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plumeria

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嘘でしょーーーっ!!どうしてあんな場所で抱き合ってんの?!

だから裏口だったの?!
誰も居ないと思ったの?でもBMにとっては入り口・・・それも知らなかったの?


信じられない~~~っ!!
こんな近くで見たくなかったぁーっ!!



更衣室に飛び込んではぁはぁと肩で息をする・・・そこで危うく心の声を叫ぶところだった。
先輩達はそんな私を見て唖然・・・青木さんにも「大丈夫?」って言われたけど、今見た真実を話すわけにはいかない。引き攣りながら「大丈夫です!」と答えて制服に着替え、鞄をロッカーに・・・・・・

「あれ?鞄が開いてる・・・・・・はっ?!」


ガサガサッと手を突っ込んでみたけどスマホがない?!
さっき入り口で鞄を落とした時にスマホが外に出ちゃったのかしら。
着替えてから急いで入り口に行ってみたけど、そこにスマホなんて落ちてない。当然だけど専務達もいないし、他の人も・・・どうしようかと思ったけど業務開始時間も迫ってたから、仕方なく諦めて事務所に戻った。


「えっ、スマホ落としたの?でもそこで落としたのならうちの社員だって判りそうなもんだけど」
「ですよね・・・でも誰も届けてくれてませんよね?」

「ん~、拾ったけどうちの存在を知らない人とか?念の為本社総務に聞いてみたら?」
「落とし物ってそこに行くんですか?」

「うん、本社ビル内で落とし主が判らないものは花沢物産の総務課に保管してあって、一定時期が来たら処分なの。でもスマホならロックさえかけてなければ中を見るかもしれないけど・・・どうかな、個人情報だしね」
「・・・ですよね」

「届けられてないなら悪用されるかもしれないから、一応携帯会社に連絡したら?」
「・・・はい、そうします」


でも拾ってくれた人の想像出来るんだけど。
それなのにここに届けてくれないのは・・・やっぱりバレたくないからだよね?
専務ともあろう人があんな風にコソコソ裏口から入ったなんて・・・しかも執務室まで我慢出来なくて抱き合う仲だもん。変な噂が流れて一緒に居られなくなったら可哀想よね。

それなら私からこっそり取りに行くしかないよね・・・?


「あれ?今日の朝礼に岡本課長、居ないんですかね?」
「さっき社長が言ってたけど、諸用で遅れて来るんだって。珍しいよね~」

「そうですね~」


いつも癒やされる岡本課長も居ない・・・なんだか落ち込んじゃうなぁ。

でも、なんに落ち込んでるんだろう、私。
頭の中には2人の後ろ姿しかないんだけど・・・。




********************




牧野が逃げた後に現れた、何故か笑ってる男。
そいつが誰なのか判らなかったが、「おはようございます、専務」と明るく挨拶してきた。
ただ、ここで顔色を変えたのは藤本・・・誰に対しても挨拶を欠かさないのに、この男には何も言わなかったから驚いた。


「・・・君は?」
「私は花沢ビルメンテナンスの業務課長で岡本と申します」

「あぁ、君が岡本課長?」
「えっ!私の事を覚えててくれたんですか?」

「いや、牧野から名前を聞いただけで・・・」
「そ、そうでしたか。牧野さんから・・・」


この男が岡本・・・確かに笑うと目が細くなってる。それより何故そんなに嬉しそうに笑うんだ?
腰を曲げたこの姿が面白いとか・・・まぁ、それならそれでもいいけど。

藤本が「行きましょう」とグイッと腰を押して、そんなに乱暴にしたら痛いって言うのに睨んでも無視。確かにこんな所で時間掛けてる場合じゃないから、大人しく従おうと思ったら・・・


「専務、私がお支えしましょうか?少し身体が傾くので逆に痛いのでは?」

「・・・は?」
「結構です。エレベーターに乗れば後は立っとくだけですから」

「でも役員フロアでも専務執務室は1番奥でしょう?ここからエレベーターに行くよりも随分距離がありますよ?」

「・・・・・・いや、別にそのぐらい・・・」
「私は専属秘書です。専務の1人ぐらい抱えられますからご心配なく」

「秘書能力と体格は関係ないでしょう?私ではダメですか、専務。丁度肩の高さが合うと思うんですけど。秘書の方は大事な鞄でもお持ちになったら?」

「確かに肩は合いそうだけど・・・」
「私を鞄持ち扱いですか?岡本課長こそ早く事務所に行って下さい。もうすぐ業務開始ですよ」

「そんな事はお構いなく。花沢専務の付き添いであれば社長も何も言いませんから」

「・・・・・・そぉ?」
「専務、私と岡本課長のどちらを選ぶ気ですか?」


なんだよ・・・その『私とこの子のどっちが好きなの?!』的な言い方は。

・・・でも確かにちんちくりんの藤本だと共倒れしそうで怖いし。
だから不本意ながら岡本に「頼む」と言えば、目を吊り上げた藤本が俺から手を離した。だからって転けるほどじゃないけど、蹌踉めいたら後ろから抱きつくみたいに支えてくる手・・・なんかちょっと不気味なんだけど。

