続・茶と華と (1)

茶道表千家西門流 次期家元  西門総二郎
華道牧野流宗家長女       牧野つくし

この二人の結婚式が西門本邸で・・・披露宴が都内某ホテルで厳かに行われた。
両家の家元同士の付き合いが深く、見合いから婚約、結婚までがとんとん拍子の半年間。

初めは印象最悪の2人だったがいつの間にか惹かれ合ってのラブラブ婚。
ただし牧野家の強い希望によって、結婚までは手を出すな!という「地獄のおあずけ」を食らっている総二郎・・・。

本日より2人の愛の新婚生活が始まる!・・・はずだったが・・・。


*******


西門の結婚式は神前式。

参進の儀に始まり、神職と巫女に続いて新郎新婦が本殿に向かう。
この超古めかしい儀式にしたがった結婚式で唯一楽しめるのがつくしの花嫁姿だった。
つくしの白無垢と綿帽子姿はマジでこの世のものとは思えないほど美しかった。
こう言っちゃ何だがこの俺が初めて負けた!と思ったほどだ。

祝詞奏上でも俺は神職の言葉なんか聞きもせず、隣で少し下を向いて眼を閉じているつくしに見とれていた。
綿帽子から微かに見える横顔の色気・・・ここが神殿じゃなかったら速攻押し倒してるとこだっ!
・・・って気持ちが自分の顔に全部出てたんだろうな。
それを見た家元と家元夫人が思わず交互に咳払いをして「正面を向け!」と俺に注意しやがった。

三三九度の時もつくしの赤い唇が胚に触れるのをジッと見てしまう・・・何とも言えずにこれも色っぽい。
誓詞奏上、玉串拝礼と続いて神前式は終了したが、感動したのは式ではなくてつくし本人・・・。

その途中の事なんて何一つ覚えちゃいなかった。



「マジで疲れたな・・・今度は本邸でこの続きだっけ?」

「本当に・・・この白無垢って結構重たいのよね。半端なく綿が詰めてあるし・・・本邸では打ち掛けだったよね?」

「確かそうだったと思うけど・・・お前の着物って俺が着付けるんだったよな。何でそうなったんだ?本職がいるだろうに・・・
俺は打ち掛けなんて着付けたことないんだけど。ってか、これ俺の仕事か?」

「何でかしら?うちのお父様がそう言ってたけど。総二郎さんに着せていただきなさいって・・・でも普通に着て
打ち掛け引っ掛けるだけでしょう?・・・宜しくお願いしますね」


そう言って本邸に戻ったら早速つくしの支度を何故か俺がする・・・夫婦初めての共同作業ってやつか?
でもよく考えたらこれって俺だけが大変なんだけど・・・こいつは立ってるだけでいいし。
つくしは白無垢の上を脱いで俺の方に近づいてきた・・・俺としたことがドキドキしてないか?

長襦袢って・・・妙にこれも心臓に悪い。
使用人がすぐ側にいるから理性は捨てないけど、誰もいなかったらこのまま解いてしまいそうだけどっ!
俺は腰紐を解いてんのか結んでんのかすっかりわかんなくなった。気がついたら固結びになってる・・・。


「少し腕を上げとけ・・・腹に力入れといてくれよ。帯閉めるから・・・」
「はい・・・これでいい?」

「あぁ、もう少し袖を上に上げて持っとけ。・・・よし!いいだろう」

西門が用意した着物を着て上等な色打ち掛けを着る・・・頭には尾長をつけて白無垢とは随分違って豪華に仕上げた。
やっぱり結婚式は花嫁が美しくないとな・・・今日だけは俺が見劣りしても仕方ないかと苦笑いした。


*******


「本日はお日柄も良く・・・」

お決まりの文句で始まった式の延長戦・・・マジでこの西門の結婚式は古典過ぎてつまらなかった。
隣のつくしの姿で癒やされなかったら、ただの地獄・・・。


「本当になんて美男美女でしょう」
「若宗匠も嬉しゅうございますね・・・こんなに美しい奥様でこれからは楽しいでしょう?」

「あら・・・そんなお話、はしたないわよ?鴻池様ったら・・・」
「総二郎様にはこのくらいのこと何でもないですわよねぇ・・・伝説がございますもの」


俺の伝説・・・あの一度に13人と付き合ったってヤツか?
よくもそんな話しを結婚式でするもんだな・・・ってみたら鴻池のおばさんは軽く俺を睨んでいる。
ここの娘も俺の相手候補に挙がってたっけ・・・だから嫌味の1つでも言いたかったのか?

つくしはその言葉を聞いてか聞かずかわかんねぇけどそのおばさん達にも丁寧に頭を下げて挨拶をした。

「婦人会の方でいらっしゃいますか?本日より正式に西門に入りましたのでこれからはどうぞよろしく
お願いいたします。総二郎さんの事で何かありましたら・・・私にも必ずお話し下さいませね」


さすが・・・変なところで肝が据わっている。
そしてチクリと俺にも釘を刺したって所か?

「鴻池の奥様・・・妻はまだこちらの方には慣れておりませんのでよろしくご指導下さいませ。
何かと可愛がっていただくと私としても安心ですので・・・」

ここでとっておきのキラースマイルをありったけの力を込めておばさん達に送った!
この俺の流し目に鴻池以外の婦人会の奥方連中からもため息と・・・僅かながら声が上がる。
視線を感じて横を見たらつくしが何気に恐ろしい顔して笑っていた。


「総二郎さん・・・今日みたいな日でもその技をお使いになるの?なかなか良い度胸していらっしゃるのね」

「何がだ?別に俺はフツーに挨拶しただけだぜ?向こうがどう思ったかは知らねぇけどな」



いわゆる中央に座っている俺たちの横には当然主賓に当たる西門の重臣達がいる。
少し酒が振る舞われているとはいえ、この西門内で大声上げてのどんちゃん騒ぎにはならない。
つくしが少しでも大きな声を出したらその辺の来客には聞こえてしまうだろう。

「人数だけでも伝説があるのに今度は年齢でも伝説を作るつもりなのかしら?」

「訳わかんない事言うなよ!・・・お前、落ち着かねぇととんでもないこと言い出すぞ?」


つくしはジロッと睨んできたが、忘れたとは言わせねぇぞ!
こいつは初対面の見合いの席でこの俺に暴言吐いて、それを全部家元達に聞かれたんだからなっ!



「つくし・・・せっかくの俺たちの結婚式なんだぜ?小さいことで怒んなよ。思い出そうぜ?初めて会ったときのこと」

「総二郎さん・・・そうだったわね。もう一回やるところだったわ」


今日からは俺たちは夫婦だ。
絶対に今日はこいつと「マジで夫婦」になるって決めてんだっ!
あの時みたいに事件を起こすわけにはいかないんだよっ!


俺の心の内を誰にも知られることなく西門での式は進んでいく。

俺の全神経は今でもなく、この後のパーティーでもなく、その後の一夜に飛んでいた!

14970952740.jpeg
懐かしすぎるっ!たったの5ヶ月前だけど!
茶と華と・・・私が一番初めに書いたのがこれでした。

まだブログを開設してない頃に楽しんで書きました。
公開するなんて思いもせずに・・・。
プレッシャーも恥もなくて・・・楽しかったなぁ。(今はどうなんだって感じですね!)

続編書くなんて生意気ですが、この2人のその後を書いてみました。
このお話はコメディですから、真面目に読んではいけませんよ?

予定としては20話・・・あまり長くないお話しなので気軽に楽しんで下さいませ。
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花より男子

6 Comments

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2017/06/21 (Wed) 12:22 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: タイトルなし

わんこ様、こんにちは🎵

あはは!
始まってしまいましたね。懐かしいです。
このつくしちゃん、確かに強いというか天然なので楽しいですよ。たった5日間の出来事を20話以上かけてドタバタ劇が繰り広げられます。

今までにないラストシーンが待ってるかも?

カテゴリー、追加しましたよ!
待っててくださいね?

アーチーね!確かに、私も同感ですよ!
昨日コメントくださった方にお返事するとき思いました❗

イライザと綾乃ちゃんが重なりました。あはは!
昭和ですね~❗

しばらくは元気なつくしちゃんを楽しんでくださいね!
ありがとうございました❤

2017/06/21 (Wed) 12:48 | EDIT | REPLY |   

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2017/06/21 (Wed) 12:55 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: こんにちは

えみりん様、こんにちは!

司君、書くつもりがなかったからでてないですよね。
今度はでますよ?お楽しみに~❗

さて、上手くいくと思います?( *´艸`)
このつくしちゃん。ある意味最強ですからね。

総二郎のテクニックにかかってます!
楽しいなぁ❗爆弾のない話は🎵

お昼向きかもしれませんね。
しばらくは元気な二人を楽しんでくださいね!

今日もありがとうございました❤

2017/06/21 (Wed) 14:39 | EDIT | REPLY |   

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2017/06/22 (Thu) 00:58 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: タイトルなし

さとぴょん様、おはようございます❗5

あはは!懐かしいでしょ?
楽なんですよ‼この二人は‼

さて、どうなると思います?( *´艸`)
エロプレッシャーですか?いや、どうかな?

このつくしちゃん、若葉マーク🔰ですからね。

まぁ、待っててください❗
少しだけなら期待していいですよ?えへへ。

では、今日もありがとうございました❗

2017/06/22 (Thu) 06:54 | EDIT | REPLY |   

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