FC2ブログ

plumeria

plumeria

確かに誤魔化せないほど湿布の匂いがしてる。
そりゃそうだ・・・ついさっき貼られたばっかりだから当たり前。

まぁ、牧野にならいいかと思って、あの後階段から落ちて腰を強打したことを話した。
勿論牧野を送っていくように頼んだ時だなんて言わない。彼女がそれを気にしたらいけないから、ただ1階に降りようとしたら足を踏み外したって事にした。


「それで病院に行ったんですか?」
「ん、レントゲンは撮ったけど骨に異常は無くてさ。でも今朝は前屈みじゃないと歩けなくて、みっともないから裏口から入ったんだ」

「・・・それだけ?」
「それだけ?うん、それだけ。藤本にいつもの場所じゃなくて裏口で待機してもらって、肩貸してもらったらあんたが入って来たんだけど急にすっ飛んで行くからさ」

「・・・・・・あ、それは・・・だって」
「・・・・・・・・・?」


何故かモジモジする牧野の手には弁当の包み。
時計を見たら12時15分で、そろそろ食わなきゃ昼休みが終わってしまう。だから話の途中だったけど「ここで食えば?」と、前に一緒に座ったソファーを指さした。
初めのうち「とんでもない!」って首を振った牧野だけど、誰も食わない定食を廃棄処分するって言ったら素直に座った。

でも俺はここままデスクで・・・って自分の特製洋風ランチを見たら、牧野が嬉しそうにやってきてテーブルに運んだ。問題は俺がそこまでスマートに歩けるかって事だけど。


「あっ、そうか!肩貸しましょうか?」
「いや、藤本でも大変だったから牧野じゃ問題外だよ。大丈夫、このぐらい・・・」

「本当に?朝の様子だと無理なんじゃ・・・」
「いや、数歩でしょ?何でもないよ」


って言ったけど、内心凄く不安・・・牧野の前で腰も曲げたくないし、絶対に転けたくない。
意地と根性であそこまで歩いてやる・・・!執務室のソファーを睨んで、両手をデスクにつき、椅子を少し引いて・・・スッと立ち上がった。

・・・あれ?立てる。

じゃあ今度は歩く・・・しかも痛さを感じさせずに、顔も歪めずに、立ち止まらずに!そう念じて足を出した。

・・・あれ?歩ける。


キョトンとした牧野が待ってるソファーの横まで行くと、最大の難関は座る・・・だ。間違っても椅子に手を掛けて、爺さんのように座るなんて出来ない。
多分ここで痛みは来るだろうが、それを口に出さない・・・よし!気合いを入れてスッと腰を降ろしたら・・・

・・・あれ?座れた。


何でだろう?今まであれだけ痛かったのに?




*********************




朝のアレが抱擁ではなく介護・・・じゃない介助だとは思わなかった。
でも、今の専務は普通に歩いてる。
やっぱり朝のは抱擁だったんじゃないの?って疑問が再び湧いて来た。

だから目の前に座った専務が「どうかした?」って言ったことへの返事が「ホントに腰痛いんですか?」・・・しまった!と思ったけど遅かった。


「・・・ホントに痛かったんだよ。だから午前中に整体師に来てもらって、それで湿布してもらったんだから」
「そうなんですね・・・私、てっきり・・・」

「てっきり?」
「てっきり誰もいないから抱き合ってたのかと・・・・・・はっ!!

「・・・・・・・・・・・・」


ヤバいーーっ!!
今まで隠してきた心の声が漏れたーーっ!!



ほらほらっ!花沢専務が真っ青、いや真っ白になってる!
怒ってるって言うよりキョトン顔?!お願いだから瞬きぐらいしてよーーっ!

どうしよう、絶対に聞こえてたよね?なにか誤魔化せる?『抱き合ってた』に似た言葉は・・・似た言葉は・・・似た・・・

そんなもの無いってーーーっ!!


