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一乗寺を出る頃には雪も溶け始め、昨日門の前に飾られていた雪だるまも少し小さくなっていた。
お爺様は呆れたようにお婆様に「また遊んだのか?」と言ってたけど、お婆様の方は知らん顔。その様子が面白くてクスクス笑ってしまった。

そしてお土産で持たされたのはこの屋敷で漬けたというお漬物。
「美和子さんと考三郎のお相手にも渡して頂戴」とお婆様に言われ、私には本鼈甲牡丹螺鈿金蒔絵の帯留と簪のセットを・・・なんか凄い差があって驚くんだけど。
それを言ったら「出張手当みたいなもんです」だって。

でも総二郎は「良かったじゃん!」なんてお気楽で、ここで私達は2人と別れた。


車に乗ってお屋敷を後にする時、振り向いたらお婆様がまだ手を振ってる。
それを見たら思わず窓を開けて叫んでしまった。


「お爺様、お婆様~!また来ますからね~!
風邪引かないで下さいね~~!!」

「つくし、声デカい・・・」

その後でまさかの返事が返って来た・・・。


「西門の人間が車から叫ぶとは何事ですかーっ!
そんな行儀は許しませんよーーっ!!」



・・・お婆様だって大声で叫んでるクセに。それにまだ西門じゃないもん!
そう言いながら見えなくなるまで手を振り続けた。



車が出てから数分後、どこに行くのかと思ったら銀閣寺だった。
私が初めてだからと言うことと、前崎さんとの待ち合わせが午後だかららしい。


「ホントは名所が多いから2~3日かけて案内したいところだけどな」
「ちょっとだけでもいいよ~、さっきお婆様にまた来るって言ったもん!その時に他の場所に連れてってよ。季節が違うと風景も違うでしょ?」

「まぁな。じゃあ今度は桜の季節か・・・今から行く銀閣寺前にも桜がすげぇ咲くんだけどな」
「そうなんだ~!楽しみだなぁ♡一乗寺に泊まるなら見られるね?」

「今度はホテルにしないか・・・?」
「やだ!一乗寺が良い!」


道を歩く人達はみんな寒そう・・・でも、私は凄くホクホクしていた。
だってこれもデートじゃない?この時間だけは・・・他の事を考えなくてもいいよね?


「銀閣寺は正式名称を東山慈照寺ってんだ。室町8代将軍である足利義政が造ったヤツで金閣寺、西本願寺の飛雲閣とあわせて『京の三閣』って呼ばれてる」

「銀閣寺なのに銀色じゃない・・・」

「あぁ、当時は銀箔を貼る予定もあったなんて説もあるけど、貼られた形跡はないらしい。その理由なんて今となっちゃ判んねぇけどな。金閣寺に因んで付けられたんじゃないかってのが本当じゃねぇかな」


黒っぽい屋根に白い雪・・・モノトーンの世界だけど、総二郎は暫くそこの石庭を眺めていた。
こういう時の総二郎はホントに綺麗・・・・・・なのは良いんだけど、後ろから聞こえてくる声の方が気になるんだけど!

「so gorgeous!」「Good-looking♡」
「hot and sexy ~!」「mature and sexy ♥」・・・Sexyだけは私にでも聞き取れる。
振り向いたら外国人の女の子達が立ち止まって、石庭じゃなくて総二郎を見てる?!


「総二郎、次行こう!」
「は?もう行くのかよ」

「行くのよ!あんたが観光されてどうすんのよ!」
「あぁ、そういう事?それならどこに行っても同じだろ」

「自惚れ屋!」
「いいじゃん、自分の男がモテるんだぞ?自慢しろ、自慢!」


とっとと武田さんが待ってる車に押し込んで、この後は金閣寺に向かった。

ここは正式名称鹿苑寺。
室町3代将軍足利義満の法号・鹿苑院に因んで付けられたそうだ。
1950年に放火により焼失、1955年に再建されて1994年には世界文化遺産に登録されている・・・ここでも総二郎の解説付きでぐるっと一周回った。

