に行ったの?

まさかお風呂に入ってるとか言わないよね?!ってバスルームに飛んで行ったけどそこには居なかった。
まさかゲストルーム?ってそこにも駆け込んだけど居なかった。
あぁ、トイレかな?ってノックしたけど応答無し。

後は何処だろう・・・って考えていたら、何処から風が吹いてきた。

はっ?!まさか・・・!


急いでテラスに向かったら、そこに花沢類発見っ!
でもその奥には私達の洗濯物がーーーーっ!!

天井から吹き込んでくる風で総二郎のパンツがヒラヒラするのはどうでもいいけど、ついでに私のブラまであるんだってば!


「花沢類っ!見ちゃダメーーっ!」
「・・・・・・え?良い景色だなって思っただけだけど?」

「景色ならこっちの窓からも見えるから!いいから部屋に入りなさいっ!」
「変な牧野~、はいはい、戻れば良いんでしょ」

「そうそう!珈琲淹れてるから!」

「いつからあんな派手なものを・・・」
「えっ?!」


今日干した下着は何だったっけ?って思ったら・・・ローズピンクの総レースだった。



**



「総二郎、今日何時に戻るの?」

私がキッチンでご飯の支度をしていたら、花沢類がカウンターの前まで来てそう聞いた。
チラッと時計を見たら6時半・・・確か今日最後の茶道教室は青山で、この2人が居るからタクシーで帰るって言ってた。そうなると・・・そろそろかな?


「多分、もうすぐ帰ってくると思うよ。お腹空いた?」
「お腹は空いてないけど、あんたがいつまでもキッチンだから面白くない」

「あはは!そこで何か話してよ。作りながら聞くからさ」
「総二郎のこと、好きなの?」

「・・・・・・・・・(直球だよね)」


美作さんがクスクス笑ってる。
私はキャベツ切ってたのに手が止まって、花沢類はカウンターの椅子に座り、ド真剣に頬杖ついた姿勢のまま私を見てる。
そんな麗しい目で見上げられたら何て答えていいのか判んない・・・って、ここでの返事は1つしか無いのよね?

だって、ここに住んでることは間違いないし・・・婚約してることを承知で来てるんだもんね?


「す・・・好きに決まってるじゃない。だからここに居るんだもん」
「ホントに?」

「ホントにって・・・ホントだよ。なななな、なんでわた、私が嘘つくのよ」
「どうしてどもるの?」

「は、花沢類が変なこと聞くからだよ!」
「変なこと?そんなに変な質問じゃないでしょ?好き嫌いの話だし。野菜みたいなもんだよ」


総二郎と野菜を一緒にしないでよ・・・って持ってるキャベツが総二郎に見えてきたじゃない。

総二郎、早く帰って来ないかなぁ~~!
こんなに待ち遠しいのは初めてだわ・・・。


「キャベツ、握り締めてどうしたの?」
「・・・はっ!切るんだったのに花沢類が邪魔したんだよ!」

「早く切りなよ、ざっくりと」
「・・・・・・・・・・・・」





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2020/03/31 (Tue) 23:31 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、おはようございます。

コメントありがとうございます。

あっはは!これもまた歴史ですかね?💦
とうとう野菜にしてしまった!
きっとざっくりじゃなくて「千切り」にされたと思います(笑)


あきらは寝室で何を悟ったのか・・・
類は本当にローズピンクを見てしまったのか・・・
つくしちゃんは上手く誤魔化せてるのか・・・

総ちゃんは何処で油を売ってるやら(笑)
早く帰らないと食べられちゃうぞ!

2020/04/01 (Wed) 09:05 | EDIT | REPLY |   

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