専務の顔を見ることが出来ずに頭を抱え込んで、おでこが膝小僧にくっつくぐらい体を折り曲げた。


「・・・あのさ」
「は、はいっ!!」

「何か勘違いしてる?ってか、どうしてそう思うわけ?」
「・・・だ、だって・・・
だって動物園でデートしてたじゃないですかっ!


こうなったらヤケクソ。もう全部言うしかないじゃない?!
だからバッ!と顔をあげて、お弁当の包みもそこに出して、ついでにハシビロコウのキーホルダーも机にバン!と置いた。
花沢専務は呆然・・・・・・・・ごめんなさい!恥ずかしい思いをさせるけど、でも反対しませんからっ!


「専務がGAYだって聞いた時は驚きました・・・しかもお相手が藤本さんだって知った時は信じられませんでした。
でも動物園で・・・あっ、あの日、本当は私、動物園に行ってました。このキーホルダーもお弁当袋もそこで自分が買ったものです!
あの日、動物園で仲睦まじい2人を見たら、それも愛のカタチだって思えたんです!だから毎日表で他の社員に見られるのが嫌になって、裏口でイチャイチャしながら役員室に行くようにしたんでしょ?」

「牧野・・・あのさ」

良いんですって!
言いたい人には言わせておけばいいんです!そりゃ日本はまだ理解してくれない国かもしれませんけど、そういう感情は誰にも止められないですから!出来たらもう少し歳が近ければ良いなってのは個人的意見ですけど、藤本さんにはそれを考えさせない魅力があるって事でしょ?!」

「牧野・・・だからさ」

判ってます!!誰にも言いません!
でも専務、私が言わなくても噂になってるんですよ?バレたく無かったらもう少しやり方を変えた方が良いと思います!し・・・社内ではこの部屋以外で抱き合わない方が良いと思います!余計なお世話ですよね、それも判ってます、でもっ!!」
「牧野!話を聞いてくれるかなっ!」


「・・・はい?」


うわ・・・初めて見る花沢専務の怒った顔。
イケメンが怒ると威力半端ない・・・その顔を見ていたら、何故か涙が・・・

あれ?なんで泣くんだろう、私。


そんな私を見て溜息ついた専務がハンカチ出してくれて、私の前に置いた。その後で怒った顔のまま腕組みして、額に手を当てて考え込んだ。
どうしよう・・・この後「見なかったことにしてくれ」って言われたら。


「・・・確かに俺も動物園に居たのにドライブって誤魔化したけど、これだけは言っておく」

「・・・・・・・・・はい・・・」


「俺、GAYじゃないし💢!!
もしGAYになっても藤本は選ばないから!!」






にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
応援、宜しくお願い致します♡
関連記事
Posted by

Comments 4

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/06/03 (Wed) 07:18 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、おはようございます。

コメントありがとうございます。

ははは💦バラしちゃいました!
これ以上引っ張るとこの2人がくっつきそうになかったので(笑)

ここらでGAYネタは終わらせて、そろそろ近づけて行こうかな~、なんて。
面白がって書いていたら、いつの間にか45話にもなっていたので💦

類君のシリアスが長かったからなんか調子に乗ってしまった・・・ヤバい💦


おぉ!中腰は要注意ですよね。
私はヘルニア持ちなんで、若い頃には4年間整体に通いました。
今では行かなくなったけど、それでも腰は怖いです・・・(類君には酷い事したけど)

2020/06/03 (Wed) 10:02 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2020/06/03 (Wed) 15:41 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あっはは!そんな無茶な!
そんなのネタがなくなるって(笑)
読みたいですか?藤本と専務のイチャイチャなんて💦怒られるでしょーーーっ!

判るよ・・・颯太とかも出したかったんでしょ?
でもさ、私が基本BL苦手だから無理ですって!
そろそろLOVE度をあげていかないとね~・・・ってまだまだあがらないとは思うけど💦

そうそう、恋は腰痛にも効果があるらしい。
藤本の介助じゃ全然ダメでも、そこに隠れた「恋心」があれば、腰も言う事を聞くようになるのよ。


この腰痛が新たな道を開くかも・・・。

2020/06/03 (Wed) 22:33 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply