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福岡入りして2日目、こっちでの支部会が始まる1時間前までは俺の機嫌は何気に良かった。
昨日のつくしの笑顔を思い出して・・・「私は待っています」・・・なかなか可愛いところもあるよな、なんて。

その時に鳴った電話・・・相手は西門だけど、親父でもお袋でもない。
家からの連絡が付き人や弟子にかからず、直接俺にかかるなんて滅多にないんだが・・・?
そんな事を思いながら電話に出た。

その内容を聞いた瞬間・・・それまでの浮かれた気分はどこかへ飛んでいった!


「何だって?もう一回言ってみろ!・・・司がどうしたって?」

『あ・・・あの、道明寺様が急にいらっしゃいましてつくし様と玄関先で言い争いになりまして・・・とにかく恐ろしくて
お止めすることも出来ませんで見守っておりましたら、いきなり道明寺様がつくし様をを連れて出て行かれたんです!
お借りしますとのことで・・・家元にはお伝えしたんですが、総二郎様にもお話しするように言われまして・・・』

「馬鹿か!あいつはモノじゃねぇよっ!貸してどうすんだっ!・・・で?司はあいつをどうする気だ?何処に行くって
言ってたんだ?道明寺家には聞いてないのか!?」

『それが何も言われませんでしたので・・・。しかもつくし様は何も持たずに行かれたんです。裸足のまま・・・』

裸足のまま?どんなカッコで捕まったんだ?
司のヤツ、一体何考えてんだ?西門の嫁をこの俺に無断で連れ出すとは勇気あるじゃねぇかっ!
しかし・・・相手はあのつくしだ。さすがの司でもあいつの相手にはならないんじゃねぇか?
常識的であって非常識・・・いや、常識範囲外だからな。2人共だけど・・・。


『ど・・・どうしましょう!私どもではもはや手が出せないお方です!総二郎様、ご指示いただけませんか?』

「手が出せないお前達に出す指示はねぇよ!・・・こっちで何とかする。そっちで何かあったらすぐに俺の携帯に連絡しろよ!」


まったく、何がしたいんだ!パーティーでの仕返しか?子供じゃあるまいし!

司のスマホを鳴らしたけど当然だが・・・出ない。人妻を拉致ってといてなんてやつだっ!
こうなったら仕方がない・・・まだ日本にいるはずのあきらに連絡をした。
人を探させるならこの家に頼めば日本で一番早いはず!・・・警察よりは断然動きがいいからな!


『総二郎?こんな時間に珍しいな!どうしたんだ?』

「あきら!お前、司知らねぇか?あいつ、つくしを拉致ってどっかに逃げたんだよ!悪いんだけど探してくれねぇか?
西門の弟子達じゃ司にビビって何も言えなかったらしくて、目的も行き先もわかんないまま連れて行かれたんだ」

『はぁ?司がつくしちゃんをか?・・・俺は知らないけど確か司って今婚約寸前じゃなかったか?もうしたのかな・・・。
あの大河原って企業家の一人娘・・・そんな情報上がってたぞ?』

「そうなのか?そんな話しはどうでもいいよ!俺は今、福岡で身動き取れねぇんだ!」

婚約寸前の男が親友の嫁を連れ出すとは・・・!
尚更意味がわかんねぇよ!

『了解・・・うちのシステム使って調べればいいんだろ?仕方ないから探してやるよ。すぐに見つかるだろう。
あいつが動けば目立つから・・・お前も新婚早々苦労してんだな!また連絡するよ』

あきらに頼めば半日かからないだろう。
でも、まさか司があのつくしに手を出そうなんてするわけはないしな・・・なんと言っても司はつくし並みの素人だ!
自信がある!あの二人は絶対にデキない!賭けてもいい!・・・今時の小学生の方がまだマシだ!
この俺の技をもってしてもデキなかったことを司が一回でクリアしたら拍手して褒めてやるよ!


待てよ?・・・素人同士ってどうなんだ?もしかして、上手くいくんじゃね?
・・・いや!やっぱりダメだ!絶対に有り得ない!絶対に無理なはずだっ!

