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「それでは本日はここまで。また来週、続きを稽古しましょう」
「「「「「はいっ♥」」」」」

「出来ましたらご自宅でも復習して下さいね」
「「「「「はいっ、総二郎様っ♥」」」」」

「・・・それではこれで」
「「「「「ありがとうございました~♥」」」」」


どっからそんな声が出るんだ?ってぐらい甲高い声だけど、目を開ければ平均年齢55歳のおばちゃん達。
彼女たちが乙女のように頬を染めてくれるのは有り難いが、俺としてはそれよりも「茶道」をしてほしい・・・。

帛紗捌きも出来ねぇのかやらねぇのか判らないけど、都度俺を呼ぶ。
茶筒の蓋が開かないと泣きそうな声で持って来る。
子供みたいに茶よりも菓子を見て喜んで、その話で盛り上がる。
そうかと思うと急に具合が悪くなって着物を脱ぐ人も居る・・・まぁ、そういう年齢だから文句は言わねぇけど。

茶道教室は昔から顔を出していたし、こんなものだとは思っていたけど、やはり教室だと茶室とは「空気」が違う。心地良い緊張感もなくてヒヤッとすることばっかりだ。
手応えのある生徒に出会えば面白いのかもしれねぇけど、そんな人間は極希だ。


これがこの先の俺の仕事かと思うと・・・


「あら、総二郎様、今日はお迎えじゃないんですか?」
「え?あぁ、今日はタクシーで・・・・・・」


ヤバいっ!!
そうだった、こんな所でチンタラしてる場合じゃなかったっ!!

今日はあの2人が来てるんだったーっ!!


時間はもう6時半・・・3人状態がもう2時間続いてる。
あきらはまだいいが、類が何するか判ったもんじゃねぇっ!!
おばちゃん達との挨拶もソコソコに、急いで呼んでいたタクシーに乗り込んだ!



マンションに着いたら着物のままエントランスを駆け上がり、最上階専用のエレベーターに飛び乗った。
そして自分の部屋の前に行くと・・・不味い、すげぇ息が上がってる。こんな状態で入ると何言われるか判んねぇって事で、落ち着くまで玄関前に座り込み、平常心に戻ったら深呼吸してドアを開けた。

インターホンを鳴らさなかったのは俺の不在中に彼奴らが巫山戯てねぇかを確かめるため・・・いきなりリビングに入らず、こっそり様子を見ようかとキッチンに続くドアの手前に立って、ドアノブに手を掛けると・・・

「総二郎のこと、好きなの?」

類の声・・・それを聞いて手が止まった。


つくしと同棲してる事はバレてる・・・ってか婚約したと話しているし、つくしにも話を合わせるように伝えてある。
ここであいつが否定することは無いと思ったが、それでもどんな風に答えるのか聞きたかった。


「す・・・好きに決まってるじゃない。だからここに居るんだもん」
「ホントに?」

「ホントにって・・・ホントだよ。なななな、なんでわた、私が嘘つくのよ」


なんで言葉に詰まってんだっ!💢
もっとスマートに答えろよ!!


まぁ、俺が言わせた感もあるんだけど、それでもつくしの「好きに決まってるじゃない」には少し・・・・・・かなり照れた。
この顔のままドアを開ける訳にはいかないから、また玄関まで戻って静かに、静か~に外に出てインターホンを押した。

何やってんだ、俺・・・。



「はーい!総二郎、お帰りなさい~!」
「ただいま、彼奴らは?」

「リビングで寛いでるよ・・・ちゃんと話を合わせてるからね!
「・・・・・・そうか」


それを言われるとさっきの照れがどっかにすっ飛んでった。




**********************




インターホンが鳴って、それまで持ってた包丁を放り投げて玄関に向かった。
良かったぁ~!これであの2人は総二郎にお任せ出来るっ!疑いの眼差しから解放される~!

出迎えなんて滅多にしないのに、今日は駆足で玄関に行き、そこで待ってました!とばかりにドアを開けた。勿論そこには総二郎が居て、何故か少しだけ顔が赤かった。
どうしたんだろ?って思ったけど、ここで時間を掛ければまた花沢類が五月蠅いから急いで総二郎の風呂敷包みを受け取った。


「彼奴らは?」

「リビングで寛いでるよ・・・ちゃんと話を合わせてるからね!
「・・・・・・そうか」

「でも美作さんは寝室を探るし、花沢類には洗濯物見られた」
「は?やっぱり油断ならねぇな!」

「ホントだよ!でも晩ご飯は頑張ったから早く食べよ?」
「あぁ、お疲れさん」


総二郎が着物のままリビング入ると、そこではいつもの悪友同士の挨拶が始まってた。
私は風呂敷包みを彼の部屋に持って行って、その後は再びキッチンへ・・・バラバラになってるキャベツを掻き集めて、気分も新たに夕食の仕上げをした。

チラッと横目で見ると懐かしいこの感じ・・・道明寺がいたらホントに高校生の時みたい。
相変わらず総二郎と美作さんは息ピッタリで、花沢類は何考えてるんだか判んない目で2人を見てる。総二郎が何かを尋ねても素っ気ない返事・・・それを美作さんがフォローしてる。


3人ともあの時よりも男らしくなって格好良くなって・・・眩しいったらありゃしない。
それに比べて私は・・・・・・


「・・・つくし、なんか焦げてないか?」
「へっ?あーーーーっ!!鳥肉がっ!!」

「くすっ、牧野の大声、懐かしい♪ドジなのも変わってないんだ?」
「なんだよ、今更俺達に見惚れてたのか?もっと間近で見ていいぞ?」

「そ、そんなんじゃないってば!揃いも揃って高校生の時から進歩がないって思っただけよ!」

「牧野だって何にも変わってないじゃん。今でも制服で歩けるんじゃない?見てみたいな~」
「おぉ!膝上15㎝ぐらいでどうだ?」

「馬鹿言わないで!何歳になったと思ってんのよ!」


「・・・着替えてくる」


あれ?総二郎・・・なんか怒ってるの?



数分後、総二郎が部屋着に着替えて出てくる頃には私も準備が出来て、後はテーブルに運ぶだけ。総二郎が対面キッチンの前まで来て「どれを出すんだ?」なんて聞くからキョトンとした。
さっき、少し怖い顔してたのに今は普通・・・ってか、逆に優しい顔してない?


「なんだよ・・・その目」
「ううん、何でもない。今日は優しいなぁって思っただけだよ」

「いつも優しいだろ?昔の俺とは違うんだって」
「はいはい、そういう事にしときましょ。じゃあ、これとこれ出してくれる?それが終わったらこっちもね」


まだリビングのソファーに座ってる2人がチラチラこっちを見てる間に、総二郎がダイニングのテーブルに食器を並べていく。

今日の献立は冷製パスタとジャガイモの冷製スープ、それにグラスサラダ。
クリームチーズ入りのニンジン、生ハム、サーモンなんかをくるくると巻いて、フリルレタスを敷いたグラスの中に入れていくだけ。それにブロッコリーを足すと花束みたいで凄く可愛い♥
とは言え、相手はいい歳の男3人・・・物足りなかったらいけないからひと口サイズの手まり寿司も作って、鶏肉のトマト煮込みも用意した(ちょっと焦げたけど)。

食後のおつまみは餃子の皮で作るピザと ホタテの和風カルパッチョ。


「花沢類~、美作さん、準備出来たよ~!」
「・・・邪魔だけど食ってけば?」

「俺、牧野の隣がいい」
「じゃあ俺は牧野の前の席」


ドン!と突き飛ばされた総二郎・・・今日は私から1番遠い斜め前にブスくれて座ってた。


「牧野、相変わらす料理上手いよね♪このスープ、すっごく美味しい」
「そお?お代わりもあるよ、花沢類」
「ううん、要らない」
「・・・・・・(変な人)」

「牧野、このサーモン、何処で捕れたやつ?」
「さぁ?海じゃない?」
「いや、そう言う意味じゃ無くて。焼くなら北海道産かロシア産だが、生ならノルウェー産かカナダ産だよな!」
「・・・・・・(気にしないし)」


そして総二郎は何も言わない・・・。

しかも今度は拗ねてる?
なんとまぁ、短時間の間にコロコロ変わること!
子供みたいな総二郎に噴き出しそうになった。





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2020/04/01 (Wed) 20:48 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

なかなか可愛い総ちゃんでしょ?(笑)
玄関前で着物で踞って呼吸を整える・・・💦やっぱり総ちゃんは涼しい顔が似合うのでねっ!

うりうりって(笑)
うん、でも判るーーーっ!うりうりしたいねっ♡

あきらと類君・・・この2人、何しに来たんでしょ?
そろそろ難しい部分も出てくるかもよ?(笑)
でもコメディだからご心配なく!


そう言えば学校とか始まるのかしら?
うちの娘も新しい仕事が始まって緊張してたけど、今年の新入生も新社会人も大変そう。
毎日なーんか暗くていやぁね💦

パール様も気をつけてね~~~!

2020/04/01 (Wed) 23:26 | EDIT | REPLY |   

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