やっぱりここでも聞こえてくる声・・・チラッとみると若い女の子達が総二郎を見てキャアキャア言って、私の事を「似合わない~!」だって💢!
言われ慣れてるから別にいいけど!って口を尖らせたら、総二郎が私の肩を抱くように後ろから引っ付いて来た。そして私の右肩に顎乗せて、耳元で「こっちのが雪溶けてんなぁ~」って。


「・・・ちょっ・・・人が見てるわよ!」
「見せてやってんじゃん。左の男がお前を見たからこうでもしないと」

「・・・私を?」
「お前まで見なくていい。前を見ないなら大勢の中でキスするぞ!」

「・・・バ、バカッ!!」


背中が温かい・・・でも私の左側にはそんな男の人なんて居ないのに。
ヤキモチ焼いたフリして、私を庇ってくれたんだ?

さっきの女の子達が「ホントに彼女?」なんて言いながら何処かに消えて行き、総二郎に「もう離れていいよ」って言ったのに「イヤだね」って・・・。
結局この体勢で雪を被った金閣寺を見たけど、耳に掛かる総二郎の息が気になって記憶に残らなかった・・・。


暫くして駐車場に戻ったら、武田さんが手を振ってる。
時計を見ると、もうお昼前・・・それを知った途端にお腹が鳴った。それを総二郎が聞き逃すわけはない。


「くくっ、腹減ったな。武田さんも一緒に飯食おうぜ」
「うわぁ~~い!」

「えっ?私もですか?いやぁ、総二郎様となんて緊張しますから遠慮しときます」
「ダメダメ、武田さん!私に京都の話を聞かせて下さい~!」

「嵐山の店に予約入れるわ」


今度はそこまで車を走らせて渡月橋の近くでお昼ご飯を食べた。
武田さんの京都弁は優しくて、総二郎も気を許してるのか会話が止まらず楽しかった。
でもそれはこの先待ってる話合いの重苦しさを考えないようにするため・・・私には総二郎の笑顔が少し態とらしく見えていた。



**



「それじゃあ、お気をつけてお帰り下さいませ、総二郎様。牧野様もまた京都にお越し下さいね」

「はい!武田さん、色々お世話になりました」
「先代達のこと、宜しく。武田さん」

「いやいや、私なんかよりお元気ですから」


そう言って武田さんと別れたのは午後3時の京都駅前だった。
ここにあるホテルの一室で前崎さんと会う約束をしているらしい。
自宅に行こうかと思ったけど、内容を伝えると「外で会いましょう」と前崎さんの方から言われたみたい。総二郎曰く、「西門が訪ねることで何か不都合があるのかもしれない」って真面目な顔で言われたから不安が高まる・・・。


「心配しなくてもいいって。つくし、先にあの店に行こうぜ」
「お店?なんの・・・えっ!」

「もうすぐお前の誕生日だからな」

総二郎が部屋に行く前に連れて行ってくれたのはホテル内にあるジュエリーショップ。
そこに入ると店員のお姉さんに何かを頼んで、「俺が戻るまでこの店から出るなよ」と言って出ていった。


「・・・・・・うそっ、私にここで何をしろと?」
「お嬢様、それではこの中からお選び下さいませ」

「はっ?」
「お連れ様からのプレゼントのネックレスですわ。こちらがダイヤモンドとタンザナイト、こちらがターコイズ、それからラピスラズリですの。いずれも12月の誕生石ですのよ」

「・・・・・・き、綺麗ですけどお値段が・・・」
「それは先程お支払いいただきましたけど」

「えっ?!」


さっき話してたのはカードでの支払いだったみたい。
その金額内で好きなものを選ばせろって・・・どんだけ支払ったのよーーっ!!




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2020/06/04 (Thu) 12:24 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

京都のお漬物、美味しいよね~~!
この前行ったときもお土産は漬物にしたわ(笑)

後は「京ばうむ」。これが好きでね(笑)


銀閣寺の前はすっごい桜が綺麗なんですよ♥
小さな川があって、その両脇に桜があるの。子供が住んでたから、毎年桜の写真を送ってもらってました。
私も修学旅行、京都だったけど太秦の映画村に行った(笑)

うんうん、顎乗せってなんか憧れるのよね♥
バックハグには付きものよね~~~~♥

2020/06/05 (Fri) 00:00 | EDIT | REPLY |   

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