俺の頭の中にパジャマ姿のつくしが浮かんだ・・・あの日のように潤んだ眼をしたつくし・・・。
そのパジャマに手を伸ばす司の手が見えるような気がして・・・!


「総二郎様・・・お電話鳴ってますよ?」
「えっ?!・・・あぁ!悪いな・・・考えごとしてて・・・」

あー・・・びっくりした。もの凄い場面を想像していたら電話の音にも気がつかなかったなんて・・・。
画面を見たら・・・あきら?スゲー早いんだけどっ!さすが美作だな・・・。


「あきら?まだ30分も経ってないのにわかったのか?・・・つくしが見つかったのか?!」

『つくしちゃんは知らないけど、司は見つかったぞ。Mホテルのスウィートにいるけど?』

「はっ?ホテルのスウィートだって?!・・・マジで?!」

『あぁ、間違いはないよ。今日そこで道明寺と大河原の食事会が行われるらしい。わかってるのはそこまでだな!
それじゃあ、この後は自分でどうにかしてくれ。俺はこの後忙しいから・・・じゃあなっ!』

「あっ・・・おいっ!あきらっ?!ちょっと待てっ!」


******


くっそー!あいつ、自分の女の方をとりやがったな!・・・こうなったら暇人を送り込んでやる!!
あいつなら100%家で寝てるはずだっ!問題は寝過ぎて電話に出るかどうかだけど・・・。
いや、非常事態だ!起きるまで鳴らし続けてやる!!

そして鳴らし続けること10分!マジで根性入れて寝てるな?!


『もしもし・・・何なの?総二郎・・・しつこすぎるよ・・・俺、日本にいるときは基本寝てたいんだけど・・・』

「類・・・頼みがある!いいから取り敢えず起きろ!親友の非常事態だ・・・目は閉じててもいいから耳だけは貸せ!」

こいつはあきらほど頼りにはなんねーけど、情報掴むことぐらいは出来るだろう。
しかも変な所で頭がまわるからもしかしたら万が一でもひょっとしたら役に立つかもしれない・・・。
限りなく夢に近いかもしれないが・・・。


「司がうちのつくしをMホテルに監禁してるんだ。お前行って様子を見てきてくれないか?
今日そこで大河原との食事会があるらしいんだが、司が何かの理由でつくしを利用しようとしてるんだ。
お前、行ってそれを止めてくれねぇか?・・・おい!聞いてるか?」

『・・・面倒くさそう・・・』

「面倒くさがるなっ!友達だろうがっ!・・・俺が行けないんだからこうやって頼んでるんだよっ!
早く行ってつくしを取り戻して西門に送り届けてくれ!どうせ、暇してんだろ?少しは動いてみろよ!」

『よく言うよ・・・あきらに振られたんでしょ?よくわかんないけど行ってみる。・・・Mホテルね・・・』


大丈夫か?こいつ・・・無茶苦茶心配だけど?まさかこの後再び寝るんじゃないだろうな・・・!
まぁ、取り敢えず類にMホテルに行ってもらってつくしを何とか取り戻さねぇとな!
万が一司が暴走しても類なら止められるだろう・・・いや、無理か?

「君子危うきに近寄らず」・・・類の為の言葉だ。でも一緒になって燃え上がるタイプじゃねぇし・・・。


ホントに困ったヤツらだ!やっぱり司とあいつを会わせるんじゃなかった!
まさか次の日に問題起こされるとは思わなかった・・・!絶対に俺がいないことを知っててやりやがったな?



「総二郎様・・・福岡支部会が始まりますのでこちらへどうぞ・・・」

「あぁ、わかった。すぐに行く」

頭の中はつくしでいっぱいだったけど嫁をもらって初めての仕事・・・
どうしても抜けるわけには行かなかったんだっ!

福岡の仕事を入れたヤツ・・・帰ったら一発蹴り入れてやる!