藤本はさっさと裏口のエレベーターに行って、そこでボタンを押し、中に入って俺を待ってる。
黒縁眼鏡のレンズが光るだけで目が見えないから余計に何考えてるか判らなくて、俺は岡本に腰を支えられてそこに入った。


「・・・手、離していいんだけど」
「蹌踉めくと危ないので」

「縋れるから大丈夫だし」
「壁は何もしてくれませんが、人の手はいざという時助けてくれますから」

「・・・・・・でも」
「役員フロアまですぐですよ。このエレベーターを朝早くから使う人はいませんし」


「専務、良かったじゃないですか。これも日頃の行いですよ」・・・藤本の言葉、サボテン以上の棘を感じるんだけど。


役員室フロアに着いたら、そこでさっさと降りた藤本が振り向きもせずに執務室に向かった。
俺は岡本の肩に腕を掛けて、岡本はその手を持ってもう片方では腰を支えてくれて・・・いや、そこまでの重病人じゃないんだから近寄りすぎだと思うんだが。
チラッと横目で見るとやっぱり笑ってる・・・これが牧野の好きな微笑み?
俺には気持ち悪いとしか思えなくて、細めた目を素敵だとは思えないんだけど・・・。


執務室のドアは開けられたままで、そこまで行くと藤本が入り口に椅子を置いて待ってた。

「岡本課長、どうもありがとうございました。
この執務室は予定外の方の入室を固くお断りしていますのでここまでで結構です。また、専務はここで専属整体師の施術を受けますのでご心配なく。なお、裏口から入ったことは社内の混乱を避けるために内密にお願いいたします」

「・・・・・・そうですか」

「はい。もう1度言います。ここまでで結構!ご苦労様でした!!」



藤本の勢いに負けて岡本は俺から手を離し・・・・・・手を離し・・・


「もう藤本が居るし、大丈夫だから離してくれる?」
「・・・判りました。では、専務、くれぐれもお身体をお大事に」

「・・・ありがとう」


遠距離恋愛中のい恋人じゃあるまいし、そこまで俺の身体を気にしなくても・・・。
漸く俺から手を離したら、藤本が吃驚するほど素早くバタン!とドアを閉めた。


「・・・・・・なんなの、あの人」
「変わってますよね。忘れましょう」

「藤本も変わってるけど岡本の方が威力あるよね」
「同じ括りに入れるのやめていただけますか?それよりも昨晩は打撲直後で施術出来なかったのでしょう?主治医が来るまでメールのチェックでもしてて下さい」

「・・・・・・・・・」

「昨日のものが滞ったままですからね」


そう言った後でプレジデントチェアを、まるで車椅子のように押しながら俺をデスクまで運んでくれた。


・・・やっぱり仕事するんだ。






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Comments 4

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2020/05/31 (Sun) 01:32 | EDIT | REPLY |   
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2020/05/31 (Sun) 06:31 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、おはようございます。

コメントありがとうございます。

あはは!類君の災難はここでした♡
本人全然気がついてないけど男に惚れられております♥
それに珍しい藤本の感情的な行動💦よほど岡本課長は気持ち悪かったと思われます。

藤本の警戒ぶり(笑)
その理由もそのうち出てくるんですが、まぁ・・・想像出来るよね💦
何故岡本課長がBMに行ったのか・・・って事ですよ。

えっ?総ちゃんは・・・近寄らせないでしょ、そっち系は(笑)
近付いた瞬間察知して殴り倒すんじゃないですか?
如何にも惚れられそうですけどね・・・あっ!それも面白いかも?!

2020/05/31 (Sun) 08:05 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、おはようございます。

コメントありがとうございます。

そうそう、岡本課長がそう言う人です♥あはは!
ご想像はほぼアタリですよ♥

類君は何にも気付いていません。
こういう部分はかなり疎いご様子・・・その分藤本がガードしてるんでしょうね(笑)

でも岡本課長は要注意人物ですので・・・なにかするかも?!
脳天気な類君とつくしちゃん、大丈夫かな?(笑)

2020/05/31 (Sun) 08:09 | EDIT | REPLY |   

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