********

<その頃の東京・Mホテル>

「おい!ここでちょっと待ってろ!・・・準備してくるから・・・どこにも逃げるなよ!」

「はぁ?!ここで何をする気なのよ!変な事したら許さないわよ!・・・ちょっと!聞いてるの?」

道明寺さんは私をこのホテルの最上階に置いたままどこかへ消えていった・・・。
冗談じゃないわ!このままおとなしく捕まってるわけないでしょう?・・・子供じゃないんだから!
ホテルのスリッパってのが気にはなるけどそんな事は言ってられないわ!

私はこのホテルに全然似合ってないまるで不審者のような格好でエレベーターに乗って下まで降りた。
途中、乗ってくる人が思わずエレベーターを降りるほど・・・。ヨレヨレのTシャツにジーンズだものね・・・。
いや、いいのよ・・・今は逃げる方が先決よ!



そう思ってロビーまでコソコソと行ったけど・・・そこで見たものはっ!!

「何なの・・・これはっ!!季節感も何もないじゃないの!おまけにこの配色の悪さ・・・耐えられないわっ!
ちょっと!ここの支配人はどなたなのっ!支配人はっ・・・!」


大声でロビーで叫んだら支配人じゃなくて警備員が来た・・・。
今度は道明寺さんじゃなくて警備員に取り押さえられてホテルの奥に連れて行かれてしまった!

「ちょっと・・・何すんのよ!私はただ注意をしたかっただけなのよ・・・手を離してよっ!」
「わかったから静かにして・・・奥の部屋で話を聞くから・・・」

「話があるのは私の方よっ!こう見えても不審者じゃないわよ?誰かっ・・・」

誰を呼ぶの?道明寺さん?それはまずいでしょ?逃げてきたのに・・・総二郎さんはどう考えても来てくれないし。
いろんなことを考えてたら・・・すでに警備室の椅子に座っていた。


「で?・・・あんたは誰?」

目の前の警備員は呆れた顔で私を見ている・・・。
どうしよう・・・こんなところで「西門」を出しても怒られないのかしら・・・。

足のスリッパが余計に不信感満載で・・・せめて靴を履いてくれば良かったわ・・・。



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Comments 6

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2017/07/01 (Sat) 12:40 | EDIT | REPLY |   
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2017/07/01 (Sat) 13:22 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは

えみりん様、こんにちは🎵

暑いですよね?結局雨って少ないですよね?
わたしが住んでるところだけ?
梅雨はどこへ行ったのかしら?

司君はやることが単純だから!この話の司君は意外と可愛い設定なんですよ!つくしちゃんが今度はどこへいくかな?って感じです。

あ、いつになく腑抜けた類が明日は登場!

こんな類君は私も新鮮ですわ。
さて、いまからは後半です!お笑いは少なくなるかも。

いや、どうだろう。
まだ、いい場面にもなってないし!

しばらく総二郎が出ないかな?
まあ、司君で楽しんでくださいませ!

今日もありがとうございました。

2017/07/01 (Sat) 16:06 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

わんこ様、こんにちは‼

もう、なにをしてるんでしょうね!この人達は‼
まあ、想像どおりなんですけど。
笑い話だから予想しやすいでしょう?

でも、また一騒動あるんですよ。
総二郎が一番可哀想ですけどね。あはは~❗
役に立たない類も書いてて楽しいですわ。

明日は類目線のお話です。

お身体、大丈夫ですか?
背中は困りますね❗お大事にしてくださいませ。

今日もありがとうございました🎵

2017/07/01 (Sat) 16:15 | EDIT | REPLY |   
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2017/07/03 (Mon) 13:57 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様!今晩は!

そうなんですよ・・・。
私もゾクッとしたんですよ。こんなお話しなのに
司君とつくしちゃんを想像して・・・あきつくですら死んだのに・・・。

どうしてもこんな感じの類君を出したかったんですっ!!
いつになく頼りない・・・やる気のない類!

たまには自分の中で変身させてもいいかな、と・・・。

総二郎をまたまた苛めてる私ですが・・・。
遠くでイライラする総二郎も可愛いかと思いまして!

まぁ、半分まで過ぎましたけど残りも楽しんでくださいませ!

2017/07/03 (Mon) 20:30 | EDIT | REPLY |   

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